外銀・戦コン社員に人気なPEファンドとは? 仕事内容や年収事例、主な企業を紹介

2026/09/18

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PEファンドとは?仕事内容や年収について知ろう

こんにちは、外資就活 金融チームです。

今回は外資系投資銀行や戦略コンサル出身者しか採用しないと噂されるほどの超エリート業界である「プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)」業界についてご紹介したいと思います。

ファーストキャリアで入ることは稀ですが、将来のキャリアを考える材料として参考になる方も多いのではないでしょうか。本記事ではPEファンドの仕事内容や年収について解説しますので、ぜひご覧ください。

なおこの記事で扱っているPEファンドの一覧は以下の通りです:

・コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)
・カーライル・グループ(The Carlyle Group)
・ベインキャピタル(Bain Capital)
・ブラックストーン(Blackstone)
・ユニゾン・キャピタル
・アドバンテッジパートナーズ
・インテグラル

PEファンドとは「未上場企業株式投資ファンド」

プライベート・エクイティ・ファンド (Private Equity Fund) とは 未上場企業株式(Private Equity)の取得・引き受けなどの投資行為を行うファンド のことです。ファンドとは投資家から運用資金の資金調達を行って運用益を投資家に分配する金融商品やそれを扱う投資会社のことであり、投資信託やヘッジファンドなども含まれます。

未上場企業株式を対象に投資をするPEファンドですが、投資先企業の分類や投資手法などによって様々なジャンルに分けられ、MBO(後述)ファンド、買収ファンド、企業再生ファンド、ベンチャーキャピタル、ターンアラウンド・ファンド (Turnaround Fund) などと呼ばれているものから成り、「PEファンド」とはそれらの総称でもあるのです。

基本的にPEファンドではLBO(レバレッジドバイアウト)と呼ばれる投資先企業の資産・キャッシュフローを担保とした借入を用いた資金調達する場合が多く、世界最大のPEファンドであるKKRがこの手法に強みを持っています。また、近年では未上場企業だけではなく上場企業に対する買収も手がけることがあり、 ベインキャピタルが2017年11月に行なったADKのTOB(株式公開買い付け)による買収 などがその一例として知られています。

ベンチャーキャピタルとPEファンドの違い

ベンチャーキャピタル(VC)とPEファンドについて違いがわからない、という人も多いかと思いますが、 プライベートエクイティ投資は広義には「未上場企業株式の取得・引き受けを行う投資」のためPEファンドも立上げ期(シード期)のベンチャー企業に投資を行うVCを含みます。

しかし、一般的には「PEファンド」と呼ばれる場合には「ある程度成熟した企業に対して比較的大きな資金提供を行うファンド」を指し、VCとは違う意味を指すことが多いようです。

「投資する企業のフェーズで呼び方が変わる」と簡単に覚えてくといいでしょう。

どのように収益をあげているのか

基本的にPEファンドが行なっている行動は

1. 機関投資家などから買収用資金を調達
2. 買収先企業の過半数の株式を買収先企業経営陣の承諾を経て取得
3. 役員などの派遣と経営の中長期的なサポート、企業価値の向上
4. 株式公開(IPO)、第三者譲渡、自社株買いなどで最終的な保有株式の売却

といった流れが基本的です。

PEファンドの主な収益源は2通りあり、 中長期的に買収先企業のバリューアップに努めることで企業価値自体を向上させ、株式売却時の買収時の金額からの増加分を得るキャピタルゲインと、買収先企業の純利益 があります。

ファンドというと以前話題になった「ハゲタカ」が印象深い人が多いかもしれません。彼らは短期的な利益を目的に、企業価値が著しく低く評価されていた企業などを買い叩き、リストラなどで経営のスリム化を図った後に価値回復を見計らって売却益を得るヘッジファンドです。

一方で PEファンドは中長期的な投資を行うことに特徴があり、ベインキャピタルのように事業改革に強い戦略コンサル出身者なども多数起用することでコストカットだけではなくトップライン(売上)改善による企業価値の創造にも取り組むという企業が多い という特徴を持ちます。

PEファンドの年収事例と主な企業名

ここではPEファンドの年収事例と日本で活躍する主なPEファンドについてお伝えします。

求人から見るPEファンドの年収

PEファンドがどの程度の年収を提示しているのかを、当社が運営する中途向けサービス外資就活ネクストに掲載されているPEファンド関連求人から集計しました。

【外資就活ネクスト掲載求人の実データ】
PEファンド関連求人56件のうち、年収レンジを掲載している47件を集計(2026年9月時点)

・提示年収の全体レンジ:360万〜5,000万円
・下限の中央値:900万円/上限の中央値:2,500万円
・募集職位にアソシエイトを明示している10件:800万〜2,600万円

ひとつの求人でも「800万〜2,600万円」のように幅が非常に広いのが特徴です。これはPEファンドの報酬が、経験と担当する職位によって大きく変わることを反映しています。

なお、アナリストやヴァイス・プレジデントなど職位を明示した求人は件数が少なく、 職位ごとの正確なレンジを示せるだけのデータはありません 。ここでは実際に掲載されている求人の数字のみを示し、推定は行っていません。

若手社員の場合、外資系投資銀行の投資銀行部門などよりは低く、外資系戦略コンサルティングファームとほぼ同水準かややPEファンドの方が上といった水準といわれます。

ただし、基本的に彼らの収入源は マネジメントフィー(運用手数料)とキャリードインタレスト(運用益の一部の成果報酬) の2つから成り、上記は採用時に提示される給与のためベース割合が大きいと考えられます。腕次第によっては成果報酬で大金を手にすることも可能な仕事でもあるため、一概にこの年収とは言えないでしょう。また、外資系PEファンドでかつ海外勤務の場合、これらよりも大きく跳ね上がることが多いようです。

日本国内で活躍する主なPEファンド

1. 外資系

・コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)

世界最大のPEファンド。売上が業界2番手のブラックストーンとカーライルの売上合計の2倍を超えたこともあるなど、圧倒的な規模が特徴。
LBOの先駆としても知られ、1989年のRJRナビスコへのLBOによる買収(250億ドル)は、当時としては最大のLBO使用案件でした。

・カーライル・グループ(The Carlyle Group)

業界第2位のPEファンド。日本オフィス従業員は外資系にもかかわらずほぼ全て日本人という特徴をもち、日本流の投資スタイルを持つ会社。

・ベインキャピタル(Bain Capital)

1984年にベイン・アンド・カンパニーのパートナーによって設立されたPEファンド。設立の経緯こそ戦略コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーにさかのぼりますが、 現在は資本関係のない別の会社であり、事業内容も採用も完全に独立しています 。就活生が混同しやすいポイントなので注意してください。投資先業績改善に主軸をおくという特徴を持ち、国内でもすかいらーく、ドミノピザ、マクロミル、大江戸温泉、ADKなど多くの投資先を持っています。

・ブラックストーン(Blackstone)

KKR、カーライルと並ぶ米投資ファンドの御三家のひとつです。リーマン・ブラザーズ出身のスティーブ・シュワルツマンとピーター・ピーターソンによって1985年に設立されました。
日本においては、鎮痛剤「カロナール」を主力とするあゆみ製薬の買収や、近鉄グループホールディングス(GHD)が所有するホテルの買収などを行なっています。

2. 独立系(国内系)

・ユニゾン・キャピタル

ゴールドマンサックス出身の日本人らによって設立された独立系PEファンド。
あきんどスシローへの投資実績などが有名です。

・アドバンテッジパートナーズ

ベイン・アンド・カンパニー出身2名によって設立された独立系PEファンド。
ダイエー再生やポッカコーポレーションのMBOなどの実績を持ちます。

・インテグラル

元ユニゾンキャピタル代表でGCA(現フーリハン・ローキー)創業者でもある佐山展生らを中心に、2007年に設立されたPEファンド。
投資先企業の特長を活かした細やかなハンズオンでの経営支援力を強みとしています。

PEファンドの職位とキャリアパス

PEファンドの年収が職位によって大きく変わるのは、 職位ごとに担う仕事の性質がまったく違う からです。ここでは一般的な職位構成に沿って、それぞれが何をしているのかを整理します。ファンドによって呼称や階層の数は異なるため、名称そのものよりも「下から上に向かって、作業者から意思決定者、そして資金の出し手との関係を担う側へ移っていく」という構造を押さえてください。

アナリスト/アソシエイト:案件を「回す」層

投資候補企業の財務モデルを組み、業界調査を行い、デューデリジェンス(投資先の実態調査)の実務を担当します。投資銀行時代に鍛えたモデリングとリサーチのスキルが、そのまま日々の武器になる層です。外資系投資銀行や戦略コンサルから転じてきた人が最初に就くのは、多くの場合このポジションです。

この段階で決定的に変わるのが、 アドバイザーから当事者になること です。投資銀行は案件を成立させれば手数料が入りますが、PEファンドは自分たちの資金(正確には後述するファンドの資金)を投じるため、「この会社を本当に買って、本当に価値を上げられるのか」を自分の判断として引き受けることになります。

ヴァイス・プレジデント/プリンシパル:案件を「作る」層

投資候補の発掘(ソーシング)、条件交渉、投資後の経営支援(ハンズオン)の中心を担います。投資先企業の役員会に出席したり、経営陣と事業計画を詰めたりと、 金融というよりも経営の仕事 の比重が高まります。戦略コンサル出身者の経験が効いてくるのがこの層です。

ディレクター/パートナー:案件と資金を「決める」層

投資判断の最終責任を持つと同時に、 次のファンドの資金を集める(ファンドレイズ) という役割が加わります。年金基金や機関投資家といった出資者に対して、過去の実績をもとに新しいファンドへの出資を依頼する仕事です。ここまで来ると、投資の目利きだけでなく、出資者との長期的な信頼関係そのものが実力になります。

ファンドの仕組み:なぜ「期限」があるのか

PEファンドのキャリアを理解するうえで欠かせないのが、 PEファンドは会社であると同時に「期限付きの箱」を運用している という点です。

投資に使うお金は、ファンド自身の自己資金ではありません。年金基金、機関投資家、事業会社といった出資者から集めた資金を、 ファンド という器にまとめ、運用します。この出資者を LP(リミテッド・パートナー/有限責任組合員) 、運用を担うPEファンド側を GP(ジェネラル・パートナー/無限責任組合員) と呼びます。

重要なのは、 このファンドにはあらかじめ運用期間が定められている ことです。期間内に投資先を買い、価値を高め、売却して(エグジット)、現金にしてLPに返す。ここまでをワンセットで完結させる必要があります。

前の章で「PEファンドは投資先の企業価値を高めて売却益を得る」と説明しましたが、 期限があるからこそ、悠長に構えていられない わけです。PEファンドが投資先に役員を送り込み、ハンズオンで経営改革に深く関与するのは、慈善事業でも趣味でもなく、限られた期間内に目に見える成果を出さなければならないという構造上の要請によるものです。就職・転職先として見たときに「激務」と言われる理由の一端も、ここにあります。

報酬の仕組み:なぜ上の職位で跳ねるのか

前述のとおり、PEファンドの収入源は大きく2つあります。 マネジメントフィー(運用手数料) と、 キャリードインタレスト(運用益の一部を受け取る成果報酬、通称「キャリー」) です。

マネジメントフィーは預かっている資金の規模に応じて毎年発生するため、ファンドの固定費、つまり社員の基本給やオフィス維持費の原資になります。一方のキャリーは、投資先を売却して初めて確定します。

この2階建て構造が、職位による年収差をそのまま説明します。下の職位の報酬は基本給と賞与が中心で、 キャリーの配分を厚く受け取れるのは、投資判断に責任を持つ上位の職位 です。掲載求人の提示年収が同一ポジションでも数倍の幅を持つのは、この配分の違いと経験差を反映しています。

ただし、キャリーは 売却が成功しなければゼロ です。しかもファンドの運用期間は長期にわたるため、投資してから実際に自分の手元に入るまでには相応の時間がかかります。「PEファンドは稼げる」という話は事実である一方、 その大部分は確定していない将来の成功報酬 であり、投資銀行の賞与のように毎年確実に積み上がるものとは性質が異なる、という点は理解しておくべきでしょう。

新卒でPEファンドに入れるのか

結論から言えば、 新卒でPEファンドに入るルートは、現実にはほとんど開かれていません 。

外資就活ドットコムに寄せられた選考体験記を集計したところ、本記事で紹介した主要PEファンドについて、 新卒選考の体験記は1件も投稿されていませんでした (比較として、ゴールドマン・サックスには169件の体験記が投稿されています)。新卒採用の母集団形成を行っていないか、行っていても極めて小規模である、という実態がうかがえます。

そのため、PEファンドを志望する場合の現実的な道筋は、 ファーストキャリアで投資や経営に関わるスキルを身につけ、数年後に転職する という形になります。冒頭で「外資系投資銀行や戦略コンサル出身者しか採用しない」と言われると述べたのは、この構造によるものです。

  • 外資系投資銀行(特にM&Aアドバイザリー) — 財務モデリング、企業価値評価、M&Aプロセスの実務。アナリスト/アソシエイト層で最も評価されるスキルセット
  • 戦略コンサルティングファーム — 事業戦略の立案と実行支援。投資後のハンズオンによる価値向上フェーズで強みを発揮する
  • その他 — 事業会社の経営企画やM&A部門、会計事務所のFAS部門などから移るケースもある

つまり、学生の段階でPEファンドを目指すということは、 まず外銀・戦コンの選考を突破することが最初の関門 になるということです。PEファンドそのものの選考対策よりも、ファーストキャリアの選択と、そこで何を身につけるかを設計するほうが、はるかに実践的です。

おわりに:PEファンドのキャリアを理解しておこう

いかがだったでしょうか。

ファーストキャリアとしてはなかなか入る機会はありませんが、外銀・戦略コンサル・総合商社などトップティア企業社員にも人気な業界であるため、もしこれらの業界に新卒で入りたいと思うなら、キャリアパスの一例として知っておいてもいいでしょう。

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