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IR情報の見方・活用法 (基礎英語もチェック)
こんにちは。外資就活ドットコム 外銀チームです。
皆さんは IR情報 という言葉を聞いたことがありますか?
IR情報とは、 企業が資金調達をするにあたり、投資家に対して企業内部の活動に関する情報を提供する資料 です。
IR情報はコンサル・金融を目指す人はもちろん、これから社会人になる方は全員知っておくべきもので、企業のデータを見て分析するために必要不可欠なものです。
このコラムのゴールは、IR情報を開示する背景と目的、使いこなすためのコツを理解していただくことです。
また、ジョブ内でもしかすると海外の企業のIR情報を見ることがあるかもしれません、そのために基礎的な用語について英語での表し方も紹介していきます。
コンサル・外銀志望者に限らず、ぜひ皆さんご覧ください!
投資家に情報を提供するためのIR情報
IRとはInvestor Relationsの略語で、投資家対応部門などと和訳されることもありますが、通常はIRと表記されて「アイアール」と読まれます。財務活動の一環であり、上場企業にとっては非常に重要な仕事のうちの一つです。
企業は投資家から資金を集められるからこそ事業を行うことができます。また、株式会社の議決権は株主が保有しているため、会社は株主のものであるといわれることが多く、企業にとって株主は最も重要なステークホルダー(利害関係者)になります。
実際に、各企業には株主に企業の状態を報告したり、株主からの質問を受けたりするIR部署が設置されています。
コンサル・外銀志望者が押さえておくべき4つのIR情報
ここでは、企業が資金を調達するという財務活動の一環として発行しているIR情報にまつわる資料を一通り確認してみましょう。
これらの中でも 中期経営計画書 と 有価証券報告書 は企業分析に使う頻度が圧倒的に高いため、ジョブ前で時間のない人は先にこの2つを優先的に押さえておくことをおススメします。
各資料について次の章で詳しく説明していきます。
中期経営計画(Medium-term management plan)
中期経営計画(中経)とは、 企業が中期的に目指すあるべき姿と現状とのギャップを埋めるための計画 です。「中期」という言葉に明確な定義はありませんが、3~5年程度の期間を指すことが多いです。
中期経営計画では、 5~10年を念頭に設定された経営ビジョンを実現するために、向こう3~5年でやっておくべきことを明確にしており、これを発行する目的は、この先数年間で会社をどのように経営していくか利害関係者に示すためです。
また、クライアントの現状、3~5年後になりたい姿、売上や利益率などの具体的な目標数値などが掲載してあり、ソリューション提案にダイレクトに関わる情報が得られるため、コンサルや投資銀行のジョブにおいては、クライアントが成長するための最適解を示す情報源として、一番大切な資料になります。
さらに、ジョブは大まかに「目的のすり合わせ・現状分析」→「ソリューション提案」
という流れで進んでいきますが、 中期経営計画には、クライアントの要望が詰まっており 、それを見ることである程度の目標の仮説を立てることができます(ただし、中期経営計画を鵜呑みにするのも問題ですので、市場分析や現状分析をもとに、その時々によって最適な目標を設定するよう心がけましょう)。
インターンはもちろん、社会に出てからも実際の業務で読む資料ですので、ぜひ一度目を通しておくことをおススメします。
有価証券報告書(Securities report)
決算短信に書かれた決算概要のほかに、 詳細な決算の内訳や事業が成功・失敗した理由、事業のリスクなど、さまざまな財務情報が書かれている のが有価証券報告書です。前述の通り、法律の定めによって発行されます。
3か月ごとに発行されるものを四半期報告書、1年ごとに発行されるものを有価証券報告書と分けて呼ぶこともあります。
直近の業績を端的に表している決算短信が短期的な投資に役立つのに比べて、有価証券報告書はより長期的な投資の意思決定に使いやすいIR資料であるといえます。このため、財務諸表は決算短信にも有価証券報告書にも記載されていますが、有価証券報告書のほうがより詳細に記載されている傾向があります。
・財務三表
・貸借対照表:Balance Sheet
・損益計算書:Income Statement
・キャッシュフロー計算書:Cash Flow Statement
アニュアルレポート(Annual report)
会社の1年間の業績をまとめた資料 です。どのような事業がどれだけ成長して、今後どのような計画で拡大していくのかなどについて書かれています。実際には、今後の業績の予想などが含まれている場合もあり、上記の項目で説明した「中期経営計画書」を内包していることも珍しくありません。
作成する義務はありませんが、投資家の意思決定に役立つ資料としてほとんどの上場企業が作成しています。
プロの投資家が投資判断を行う際に最もよく参照するIR資料の一つであり、世界的に有名な投資家であるウォーレン・バフェット氏も、年間100社以上のアニュアルレポートを読んでいると発言しています。
基本的に、ジョブでは必ずと言っていいほど目にすることになるでしょう。しかし、アニュアルレポートはかなりのボリュームであることが多いです。 全部に目を通すわけではなく、ターゲットの要望や状況を踏まえた上で、見る場所を特定して活用しましょう 。
決算短信(Consolidated Financial Results)
決算短信とは、 企業の決算発表の内容をまとめた書類 のことです。決算短信は、集計期間終了から45日以内に発行することが義務づけられている決算資料で、その期間の決算の概要を報告するものです。基本的にこちらは四半期ごとに四半期報告書(Quartely report)として発行されます。
投資を行う際の判断の資料となる有価証券報告書は、決算の3カ月以上後にしか発表されません。そこで、企業の決算結果などをなるべく早く投資家へ知らせるために、証券取引所が各上場企業に対して決算短信の作成を要請し、各企業が作成しています。
決算短信が発表されると、投資家は期待通り利益が上がっているかを確認して投資を続けるか再検討します。
投資家が期待していたほど利益が上がっていなければ、株式を売却する投資家が現れるでしょう。一方で、期待していた以上に利益が上がっていれば、投資をしたいと考える投資家が増えます。
その他のIR資料
このほかで重要なIR資料には 決算説明会資料 があります。決算説明会資料とは、証券会社や資産運用会社のアナリスト向けに行われた決算説明会で使用された資料で、IRページ上に公開されているものです。
形式は一定ではなく、市場分析を含んでいるものや過去との比較が活発なもの、とにかく詳細なデータが掲載されているものなど、会社によってさまざまな特徴があります。
また、株主通信を発行している会社も多くあります。
IR情報は就活以外でも役立つ
最後までご覧くださりありがとうございました。
このコラムでIR情報についてを大まかに理解することができましたか?
IR情報を知ることは、ジョブで役立つだけでなく、有益な情報に触れる絶好の機会です。
社会人の常識として是非知っておきましょう!
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