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「年収3,000万円を稼げる仕事は?」——就活生にそう問えば、返ってくる答えは外資系投資銀行・戦略コンサルティングファーム・総合商社の"三択"でほぼ決まっています。 しかし、日本の高所得者を実際に眺めてみると、そこには就活生が名前すら聞いたことのない業界の人間が数多く並んでいます。御三家・東大卒で新卒から総合商社に身を置き、X・noteで難関キャリアの就職・転職情報を発信する寄稿者「 丸菱商事マン 」氏が、就活生の視界から完全に抜け落ちている「年収3,000万円」の仕事を、報酬が生まれる構造から解き明かします。
・なぜ就活生の視野は外銀・外コン・商社に固定されるのか(就職偏差値の罠)
・外銀より狭き門「外資アセットマネジメント」への入り方
・報酬がサラリーマンの枠外にある「資源コモディティトレーダー」と、その登竜門
・有価証券報告書とOTEに載るM&A仲介/キーエンス/外資ITセールスの3,000万円
・海外駐在の「実質年収」と、40代からの「社外取締役」という隠れキャリア
第1回 総合商社 vs 外資コンサル|結局どちらが勝ち組か
第2回 総合商社に落ちる東大生、受かるMARCH生
第3回 外銀・外コン・総合商社、令和で最も優秀な学生が集まるのはどこか
第4回 転職市場で最も市場価値が高いのは外銀・商社・外コンのどこだ
第5回 就活生が見落とす「年収3,000万円」の仕事(本記事)
「年収3,000万円を稼げる仕事は何か」と就活生に問えば、返ってくる答えはほぼ決まっています。外資系投資銀行、戦略コンサルティングファーム、そして総合商社。この三択です。
しかし、国税庁の民間給与実態統計調査を見ると、年収2,500万円を超える給与所得者は全体の1%にも遠く及びません。3,000万円ともなれば、さらにその一握りです。つまり年収3,000万円とは、給与所得者のうち数百人に1人しか到達しない世界です。
では、その選ばれし者たちは本当に外銀とコンサルと商社の社員だけで構成されているのでしょうか。
答えは明確にノーです。むしろ日本の高所得者の名簿を実際に眺めてみると、就活生が名前すら聞いたことのない業界の人間が数多く含まれています。本稿では、就活生の視界から完全に抜け落ちている「年収3,000万円」の仕事を、報酬が生まれる構造から解き明かしていきます。
「就職偏差値」が就活生の視野を狭くする
そもそも、なぜ就活生の視野は、外銀・外コン・商社に固定されてしまうのでしょうか。
視野を狭める「就職偏差値至上主義」
私は、その原因は現代の「就職偏差値至上主義」にあると考えています。Xを開けば、流れてくる就活の話題は外銀の面接、MBBのジョブ、五大商社の内定報告ばかりです。就活アカウントがフォロワーを集めるのは最難関業界の話題であり、掲示板で盛り上がるのも内定難易度の序列です。毎日この情報に浸かっていれば、「難関企業に入れば高年収になる」という等式が頭に刷り込まれるのは当然でしょう。また、受験を勝ち抜いてきた学生ほど、偏差値の高い場所に正解があるという感覚から抜け出せません。
入社難易度と年収は「別の変数」である
しかし、冷静に考えてみると入社難易度を決めているのは、その年の新卒市場における人気と採用枠の需給です。一方で年収を決めているのは、その事業がどれだけ稼ぎ、それをどう社員に分配するかという仕組みです。両者はまったく別の変数であり、SNSで話題にならないというだけで、高い報酬構造を持つ業界はいくらでも存在します。本稿では、就職偏差値という物差しの外側にある世界を一緒に見ていきましょう。
外銀より狭き門、外資アセットマネジメント
最初に紹介するのは外資系アセットマネジメント、いわゆる「バイサイド」です。BlackRock、Fidelity、Capital Group、Wellington。世界の年金や投資信託の資金を運用するこれらの会社は、外銀志望の学生ですら選考ルートを知らないことが珍しくありません。
採用が少ないほど報酬が高くなる理由
理由は採用人数にあります。外銀IBDが毎年各社十数人を採用するのに対し、外資アセマネの新卒採用はゼロから数名。そもそも門が開いていない年すらあります。しかしこの採用人数の少なさが、そのまま報酬の高さにつながっています。運用会社の収益は「運用資産残高×手数料率」で決まるため、数兆円を運用するポートフォリオマネージャーが一人増えても、会社のコストはその人件費しか増えません。だからこそ運用成績を出すファンドマネージャーやアナリストには運用報酬連動のボーナスが支払われ、30代で3,000万円、シニアなら億を超えます。
王道はセルサイドアナリスト経由
では、どうすればこの世界に入れるのでしょうか。転職エージェント各社が公表している採用要件や転職体験記を突き合わせると、道筋はかなりはっきりしています。バイサイドのアナリスト採用で最も優遇されるのは、リサーチ経験です。つまり王道は、新卒で証券会社のリサーチ部門に入り、セルサイドアナリストとして企業分析の実績を作ってからバイサイドへ移る道です。セルサイドの新卒採用は各社1〜4名程度と狭き門ですが、アナリストランキングに載れば外資バイサイドから声がかかります。
もう一つの道と、クオンツという入口
もう一つの道は、フィデリティなど運用職のコース別採用を行う運用会社に新卒で入り、運用経験を積んでから外資へ移る道です。意外に思われるかもしれませんが、外銀IBDからファンドマネージャーになる道は細く、この世界の本流はあくまでリサーチなのです。勿論、理系院生であればクオンツ採用という別の入口もありますが更に険しい道だと言わざるを得ません。
報酬がサラリーマンの枠外にある資源コモディティトレーダーと、その登竜門/有価証券報告書に載るM&A仲介・キーエンスの年収/外資ITのエンタープライズセールスという「隠れ3,000万円」/不人気メーカーの海外駐在「実質3,000万円」/40代から始まる社外取締役という隠れキャリア
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