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世界的大ヒットゲーム『Dead by Daylight』の開発企業はどんな会社? 海外ゲーム企業の実態に迫る

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ひと昔前に比べると、海外企業が開発したゲームをプレイすることが当たり前となっている。その一方で、海外のゲーム企業がどのような会社なのかは、日本ではあまり知られていないのではないだろうか。

世界的に大ヒットしているサバイバルホラーゲーム『Dead by Daylight』を開発したのも、カナダのモントリオールに本社を置く「Behaviour Interactive」だ。1人の殺人鬼と4人の生存者が対戦する形式のこのゲームは、特に日本での人気が高い。

同社は、2022年にはGamesIndustry.bizが発表するBest Places to Work – Canada(カナダ国内で最も働きやすいゲーム企業)に選ばれるなど、働く環境の面でも注目を浴びている。パートナーシップ責任者のMathieu Côté氏に同社がどのような会社なのかについて聞いた。【南部香織、藤好鴻太郎(通訳)】

〈Profile〉
Mathieu Côté(マシュー・コート)
Behaviour Interactive パートナーシップ責任者。
2005年にアニメーターとしてゲーム業界に入る。その後、2011年にBehaviour Interactiveに入社。複数のゲームを手掛けた後、『Dead by Daylight』の開発を任され、チームリーダーとしてディレクションを行う。現在でもユーザーの声を取り入れたアップデートを行うなど開発に携わり、『バイオハザード』『SAW』『サイレントヒル』などの他社作品とのコラボレーション実現に貢献してきた。

※内容や肩書は2023年8月の記事公開当時のものです。

 

『Dead by Daylight』のヒットのカギはコミュニティーを育てたこと

――Behaviour Interactive(以下Behaviour)のゲーム開発にはどのような強みがありますか。

Mathieu:多様な能力を持ち、非常に柔軟な対応ができる優秀なゲームプログラマーが多いことだと思います。というのも、Behaviourは創業以来30年間、他社からの受託ゲーム開発を行ってきました。

ゲームを作りたいという企業の開発を請け負ったり、ゲームやエンジンの完成を手助けしたり、ポーティングといって、あるプラットフォームのために作られたソフトを別のプラットフォームに移植することもしていました。映画の公開とともにそのキャラクターを使ったゲームを発表する、ということも行いました。競合他社が引き受けないような案件でも、請け負ってきましたね。

また、私たちが受託して開発したゲームは、ビジュアル面でも高い評価を得てきました。大手エンターテインメント企業や他のゲーム企業が生み出したキャラクターの世界観を尊重した上で美しいものを作り出してきたのです。

――そういったところから、なぜ自社オリジナルのゲームを作ることになったのですか。

Mathieu:もともと社員は皆、大のゲーム好きですから、それぞれのこだわりがあり自分たちのオリジナルのゲームを作りたいと考えていました。『Scaler』『Wet』『Naughty Bear』などのゲームを経て、大ヒットに至ったのが『Dead by Daylight』だったのです。今では社員の半分以上が、自社のゲーム作りに携わっています。

――『Dead by Daylight』のヒットの要因は何だと考えていますか。

Mathieu:はっきりとした答えを出すのは難しいですが、殺人鬼から逃げるというコンセプトがわかりやすかったのではないでしょうか。ホラーの文脈は世界共通ですし、すぐに理解ができるからです。また、早期にこのゲームに注目してくれたプレイヤーたちがいて、私たちがその動きを確実に大きなヒットに導いていけたからだと考えています。

――ヒットに導くために、どのような施策を行ってきたのでしょうか。

Mathieu:大きく2つあります。1つは、よりゲームを面白くするために多くのコンテンツを頻繁に追加していることです。新たな物語、新たな殺人者や生存者のキャラクターなどですね。

もう一つは、世界中で生まれたコミュニティーが育つように取り組んだことです。例えばファンが、YouTubeでゲーム実況をしてくれたり、Twitch(※1)で何か面白いことをやってくれたときに、開発者側がアプローチして、「いつもありがとう」といったコメントをしたり、ファンアート(※2)を共有したりして盛り上げていました。

ファンとのつながりを強くし、コミュニティーを広げていったということです。そういうわけで、いわゆる一般的なマーケティングはしていないんですよね。

※1 Twitch Interactiveが提供するライブストリーミング配信プラットフォーム
※2 既存の漫画・アニメ・ゲームのキャラクターを描いたイラストや漫画のこと


スポークスマンのMathieu Cote氏
♢インタビューはオンラインで実施

他者をリスペクトし、フラットに話せる企業カルチャー。転職した後、戻ってくる人も多い

――Behaviourは、2022年にはGamesIndustry.bizが発表するBest Places to Work – Canadaに選ばれています。そういった評価は会社のどのようなカルチャーに起因していると思いますか。

Mathieu:社員同士の化学反応やチームワークを大事にし、お互いをリスペクトするというカルチャーでしょうか。社員は自分が尊重され、意見を聞いてもらえ、オーナーシップを持てていると感じているでしょう。

日本人が外資系企業の社員に抱きがちな、主張を曲げないようなイメージとは違って、Behaviourは謙虚な人が多く、どんなに優秀でもエゴが強い人はなじめないと思います。

これは最高経営責任者(CEO)のRemi Racineの考えに基づいています。彼は毎週、朝食会を開いているのですが、そこでは仕事のことでもプライベートのことでも何でも話せ、入社して10年以上の人にも1週間の人にもフラットに接していますね。ですから、どんな立場でも全くヒエラルキーを感じることなく社内でアイデアを共有できますし、良いものであれば採用される可能性があります。

また残業についての考え方も特徴の一つです。長年にわたるゲーム開発の経験から、社内では予定通りに進められないのはタイムマネジメントの失敗とされています。加えて、長く働くことよりもチームワークの質を高めるほうが重要だとも考えられています。

――他者をリスぺクトする文化はゲーム上にも表れているように感じます。

Mathieu:おっしゃる通り、どんな立場の人も尊重するという姿勢は、社内のカルチャーから始まり、ゲームに影響を与えていると思います。

例えば、アニバーサリーイベントの際に制作スタッフのコメントがプレイヤー側からも見られるようにしているのは、開発側の『Dead by Daylight』への思いをプレイヤーに正直に伝えたい、開発者もプレイヤーと何も変わらないという考えからです。

また、多様なプレイヤーがいることを踏まえ、さまざまなバックグラウンドのキャラクターを用意し、身に着けるアイテムなどで自身のアイデンティティーを表現できるようにしています。そのことで、よりキャラクターに親近感を持ち、ゲームに没入しやすくなっていると思います。

実はモントリオールのゲーム業界では転職が非常に盛んです。Behaviourからも他社に移っていく人は多いですが、このように人を大事にする文化だからか、すぐ戻ってくる人も多いですね。

『Dead by Daylight』のプレイ中の様子。生存者が殺人鬼(この場合は貞子)に追われている

日本で働くコミュニティーマネージャーや現地で働く日本人アーティストもいる。働き方も多様

――今後の事業戦略をどのように考えていますか。特に日本に関連する取り組みについて決まっていることがあれば教えてください。

Mathieu:世界中のいくつかのスタジオを買収し、それらとコラボレーションしたプロジェクトが進んでいます。今後数年の間に発表できると思います。

日本については、映画「リング」の「貞子」や漫画「進撃の巨人」などとのコラボレーションが世界的に成功しました。特に「進撃の巨人」との衣装コラボレーションは驚くほどの人気でした。したがって、これからも日本のコンテンツとのコラボレーションは続く可能性が高いです。期待していてください。

――日本人がBehaviourで働くことは可能なのでしょうか。

Mathieu:すでにトロントのスタジオでVFXアーティストとして活躍している日本人女性がいますよ。また日本で働いているコミュニティーマネージャーもいます。彼はもともと『Dead by Daylight』のコミュニティーでも目立った存在で、我々から何度かアプローチし、今では一緒に働いてくれています。

――そのような例があるのですね。

Mathieu:はい、あくまでも一例ですが、リモート、オフィスワークなど働き方も多様ですし、興味がある方は採用ホームページからぜひ確認してみてください。

――ゲーム業界に興味を持つ学生へメッセージをお願いします。

Mathieu:ゲーム作りに興味があるなら、開発者のコミュニティーやゲームジャムのようなイベントに参加し、友達を作ることです。そして、どんなソフトウエアでも構わないので、ゲームを作って彼らと共有する。それがいずれ最高のポートフォリオになるはずです。

ゲームにはかなり多くのプレイヤーがいるので、毎日さまざまな意見がソーシャルメディアなどを通して届きます。ですからプレッシャーはかなりあります。毎日違った挑戦をしていかなければいけません。ただ、私がそうであったように、その課題に正しく対処し、かつ運が良ければかなりの成功を収められる業界だと思います。

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