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「給与が高いから志望した」と面接で話して大丈夫?~外資系投資銀行業界を例にポイントを解説~

はじめに

こんにちは、外資就活 外銀チームです。

今回は、「PEファンドへの転職願望を投資銀行に伝えるとNG?」面接でのセカンドキャリアの伝え方というコラムに関連して、外銀志望の就活生が志望動機を述べる際に悩むことについて解説します。

一般的に外資系投資銀行(以下、外銀)の選考では、「志望動機が重要である、そしてその際には各社の業務面の特徴や社風などと自分の就活の軸を絡めることが高評価につながる」と考えられています。
実際、選考が始まってみると、給与水準の高さを志望動機として伝える学生はさほど多くありません。

しかし、外銀志望者の中には業務面や社風よりも給与水準の高さに魅力を感じている方も少なくないと思います。この傾向は毎年のことで、公に口には出さなくても、各社の給与水準を比較した結果、外銀に興味を持った人も多いはずです。

それでは、そもそも「その企業の給与水準の高さ」を志望動機としても問題ないのでしょうか?

「お金を稼ぎたい」と伝えること自体はマイナスではない

結論から言うと、外銀業界においてお金を稼ぎたいと伝えること自体は全くマイナスではありません。

以下で、その説明をします。

高額な報酬がモチベーションの源泉となるのは当たり前

まず、外銀に関わらず、就活生に人気の業界に勤めている人たちは給与水準の高さに魅力を感じて入社し、働いている場合が多いです。

もちろん、実際の面接では経済へのインパクトの大きさなど、他の理由を志望動機として挙げる場合が多いでしょう。しかし、特に新卒で入社し、泥臭い業務ばかりを行う時期は「高額な報酬」がモチベーションの源泉となるのは自然なことです。

それでは、外銀社員は「お金を稼ぎたい」という理由が働くモチベーションとして大きいことを隠しているのでしょうか?

これは人にもよると思いますが、「お金を稼ぎたい」を口に出すバンカーも少なくはありません。

報酬=自分たちが生み出した価値=顧客の利益への貢献

また、外銀からの転職者も多いPEファンドやヘッジファンドなどの投資型ファンドなどでは「お金を稼ぎたいとちゃんと言え」と上司から言われることすらあります。

これはなぜかというと、投資型ファンドでは成果給の割合がかなり大きいからです。企業によりますが、運用益の20%を報酬として受け取る投資型ファンドも珍しくありません。

そして、その報酬の一定割合が企業全体の成果給と連動しています。そのため、自分たちが稼ぐことで顧客(投資家)に利益が生まれ、さらに自分たちの実入りも大きくなります。

自分自身が稼ぎたいと思っていないようでは、顧客の収益が上げられないという発想が企業に浸透しているため、投資型ファンドではむしろお金を稼ぎたいことをアピールすべきかもしれません。

一方で、外銀の場合は投資型ファンドと異なり手数料ビジネスであるため、自分たちの業績と顧客の利益が一致しているわけではありません。しかし、自分たちが稼ぎだしたアドバイザリー・フィーや引受手数料を「自分たちが生み出した価値=顧客の利益への貢献」ととらえている側面があります

そのため、「稼ぎたい」という発言は、間接的に「顧客の利益に貢献すること」や「社会に価値を生み出すこと」に結び付く意欲だといえるのです。

したがって、お金を稼ぎたいと伝えることは全くマイナスではありません。むしろ、お金を稼ぎたいと全く考えていない人はかえって「やる気がなさそうに見える」、「外銀には向いていないタイプ」などマイナスの印象を与える可能性もあります。

「高給を得たい」が主たる志望動機になりえないことには注意!

前述の通り、外銀においてはそのビジネスモデルの特徴上「お金を稼ぎたい」と考えていること自体は伝えて構いません。

ただし、気を付けなくてはならないのは、「高給を得たい」という文言自体は、主たる志望動機にはなりえないということです。その理由は主に3つあります。

1つ目の理由として、深みが無いからです。
上記の通り、外銀を志すにあたっては高い給与水準をモチベーションにすることは当たり前だと認識されています。それを踏まえると、「お金を稼ぎたいから外銀を志望しています」はもはや何も言っていないのと同じだといえます。

2つ目の理由として、差別化ができないからです。
他の候補者も共通して「高給を得たい」と考えていることに注意しなければなりません。全員がお金を稼ぎたいと考えている場合にお金を稼ぎたいと主張することは、まったく差別化要素にはなりえないのです。

そして3つ目の理由として、外銀である必要性に欠けるからです。
高給を得るだけなら外銀以外にも多くの手段があるということに注意しなければなりません。

お金を稼ぐことを目的とした場合は、入社後数年で颯爽と投資型ファンドに転職したほうが効率的です。人材流動性の高い業界ではないとはいえ、数年でやめてしまうつもりの候補者を積極的に採用することはないでしょう。

また、従業員として働いている限りは、どれだけ外銀業界の給与が高いとはいえ資産家になることはできません。本当にお金が好きで、お金を稼いで富を築きたいというのであれば、リスクをとってでも起業してIPOやM&Aによるイグジットを目指したほうがよいでしょう。

前述したようにビジネスモデルの特性を踏まえると、外銀の選考でお金を稼ぎたいかどうかと聞かれれば肯定しても問題はありません。

ただし、以上の理由から「高給を得たい」を第一の志望動機にしてしまうと外銀でなくてもよい理由がいくらでも出てきてしまうのです。

つまり、「高給を得たい」はいくつかある志望動機のうちの1つにはなりえますが、それは主たる志望動機にはならないということです。

「高給を得たい」を補助的な志望理由とするならば、その理由を深掘りすべき

上記では「お金を稼ぎ、高給を得たい」を第一の志望動機にしてしまうと外銀でなくてもよい理由がいくらでも出てきてしまうと述べました。

それを理解した上で「高給を得たい」を補助的な志望理由にする場合は、他の学生との差別化が難しいと理解したうえで、「なぜ高給を得たいのか」をしっかりと整理しておく必要があるでしょう。

がむしゃらにお金を稼ぎたいと考える人は、大体下記の2パターンに分かれます。

1つ目のパターンは、人生を通してお金で苦労してきた実体験からお金を稼ぎたい場合です。具体例としてはお金がなくてお稽古事を習えなかったとか、お金がなかったから公立の中学・高校に行かざるを得なかった、などが考えられます。

こういったバックグラウンドを持った人たちは、お金の重要性を人一倍わかっています。なぜお金が欲しいのかを聞かれたとしても、お金がない苦労を語ることができれば納得のいく説明ができるでしょう。

2つ目のパターンは、適度に裕福な家庭に育った学生たちにあてはまります。具体的には、適度に高い所得とちょっとした資産はあるが、一生働かずに済むほどのお金はない、という人たちです。要するに、稼ぎ続けなければいまの生活を維持できないから、危機感をもって稼ごうとするのです。

実際、外銀の内定者もおおよそこの2パターンに分かれます。大富豪の子息が入社することはあまりない一方で、私立の中高出身者が大半であり、名門女子高などの出身者も珍しくありません。そうでない場合は、郊外の一般家庭で育って、ひたむきに努力をしてきたような折り紙付きの努力家がほとんどです。

ここで留意すべきは、1つ目のパターンの志望動機では給与の高さが志望動機になる可能性がありますが、2つ目のパターンの志望動機では面白い実体験や、熱意を伝えることは難しい傾向にあります。

なぜなら、お金はないよりもあったほうがいいのは明らかなので、誰でも多かれ少なかれお金は欲しいと考えているからです。このため、実体験に基づいたエピソードや自分の生い立ちや価値観に裏付けられた志望動機と比べて弱い志望動機にしかなりません。

お金を稼ぐために何ができるかを伝える

志望動機で「自分になぜお金が必要なのか」を整理したら、次に実際に自分の行動にどう影響するかについて説明しましょう。ただお金がほしいというアピールをすることは誰でもできます。そのため、そのモチベーションがどのように会社にとって有益なのかをしっかり説明しましょう。

高給を得たいと伝える場合にポイントとなってくるのは、お金のために必死になれるのかどうかです。

お金のために必死になれる証明として最も有効なのは、お金を稼ぐために努力した経験を話すことでしょう。

例を挙げると、
「私はお金が必要になったとき、インターネットで個人輸入したものを転売することによって稼いだ経験があります。効率的に転売をするために英語を勉強し、海外と日本とで価格が違うものを懸命に調べました。実は〇〇は海外のほうが40%も安いのです。これにみんな気づかず、私だけ大儲けできました。3か月でだいたい〇〇万円くらいになりました。かなりの時間を割いたことを考慮しても普通にアルバイトをするよりは稼げたと思っています。」
というようなエピソードです。この場合、理由なく「お金がほしい」という候補者と比べて、十分に差別化できるといえます。

ただし最近はこのようなエピソードも目新しさがなくなりつつあり、以前ほど簡単には面接官ウケしなくなっています。そのため、「お金を稼ぐために努力した」という内容単体ではなく、そのエピソード内で苦労した点や困難を乗り越えた要素など複数の切り口を用意しておいた方が良いかもしれません。

具体的なエピソードがない場合に「高給を得たいか」聞かれた時の対処法

「高給」に魅力を感じつつも、お金がほしいことを示す具体的なエピソードがないような方は、お金に関する志望度をどのように示せばよいのでしょうか。

その場合は、お金以外のモチベーションを志望動機として大々的に用いたうえで、お金がほしくないのかを聞かれたときに「いえ、お金はほしいです。将来こういうことに挑戦したい/こういうものを買いたいので、そのための資金にしたいと考えています。」などと答えれば十分でしょう。

今回に限ったことではありませんが、アピール要素にならないのであればわざわざこちらから切り出すことせず、聞かれた場合に備えて回答を一応用意しておくというのは鉄則です。

官僚を目指さない理由を話すときに「お金」を志望動機にするのは有効

お金を引き合いに出した志望動機とは少し趣旨がずれますが、なぜ官僚を目指さないのか?について聞かれた際にお金を話題に出すことも得策です。

外銀に勤める人は多かれ少なかれ、世界にインパクトを与える仕事をしたい、大きなプロジェクトを支えたい、という傾向があります。そして、こういった価値観を面接で話すことは多いでしょう。

このため、面接では「官僚ではいけないの?日本のために、経済のために働くなら官僚のほうが良いと思うんだけど?」と問われる場合があります。実際、日本の経済のために働きたいというのであれば、外銀よりも財務省や経済産業省の方が日本全体に影響を与える仕事ができるかもしれません。

また、グローバルな課題に取り組みたい、国境をまたいだ交渉をしたい、という方向性の志望動機に対しては「外務省じゃいけないの?」と聞かれるかもしれません。

ここで、お金に関する志望動機を使うとよいでしょう。

例えば「官僚の仕事もとても魅力的ではありますが、プロフェッショナルとして働くからには、適切な水準の報酬を受け取りたいと考えています。」と答えるのもいいでしょう。

実際にこのように考えている方は官僚には向かないので、官僚ではない理由はきちんと示せるでしょう。官僚に適した人物像とは、ある意味では国のために自分を犠牲にできる人なので、そこまで自己犠牲の精神がない人は外銀が向いているかもしれません。

ちなみに企業にもよりますが、総合コンサルティングファームは外銀の6割くらいの給与水準ですので、志望が総合コンサルティングファームではない理由にも使えます。

ただ、コンサルティングファームの仕事と外銀の仕事はそもそも大きく異なるので、報酬水準よりも仕事内容を理由に否定したほうが説得力は大きくなるでしょう。

まとめ

外銀の選考において「お金は欲しくないのか」と聞かれれば素直に欲しいと言って問題ありません。外銀のビジネスモデル上、お金を稼ぎたいのかと聞かれて否定するのは、むしろマイナスになる可能性すらあります。

また、官僚や総合コンサルティングファームなどではなく外銀が良い理由という文脈では報酬水準を理由に挙げることも可能です。

しかし、主たる志望動機にはなりえないことには注意しましょう。
更に、補助的にお金を稼ぎたいという話をしてプラスの印象を与えられるのは、お金への執着心が強く、お金儲けのチャンスを逃さないことを示せるようなエピソードのある方に限られます。そのようなエピソードを強みとして話す方であっても、外銀よりも所得が大きくなる仕事があるということも念頭において話すとよいでしょう。

まとめると、外銀の志望動機として「お金が欲しい」ということ自体は伝えて構いません。ですが、伝え方やアピールの方法には注意して選考に臨みましょう。

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