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SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資(*1)に向けた高い意識を背景に、トレーサビリティ(*2)への先進的な取り組みが進む欧州。富士通では現在、この市場で磨かれたサービスを日本企業へ導入すべく事業展開を強化している。中心プレイヤーとして活躍するのは新卒入社5年目の真壁実香子さんだ。
新人時代からブロックチェーンサービスの拡販に従事し、入社10カ月目にして海外でのプレゼンテーションも任されたという。日本企業へ新たな価値を提案し、若手社員がグローバルに活躍する富士通とはどんな会社なのか。いわゆる「伝統的な日系大企業」として同社を認識している人にこそ、真壁さんの実体験に耳を傾けてほしい。
*1 環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を重視した企業を選別して実施する投資。
*2「製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにし、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること
※内容や肩書は2022年7月の記事公開当時のものです。
若手が積極的に発信でき、意見を取り入れてもらえる環境がある。変わった「富士通のイメージ」
——真壁さんが就職活動の中で、富士通に興味を持った経緯を聞かせてください。
真壁:大学時代に情報科学を専攻し、暗号技術を研究していました。卒業論文のテーマとしたのは公開鍵暗号方式の一種であるRSA暗号(*3)を安全に利用する方法でした。
せっかく暗号技術について学んだので、就職先はそれを生かせる企業がいいと思っていたのです。かつ、日々の生活で多くの人が利用するようなインフラに関わってみたいという気持ちもありました。
そうなると、必然的に志望先はITやシステム関連が中心になります。外資・国内の大手IT企業やSaaS(Software as a Service)企業などを調べていく中で、富士通には同じ大学の先輩が入社していたこともあり、話を詳しく聞くことができました。そこから徐々に富士通の社風に引かれていきました。
——具体的には、どのような社風に引かれたのでしょうか。
真壁:富士通に対しては「日系の大企業らしい縦社会の風土があるのかな」と想像していたのですが、説明会などで若手社員の方と話してみると、上司や先輩に自分の意見を言いにくい風土はなさそうだと感じました。
なぜそう感じたかというと、その若手社員の方が「自分の提案がシステム開発に採用された」と実績ベースで詳しく教えてくれたからです。若手が積極的に発信でき、意見を取り入れてもらえる環境があるのだと分かりました。加えて、母校の先輩にも富士通の社風を率直に話してもらいました。
そして富士通には、暗号技術の知識を生かして大きなインフラに関われるチャンスがあります。私のやりたいことと合致し、かつ「この人たちと一緒に仕事ができたら楽しそう」と強く感じられる会社は、他にはありませんでした。
*3 公開鍵暗号の一つ。桁数が大きい合成数の素因数分解問題が困難であることを安全性の根拠とする暗号
入社1年目で海外へ。プレッシャーの中で必死にプレゼン練習を繰り返す日々
——入社後に配属された部署では、どのような業務を担当していたのでしょうか。
真壁:ブロックチェーンを活用した富士通のプラットフォームをクライアントに紹介したり、プレゼンしたりする業務に携わっていました。
当時扱っていたのは、企業が持つデータの中でも秘匿性が特に高いものを他社とつなげ、新しいビジネスを生み出すためのサービスです。クライアントごとにカスタマイズして提供するため、相手方の事業内容を深く理解することはもちろん、どんな事業プロセスで活用できるかを考えて提案しなければなりません。
決して簡単に扱えるサービスではないのですが、私は入社後2週間ほどで展示会へ参加させてもらい、富士通の営業部門の先輩と一緒に動き、現場でさまざまな知識を伝授してもらう機会に恵まれました。また、入社から10カ月が経つころには、欧州で開催される展示会に参加するチャンスも巡ってきました。
——入社1年目で海外へ出ることになったのですね。
真壁:はい。トレーナーとして私に付いてくれていた先輩と一緒に、ドイツのミュンヘンで開かれる展示会に出張しました。
ただ、恥ずかしながら当時の私はあまり英語が得意ではなくて、海外出張が決まってからは大きなプレッシャーに襲われていました。自分で説明資料をつくってプレゼンの練習をしながら、「私の説明に違和感はありませんか」と先輩に何度も聞いたのを覚えています。
——こうしたチャンスが与えられるのは、真壁さんだけの特殊な事例でしょうか。若手社員でも手を挙げればグローバルのプロジェクトにアサインされることは可能ですか。
真壁:私がいた部署に関して言えば、早くから海外へ出るのは特別なことではなかったと思います。「行きたいなら、行ってみようか」と背中を押してくれる風土がありました。海外の展示会に出展する機会はたくさんあって、私の上司や先輩は2カ月に一度くらいのペースで海外へ出張していたので、同行するチャンスも多いです。
暗号技術やブロックチェーンの事業では、海外を避けて通ることはできません。富士通欧州などの現地チームが主催する勉強会に参加し、海外での拡販方法を学ぶ機会も豊富にあります。
入社前に思い描いていた「インフラを支える仕事」を実感。トレーサビリティの重要性を伝え、「小さな成果」を出し続ける
——現在、真壁さんが担当している仕事について詳しく教えてください。
真壁:DS)Track&Trust事業部の欧州チームが展開する、ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティ・プラットフォームを日本企業へ提案しています。
クライアントやその取引先が持つデータを収集して、商品の製造工程や、販売経路をブロックチェーンで管理することで、安全・安心が保証された商品だと証明できるプラットフォームです。
トレーサビリティは日本語で「追跡可能性」と言われるように、商品の生産から消費・廃棄までを追いかけ、明らかにすることを指します。さまざまなモノや情報がグローバルで流通する中、企業が国境を超えて取り引きすることも珍しくなくなりました。
こうした環境下で、商品や原材料の産地や出所、安全性の確立、環境への配慮、などについて証明が求められるようになり、近年では商品ブランドや顧客満足度、ESG投資など、企業価値にも大きく影響するようになっています。
欧州では特に、安全規制や環境規制が早くから進められてきました。富士通でトレーサビリティ・プラットフォームの導入事例が最初に生まれたのも欧州です。日本は欧州と比べればまだ規制がゆるい状況ですが、それでもCO2削減など、世界の潮流を受けて注目されるテーマが増えてきました。
こうした中で私たちは、企業価値を向上させるためのコンサルティングと、システム提供・運用までを担うミッションを持っています。
——これまでに関わった中で、特に印象に残っているプロジェクトを教えてください。
真壁:ある国内製造業メーカーとのプロジェクトです。クライアント側では、循環型経済を目指し、製品のリユース推進を目指していました。
製品をリユースし、お客さまに届けるのは簡単なことではありません。製品がどのように使われてきたのかを一つ一つ管理し、お客さまに届けられる品質を個々に確認する必要があります。モノの作り手と使い手をつないだ仕組みがあって実現できるのです。
クライアントの課題を伺いながら、“製品を循環するトレーサビリティの仕組みが、社会を良くする“、そんなイメージが頭にはっきりと浮かびました。もちろん、クライアントの熱意に背中を押してもらった面もあります。
現在、富士通のブロックチェーン技術を利用したプラットフォーム活用をクライアントに提案し、クライアントとともに利用履歴を収集して管理をどのように行うか、検証を進めているところです。
利用データが蓄積していき、将来的に業界を跨いで展開できるようになれば、社会全体を支えるサービスが実現できるかもしれません。これはまさに、私が入社前に思い描いていた「インフラを支える仕事」につながっていくものだと感じています。
——欧州市場と比較して、日本ではトレーサビリティの重要性を認識する企業がまだまだ少ない現状もあると思います。日本企業へ提案する上での苦労は何でしょうか。
真壁:直面しているのは、ファーストペンギンになろうとする企業が少ないという現実です。トレーサビリティの重要性を踏まえて提案しても「うち(自社)だけでやってもなあ……」という反応が返ってくることは珍しくありません。一方、業界・業種を横断する枠組みやグループがあれば参加したいと話す企業は多いです。
また日本企業には、どれくらいの導入コストで、いつまでにどんな結果がもたらされるのかという「見通し感」を強く求める風潮が強いとも感じています。一方で、トレーサビリティの確立に向けては、クライアント企業だけでなく取引先も巻き込んでいく必要があり、プロジェクトが長期化しがちです。
そうした意味では、1年以上かかるような長期で戦略を考えるだけではなく、2〜3カ月の短期で小さな成果を出し続ける必要があります。
幸いなことに富士通には、システムをパッケージ化して一律に提供するだけでなく、クライアントごとにカスタマイズして、クライアントが使う既存システムとも柔軟に連携できる技術力と体制があります。この強みを生かして、クライアントとともに成功体験を積み上げることが大切だと感じています。
キャリアを自分自身で描き、やりたいことが変わっても挑戦できる
——真壁さんは今後、富士通でどんなことに挑戦したいと考えていますか。
真壁:これまでは主に拡販を担当してきましたが、今後は開発側の仕事にも挑戦したいと考えています。
実は一時期、私は開発チームと連携して、システムテストや要件整理を担当したことがあります。大学時代にはプログラミングなども多少は学びましたが、現場でやってみると勝手がまるで違いました。
学ばなければいけないことがたくさんあるし、素早くインプットしながらクライアントへ提案しなければならない。自分が思っていた以上に大変だったからこそ、チャンスがあればもう一度挑戦したいです。
——富士通には新しいキャリアへ挑戦する機会も多いのでしょうか。
真壁:制度としては「ポスティング」があり、部署ごとに求める人材を社内募集していて、希望職種の募集が出ていれば自ら手を挙げて挑戦できます。また、私の場合は月1回の上司との1on1でもキャリアについて話すことが多く、将来の希望も理解していただいています。
キャリアを自分自身で描き、チャンスをつかめる機会があるのは、富士通に入ってよかったと感じる部分ですね。組織変更は柔軟ですし、上司や先輩を見ていても希望する領域へ異動する人が多いです。
——将来的にやりたいことが増えたり変わったりしても、その時々でキャリア選択ができるのは心強いですね。
真壁:そうですね。就活中の学生さんの中には「やりたいことが定まらない」と悩んでいる人も多いかもしれません。私自身もそんな時期がありました。新卒でいきなり事業会社に入社すると、挑戦できる領域が限定されてしまうのではないかと感じたこともあります。
しかし、富士通で働いている今は「こんなに多彩な経験が積める会社はそうそうないのでは」と感じています。私自身がそうだったように、新人のうちからさまざまな現場を体験できますし、挑戦の幅を広げるのは自分次第です。
そうした意味では、「やりたいことがどんどんあふれ出てくる」人にこそ、富士通が合っていると思います。
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