IT業界の分類を徹底解説！【後編】クラウド・ソフトウェア・ハードウェア・通信編

皆さんこんにちは、外資就活コラムチーム ryoです。

現代社会のあらゆる産業やサービス、人々の生活を支えているIT。
そのようなIT領域においてビジネスを展開し、社会のインフラとして活躍するIT業界は就活生や転職希望者から大きな注目を集めています。

しかし、一言で「IT」と言っても提供する商品やサービスは多岐にわたり、それらによって分類分けすることが出来ます。
それぞれの分類によって、業務内容や職種、身に付けることが出来るスキルは大きく異なるため、入社後のミスマッチを防ぐためにも各分類について正しく理解することは大変重要です。

そこで今回はIT業界の7つの分類について各分類の動向から当てはまる企業まで徹底解説していきます。
尚、本コラムは前編と後編に分けて解説しています。
「前編をまだ見ていない」という方は、以下のリンクよりお読みください。
「ITコンサルとSIerの違いは？」IT業界の分類を徹底解説！【前編】ネットビジネス・ITコンサル・SIer編

尚、今回の記事につきましてもIT業界徹底研究 就職ガイド2023年版 – 日経BPを参考に作成しています。

IT業界の各分類について

それでは前編の続きの各分類について、概要と当てはまる企業について詳しく見ていきましょう。
尚、各企業の募集職種については年度などにより変動する可能性があるため、詳しくは各社採用ホームページをご覧下さい。

クラウドサービス

クラウドサービス企業は、パソコンなどで個人が利用しているアプリケーションをネットワークを経由してサービスとして提供している企業です。
利用者は、クラウドサービス企業が提供するアプリケーションのサービスを、サブスクリプション形式などの料金体系で必要な分だけ利用出来ます。

クラウドサービスは主に以下の3種類に分類されます。

これらの分類は、クラウドサービスを事業として展開している企業の選考を受ける上で必ず理解しておく必要があります。

クラウドサービス企業のキャリアの特徴として、エンジニアサイドでの採用の場合、提供しているクラウドに関する知識を深めつつ、ユーザーがクラウドを利用する上で生じる課題の解決や、ユーザーに対してより良い利用方法の提案などを行っています。
エンジニアの中でも技術寄りの職種や、顧客寄りの職種などがあるため、自身が思い描くキャリアプランから逆算して職種選択を行うことが重要です。

一方、営業サイドでの採用の場合、自社が提供するクラウドサービスの提案を行います。
クラウドサービス企業はAWSやマイクロソフト、セールスフォース・ドットコムなどといった外資系企業が多いため、営業職希望で且つ、「年次関係なく成果を挙げてどんどん昇進していきたい」と考えている方にとっては最適な環境とも言えます。

【企業例と募集職種】
・AWS
クラウドコンピューティング技術を利用したウェブサービス会社で、190か国の100万以上、日本国内では10万以上の顧客に利用されています。
世界中のデータセンターから 200 以上のフル機能のサービスを提供しており、大企業、主要な政府機関なども顧客の中に含まれています。

（新卒採用 | AWS Japan Recruitmentより）

・マイクロソフト
ソフトウェアおよびクラウドサービス、デバイスの営業・マーケティングなどの事業を展開しています。

（募集要項 – 日本マイクロソフト新卒採用情報 – Microsoft College Recruiting Informationより）

ソフトウェアメーカー

ソフトウェアメーカーはソフトウェア製品の開発や販売を行っている企業です。

企業情報システムにおける重要なソフトウェア製品の例として、OSやデータベース管理ソフト、業務パッケージソフトが挙げられます。
OSはコンピュータの基本ソフトであり、マイクロソフトが展開する「Windows Server」などがサーバー用のOSとして広く利用されています。
また、データベース管理ソフトはあらゆる情報を格納し、管理するためのソフトで、IBMが展開する「Db2」などが代表的です。

そして、業務パッケージソフトは経理や生産管理などの業務に必要な機能を組み込んだソフトウェア製品のことで、特にERP（統合基幹業務システム）パッケージである基幹業務をカバーする製品が普及しています。

ソフトウェアメーカーのキャリアの特徴として、エンジニアサイドと営業サイドに分かれており、企業が展開するソフトウェアにそれぞれの側面から専門的に携わることが出来ます。
ソフトウェアメーカー各社によって展開しているソフトウェアは異なるため、自身が磨きたい技術や、携わりたいソフトウェアから逆算して企業選びを行うことが重要です。

【企業例と募集職種】
オラクル
日本国内を拠点とした情報システム構築のためのソフトウェア・ハードウェア製品やソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育などの事業を展開しています。

（Student and Graduate Programs | Careers at Oracle | Oracle Japan | Oracle 日本より）

アドビ
デジタルエクスペリエンスを通じ世界を変えていくために、紙ベースの手動プロセスをデジタル化する「Adobe Document Cloud」や、最高品質の制作環境を提供する「Adobe Creative Cloud」、ビッグデータを活用したマーケティングを行う「Adobe Marketing Cloud」といったサービスの提供を行っています。

（Search results | Find available job openings at Adobeより）

ハードウェアメーカー

ハードウェアメーカーは企業情報システムで利用するパソコンやサーバー、ストレージなどのハードウェア製品の開発及び販売を行っている企業です。
また、コンピュータメーカーとネットワーク機器メーカーに分けることができ、前者はパソコンやサーバー、ストレージの開発及び販売を行っており、後者はネットワーク機器の開発及び販売を手掛けています。

情報システムにおいて特に重要なのがサーバーで、サーバーとはサービス提供を行うコンピュータのことであり、3種類に分けられます。
1つ目は、金融機関の口座管理など、極めて高い信頼性が求められるものに使われる「メインフレーム」という大型のコンピュータです。
2つ目は、UNIXと呼ばれるOSを搭載したサーバーである「UNIXサーバー」です。
3つ目は、パソコンの基本構造を引き継ぎ、インテル製のプロセッサか、その互換プロセッサを搭載する「PCサーバー」です。
2020年の国内におけるサーバーのシェアは、富士通が最も高く、NEC、日本ヒューレット・パッカードと続いています。

また、ソーシャルメディアの急速な普及により、インターネット上に音声や動画、地図データなどといった膨大で多様な形式のデータである「ビッグデータ」が蓄積されており、ビッグデータを蓄積及び管理するストレージ機器にも注目が集まっています。
2020年の国内におけるストレージのシェアは、日立製作所が最も高く、富士通、デルテクノロジーズと続いています。

ハードウェアメーカーのキャリアの特徴として、NECなどの日系企業の場合、エンジニアサイドと営業サイド、コーポレートに分かれており、一方、シスコシステムズなどの外資系企業の場合、主にエンジニアサイドと営業サイドに分かれています。
ソフトウェアメーカーと同様に、ハードウェアメーカー各社によって展開しているハードウェアは異なるため、自身が磨きたい技術や、携わりたいハードウェアから逆算して企業選びを行うことが重要です。

【企業例と募集職種】
NEC
事業は主に官公庁や企業へのITソリューションやネットワーク基盤構築、パソコンやサーバー、その他デバイスの販売などで、特にインフラシステムを高度化する社会ソリューション事業に注力しています。

（職種紹介: 採用情報｜NECより）

シスコシステムズ
ネットワークシステム、クラウドサービスの販売ならびにこれらに関するソリューションの提供を行っています。

（新卒採用プログラム-Ciscoより）

通信キャリア

通信キャリア事業を展開する企業は、光ファイバーなど固定回線や携帯電話回線などの通信設備を保持している企業のことです。

通信キャリアに就職した後に配属される現場は研究開発部門や人事などのスタッフ系部門など幅広いですが、基本的には通信回線を担当する部署に配属されることが多いと言えます。
回線を利用する顧客を開拓する営業部門や、同業他社よりも魅力的な回線サービスの考案を行う企画部門、通信設備の設計及び運用を担う技術部門などに重点的に人材が配置されています。
その一方で近年では、モバイルをベースにした事業構築や、サービスやソフトウェアの開発に軸足を移しつつある企業が増えています。

【企業例と募集職種】
KDDI
個人向けには、移動体通信 (au携帯電話) 事業と固定通信（インターネット/電話）事業を展開し、シームレスにつながる新しい通信環境の実現に貢献しています。
また、法人向けには、FMCネットワークからデータセンター、アプリケーション、セキュリティ対策まで全てのICT領域でサービスを提供し、ビジネスを強力にサポートしています。

（KDDI株式会社 新卒採用サイトより）

ソフトバンク
移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供を行っています。

（募集要項 | ソフトバンク新卒採用より）

IT業界の分類を正しく理解して就職活動を有利に進めよう

いかがだったでしょうか。
IT業界の分類について理解し、業界の全体像を把握することが出来たでしょうか。

Society 5.0という言葉があるように、今後の社会においてITは欠かすことが出来ない存在であり、一層成長する業界であると言えます。

しかし、一言でIT業界と言っても展開する事業内容や、事業の対象となる相手は大きく異なるため、自分自身の思い描くキャリアなどを踏まえた上で企業選びを行うことが重要です。
選考などにおいても、「似た事業を展開する企業がある中でなぜうちの企業なのか」と問われることが多いため、今回のコラムでIT業界の全体像を掴んだ上で、選考を受ける企業について念入りな企業研究を行った上で選考に臨みましょう。

皆様の就職活動が上手くいくことを願っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。