目次
はじめに
コンサルは就活生に大変人気の業界ですが、皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか。巷では特に外資系のコンサルティングファームに対して、優秀な人材・速い成長速度・高い年収などといったプラスのイメージから、激務・過度な実力主義などマイナスのイメージまでさまざま飛び交います。しかしその一方で、彼らが実際に日々どのような仕事をしているかを知っている人はそう多くないでしょう。
彼らがクライアントに提出する資料の多くは機密事項のため見ることはできませんが、実は官公庁が発注している入札案件の中には一般に公開されているものもあります。これらの資料にはコンサルタントの叡智が凝縮されているため、彼らの課題解決能力の高さをうかがい知ることができます。こうした高いアウトプットレベルを背景に彼らが1000万円代で案件を落札することはざらにあり、例えば以下の案件ではA.T.カーニーが5000万円超で落札しています。
そこで今回は、コンサルティングファームやシンクタンクが実際に官公庁に提案・採択され、作成された調査資料30種類を一挙にまとめました。コンサルに求められるアウトプットレベルはどの程度のものなのか、ぜひご覧ください。
戦略コンサル編
マッキンゼー・アンド・カンパニー
我が国製油所の国際競争力
日本の製油所について規模・稼働率・資本収益性の観点から分析している資料です。世界の石油需要に関する分析や日本の製油所に関する今後の展望についての記述もあります。
諸外国における介護人材確保の動向確保に向けて
主要先進国における介護従事者の状況についてまとめたうえで、各国の介護従事者確保に向けた施策を紹介しています。
ボストン コンサルティング グループ
情報通信審議会 情報通信政策部会 第2回 新事業創出戦略委員会
グローバル市場に対して日本企業が現在抱えている課題を浮き彫りにし、将来の方向性について述べています。
平成30年度商取引・ サービス環境の適性化に 係る事業
サービス産業内のソーシャルビジネスの位置づけが示され、今後ソーシャルビジネスがどのような役割を果たしていくのか分析されています。
ベイン・アンド・カンパニー
Altagamma 2014 Worldwide Markets Monitor(英語)
イタリアのアルタガンマ財団に対して、世界におけるラグジュアリー製品市場の動向を分析した資料です。
なお、アルタガンマ財団とはファッション、デザイン、ジュエリー、ホスピタリティー、フード、スピード、ウェルネスの分野にて、イタリアンエクセレンスを代表する企業を支援する目的で1992年に設立された団体です。
2011 China Luxury Market Study(英語)
中国のラグジュアリー市場に対する調査資料です。トレンドに関する分析や、中国における高級ブランド展開に対する示唆も含まれています。
Management Tools and Trends 2009(英語)
さまざまな国の会社経営陣がどのようなマネジメントツールを活用し、経営をしているかをまとめた資料です。
A.T.カーニー
新たなコンビニのあり方検討会
今後のコンビニのあり方について、さまざまな観点から定量的に分析を行っています。
これまでの検討内容とクール・ジャパン戦略のねらい
クール・ジャパンの現状、課題、進展などが網羅的に詳細まで分析されています。
ローランドベルガー
ファッションデザイナーと繊維産地との連携促進に資する ITプラットフォームの有効性 に係る実証事業
ファッションとITという一見関係性の薄い二つの分野がどのようにして関わりあっていくべきであるか記載されています。
クリエイティブ産業海外展開強化にに向けた調査報告書
クール・ジャパンの海外展開における過去の成功例についてその要因を分析し、それを基に今後の効率的かつ効果的な海外展開のためのポイントや必要とされる政策支援などをまとめています。
アーサー.D.リトル
自動車部品産業の変遷に関する調査
日本の自動車部品産業の現状調査や調達に関する分析を行い、将来的にこちらの産業がどのように変化していくべきであるかについて示されています。
「根本治療の実現」に向けた適切な支援のあり方の調査
「根本治療」の現状を分析したうえで、具体的にそれを実現するためにはどのようなことが重要になるのか示されています。
平成21年度産業技術調査事業
類似の目的を有する複数の研究開発事業を整理した上で、今後の研究開発の企画立案等を支えるモデル作成を目的としたプレゼン資料です。
少子高齢社会における我が国の持続的経済成長のための 社会システムに係る調査
少子高齢社会である我が国が、その社会に対してどのようなシステムを構築すれば持続的な経済成長が可能であるか示されています。
総合コンサル編
プライスウォーター・ハウス・クーパース(PwC)
平成30年度電力需給・ 系統等関連調査(今後の電力系統と送 配電事業の在り方に関する調査) 調査報告書
平成30年度における電力供給や系統について総合的な分析を行っています。
平成30年度戦略的基盤技術高度化支援事業に係る 事業化率向上に向けた支援事業
戦略的基盤技術高度化支援事業の現状を鑑み、各支援機関の関係者による企業の事業化率向上に向けた高度化・スキルアップを図り、ひいては関係機関の人材を育てることで、企業の事業化の推進を図る方法についての提言を行っています。
アクセンチュア
保安力の維持・向上を目的とする基礎調査
石油や高圧ガスについて、それらが安全かつ安定して供給されるための調査が行われています。
平成30年度新エネルギー等の保安規制高度化事業
データ利活用仮説に対する簡易的な実証を行い、次年度以降の本格実証、データ分析システム構築に向けた要件定義/オープンデータ化を検討しています。
平成29年度石油精製等に係る保安対策調査等事業
石油精錬における保安対策のためのデータ活用について分析・提言しています。
デロイト トーマツ コンサルティング
IoTを活用した新市場創出促進事業
で訪日外国人・地域事業者がより利用し易い情報連携基盤を構築することにより、データ利活用による新商品・サービス開発、キャッシュレス決済環境の向上等を提案しています。
海外における自動車関連情報の利活用の状況について
自動車関連情報を活かしたサービス事例、及びITを利用した自動車関連手続きについて、世界各国の事例を元にまとめられた資料です。
経営共創基盤
科学技術とビジネスの統合化がもたらす変革
AI&ビッグデータ時代の到来の中で、その先のプラットフォーマー化への展開をどう後押しするかについて述べられた資料です。
我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る 高等教育機関の今後の方向性
ローカル経済圏における労働力不足を解決するために、高等教育機関をどのように改善していくべきかを述べた資料です。
シンクタンク編
野村総合研究所
APECビジョン研究会の運営を通じたアジア太平洋地域のビジョン形成にかかる国際経済調査事業
APECにおけるビジョン形成の論点を明確化したうえで、APECビジョン研究会の運営方法についてまとめています。
新興国におけるスマートシティ開発のニーズ及び 日本の自治体・企業の参画可能性に係る調査研究
日本国内におけるスマートシティの調査を行い、将来的な課題を分析しています。
三菱総合研究所
4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合
総務省によって2013年に策定された4K・8Kロードマップを踏まえ、テレビ市場に関する分析と今後の展望について述べている資料です。
スマートメーターのデータ活用の促進等に関する調査
スマートメーターと呼ばれる新型の電力メーターのデータ活用方法について分析されています。
日本総合研究所
平成30年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業
2040年のあるべき社会像(生涯現役社会)の実現に向け競争力強化に係る調査と、 効果的なヘルスケアベンチャー支援を実現するワンストップ相談窓口に求められる具体的な機能要件を調査しています。
終わりに
いかがでしたか。ご覧いただいた提案はどれも質の高いものばかりで、「優秀な人が論理力を武器に鋭い提案を行い高いフィーを得る」といった華やかなイメージが先行するのもうなずけます。しかしその裏にあるのは膨大な量の調査・分析と洗練された思考であり、激務を伴うのも納得できるでしょう。
皆さんがもしコンサルタントになったら、こういった質の高いアウトプットを要求され、その期待に応えるべく新卒入社一年目から奮闘することとなります。ぜひ今からイメージをふくらませながら、就職活動に取り組んでください。
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