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「ケース面接演習」実況中継(1) 大学生が初めての「フェルミ推定」に挑戦

主に外資系のコンサルティングファームや投資銀行の選考プロセスで課される「ケース面接」。あるビジネス上の課題について、面接官とディスカッションしながら考えていく形式の面接で、論理的思考力が試されます。このケース面接は実際に体験してみないと、なかなかその中身は分かりません。

そこで、戦略コンサルタントとしての経験に基づき、就活生に向けてケース面接の指導を行っているマツモトさん(仮名)に、ケース面接の模擬演習をしていただきました。マツモトさんにはこれまで、「プロによる実践講座」シリーズで、フェルミ推定やケース面接のポイントを解説していただいていますが、その分かりやすい解説には定評があります。

今回、模擬演習に挑戦するのは、就活を始めてまもないコンサル志望の大学生タカシくん(仮名)です。タカシくんは、ケース面接を体験するのが今回が初めてでした。マツモトさんが提示した問題に対して、タカシくんがどのように答えていくのか。それに対して、マツモトさんはどのように反応するのか。2人のディスカッションの模様をできるだけそのまま、ここに再現します。

ケース面接とは、どのようなものなのか。その臨場感を感じ取ってもらえればと思います。

問題「日本国内のキャリーケースの数を推定せよ」

マツモト:簡単に自己紹介してもらっていいですか?

タカシ:ツダタカシといいます。今、K大学経済学部の3年生です。

マツモト:タカシさんは、ケース面接をやったことはありますか?

タカシ:ケース面接の対策本は読んだことがありますが、こういう対人形式でやるのは初めてです。

マツモト:なるほど。ケース面接は決まった解き方があるわけではなく、あなたの考える力、思考力を知りたいだけなので、リラックスしてやってみてください。

タカシ:よろしくお願いします。

マツモト:では、さっそくですが、ケース面接に入っていきたいと思います。ホワイトボードは自分のメモ書きやプレゼン用に自由に活用してください。

タカシ:はい。

マツモト:問題ですが、「日本国内にキャリーケースがいくつあるか」を推定してみてください。いわゆる「フェルミ推定」ですね。

タカシ:はい。最初から話し合っていくのか、それとも少し考えてから発表するのか、どちらがいいでしょうか?

マツモト:どちらでもいいですよ。

タカシ:では、5分くらい、いただいてよろしいですか?

マツモト:はい、大丈夫です。では、お願いします。

(5分経過)

キャリーケースの個数を因数分解すると?

マツモト:そろそろ5分たちましたね。いかがでしょうか?

タカシ:まず、国内にどれくらいのキャリーケースがあるかということですが、どれだけの人がキャリーケースを使っているのかという点から、個数を調べたいと思います。その際、個人に所有されているものに限って推定しようと思います。

そして、キャリーケースの個数を分解すると、「人口×キャリーケースの所有率×1人当たりの所有個数」という式を計算すれば、個人が所有しているキャリーケースの個数を出せると思いました。

マツモト:はい。

タカシ:そして、人口をどう分ければ、需要を適切に分けられるかなと考えました。職業とか男女とかいろいろな分け方を考えてみましたが、結局、「年齢」で分けるのが、もっとも適切に需要を分けられると思いました

マツモト:はい。

タカシ:年齢でこの分け方をしました。「21~60歳の世代」は社会人として共通性があると思うので、ひとくくりにしています。同様に「61~80歳の世代」はリタイヤした世代として、1つにまとめました。ここから計算していこうと考えているのですが・・・

マツモト:なるほど。では、ここから具体的に計算をしていこうと。

タカシ:はい。

マツモト:いったん、ありがとうございます。続きの計算に入る前に、そもそも「個人所有に限る」ということですが、個人所有以外だと、どんなものがあるか教えていただいてもいいでしょうか?

タカシ:はい(少し考える)。店頭だったり、工場で作っている段階のものがあると思います。

マツモト:なるほど分かりました。いったん、大丈夫です。確かに、個人所有以外は、店頭や工場のものがありますね。では、先ほどの流れに戻って、引き続き進めてください。

世代ごとの所有率をどう推定するか?

タカシ:これから各世代ごとに所有率と所有個数を出していって、全体の個数を出していこうと思います。まず、各世代でどれくらい人口がいるのかを考えます。

マツモト:そうですね。

タカシ:人数ですが、まず80歳まで生きると仮定して、10歳ごとに世代を分けます。各世代(0~10歳、11~20歳…71~80歳)ごとに、同じ人数がいると仮定します。全体で1億2000万人いるので、それを8で割って、各世代の人口を出していこうと思います。

マツモト:それで大丈夫です。

タカシ:はい。(計算して表を埋める)

タカシ:次に、各世代のキャリーケースの所有率を考えます。まず「0~10歳の世代」は所有している人はおらず、使うときは親のものを使うと考えて、「0~10歳の世代」の所有率は0%とします。したがって「0~10歳の世代」の所有個数と「0~10歳の世代」の全体の個数も0になると思います。

マツモト:はい。

タカシ:「11~20歳の世代」は、全員は持っていないはずです。私と同じ世代なので、周りの感覚でいうと、所有している人は30%くらいだと考えています。親のキャリーケースを借りる人がすごく多くて、自分で所有している率はそんなに高くないのではないかと考えて、30%にしました。

マツモト:うーん。

タカシ:個数については、この年代だと、自分で何個も買う必要性もないですし、お金もないので、所有個数は1個と。「11~20歳の世代」の人口数の30%で1個なので・・・

マツモト:そこの計算は最後でいいので、他の世代の所有率を入れてもらっていいですか?

タカシ:はい、分かりました。「21~60歳の世代」ですが、社会人になると、男女ともに出張ですとか、会社勤めで使う機会も増えてくると思うので、みんなキャリーケースを持っていると思います。ですので、所有率は100%と考えました。個数については、使う機会も多いですし、学生のときよりお金を持っているという点から、1人2個は持っていると考えます。

マツモト:なるほど。「61~80歳の世代」は、後でいいです。

「11~20歳の世代」をさらに分解するとどうなるか?

マツモト:「11~20歳の世代」がなぜ30%かよく分からないので、そこをもうちょっと詳しく教えてもらってもよろしいですか?

タカシ: はい。「11~20歳」と分けたのですけども、「11~18歳」にあたる中学生・高校生で、キャリーケースを持っている人は30%よりもっと低いと思っています。ただ、その最後の「19~20歳」は大学生で、みんな旅行とか行きだすので、30%よりもっと上がると思います。自分の周りを見ても、キャリーケースを買っている人が多いので、50~60%くらいはあると思います。この「11~18歳」が30%よりも低いという点ですが、高校のときの自分のクラスを思い出すと、修学旅行とかで自分のを持ってきている人が、クラス40人で、6~7人くらいいました。仮に8人としたら、8/40で20%くらいです。

マツモト:うーん、そこは、もうちょっと細かく考えていきたいですね。11~18歳の人がキャリーケースを使う機会って、修学旅行だけなのですかね?今おっしゃっていただいたクラスで何人っていうのは修学旅行の話だと思うのですが、それ以外になにがありますか?

タカシ:家族旅行だとか・・・

マツモト:なるほど。それも書き出してもらっていいですか?

タカシ:あとは、人によっては、登校時に教科書をいっぱい持ってくるときに使う人もいました。

マツモト:なるほど。挙げていけばたくさんあると思うのですけど、いったん大丈夫です。ちなみに、その数字を決めるうえで、どこが一番大きそうですかね?

タカシ:家族旅行は、家族で行くので親のものを使うことが多いと思いますし、そんなに所有率に影響するとは思いません。一方、学校に行くときのキャリーケースは毎日使うので、自分のものだと思います。だから、所有率に大きく影響が出てくるはずです。修学旅行は、男子は違いますけど、女子は、自分のキャリーケースを持っていきたいという人が一定数いたので、そこは影響してくるかなと思います。

マツモト:なるほど。では、「11~18歳」で、キャリーケース所有の一番の要因になっているのはどれですかね?

タカシ:個人的には、修学旅行の女子のところが一番大きいと思います。学校のところは、キャリーケースを持っている人もいましたけど、クラスに1人いればという感じだったので、修学旅行が一番大きい要因だと思います。

マツモト:なるほど。

「19~20歳」について用途で分解してみると?

マツモト:では、残りの「19~20歳」の50~60%も、もうちょっと細かく推定していただけませんか?

タカシ:はい。キャリーケースをどんな場面で使うかを考えて、その場面でどのくらい持っているかを考えていきます。一番大きいのは「旅行」で、学生は休みが多いので旅行に行くことが多く、そのシーンで多く使われるかなと思います。「合宿」という使い方も考えてみたのですけど、これは旅行に含まれるかと思うので、なしにしました。

あとは、「サークル活動」とかですね。荷物が多い人、例えばバンドでギターを背負っていて、バック肩掛けだとつらい人が、キャリーケースを使っていることもあるので、サークル活動も大きなものだと思います。ただ、「授業」は教科書も少なく、持ってくる人はそんなにいないので、省きました。

マツモト:なるほど。では、そこから個数を出すにあたって、「人口×所有率×個数」という形で因数分解してもらって、数式の形にしてもらっていいですか?

タカシ:大学生活で旅行に行かない人はおそらくいないので、「旅行目的の使用」の分解をして、その人がキャリーケースを持ってくるか持ってこないかを出せば、他のシーンでの所有はそこに含められるのではないかと思います。

マツモト:なるほど。では、具体的な数字を当てはめてもらってもいいですか?

タカシ:はい。本当であれば、大学生のところは、20歳までではなくて、22歳までなのですが・・・

マツモト:いったん、20歳までで大丈夫ですよ。

タカシ:分かりました。1500万人の1/5で300万人、所有率のところは、60%としました。

マツモト:なるほど。ちなみに、大学生数300万人なのは本当ですか?

タカシ:えっと、「19~20歳」で考えるならば、これで合っていると思います。

マツモト:いや、「19~20歳」で大学生数300万人が本当かなって思うのですけれども・・・。まあ、いったんこれで進めましょう。1学年150万人の大学生がいると。では、最後に「61~80歳」を埋めてください。

最終的に式を計算すると・・・

タカシ:はい。「61~80歳」は定年でリタイヤしているので、出張に行く機会はないですが、時間が空いているので、旅行に行く機会はあると思います。この世代は、旅行に行く人はみんな自分のものを持っているとして、どのくらいの人が使う機会があるのかを考えます。インドア派や遠出したくない人が結構な割合でいると思うので、50%と置きます。そんなにポンポン旅行に行くわけでもないので、個数は1個で済むのかなと思います。

マツモト:はい。では、最後に計算してください。学生の部分は30%でやってしまって大丈夫です。

タカシ:はい。個人所有のキャリーケースの数は、1億3950万個です。

マツモト:さて、この個数はどうでしょうか。現実的にこれより多いか、これより少ないか、どう思いますか?

タカシ:総人口が1億2000万なので、割れば1人1個以上持っているくらいの確率なのですけれど、個人的にはそこまで外れていないかと思います。家族旅行に行くときは1人1個持っていく感じだったので、1人あたりだいたい1個として、それよりもちょっと多いのは、社会人が2個持っている分として考えれば妥当です。

マツモト:ちなみに、社会人が2個持っているのは、なぜですか?

タカシ:出張などで使う機会が多いだろうというのと、お金を持っているから買う余裕があるのかなと思って、2個にしました。

想定したキャリーケースも市場にモレはないか?

マツモト:なるほど。ちなみに、これを計算するにあたって店頭在庫などは省いて「個人所有に限る」としましたけれども、なんかモレている市場はないですかね?

タカシ:個人所有でモレている市場ですか?

マツモト:いえ、全市場ですね。個人所有と、さっき挙げていただいた工場と店頭以外に、なんかモレている市場はないですか?

タカシ:えっと、外国人が持っていて、日本にあるスーツケースですかね。

マツモト:そうですね。外国人も市場の1つだと思います。さて、時間もないことですし、ここでいったん終わりにさせていただきます。外国人のことはひとまず忘れていただいて、個人所有のキャリーケース個数の推定で、もう少し深掘るべきポイントを出すとしたら、どこですかね?

タカシ:最初に、軸のところで年齢で区切って、男女という軸はやめたのですけど、学生のところの分析で、女子の需要の影響が一番大きいとなっていました。なので、男女でも分けたほうが良さそうです。そうすれば、特に「11~20歳の世代」で、もっとしっかりした数字が出たのではないかなと思います。

マツモト:なるほど。

タカシ:あと、社会人の所有個数を「2個」と置いた理由について、出張が多くて、お金に余裕があるからとしましたが、もう少しなんらかの要素に分解できなかったかな、と思います。

マツモト:はい。ありがとうございました。いったん、こちらで終わりにしましょう。

面接官からのフィードバック

マツモト:最初は見落としている内容もありましたが、「個人所有に限る」という点について質問したときに店舗や工場のケースがすぐに出てきたり、「市場が他にないか」と聞いたときにすぐに外国人という答えが出てきて、よく考えられていたと思います。

最後に、タカシさんがコメントしてくれた箇所は、私も同感です。0~10歳、11~20歳、21~60歳、61~80歳で分けるのは、スーツケースの所有の違いを大きくする軸としては、あまり良くないと思います。もうちょっと意味のある軸で分けようとする場合、例えば、どういう分け方ができると思いますか?

タカシ:「21~60歳」と分けたとき、主婦とかは出張がないなと思ったので、「職業」で分けるのもありだなと思います。あとは「用途」で分けて、出張で使う人が何人いるのか、とかですかね。

マツモト:そうですね。みなさん、ついつい「年齢」しかも「切りの良い年齢」で分けてしまいがちですが、もっとしっかり考えたいところです。今回の場合、「場面」で分けるか、「属性」で分けるかという話ですね。では、仮に「属性」で分けるとしたら、どういう分け方ができますか?

タカシ:学生でも、さっき大学生とそれ以下だと需要が全然違うという話が出ていたので、小学生以下、高校生まで、大学生で分けるのがいいと思います。あとは社会人と主婦、それに老人とかですかね。

マツモト:社会人は、もうちょっと細かく分けられませんか?

タカシ:出張の話が多く出ていたので、社会人の中でも、営業かどうかや出張ありなしなどで分けられるかなと思います。

マツモト:そうですね。旅行はみんな行くので、その軸で分けるのは難しそうですが、出張はその属性で分けられそうですね。このように考えると、社会人の所有率が100%というのはどう思いますか?

タカシ:100%というのは高すぎると思います。主婦は出張にはいかないですし。また、会社員も出張に全員が行くわけではないので、そこも100%と考えるのではなく、もっと低く70%くらいにするべきだったと思います。

マツモト:そうですね。あとは、田舎の人はあまり旅行に行かないかな。今回は全体的に見て、都会っぽかったですね。ちなみに、東京出身ですか?

タカシ:そうです。

マツモト:ですよね(笑)。ちなみに私は地方出身なのですが、家族はキャリーケースを持っておらず、僕しか持っていません。ケース面接においては、ある程度、自分の経験のバイアスがかかっても仕方がないですが、可能な限り客観性を維持できると良いと思います。

大学生の人数の推計はどこで間違えた?

マツモト:話は変わりますが、「19~20歳」の大学生数を300万人とした点について、何がまずかったか分かりますか?

タカシ:あ、大学進学率を100%にした点ですね。

マツモト:そうです。今回の流れだと、300万人という数値は大学生の年代の人数であって、大学生の人数になっていません。他のところには気づけているので、たまたま緊張していただけだろうと思いますが。大きく見落としていたのはここですかね。

一方、「11~20歳」のところで、所有率を30%とした部分をより詳細化するにあたって、いいなと感じたのは、「修学旅行」の需要が一番大きいとしたうえで、「女性が持ってくる」としたところです。男性はデザインとか気にしないから、家族の持っているものでもいいけれど、女性はそこ気にするよねっていうのを暗に示していました。この観察が正しいか否かは別として、そういう「物事を観察する力」や「他者・消費者目線で見る力」は大切です。今回のように、用途で3つに分けるような視点を意識するようにしてください。

タカシ:はい。

マツモト:大学生のところですが、旅行にあまり行かない人もたくさんいるので、割合はもっと少ないかもしれませんね。理系の学生などを中心に、インドア派の学生も一定以上いると思います。タカシさんのような文系私大の学生は、まさに一番旅行に行っている人たちですよね。私大でお金に余裕がある人も多そうだし、文系で時間が取りやすく、活動的な人が多いですし(笑)。

タカシ:そうかもしれないです(笑)。周りをベースに考えると、実際の値からかなりかい離すると思います。

マツモト:こういうとき「僕の実感だと60%なのですが、バイトが大変な人もいるので、実際はもう少し低くて~」という風に、ロジックをつけて自分の類推を補強できるといいですね。例えば、自分の周りの所有率は60%、でも「理系の学生は忙しいからもう少し減る」「公立の学生はお金がないからあまり旅行に行かない」「地方の学生は東京ほど活動的でない」など、何かしらのロジックはつけて、数字を補正したいところです。

「どんな要素がこの数字に影響を与えるかを分かっています」ということを示すことができます。コンサルティング会社の仕事でも、数字に影響を与える項目を示すことは重要です。この項目一覧によって、検証内容が変わってきますから。あと、非常に細かい話ですが、個数の数値のところは、ビジネス用途が1で、旅行用途が0.5とか1.5とかでもいいですよ。別に切りのいい数字を置かなくてもいいです。

ほかに、なにかやっていて気になったこととか、取り組み方で迷った箇所などはありますか?

タカシ:最初のところで、軸というか、セグメント分けをしたわけですけど、そこでミスったかなと思っています。需要で分けるのであれば、もっと需要をきれいに分けられる分け方はなかったのかなと考えているのですが・・・

最初に思い付いた要素を書き出すといい

マツモト:それでいうと、最初は思い付きでいいので、需要をいろいろと書き出してみるといいですよ。いきなりきれいに整理したり、MECEに書こうとせず、「出張」「旅行」「登校」といった思い付きでいいので。そうすると、なんとなく「社会人的な用途と学生的な用途があるな」と考えられます。さらに「中学生はキャリーケースというよりはボストンバックを使うかな」ということを、頭の中に思い浮かべながら整理していくと、軸としてこのあたりがいいんじゃないかと、より筋のいい軸を思い付ける可能性が高まります。

だから、今回、数字を最初に入れず、要素を整理していったのはよかったと思いますよ。まず、方法の妥当性、今回の場合は、軸の妥当性を検討しないといけません。そういう「なんでキャリーケースを使うのだろう?」みたいな感覚は常に持っておくべきだと思います。そうでないと、ただの数字遊びになってしまいます。

タカシ:キャリーケースは、個人ではなく世帯で持っている場合もあると思いますが、そっちはどうでしょうか?

マツモト:そうですね、世帯で解くこともできると思いますし、今回だと、どちらでも解ける問題だと思います。ただ、僕だったら個人で解きますね。世帯だと、分け方がすごく面倒くさいです。共働きがどうこうとか、出張で誰が使うとか、すごく複雑になってしまう。

タカシ:なるほど。

マツモト:どうしても気になるようならば、面接官に「個人と世帯で出す方法がありますが、ここは個人で解いていこうと思います」と明示すればよいと思います。そうすれば、もし面接官が「世帯で解くべきだ」と考えている場合、「世帯にすべき」という趣旨の質問・コメント・指示を言ってくるはずです。

個人と世帯の両方を思い付いたのであれば、両方挙げて、分かっていますということをアピールしたうえで、僕は個人で解きますというスタンスをとる。コンサルタント間でも、いろいろと考え方は異なりますし、残念ながら中には「自分の考えが絶対」的な方もいるので、選択肢を示しておけば、リスクは減ると思います。

それでいうと、タカシさんが「個人所有に限る」と明示したのは、非常に良いと思います。やりがちなのは、勝手に個人所有のみに絞って回答を進めてしまい、面接官に「個人所有だけなの?」と思われることです。明示すれば、「ほかの選択肢がありえることは分かっていますが、いったん重要なほうに集中します」というニュアンスを伝えられます。

ちなみに、念のために指摘しておくと、大事なのは「尋ねる」のではなく、「明示」することです。「どっちがいいですか」と聞くのは、何も考えていないと受け取られてしまう可能性があります。考える力を見せるべきケース面接において、この方法はナンセンスです。どちらが良いと考えているのかしっかり明示して、面接官から理由を質問されたら、しっかりと「自分はこう思っている」ということを伝えられるとベストです。

思考のプロセスを見せるのが重要

タカシ:ありがとうございます。制限時間があるなかで、そこへ向かって答えを出したほうがいいのか、答えが出なくても考え方をしっかりと見せたほうがいいのか、どっちなんでしょう?

マツモト:どちらだと思います?

タカシ:僕は答えが出なくても考え方を見せたほうがいいと思います。結論よりも考え方を見たいのかなと考えているので。

マツモト:そうですね。必要なプロセスを飛ばすのはNGです。さすがに「3割しか終わらなかった」となると、何か些末なことばかりを議論していて、段取りに問題があった可能性があります。しかし、「結局8割までしか終わりませんでした」というのは、面接官からいろいろ質問を受けたために終わりきらなかったと解釈できます。無理に終わらせようとして、必要なプロセスを飛ばせば、それは「論理の飛び・飛躍」となってしまいます。

タカシ:なるほど。ありがとうございます。世代ごとの人口比率などの数値は、覚えておいたほうがいいですか?

マツモト:こういう少し調べれば分かる数字を覚えておく必要はないと思います。たとえ人口を1億人としても別に面接官は気にしないと思います。こういうものは単なる知識で、思考力とは関係ないので、どうでもいいことです。さすがに、日本の人口が1000万人と言われると、常識を疑われるかもしれませんが。

タカシ:本番のケース面接も今回のような感じなのでしょうか?

マツモト:面接官によっては、まれにほとんど質問をしない方もいますが、今回のように質問をたくさん入れてくるパターンが大半です。面接時間が30分となると、粗い計算やロジックになるのは、そもそも仕方ありません。その中で、面接官は、あえて細かいところを質問してみて、詳細を考えさせます。間違っているときなどは、助け舟を出すわけではないですけど、「それ本当?」的な質問で問いかける方が多いです。それ以外にも、もっと深く考えさせたいときは、例えば「他にもっとあると思うから考えてみて」と質問してくるでしょう。

また、最初に前提を置くときは、インパクトを考えないといけません。今回の問題でいうと、「個人所有に限る」とした理由の裏に、「所有数に対するインパクトが大きいから」という考えがあるべきです。それは考えていましたか?

タカシ:さすがに工場にあるものよりも、個人が持っているほうが多いだろうとは思っていました。

マツモト:そのような考えがあれば、大丈夫だと思います。前提も、論理的なもの、つまり「妥当」なものでなくてはならず、問題を解きやすくするための「恣意的」なものであってはいけません。なので、前提を置く前にも、やはり問題について、ある程度の検討が必要です。面接の最初にいきなり前提を置くのではなく、面接が進む中で、必要に応じて前提を置いていけばよいのではないかと思います。

タカシ:ありがとうございました。

マツモト:今回のケース面接は、「大きく外している」箇所がなく、むちゃくちゃな方向に議論が進まずにすみました。初めてのケース面接としてはよく出来ていたと思います。しかし、詳細については、まだまだ甘い分部分もあります。日頃から、さまざまな視点で考える、「なぜ」を何回も考える、といった癖をつけていただければ、より良い回答ができるようになると思います。今後もがんばってください。


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