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六本木ヒルズという魔物~あの日に戻って、就活中のシュシュに問いかけたいこと

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地上54階、高さ238メートル、

港区の王様、
 
 
その名も六本木ヒルズ。
 
 
この建物にオフィスをおくだけでニュースになる。

ここで働くことは、ステータスであり、憧れのマトとなる。
 
 
 
この建物には常にスポットライトが当てられている。
 
 
 
しかし、
 
 
強い光が当てられるからこそ、闇も深く濃くなる。
 
 
 
今回はシュシュのとある外資系投資銀行の選考経験談である。

<筆者プロフィール>
シュシュ
19卒私文の大学4年生で外銀・外戦コン・総合系外コン(アナリティクス)・ベンチャー(データアナリスト)に内定しました。
自身の就活体験談から、これから就活する人に向けて知って欲しいことをお伝えします!
▶シュシュのブログ:「シュシュッと就活!!」
▶シュシュのTwitter:@syusyukatsu00

 

魔物との出会い

その外資系投資銀行は、サマーインターン(JOB)をやっていなかった。その代わりにオープンデーとクローズデーというワンデーセミナーを夏休みに行なっていた。

オープンデーというのは、文字通りオープン。ホームページや就活WEBメディアにも開催が告知され、抽選で参加メンバーが選ばれていた。

クローズデーというのは、他の外資系投資銀行のサマーJOBに参加していたり、社員と親しかったりすると参加できる。表には出ないセミナーである。

自分は他の外銀サマーJOBに参加していたため、クローズデーに招待された。
 
 
 
実はその時、自分にとって外銀は、就活というゲームの実績として欲しいだけの存在だった。

キャリアの選択肢としては無くなっていた。

ただブランド力のある会社のクローズドなイベントということで、承認欲求を満たす目的で参加した。
 
 
別にやる気は無かった。

しかし、六本木ヒルズという魔物の魅惑により、その考えは一変した。
 
 
 
◆     ◆     ◆
 
 
見てしまったのである、
 
 
 
六本木ヒルズ40台後半の階から見る光景を。
 
 
あまりの高さに下を歩く人の姿は見えない。
 
 
東京中を臨めるかのような見晴らし。
 
 
 
その眺めは、学生を虜にするには十分過ぎるほどの魅惑であった。
 
 
本来ならVIPメンバーしか味わえないヒルズクラブ特注のランチと共に、その景色を眺める。
 
 
 
ここで働いたら人間というヒエラルキーでの頂点に立てる、

そんな錯覚を覚えた。
 
 

 
 

就活は何て楽しいんだろう

あの日から不思議なことが起こった。

就活が楽しくなってしまったのである。
 
 
本来、就活は辛い作業だ。

就職できたら自分の欲を満たせるであろう会社に適当にエントリーし、「お前となんか働かねーよ」と言わんばかりのお祈りメールやサイレントという暴力で落とされる作業の繰り返し。

普通に辛い。

就活していて楽しかったのは、インターンの懇親会で社員の悪口を言う時だけであった。

普通に辛い。
 
 
しかし魔物との出会いは、就活を“楽しいもの”に変えた。
 
 
◆     ◆     ◆
 
 
麻薬というのは、脳からよだれが出る感じがするという。
 
 
気分がハイになり、苦しいことなんかない。
 
 
自分は、六本木ヒルズという「麻薬」に就活の苦しみを奪われた。
 
 
 
選考が楽しい。
 
 
 
 
自分はこの外銀に行くんだ! ここで素晴らしい人生を送るんだ!!
 
 
いつしかそう思い込んでいる自分がいた。
 
 
 
 
 
毎日、その外銀のホームページを開いた。
 
 
週末は、まるでこれから働く同僚に会っている気分でOB訪問をした。
 
 
 
 
特筆すべきはESを書いている時であった。

思い返してみると、内定を取った企業でさえも、ESはエピソードをコピペして、業界や企業要素を少し入れるだけで完成させていた。
 
 
しかし、その外銀のESだけは違った。
 
 
ゼロからESを書いた。
 
 
社員の名前を4人書いたり、最近のプレスリリースについて触れたり。
 
 
「就活生の中で誰よりもあなたの会社をウォッチングしているんです!」とアピールした。
 
 
自分のESについて、社員が社内で話題にしてくれているのではないかとニヤニヤした。
 
 
就活が楽しかった。

選考に落とされるなんて頭の片隅にも考えなかった。
 
 
内定をどんなセリフで受け取ろうか。毎日同僚とどんな言葉を交わして仕事に臨もうか。

そんなことまで妄想していた。
 
 
 
◆     ◆     ◆
 
 
そしてES、集団面接を経て、JOBに参加した。
 
 
 
JOBの最中、またしても“あの光景”を見た。

何回も見た。

アリのような人。
全てを見渡せる高さ。
 

 
 
満たされる。

心の中が暖かい液体で満杯になる。
 
 
 
 
 
将来性のある業界、

お客さんのためになる仕事、

高給取り、

ブランド価値が高い、

社員も優秀。

一緒にJOBに参加しているメンバーは皆、誰からも好かれる性格。それでいて頭もキレキレ。

こんな人たちと時間を共にできる。なんて素晴らしいんだろうと感動でいっぱいだった。

ただただ、楽しかった。
 
 
 
しかし、今まで「麻薬」を垂れ流していたそれは、突然、牙をむいた。
 
 
 
 

サイレントお祈り

JOBが終わってから1週間。

グループLINEで、

「電話きた!」
「俺も最終面接の案内きたわ~」

という通知が目に入った。
 
 
しかし自分の元には電話もメールもない。

さらに1週間経っても、何の音沙汰もなかった。
 
 
 
 
サイレントお祈り。
 
 
 
 
 
なぜ?
 
 
 
 
 
こんなに好きだったのに。

自分ほどこの会社に費やした人間はいない。

その確信があったからこそ、
 
 
 
なぜ?
 
 
 
訳が分からなかった。
 
 
 
理解ができなかった。
 
 
あんなに時間を費やし、
その外資系投資銀行についてたくさん考えて、
社員とのコネをたくさん作った。
 
 
 
こんなに内定にふさわしい人間が他にいるのか?
 
 
なぜ“サイレント”するのか?
 
 
あんなに追いかけたのに、なぜ最後に無視するのか?
 
◆     ◆     ◆
 
 
 
麻薬を失った人間には、喪失感と疲労が一気に襲い、心身ともに崩壊する。
 
 
 
この外資系投資銀行に落ちたことで、自分は一気に脱力した。
 
 
もう何をする気にもなれなかった。
 
 
 
 
 
 
自分は就活という存在に対して興味を失った。
 
 
 
 
その翌日、

自分は自分に対して就活終了を宣言した。
 
 
 
 

得体の知れないものに取り憑かれる危うさ

今から振り返っても、なぜあそこまで魅せられたかは分からない。
 
 
ただあの時は、あの企業で働きたいと真剣に思っていた。
あの外銀で働く未来が、当然のようにあると思っていた。
 
 
六本木ヒルズという魔物。

それは自分の就活を翻弄し、自分を天上から地面へ叩き落とした。

“魔物”により自分は、この道しかないと思い込んでしまった。

ただ一つ言えることは、もしあの時“魔物”に魅せられていなければ、落ち着いてキャリアについて考えられただろうし、納得のいく形で就活を終えられた。
 
 
 
あなたも今、何かに魅せられていないだろうか?

給料の高さに目がくらんでいないだろうか?

ブランド価値という他人の作ったものさしで判断していないだろうか?

将来性、裁量権、といった言葉に踊らされていないだろうか?

この道こそが絶対に正しいと思っていないか?

もう一度“あの日”に戻れたら、そう自分に問いかけたい。
 
 
 

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