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英語ができないままGoogleに就職。普通の大学生が最先端のエンジニアに至るまで

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英語ができない状態で入社し、Googleのトップエンジニアへ

転職希望者と求人を行う企業の双方が同一のテストを受け、その結果に基づき性質・価値観・人柄などの部分によってマッチングを図るという転職マッチングプラットフォーム『mitsucari (ミツカリ)』。

このサービスをCTOとして作り上げたのが井上真大氏です。
井上氏は京都大学を卒業後に新卒でGoogle米国本社に入社し、たった数年のうちに上位数%のエンジニアとして評価され社内賞を受賞しました。Google退社後は、表氏(ミライセルフCEO)とともにシリコンバレーで起業し、技術の責任者として最先端のマッチングプラットフォームを構築しています。

しかし、Google入社当時、彼は英語ができませんでした。
英語ができない状態からGoogleに入社し、その後トップエンジニアに至るまでの道程は、いったいどのようなものだったのでしょうか。

Googleへの入社を志している方、キャリアを通して大きな成長を遂げたいと考えている方にとって大変参考になるインタビューになっています。
ぜひご一読ください。

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PROFILE
株式会社ミライセルフ Co-founder / CTO
井上 真大 (いのうえ まさひろ)

京都大学工学部を卒業後、新卒で米Google本社にソフトウェアエンジニアとして入社。
Google退職後、表孝憲(おもて・たかのり)氏とともに株式会社ミライセルフをシリコンバレーにて設立。現在は“企業と人のミスマッチを無くすマッチング型採用プラットフォーム”『mitsucari』を展開中。

突然のアメリカ勤務

―井上さんは学生時代、どんな生活を送っていたのでしょう?

Googleに入社する人には、プログラミングやアルゴリズムのコンテストに学生時代から参加しているようなタイプの方が多いのですが、僕は取り立てて特別なことは何もしていない、いたって普通の大学生でした。

―就活は、最初からエンジニア志望だったのですか?

いえ、最初は官僚になろうと考えていました。

僕は「自分がここまで成長できたのは教育があったおかげだ」と思っているので、教育を与えてくれたこの国に対して、強い感謝の気持ちを持っています。だから就活を始めた当初から、「自分の能力を国のために活かせる仕事に就きたい」と思っていました。

ですが、官僚という職業について自分で調べ、実際に官僚の方に会ってお話しさせていただくうち、せっかく自分の能力を活かして働いても、純粋な能力や業務以外の部分で、出世の判断をされてしまう場合もあると知りました。「理不尽なことが何より嫌いな僕にとって、それはきっと耐えられないな」と感じ、官僚になるという選択肢は無くなりました。

次に考えたのは、戦略コンサルタントです。説明会などでも「頭を使う業界である」との言葉をよく耳にし、頭を使って考えることも好きだったので「これは自分に向いてるかもしれない」と思ったのです。そこで、夏インターンでは外資系コンサルティングファーム全社に応募しました。

それと同時に、モルガンスタンレー証券ゴールドマン・サックス証券などの外資系投資銀行にも応募しました。以前から「稼げるしすごく優秀な人ばかりだ」という話を聞いていて、どんな業界なのかとても気になっていたからです。
結果的に戦略コンサルはすべて落ちてしまいましたが、モルスタとGSは合格しました。これを機に、「もしかして自分はコンサルよりも、金融の方が向いているのかな?」と思うようになりました。

―合格した2社以外で、インターンに参加した企業はありましたか?

外銀2社以外ではGoogle Japan、そしてGREEのインターンにも受かっていたので、「とにかく受かったところには全部行こう」と決め、最終的に4社のインターンへ参加しました。

モルガン・スタンレー証券では証券トレーダーのインターンに参加したのですが、このインターンがすごく面白かったです。机に並んだ膨大な数のディスプレイそれぞれに表示されているグラフがめまぐるしく動き続ける中、みんなの叫び声が常に飛び交っている……とにかくものすごい熱気に溢れた職場でした。それからは、証券会社のトレーダーになりたいと思うようになっていました。

ちなみにミライセルフのCEOである表さん(表 孝憲氏)との出会いは、このインターンの選考で、彼が面接官として僕の採用を担当してくれたことがきっかけなんですよ。

―それは運命的な話ですね……!

まさか数年後に一緒に起業するとは、その時は夢にも思いませんでした。

モルガン・スタンレー証券でのインターンの後に参加したゴールドマン・サックスのインターンを終えてすぐに、Google Japanでのインターンが始まりました。こちらは金融機関のインターンとは違い、極めて自由で、何でも与えられているような環境でした。僕のプロジェクトが当時たまたま落ち着いた状況だったこともあり、インターン自体もそれほど忙しくはなく、社内で卓球やゲームをするなど、きわめて快適に過ごせる内容でした。

そのインターン終了後に内定をいただいたのですが、最終的に入社するかどうかは、まだ迷っていました。ですが、それから少しして、人事の方から突然,

「海外で働くことに興味はありますか?」

という内容のメールが来たんです。

もともと海外への興味は持っていたので、「強く強く興味があります」と返信したところ、そこからは急展開でした。すぐに本社から電話がきて、突然「今から面接する」と言われ、そのまま電話面接を受けました。

―しかし、当時はまだあまり英語も得意ではなかったのですよね?

その通りです。ですので、自分が話せる精一杯の英語で、「自分がいかに優秀で、Googleがいかに自分を採用するべきか」といった内容をひたすら話しました(笑)。

最初は「海外」がまさか米国の本社だとは思っていなかったのですが、結果的に本社勤務という話だったので、「それなら」ということで、最終的に内定を受諾しました。それまでも興味を持っていた「海外で働く」ということが叶うなら、という気持ちもありました。

英語が話せず仕事ゼロ。半年間、ひたすら独学でコードを読む毎日

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―そんな想いを抱きつつ、2012年にGoogleへ入社されたわけですね。
ビザの関係で入社が遅れて10月入社になったので、大学が終わってから半年間ほど、モラトリアム的な期間がありました。「半年もあれば少しは英語も勉強するかな?」と自分に期待してみたりもしたのですが、結局ずっと遊んで勉強せず、まったく話せない状態のまま入社してしまいました。

―入社時点での英語力はどの程度だったのでしょう?

読み書きはできましたが、スピーキングに関しては本当に中学生レベルだったと思います。

―それって仕事をするうえで、影響はないんですか?

大アリですよ(笑)。 だから入社してからは、本当に大変でした。英語が話せないことに加えて、僕が配属されたチームは新たにできたチームだったので、みんなチームの立ち上げや新しいプロダクトに手一杯。英語も話せないうえに仕事もできない僕なんかに構ってる暇は無いんです。結果、仕事も貰えず会話もできず、チーム内でもおいてけぼり状態になってしまいました。

「何の使い物にもならないままじゃ、すぐにクビになってしまう」と、当時は強い焦燥感に苛まれましたね。実際のところそんなに早くクビになることはないのですが、当時の僕には友達どころか相談する相手もいなかったので、それもわからなくて。最初の頃は毎日毎日、本当に寂しかったです。日本の親しい友達に連絡しては、「日本に帰りたい」とグチっていました。

―そんな状況から抜け出すきっかけは、何だったんでしょう。

苦しい状況がずっと続くなか、「とにかく勉強して、少しでも役立てるようにならなくては」と絶えず考えていました。

英語は喋れませんでしたが、読み書きならできたので、まずは社内に公開されている、技術を学ぶための文書や先輩方の書いたコードを読んで勉強しました。毎朝5時に起き、出社してからはずっと勉強して、夜中に帰宅する毎日でした。

そうして半年もアメリカで生活を続けていると、少しずつ英語でのコミュニケーションもとれるようになってきました。しかし、それでもまだ僕に任せてもらえる仕事は何も無いままだったので、今度は「仕事をください」と社内中をまわる、社内営業のようなことを始めました。そうすると「じゃあ、これをやってみなよ」と仕事を振ってくださる方が現れたんです。

半年間も勉強ばかりやってきていたので、最初の仕事を貰ったときは、飛びついて一気に片付けちゃいました。そうしたら「もう終わったの!?」と驚かれて、また新たな仕事を貰えるようになりました。

すると、なんとなく「あいつ、英語は下手だけど仕事は意外とできるぞ」みたいな空気になってきたんです。さらにその評価がチーム内で共有されるようになってからは、良い意味でラクになりましたね。業務を通してみんなと関わりを持てるようになったり、仕事を任せてくれ始めたりと、メンバーとのコミュニケーションがとれるようになったので、英語もかなり上達しました。

―追い詰められた状況から、自ら動いて居場所を切り拓いたのですね。

こんな経験をしたからこそ言いたいのですが、よく「アメリカで働きたいから、まずは日本で働いて技術をつけてから行く」という人がいますよね。だけど僕としては、そんなステップを取る必要はまったくないと思っています。僕自身何もできなかったからこそ必死で努力したし、単純に技術的な部分だけを考慮したとしても、やっぱり最初からアメリカに行った方が絶対に良いと思うんです。

やはりシリコンバレーの方がすべての面でクオリティが高いですし、技術力も1歩先にいる。そんなハイレベルな人間が集まっている中で成長するのと、国内という限られた人材の中だけで成長するのでは、成長速度も全然違います。20代という成長の伸びしろがある時期だからこそ、本当に自分のことを考えるなら、敢えて厳しい環境に身を置くべきだと思います。

―その言葉の裏づけにもなる実績だと思うのですが、井上さん自身、その後Googleでエンジニアとして上位数%の評価を受けていますよね。

対象となったのは、入社2年目すぐの頃にやっていた業務の成果に対してです。当時のチームで開発していた、Google AdWordsのある広告に対する表示速度改善に関して、目標としていた数倍以上の改善を達成したことで、評価されました。

居心地が良くなりすぎてしまったからこそ転職へ

―自分の居場所もできて、目に見える形での評価もいただいて、入社時に比べれば居心地も段違いに良くなっているように思うのですが、それからあまり時間を空けずにGoogleを退職されていますよね。これは何がきっかけだったのでしょうか。

退職の理由はまさに、居心地が良くなりすぎてしまったからです。僕がその分野に関して勉強しすぎたことも理由のひとつとしてあったのかもしれませんが、いつの間にかある分野に関してのスペシャリストみたいになってしまいました。その結果、「これならマサに任せればいいよね」といった感じで、すでに覚えきっている分野の仕事ばかりをこなすような状態になってしまったんです。

入社からの半年は、自分自身でも「人生の中でいちばん成長した半年だった」と確信を持てるほどインプットばかりの毎日だったのに、それ以降はひたすらアウトプット、つまり自分が学んだことをただこなしていくような感じになってしまったわけです。

勤務時間も昼過ぎに出社すれば17時には帰れるほど短くなって、最初の半年くらいはその環境も楽しめたのですが、半年、1年と続くと「やっぱり何か違う」という思いが拭いきれなくなります。毎日楽しいけど、同時に自分の成長も感じられなくなっていました。
入社直後に味わったような厳しさや充実感を再び得るために、何か新しいことを始めたい」と思い始めたことが、転職を考える最初のきっかけだったかもしれません。

―退社ではなく、社内異動という選択肢は考えなかったのでしょうか。

Googleは社内転職の仕組みも整っていて、「今、人を募集してるチーム一覧」を見られるサイトもあるほどなので、「社内転職で別チームに移って新しいことを勉強する」という選択肢も考えました。だけど、ちょうどそれを考え始めたタイミングで、表さんから起業の誘いを受けたんです。

就活時に、彼は僕をすごく応援してくれていたので、Googleで働くことを決めたときにもちゃんと連絡して、Google本社で働く報告とこれまでのお礼を直接会って伝えました。そうしたら、アメリカに行ってからたった半年くらいで、「俺もアメリカでMBA取ることになったからそっちに行くわ、よろしく!」と連絡がきて。それからはアメリカでもちょくちょく会うようになりました。家族ぐるみで食事に行ったりするほどの付き合いが続く中で、起業の誘いを受けました。

―今、井上さんと表さんが提供しようとしているサービス『mitsucari (ミツカリ)』は、これまで面接官という「人」に依存していた採用基準をシステムによって分析し、企業と人材、双方向にとって幸せなマッチングを目指すというものですね。「人と人のマッチング」は就活に限らず、人の出会いがある場所すべてに関われるサービスだと思うのですが、今後についてはどのようにお考えですか。

今現在の段階で、就職・転職以外の分野にすぐ手を伸ばそうとは考えていませんが、人と人のマッチングはあらゆる場面で毎日起こっていることですからね。例えばYahoo! Japanの検索にGoogleの検索エンジンが使われているように、いずれはmitsucariがマッチングエンジンのスタンダードを担えるようになれれば、と考えています。

「挑戦」のススメ

「自分は全く特別な人間ではない。こんな自分でもできたのだから、ほかの方たちにも、もっと海外へ飛び込んでほしい」
という彼の言葉は印象的でした。

「自分には無理だから…」
そういう気持ちで挑戦することを諦めてしまっていませんか?

自分を厳しい環境においてこそ大きな成長を得ることができます。
無理と思わず、飛び込んでみることも時には必要です。

自身の成長を願っている人、自分の可能性を信じている人は、思い切って新しい環境へと飛び込むこのような彼の姿勢を、キャリア選択の参考にしていただければ幸いです。

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