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はじめに
こんにちは、外資就活編集部です。
現在就活真っ只中であっても、うっすらとセカンドキャリアを考えている方はいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、企業や伝え方によっては、転職希望を少しでも匂わせただけでそれ以降は質問されず、選考が事実上の終了を迎えることもあります。
今回の記事は、転職希望はあるけれど、どこまで企業に伝えていいのか、どう伝えたらいいのかについて悩んでいる、そんな学生にとって必読の内容となっています。
具体例として金融業界志望の学生がひそかに考えることの多い、 PEファンドへの転職願望が志望動機としてふさわしいものなのか、 というテーマでお送りします。
特に投資銀行志望者の中には、将来的にPEファンドへ転職するために投資銀行を目指しているという方も多いと思います。
その理由の代表的なものが、「投資銀行でM&Aに関する専門知識や経験を積み、PEからオファーが来るように準備したい」です。このような志望動機に対して、投資銀行のバンカーはどのように評価しているのでしょうか。
世界的に有名なPEファンドには、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)やカーライル・グループ、ブラックストーン・グループなどがあります。また、日本発のファンドではユニゾンキャピタルなどが有名です。
「PEファンドへの転職志望」はリスクの大きい志望動機
結論から言うと、 投資銀行部門の志望動機として「PEファンドに行きたいから、ファーストキャリアでは投資銀行で働きたい」ということは避けたほうが無難 だといえます。選考段階でPEファンドへの転職願望を伝えただけで面接官によっては不採用となる可能性もあります。
避けたほうが良い理由は、大きく分けて3つあります。
①短い期間で辞めそうだと解釈される。また、入社後、昇進に影響が出る
投資銀行部門に4~5年くらい勤めるとある程度の専門性が身に付き、PEファンドへの転職も視野に入ってきます。実際に、PEファンドへの転職を志向するのは「投資銀行でマネジメント層になった人たち」というよりは、「投資銀行で金融の基礎を身につけた若手」が中心と言われています。
なぜ若手がPEファンドに転職しやすいかというと、投資銀行業界は長く勤めるほど転職をするメリットが減ってくる業界だからです。なぜなら投資銀行で順調に昇進した場合、待遇も良くなりますし、業務に慣れない若手の時と比べて相対的に勤務時間量も減ってきます。
そうすると、PEファンドに転職してまた新たな環境でゼロからスタートするよりは、投資銀行業界に留まるインセンティブも強くなってきます。
また、外資系投資銀行業界の平均勤続年数はコンサルティング業界と並んで短い印象を抱いている方も多いかと思います。
しかし、その中でも、採用した人材にはなるべく新卒から長くとどまって欲しいと考える企業もあります。例えば、かの有名な外資系投資銀行であるゴールドマンサックス社は、新卒には企業文化を継承して欲しいという思いを持って採用しています。
したがって、採用段階からPEファンドへの志望度が高いことを伝えてしまうと、投資銀行には短い期間しか在籍しない可能性が高いと解釈されます。また仮に入社できたとしても、昇進に影響が出てくる懸念があります。
②PEファンドへの志望動機が正しいか、深く問われてしまう
当たり前の話ですが、PEファンドに行きたいと伝えてしまうとその理由を聞かれることになるでしょう。少なくとも、PEファンドへの熱意を伝えれば伝えるほど、なぜPEファンドに行きたいのかを深堀りされる可能性は高まります。
しかし、PEファンドについて正しく理解できている学生はごく稀です。社会人であっても、PEファンドの内情を知る機会は多いとは言えません。事前にかなり調べている人ですら、大まかな業務内容しか把握していない場合がほとんどですし、自分の得た知識に間違いなどが含まれている可能性はあります。
さらに、PEファンドまでのキャリアパスとして必ずしも投資銀行が圧倒的に優位な転職元であるとは言えません。もちろん、投資銀行の知識がPEファンドで活きるのは事実ですが、コンサルタント経験者など、ある程度バックグラウンドのバランスよく人材を獲得したいと考えるPEファンドが多いのも事実です。
むしろ、金融知識よりも経営に関する知識や幅広い業界知識を持つ人材を求めるPEファンドの方が多いといっても過言ではなく、元コンサルタントや元マーケター、元官僚や公的金融機関出身者のほうがPEファンド業界では現状、不足しています。
③PEファンドへの志望動機を深堀りするより、外銀への志望動機を深掘りした方が効果的
もちろんしっかりとした考えを持っていれば、PEファンドへの志望動機を述べることもできるでしょう。
しかし、これらを述べるのは投資銀行に入社したい理由を答えるよりも難しいことがほとんどです。PEファンドの志望動機をしっかり準備する時間があったら、その時間を使って外資系投資銀行に行きたい理由を深掘りしたほうが効果的でしょう。
また、関連して「PEファンドに行きたいから投資銀行に行きたい」という学生と同じように、「ヘッジファンドなどの新卒採用を実施していない業界に転職したいから投資銀行に行きたい」と考えている学生も時々います。
ただし、これらもPEファンドに行きたいと主張しすぎるべきではないのとまったく同じ理由で、あまり全面に押し出すべきでありません。なぜなら 「このようなキャリアを歩みたいから投資銀行に行きたい」という主張は往々にして上述した3つの懸念点を孕んでいるからです。
PEファンドへの関心の伝え方
以上のように、PEファンドへの転職を前面に押し出すのはあまり好ましいとは言えません。しかし、関心があるのに関心がないと嘘をつくのはよりマイナスになるでしょう。そのため、PEファンドに関心がある方は やんわりと伝える というのが良いと思います。
たとえば、「PEファンドでのキャリアにも関心はあるが、将来のキャリアについてはもう少しよく考えてから意思決定をしたい。」といった表現であれば、上記のようなリスクは小さくなるでしょう。
投資銀行に勤めている人たち自身も、自分のキャリアについては日頃から悩んでいます。そのため、先々のキャリアについて明確な答えが出ていないということはマイナスにはなりません。
このように、志望動機を表現するときは、動機そのものはもちろん、伝え方も非常に重要になります。PEファンドへの転職希望を伝えるにしても、企業の傾向を掴んでから当たり障りなく、あくまで話のネタ程度に留めておくことが賢明です。
ただし、投資銀行からPEファンドに転職する人は事実として珍しくありませんから、PEファンドに関心があることを隠さなければいけないというわけではありません。
例えば、昼食会やインターン中の懇談会など社員の方とフランクに接する際にPE業界への転職ルートを探ることは問題ないでしょう。
まとめ
まとめると、PEファンドを含めてセカンドキャリアの話をメインの志望理由に織り込む際に心すべきは次の2点です。
・セカンドキャリアの話をすると、「なぜそのセカンドキャリアを志望するのか?」という余分な志望動機を聞かれる可能性が高い
・セカンドキャリアが決まっている場合、投資銀行以外の有効なファーストキャリアを選ばない理由を説明させられる可能性が高い
上記の2つは往々にして、シンプルに投資銀行部門への志望動機を述べる場合よりも難しく、間違った情報に基づいた志望動機を話してしまうリスクが大きくなります。
そのうえ、仮に正しく伝えられたとしても純粋に投資銀行への志望動機を述べた場合と比べて、高い評価を得られるとは言えません。
自分や相手に嘘をつくのは好ましくありませんが、考えていることをすべて包み隠さず話すのが最善とは限りません。以上の点を踏まえながら、志望動機は言葉を選んで伝えましょう!
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