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「あの人なら総合商社は堅いよね」と言われていた早慶生が、蓋を開けてみれば全落ち——。 令和の就活で「早慶なら安泰」という神話は、すでに崩れています。御三家・東大卒で新卒から総合商社に身を置き、X・noteで難関キャリアの就職・転職情報を発信する寄稿者「 丸菱商事マン 」氏が、早慶という学歴が就活で果たす本当の役割と、年間1.5万人の早慶生が「同じ顔」に埋もれないために必要な「二つ目の属性」を論じます。
・「早慶なら安泰」が令和の就活で通用しなくなった理由
・早慶という学歴が果たす役割=「入場チケット」の正確な意味
・早慶生の本当の競争相手は東大生でもMARCH生でもないという構図
・年間1.5万人の早慶生が「同じ顔」に見えてしまう採用側の本音
・埋もれないために必要な「二つ目の属性」と、迷える早慶生への具体的な指南
第1回 総合商社 vs 外資コンサル|結局どちらが勝ち組か
第2回 総合商社に落ちる東大生、受かるMARCH生
第3回 外銀・外コン・総合商社、令和で最も優秀な学生が集まるのはどこか
第4回 転職市場で最も市場価値が高いのは外銀・商社・外コンのどこだ
第5回 就活生が見落とす「年収3,000万円」の仕事
第6回 早慶生が陥る「就活負け組」のジレンマ(本記事)
第7回 総合商社内定者の学歴を並べたら、最強は東大ではなく早慶だった
「就活安泰神話」が崩れた早慶という学歴
令和の就活最前線を見てると、「早慶に入れば就活安泰」は既に過去のものとなっている。
一浪して入学した早稲田商学部で早稲田祭の運スタをやって、学内ではそれなりに顔も広く、ゼミも何となく就活に役立ちそうなマーケティングなんかを選んだ。
「あの人なら総合商社は堅いよね」と後輩から言われて、本人もまんざらではないような顔をしていたあの就活生も、蓋を開けてみると、総合商社と総合デベロッパーは全落ち、生保損保とかの日系金融も貫通して、最終的には社名を検索してもよく分からないベンチャー系コンサルに着地する。
最近では、このような光景が初夏の高田馬場と三田の風物詩となっている。
「なんとなく就活に有利そうな経験」は、もう武器にならない
彼らはなぜ周囲の期待とは裏腹に、思うような就活ができないのだろうか。
それは彼らが就活において「武器」だと思っていた「早稲田祭運営」とか「マーケティング専攻」とかの経験が、現代の就活においては、武器でもなんでもなかったからだ。
サークルやゼミで「それなりのポジション」を務め、後輩に慕われ、キャンパス内での評判を積み上げる。この動き方自体は、大学生として充実しているものだと思うし、それ自体を否定するわけではない。
問題は、これらが成功する早慶生の就活にとっては「わざわざ挙げるほどの実績」ですらないという事実に、本人だけが気づいていないことだ。
早慶という学歴は単なる入場チケット
早慶という学歴が就活で果たす役割を正確に表現すると、それは単なる「入場チケット」に過ぎない。
チケットを持っていれば、とりあえず会場には入れる。エントリーシートは通り、説明会にも呼ばれ、一次面接くらいまでは進める。しかしチケットが保証するのはそこまでで、会場の中で誰が勝ち上がるかは、また別のゲームだ。
しかも厄介なことに、このチケットを持っている人間は、早慶だけではない。
外銀や外コンを除く、総合商社や総合デベロッパーといった、いわゆる高級JTCの学歴フィルターは実は早慶ではなくMARCHのラインに引かれている。つまり早慶生は、東大生や京大生ほどの学歴アドバンテージを持たないまま、同じ会場に大量に流れ込んでくる優秀なMARCH生と、同じ土俵で殴り合うことになる。
もしあなたが「早慶なら大丈夫」という感覚を令和の就活においても、いまだに持っているならそれは早めに捨てたほうが良い。
「学歴フィルターの通過」≠ 「内定」
就活とは、大学別の採用枠内での競争
前回のコラムでも触れたが、総合商社は毎年、大量の東大生を採用する。そして同時に、大量の東大生を落としてもいる。そして、早慶や、MARCH、地方国公立や関関同立からも採用する。
当然だが組織は、大きくなればなるほど同じ背景を持つ人間だけを集めたがらない。金太郎飴のような集団は、経営人材の選抜という観点ではむしろリスクになるからだ。結果として、企業側は無意識のうちに「大学ごとに大まかな採用枠を設定し、枠内の学生同士を競わせる」という採用方法に落ち着く。
つまり早慶生の本当の競争相手は、東大生ではない。三田の狭い居酒屋の隣のテーブルで騒いでいる、一緒に三田祭でミスコンを盛り上げた同じ早慶生同士なのだ。
学歴で有利にならない早慶という学歴
総合商社や総合デベロッパー、海運といった令和の三大高給JTCの学歴フィルターは、一般的にはMARCH・関関同立のラインで引かれている。
もちろん、東大生は日本最高学府として、日本の就活であればどの企業においても学歴における下駄を最初から履いた状態で就活に臨める。
一方で早慶生はというと、これらの企業を志望業界として就活した場合、学歴においては東大生ほどの優位を持てないまま、優秀なMARCH生の突き上げを正面から受け止める位置にいる。
外資系投資銀行や戦略コンサルティングファームは、事実上、早慶が足切りラインだ。ここだけ見ると「外銀・外コンは早慶に有利」と誤解されがちだが、これは単にフィルターに引っかからないというだけの話だ。
学歴フィルターを通過した先に待つもの
早慶という学歴があれば、外銀・外コンの選考に呼ばれる可能性はある。問題はその先の一次面接、ケース面接、ジョブだ。同じように足切りをすり抜けてきた早慶生・東大生・海外大生が、同じ椅子を奪い合う。
JTCでも構図は同じだ。MARCHという下からの突き上げを食いながら、東大・京大という上とも比べられる。早慶は、どちらの業界に行っても、単独では優位に立てないポジションにいる。
就活は内定という結果だけが評価されるのであって、数多の企業のESだけを通過してもまったく意味はなく、通過した先の椅子取りゲームで勝ち切ることでしか、早慶という学歴に対するROIは回収されない。そしてその椅子取りゲームの相手は、東大生でもMARCH生でもなく、あなたと同じ早慶の肩書きを持った、年間1.5万人の同級生たちだ。
早慶生のESが驚くほど似通う理由/「群れる慶應生、孤高の早稲田生」という対照的な生態/採用データで見る早慶の「主力供給源」としての強さ/就活を決める「学歴+属性」の掛け算(帰国子女・理系院生・体育会が効く本当の理由)/属性を持たない早慶生に残された二つの選択肢
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