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「ケース面接演習」実況中継(2)携帯電話の台数を推定してみる

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外資系のコンサルティングファームを中心に、就活生の関門となっている「ケース面接」。その実際の内容を知ってもらうために、現役の学生が模擬面接に挑む「ケース面接」実況中継シリーズの第2弾をお送りします。

面接官を務めるのは、外資系コンサルでの経験をもとにケース面接の指導を行なっているマツモトさん(仮名)。コラム「プロによる実践講座」の執筆者でもある彼が、大学3年のオサムさん(仮名)に対してケース面接の演習を実施しました。

就活を始めてまもないという都内私立大生のオサムさんとマツモトさんのディスカッションとフィードバックの内容を、できるだけそのまま再現します。就活生の方は、自分がオサムさんになったつもりで、考えてみてください。

問題「日本国内にある携帯電話の数を推定せよ」

マツモト:面接官役のマツモトです。簡単に自己紹介をしてもらえますか。

オサム:W大学3年のオサムといいます。経営学を専攻していて、コンサルを志望業界の一つとして考えています。今日はよろしくお願いします。

マツモト:よろしくお願います。ではさっそく、ケース面接を始めましょう。

オサム:はい。

マツモト:問題ですが、国内にある通話機能のついた携帯電話やスマートフォンが何台あるかを推定してください。一般に「フェルミ推定」と呼ばれるものですね。

オサム:分かりました。

マツモト:ちなみに、考える時間は何分くらい必要ですか?

オサム:5分程度いただけますか。

マツモト:分かりました。では、始めてください。

(5分経過)

マツモト:5分たちましたが、どうでしょう。

オサム:おおまかなところまでは出来ました。

マツモト:では、説明してもらえますか?

オサム:はい。日本にある携帯電話ということなんですけれども、今回の携帯電話の対象として、ガラケーとスマートフォンに限定して計算していきたいと思います。

携帯電話の総数を計算する式はどのようなものか?

オサム:携帯電話の台数を推定するうえで、3つの因数を考えました。まず1つが「日本の総人口」、2つ目が「所有率」、そして、3つ目の因数が「一人あたり何台携帯電話を持っているか」です。この3つの因数に分けて計算していきます。

そして、「日本の総人口」と「所有率」と「一人あたり何台持っているか」だけでは、かなり大雑把な捉え方になってしまうので、もう少し細かくとらえる必要があると思います。そこで、「年代」に注目して分けていきたいと思います。

マツモト:なるほど。本当に、それで全部でしょうか?

オサム:そうですね。こちらは「個人が持っている携帯電話の台数」になっているので、考えられるとしたら、会社員として持っている携帯、法人が個人に対して与える携帯もあると思います。ただ、そちらも合わせて計算すると混乱してしまうので、のちのち計算していきたいと思っています。

マツモト:それ以外には、ないでしょうか?

オサム:個人と法人ということで考えましたが、それ以外となると・・・

マツモト:分かりました。そのまま、進めてください。

オサム:分かりました。では、日本の総人口を細かく分けていきたいと思います。日本の総人口は1億2000万人ほどいます。そして、所有率は、社会人や学生、主婦といったセグメントごとに違うと思います。そこで、学生、社会人、主婦、そして、年配の方、というように分けていきます。それぞれの比率ですが、2:4:2:2と考えたいと思います。

マツモト:なぜ、そういう比率だと考えるのですか?

オサム:まず、年代別に考えると、0~20歳、21~40歳、41~60歳、61~80歳の各年代の比率は、2:3:3:2 になっていると考えられます。一番若い世代と一番高齢の世代は他よりも少なく、真ん中の世代が比較的多いと思われるからです。

そして、さきほど挙げた学生、社会人、主婦、年配というセグメントと、各年代の対応関係を考えます。まず、0~20歳は、もちろん全員が学生ではないのですが、おおまかに捉えて「学生=0~20歳」として、その比率は「2」だと考えました。次に、社会人は、21~60歳の3分の2が該当すると仮定します。そして、21~60歳の比率は「6」ですので、その3分の2ということで、社会人の比率は「4」となります。主婦は、21~60歳の年代の社会人以外ということで「2」としました。そして、年配の方は、61~80歳なので「2」となります。

マツモト:なるほど。

オサム:次に所有率です。学生に関しては、デジタル世代ということもあり、ほとんどの学生が持っていると思いますので、90%とします。社会人に関しては、携帯電話がなければ働けないと思うので、学生よりも高く、100%としました。次に主婦は、必ずしも携帯を持たなければならないわけではないですが、だからといって持っていない人が多いわけでもありません。そこで、学生と同じ90%でいいのではないかと思います。最後に年配の方は、デジタル世代ではなく、彼らの40代頃から携帯が出始めたことを考えると、それほど持っていないのではないかと思います。しかし過半数は超えているのではないかと思うので、60%とします。

マツモト:はい。

オサム:最後に、一人あたりの台数です。学生に関しては、2台も3台も持つ必要はないと思いますので、1台とします。次に社会人は、プライベート用の携帯と会社から与えられた携帯ということで、2台持っているのではないかと思います。主婦に関しては、一人が2台以上持っている状況は生活上考えにくいので、1台とします。年配の方に関しても同様に、2台以上持つ必要はないので、1台とします。

携帯電話を2台持つのはどのような場合か?

マツモト:なるほど。ちなみに、社会人の所有台数を2台と設定していますが、みんな2台目を持っているということですか。さきほど、法人は別だと前提を置いていましたよね。

オサム:そうですね。これは携帯台数に関して、個人からアプローチするか、法人からアプローチするかを考えるうえで、法人という考え方も出してみたのですが、法人ベースで考えてしまうと、社会人しか考えることができないので、個人ベースで考えました。

マツモト:社会人の2台というのは、会社が社員に貸し与えているものも含まれますか?

オサム:そうですね。2台の内訳は、1台がプライベート用で、2台目が会社から与えられたものという想定です。

マツモト:プライベート用に関しては、100%でもいいと思います。会社から与えられた場合や、自分で仕事用として「もう1台持ちたい」という場合について、もう少し詳しく考えていただけますか?

オサム:分かりました。3分ほどいただいてもいいでしょうか。

マツモト:いいですよ。

(3分経過)

マツモト:さて、2台目を購入する人には、どんな特徴があるでしょうか?

オサム:どんな特徴があるか考えてみたのですが、少し難しいですね・・・

マツモト:たしかに学生にとっては、社会人の状況を想像するのは難しいかもしれませんね。でも、ちょっと考えてほしいのですが、会社が2台目の携帯を与えるの場合は、どういう人が対象になるのでしょうか?

オサム:自分がいま思いついたのは、営業の方です。

マツモト:いいですね。ちなみに、なぜ、営業の方なんですか?

オサム:営業に関しては、かかってくる電話の数が多いことが理由だと思います。プライベートにかかってくる電話と、営業としてかかってくる電話を分けないと混在してしまって、生活が難しくなるので、2台目が必要になってくると思います。

マツモト:なるほど。営業のほかにはないですか?

オサム:営業以外ですか・・・。営業という職種をもう少し考えてみると、人と会うことが多い部署や職種だと思います。そこで、営業以外で人と会うことが多い部署や職種を考えると・・・

マツモト:ちなみに、差し支えなければ、ご両親などの身の回りの方の仕事や職場で、携帯を2台以上持っている人はどんな人か、想像してもらってもいいでしょうか?

オサム:私の父は旅館を経営しております。旅館の中で携帯を2台以上を持っている人はやはり、営業の方だといえます。それ以外の職種としては、仲居さんと料理人と事務員の大きく3つに分けられますが、携帯を2台以上持っている可能性が高いのは、事務員の中の営業担当の方だと思います。

マツモト:なるほど。

営業担当の社員の割合はどれくらいか?

オサム:仮に、携帯を2台持っているのは、営業の方に限られるということであれば、「総社会人×営業の人の割合」を計算する必要があります。

マツモト:営業の人の割合は、どうやって出しますか?

オサム:これに関しては、現在インターンをしている会社で、営業の方がどのくらいいるかという点に注目して、計算してみたいと思います。インターン先の会社は社員全体で30人、そのうち営業の方が10人ほどなので、3分の1ということになります。

マツモト:なるほど。ちなみに、その会社では営業担当の社員が3分の1ということですが、客観的に見て多いほうだと思いますか? それとも少ないほうだと思いますか?

オサム:3分の1というのは普通だと思います。というのも、会社の経営を推し進めるという意味では、営業があってこそクライアントが存在するのであり、その意味で営業に力を入れる会社は多いと思います。ですので、3分の1という数字は、大きくもなければ小さくもないと考えます。

マツモト:なるほど。もう一点、会社から買い与えられて2台目を持つという状況のほかに、自分で2台目の携帯電話を買うという状況が考えられます。そのような人の割合はどのくらいだと思いますか?

オサム:私がこれまで出会ってきた人の中で、2台以上持っている人が見受けられないので、自分で2台目を買うという可能性は少ないと思います。

マツモト:分かりました。仮に少ないとして、そこに入る人たちはどんな人でしょうか? その少ない人たちの中でも、大部分の人に共通する点はなんでしょうか?

オサム:それは、社会人に限定しなくてもいいのでしょうか。

マツモト:そうですね。社会人に限定しなくてもいいので、自分で携帯を2台持っている人を考えてみてください。

オサム:そうなると、趣味で携帯が好きな人がいて、2台目を買ってしまうという状況だと思います。たとえば、私の父は新しい物が好きで、次々と携帯を買ってしまうのですが、同じような人がある程度いるのではないでしょうか。しかし、趣味で携帯を買ってしまう人の割合はかなり小さいと思うので、重要性はかなり低いものとして考えました。

マツモト:ここでもう一度聞いておきますが、携帯電話があるのは、本当にそれだけでしょうか? ほかに見落としているポイントはないですか?

オサム:いま挙げている以外で見落としている点があるかを考えてみると・・・何かほかにありますかね?

マツモト:分かりました。

携帯電話の台数を計算してみると・・・

マツモト:では、最終的な携帯電話の台数を計算してもらえますか?

オサム:はい。

(計算するが、途中でミスがあり、時間がかかる)

オサム:1億2160万台になりました。

マツモト:1億2160万台というのは、1人につき1台となりますが、日本国内にあの携帯電話の台数として妥当だと思いますか?

オサム:なんとなくですが、実際にはこれ以上あるのではないかと思います。

マツモト:それはなぜですか?

オサム:というのも・・・そうですね・・・(困惑)

マツモト:ちなみに、オサムさんは携帯電話を何台持っていますか?

オサム:いま私が持っている携帯電話は1台だけです。

マツモト:本当に持っている携帯電話は1台ですか?

オサム:通話機能が備わっている携帯電話ということでしたら、1台しか持っていません。

マツモト:家に帰っても、それしかないですかね?

オサム:それ以外となりますと・・・家庭ある固定電話ということになりますかね?

マツモト:固定電話は今回は違いますね。

オサム:そうでした。それ以外だと・・・

マツモト:ちなみに、いま使っている携帯の機種の前は、何を使っていましたか?

オサム:この前の機種は、シャープの携帯でした。

マツモト:そのシャープの携帯はどこにありますか?

オサム:シャープの携帯は売りました。あ、そういうことですね。個人が使っている台数を今回は出しましたが、それ以外に、販売目的で扱われている携帯もあるのではないかということですか。

マツモト:では、個人が使っている携帯以外にも、販売目的で扱われている携帯があるということも、ホワイトボードに書いておいてもらえますか?

オサム:はい。

「国内にある携帯電話」として他の可能性はないか?

マツモト:ちなみに、それだけでしょうか?

オサム:販売店に置いてある携帯と、個人が使用している携帯のほかに、さらにあるのではないかということですね?

マツモト:ドコモショップとかヤマダ電機などの販売店に置いてあるものと、個人が使用しているもので全部ですかね?

オサム:これ以外は、正直なところ思いつかないのですが・・・

マツモト:携帯会社はどこから、その携帯を仕入れてきたのでしょうか?

オサム:海外から部品を取り寄せて組み立てるということになると思うんですが・・・あるいは、海外の会社が製作した携帯を購入しているということでしょうか。たとえば、iPhoneに関していえば、アップルが製作したものをソフトバンクなどの日本の会社が購入しているんだと思いますが・・・

マツモト:さきほど、オサムさんはシャープの携帯を売ったということですが、それ以外にも存在するのではないでしょうか? たとえば、私は古い携帯を売らずに家においてあります。このようにいくつかパターンがあると思うので、考えて整理してもらっていいですか?

オサム:そうですね。貸し出し用の携帯でしょうか。たとえば、海外旅行などの場合、旅行客は旅行先の携帯貸し出しサービスを利用すると思います。

マツモト:なるほど。

オサム:そういった場合、携帯の貸し出し店も対象に入ってくると思います。したがって、個人使用以外で携帯があるのは、販売店、メーカー、貸し出し店の3通りに分かれると思います。

使用後の携帯電話はどうなる?

マツモト:それ以外にもありませんか? 携帯を使い終わった後はどうしますか? 携帯の処分方法にもいろんなパターンがあると思いますが。ご両親やご兄弟や友達はどうしていますか?

オサム:家に置いておくとかですかね? 売ることも貸し出すこともしないで、家に置いておくということも十分にあると思います。

マツモト:そうですね。それも重要だと思います。

オサム:分かりました。こちらは個人の所有という意味合いになるんでしょうか?

マツモト:そうですね。さて、ほかにはないですかね?

オサム:これ以外ですか?

マツモト:携帯の機種変更をした後で、手元に置いておく方もいれば、売ってしまう方もいるということでしたが、それ以外にはないですかね?

オサム:たとえば、携帯の中に含まれている金属を取り出すとかでしょうか。金などが挙げられると思いますが・・・

マツモト:それもあると思いますが、もう少し一般化していうと? もっと単純に考えていいですよ。

オサム:手放すか、手放さないかということですよね。

マツモト:手放すか、手放さないかという軸で考えると、手放すという中に「売る」という選択があると思うのですが、販売店に売る以外にも手放す方法はないですか?

オサム:リサイクルとかですか?

マツモト:ですよね。普通に捨ててしまう人もいるでしょうけど、リサイクル業者に出す人もいると思います。携帯の中にはお店に売られるものだけではなく、分解や処分などを待っているものもあると思います。

さまざまなセグメントのうち一番多いのはどれか?

マツモト:では、まとめに行きましょうか。今、個人が使用している携帯台数と、会社が社員に貸し出している携帯台数を計算してもらいました。しかし、それ以外にも、販売店・メーカー・貸し出し店といった法人の在庫や、廃棄を待つリサイクル業者の携帯、さらに個人が新しい携帯を買うことで利用しなくなり、家に置きっぱなしになっている携帯があることが分かりました。では、その中でどれが一番多いでしょうか?

オサム:私としては、法人の在庫が多いのではないかと思います。法人の在庫は、販売店・貸し出し店・メーカーの3要素がありますが、その中でも販売店が特に多いと思います。販売店は在庫がない状態を避けたいので、想定される需要よりもある程度多くの携帯台数を確保しておきたいという考えがあると思います。

マツモト:では、視点を変えて、個人が持っている携帯で、アクティブではないものって、どのくらいあると思いますか? アクティブなものよりも多いと思いますか? 少ないと思いますか?

オサム:私はアクティブでないもののほうが多いのではないかと思います。個人が持っている携帯は、いずれ壊れたりして使えなくなります。その際、修理したり処分したりと様々な対処方法があると思いますが、そういった状況にある携帯が蓄積することを考えると、アクティブでない携帯ほうが多いのではないかと思います。

販売店にある携帯電話の数をどう推定するか?

マツモト:では、もう一点、販売店にある携帯の数ですが、どのような式で計算できるか、教えていただいてもよいでしょうか?

オサム:はい。計算式としては、「日本にある携帯販売店の数」と「一店舗あたりの携帯の保有数」をかけたらよいと思います。

マツモト:「一店舗あたりの保有数」は、どういうロジックで算出できるでしょうか? たとえば、新宿のソフトバンクの店舗など、具体例を想像しながら考えてみてください。

オサム:たとえば、ソフトバンクの新宿店を例に考えてみると、新宿店というのは新宿に来ている人に売るというのが前提にあると思いますので、その際には「新宿の人口」×「ソフトバンクの店舗で携帯を買う人の割合」といった因数が挙げられると思いますが・・・

マツモト:販売店は、そういう風に考えるでしょうか? 店長の立場に立って考えてほしいのですが、新宿の人口を基準にするのでしょうか? たとえば、新宿店にiPhoneを仕入れるとき、必要な数をどのように計算しますか?

オサム:店長の立場で考えると、過去に売れたiPhoneの数に応じて、仕入れる台数を決めると思います。

マツモト:そうですね。では、その「応じて」というのはどういうことなのか、具体的に説明してもらえますか? たとえば、先週iPhoneが100台売れたとすると、何台携帯を仕入れるべきでしょうか?

オサム:仕入れた台数に対する「購入された台数の割合」を参考にすればよいと思います。

マツモト:分かりました。では、いったんここで面接を終了して、フィードバックに移りたいと思います。

オサム:ありがとうございます。

面接官のフィードバック

マツモト:今回、いろいろな視点が抜けていたので、最後に質問を通して理解状況を確認しながら、回答の方向性を誘導させていただきました。しかし、実はまだ抜けている点が残っています。どこか分かりますか?
オサム:私は「個人」に注目しすぎたかなと思っているのですが・・・

マツモト:たとえば、外国人の存在です。出張や旅行の方とかですね。計算式は日本の総人口からスタートしているので、外国人が所有している携帯を見落としていると感じます。

オサム:分かりました。

マツモト:全体像はこのくらいでいいでしょう。重要なポイントは、今回は「日本にある携帯台数」を求めているのであって、「個人が持っている携帯」のみを求めているわけではないということです。問われている内容を正しく理解できていないように見受けられる回答は意外にも多いので、注意してください。

次に、社会人の中に携帯を2台以上持っている方がいることは気がつけていましたが、その対象が「営業」だけかといわれると、そうではないと思います。「客とやり取りしている人」や「会社の上層部」という軸もあると思います。このような場合、営業や役員の方というように職種や役職を挙げていってもきりがないので、いったん抽象化したほうがよいでしょう。今回は「人と会う働き方」と考えられていたので、良かったと思います。

オサム:ありがとうございます。

重要な部分がどこかを意識して、そこを落とさないようにすべき

マツモト:しかし、営業の割合が3分の1というのは、あまりよくありませんね。どこかまずいのか分かりますか? インターン先の会社をもとに考えたのですよね?

オサム:そうですね。インターン先のネットベンチャーをベースに考えました。

マツモト: だとすると、多すぎると思います。なぜなら、労働者全般でいうと、ホワイトカラーだけでなく、ブルーカラーもかなりの割合を占めています。たとえば、工場労働者とかコンビニの店員は、仕事上で携帯を持つ必要性はあまりないでしょう。そう考えると、このようなネットベンチャーでの営業の数というのは、社会一般と比較すると多いと想定されます。以上は、あくまでも推測ですが、このインターン先の会社と社会一般の会社を比較するという客観的な視点が抜けていたかなと思います。

オサム:ということは、私が計算したのは、あくまでホワイトカラーに関してだけだったということですね。

マツモト:そうですね。少なくとも、今回の計算がホワイトカラーを前提にしていることを明示したうえで、それを労働者全体に適応するにあたって少し補正するといったプロセスが必要だったと思います。

オサム:はい。

マツモト:あと、計算をするときにミスが発生していましたが、それだけでなく、非常に複雑な計算方法をとっていました。面接中で緊張しているので、混乱や単純な計算ミスが多少発生するのは仕方がありません。しかし、計算式や計算の段取りが悪いのは、本質的な計算能力に問題があると懸念される可能性があるため、注意しましょう。

オサム:分かりました。

マツモト:最後のほうで、どこの部分が大きいかということを聞きましたが、私も「個人所有でアクティブでない携帯」のところが大きいと思います。その部分が、そもそもの計算対象から抜けていたのは、問題でした。

注意していただきたいのは、フェルミ推定においては、勝手な視点をもとに算出対象を減らさないとことです。たとえば、今回であれば、リサイクル業界のためにフェルミ推定を行っている可能性もあります。その場合は、むしろリサイクル対象として、家の棚の奥に眠っている「アクティブでない携帯」が重要になるかもしれません。先入観を持たず、あくまでどの部分が大きいかという視点を持って、取り組んでもらえたらよかったと思います。

オサム:分かりました。

マツモト: 今回は全体として、視野が狭い印象を受けました。もう少し視点を広げることを意識してみてください。逆に、今回良かったところは、携帯を2台以上持つ人の特徴として「営業職」を挙げた上で、さらに一歩抽象化して「人と会うことが多い」というポイントまで出せた点です。物事を抽象化する視点は、コンサルタントの重要な能力の1つなので、引き続き意識してください。

オサム:ありがとうございました。


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