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コンサルは働きすぎて体を壊す?
外資就活ドットコムOB訪問企画、現役外資系コンサルタントへのインタビュー第2回です。
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今回はコンサルの役割や働き方について切り込んでいます。働きすぎて体を壊す、メンタルを病むなどと揶揄されることもあるコンサルですが、はたして実態はどうなのか、ぜひ参考にしてください。
コンサルの役割は「聞く、まとめる、分かりやすく伝える」
――そもそも、コンサルティングファームの仕事とはどんなものでしょうか?
Aさん : 端的に言うと、「企業が意思決定をする際に参考になるような材料を経営陣に提示すること」だね。具体的に企業は意思決定の際にSituation・Complication・Resolutionという3つを把握しなくてはならない。
Situationは、現在の状況だね。自分の会社がどうなっているのか、競合他社がどんな動きをしているのか、顧客が何を求めているのかということを指す。
Complicationは問題点のこと。自分の会社はなぜうまくいっていないのか、その原因は何かということ。
そして、Resolutionは解決策。自分が抱えている問題を解決するためにどのような戦略・施策をとるべきなのか。
コンサルっていうのは、このResolutionの部分を決めるための仕事だよ。もちろんそのために、SituationやComplicationを明確にするのも仕事の一環なんだけどね。
――少し難しいですね。もう一歩、噛み砕いていただけますでしょうか。
Aさん : そうだな、結局僕たちコンサルタントはその会社の社長さんと現場の人間をつなげるのが仕事といえる。
なぜかって、 会社が抱える問題のComplicationやResolutionはたいていの場合現場で働いている人がすでに知っているから。 答えは現場にあるんだよね。
ただ、社長さんはじめ経営陣の人は現場で起きていることはなかなか分からないし、逆に現場で働いている人は問題点とかを知っているけどそれを直接経営陣に言う機会なんて普通はない。
だから僕らが現場の話を聞いて、そこで手に入れた情報を分析してうまくまとめて分かりやすく上の人間に伝える。言い方が悪いかもしれないけど、言ってしまえばコンサルってただそれだけの仕事なんだよね。
だから、よく「 ついこの前まで学生で、ビジネスの仕組みも現場も知らない1年目のコンサルタントをプロジェクトにアサインさせて、いったい何ができるんだ!? 」ということを様々な人から言われたり質問を受けたりするんだけど、コンサルタントの仕事って「現場の話を聞く。それをまとめる。上の人に分かりやすく報告する。」だけなんだから、これだったら1年目でも出来るでしょ?
コンサルって別に何かすごいことをやっているわけじゃない。
どうやって実行させるか、常に考えている
――「コンサルは提案だけして実行しない」とよく揶揄されますね。この点はどう受け止めていますか。
Aさん : それは事実だし、僕個人としてはコンサルっていう仕事のそういう部分に不満を感じている。だけど「提案だけしてあとはクライアントの判断次第だから関係ないよ」とは一切考えていないよ。
いくら良い提案をしても実行させないと意味がないのは十分わかっているし、どうやって 僕らの提案をクライアントに実行させようか ということは常に考えている。
それは僕だけじゃなくて、少なくともうちの会社で一緒に働いているコンサルタント全員は意識していることだね。でもそれって本当に難しい。
例えば、バンジージャンプを飛んだら1000万円貰えるっていうチャンスがあるとするよね。でもいまチャンスを与えられているX君は高所恐怖症でバンジーを飛ぶことができません。さあ僕はどうやってX君にバンジーを飛ばせようか?
こういうのってもどかしくて、僕は高所恐怖症じゃないし、バンジーを飛ぶだけで1000万円貰えるんだから、もし自分にチャンスが与えられればすぐに飛べちゃう。でも今チャンスを与えられているのはX君で、なんとか彼に飛んでもらわなきゃいけない。
こういう状況ってイライラするよね(笑)。なんでこんな簡単なのに早く飛ばないんだ、って。でも強引にX君を落とすわけにもいかないから、飛んでもらえるようになんとか説得しなきゃいけない。
こういう時に戦略コンサルタントがどうやって説得するかっていうと、「ここから下までの高さは××メートルあって、あなたの腰についているゴムは△△メートルです。○○メートルゴムが伸びるとしても、下まではかなり余裕がありますから大丈夫です。あと、同じようなことが行われた海外の事例を調べると、今まで1度も失敗したことがないそうです。だから大丈夫ですよ!」って感じで言うわけ。
――実行支援型のコンサルティングファームとは説得の方法が異なるということでしょうか。
Aさん : ちょっと違う。
さっきのバンジーの例で説明すると、実行支援型のファームは「僕らは過去に同じようなバンジーを飛んだ人を近くでたくさん見てきました。その経験から言うと、こういうパターンのバンジーでは一回も失敗したことないですよ。だから絶対大丈夫!僕らが言うんだから間違いないですよ。ほら、一緒に飛びましょうよ!」って感じでX君を説得する。
だから実行支援型のファームはとにかく経験が大事。その積み重ねでクライアントを動かすわけだから。
コンサルタント4人中3人が入院した
――コンサルタントとして働いて、得られるものとは何でしょうか。
Aさん : うーん、分かりやすく例えるならば、得られるものは筋肉かな。コンサルタントの日々の仕事は筋トレ。毎日毎日が厳しくてすごく鍛えられる。
ただ、 たしかに筋肉って何をやるにも必要なんだけど、筋トレしまくって極めたところでさてどうなの? という部分がある。だから、数年筋トレを続けた後たくましくなった筋肉を使って他のことをやる人が多かったりするよね。
なかには筋トレ自体が好きになってボディービルダーになっちゃう人もいるけど。そういう人が「筋肉の鍛え方」みたいな本を出したりしてさ(笑)。
――普段、一日何時間くらい働いているのでしょうか?
Aさん : プロジェクト次第だね。それで全然違ってくる。
――特に繁忙期となるとどのような様相なのでしょうか。
Aさん : どれくらい忙しいかなんて時間や言葉じゃ言い表せないけど、 昔プロジェクトチームのコンサルタント4人中3人がぶっ倒れて入院した なんてことがあったなあ。
――え!何があったのですか?
Aさん : 間違いなく精神的なプレッシャー。大事なプレゼンの前にプレッシャーがかかるのは当たり前だけど、普段の資料作成から神経をすり減らす作業ばかりで辛い。クライアントは僕らのためにかなり高いフィーを払っているんだよ。
もし自分が作る資料のたったひとつの数字の打ち間違いが原因で事業がうまくいかなかったら、クライアントはフィーどころかもっと大きな金額もパーになってしまう。それでもクライアントは高いお金を払って僕らを信頼してくれているんだからミスはできないよね。
そういう意味で常に精神的なプレッシャーはのしかかってくる。
それだからか、 投資銀行の人は働きすぎでフィジカル面に問題を抱えて入院する人が多いんだけど、コンサルはメンタル面をやられて入院する人が多い 気がするなあ。
――そこまでして働く魅力がコンサルにはあるということでしょうか。
Aさん : いや、実を言うと僕にはそんなモチベーションはないよ(笑)。現在は健康を維持しているが、もしも身体を壊したらすぐに辞めるだろう。とはいえやはり業務自体が魅力的という点は否めない。
仕事をしているときは本当に辛くて、このプロジェクトが終わったらコンサルなんて辞めようって毎回思うんだけど、いざ終わってみると、あぁ楽しかったなあ、あと1つだけやってみようかな、あと1つだけ、1つだけ……とズルズルやっていて。気づいたら随分長くコンサルタントをやっている。
(続く)
おわりに:コンサルはハードワーク
本当にハードワークであることが伝わるお話でしたね。次回は、「コンサルタントとして優秀な人とは?」というテーマについてお話を伺います。主に皆さんも気になるであろう地頭を鍛える方法を現場目線から紐解いていきます。ぜひご覧ください。
(次回記事 地頭・コミュ力を鍛えるたった2つの簡単なやり方-現役コンサルタントにインタビュー(3))
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