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VCで「3年で転職」がNGな理由。インキュベイトファンド人事責任者らに聞く、若手採用の今


ベンチャーキャピタル(VC)で働くには、どうすればいいのだろうか。VCは中途採用が中心で、新卒の事例が限られ、特に学生の場合は就職先としてイメージしにくいかもしれない。

特集「就活生が知らない『VC』の正体」第4回では、VCにおける若手のキャリアについて取り上げる。独立系VCのインキュベイトファンドで採用・人事に携わる壁谷俊則氏と、転職エージェントとしてVCへの入社を幾度となく支援してきたアクシアムの渡邊光章氏の見解から、VCの採用への理解を深めたい。【北川直樹】

 

VC人事から見たベンチャーキャピタリストのキャリア/インキュベイトファンド壁谷氏

〈Profile〉
壁谷俊則(かべたに・としのり)
インキュベイトファンド HRディレクター。
フューチャーベンチャーキャピタルで経営企画を担当した後、2005年にクライス&カンパニーへ移り、マネジメント人材の転職支援に携わる。2012年にランスタッドに入社し、キャリアコンサルタントのマネジメント業務を担当。2017年にインキュベイトファンドに参画、同社の採用・人事領域の業務に加え、投資先企業に対する同領域の支援も担う。

※内容や肩書は2023年6月の記事公開当時のものです。

大切なのは人に寄り添うマインドセット。VCに投資銀行やコンサルの出身者が多いのは結果論で、新卒採用もある

——VCに新卒で応募してくる人はどんな学生が多いですか。

壁谷:外資系の投資銀行や戦略コンサルティング会社を同時に志望している人が多いです。さらに掘り下げると、若いうちから実力主義の中で裁量を持って働き、日本から世界を変えていく事業、社会をよりよくする事業に関わっていきたいという人が多い。当社は新卒採用を開始して今年で3年目になり、女性や外国籍の人の応募も増えています。

——新卒採用で大事にしているポイントを教えてください。

壁谷:スキルよりマインドセットや志向性を重視しています。具体的には素直、真面目、誠実、謙虚かどうかをみます。自分で立てた高い目標に対し、真摯に頑張り続ける力があるかを、話を聞く中で探ります。

スキルを気にする人は多いですが、学生に求めるのは酷ですし、入社後に十分キャッチアップできるものです。当社は以前、獣医学専攻の人を採用したことがあります。スタートアップやファイナンス領域を専攻してない人も多く活躍しているので、気にする必要はないです。

他方、VCの仕事は常に新しいものへの投資なので、知識やスキルを吸収する能力は大事です。

1次面接や説明会の時点でVCの知識がないことは問題ないのですが、選考が進む間に情報を収集しているかどうかは、会話をしているとわかります。このように興味があることに対してどうアクションを取れるのかをみます。

——VCは新卒よりも中途採用が多いイメージがあります。

壁谷:証券会社の人や会計士といった専門性を持つプロと関わることが多いため、社会人経験がある方が有利な面はあります。起業家とそういった人の間に立って、意思決定の伴走をする必要がありますしね。

なので、ビジネスパーソンとしての成熟性が求められることもありますが、新卒にできないことではありません。誠実で学ぶ姿勢があれば、多くの人はしっかりと対応してくれます。

——中途採用の応募者は、どんなキャリアの人が多いのでしょうか。

壁谷:投資銀行やコンサルティングファームの出身者は多いです。理由は、ファイナンスや事業戦略でビジネスを育てていきたいという、興味の領域が近いからだと思います。より具体的にいうと、イノベーションが生まれる現場で自分が貢献したいと考えている人たちですね。

ただし、これはあくまで結果論で、採用側としてこだわりはないです。現にこれまで中央省庁や、有名なIT系企業の出身者もいました。

ベンチャーキャピタリストのキャリア形成には時間がかかる。ハードシングスを乗り越えながら、起業家と伴走する根気強さが大切

——ベンチャーキャピタリストの仕事を一通り経験するには、どのくらい時間がかかりますか。

壁谷:「一通り」ということでいうと、8年くらいかかります。投資前はいろいろな起業家たちに会って、2〜3年ほどかけ投資先を探すのが一般的です。投資してからもハードシングスの連続で、苦しいことにも前向きに取り組める強いメンタルが必要です。

——ほかの仕事よりも時間がかかるのですね。

壁谷:投資先の事業とともに少しずつ経験値を増やして成長していく感じなので、一般的な会社と比べると時間がかかります。

また、投資の瞬間がクローズアップされがちですが、実際は投資してからイグジットするまでの期間の方が長いのです。その間、起業家と苦楽に向き合う必要があります。

そのため、何かを続けて積み上げる忍耐強さが不可欠なんです。サラリーマンが3年で転職することは普通ですが、起業家がそうすることは基本的になく、ベンチャーキャピタリストも同じです。

VCにはさらなる多様性が必要

——ベンチャーキャピタリストにはどんな人が向いているのでしょうか。

壁谷:起業家が喜ぶことを考え、貢献する行動ができる人が向いていると思います。要は、目の前に困っている人がいる時、すかさず助けになる情報を提供するような人。 “気が利く”という表現が近いでしょうか。

時間軸や業務特性から、部活などにじっくりと取り組んでいた人にも適性があります。例えば運動部で日本一や上のリーグを目指すにあたって、コツコツと努力を積み重ねてきたような人です。苦境や挫折を経験していることが多い点も大きいです。

当社に以前、競技ダンス部出身の人がいました。その人は、3〜4年間、基本のステップを毎日徹底して練習したそうです。ステップのキレと完成度が非常に高いレベルに達し、最後に結果を出した。地道な積み重ねができることの典型的な例で、VCの業務のイメージに近いと思います。

——VCでは現在、どのような人材が必要とされていますか。

壁谷:多様性という意味で、20代の若手と女性がもっと増える必要があると考えています。

歴史を振り返っても新しいことにチャレンジするのは若者が多かった。また、20代と40代では世界観や感性が違ってきますよね。若い起業家と同じ世代で、共感しながらビジネスをつくっていけるベンチャーキャピタリストが必要です。

加えて、女性視点だからこそ生み出せるような事業やサービスが日本にはまだまだ足りない。女性の起業家と信頼関係をつくって一緒に事業を育てていくには、同じ価値観を持てることが大事です。女性の起業家とともに、女性のキャピタリストももっと増えていくべきだと考えています。

転職エージェントから見たVCのキャリア/アクシアム渡邊氏

〈Profile〉
渡邊光章(わたなべ・みつあき)
アクシアム 代表取締役社長 エグゼクティブ・コンサルタント。
1993年にアクシアムを創業。経営学修士(MBA)取得者などハイクラス人材に対するキャリアコンサルティングを主に手掛ける。並行して大学生のインターンシップ、キャリア開発をテーマにした講演活動なども行う。
大阪府立大学農学部卒業、コーネル大学 Human Resource Executive Development Program修了。

エージェントから見たVCというキャリア。VCをどう理解し、整理することが有効か

——VCへの就職を目指すにあたってどんな準備が必要でしょうか。

渡邊:VCの仕事内容や、どういう社会的な役割を担っているのかというのを知っておくことが大切です。VCはスタートアップに投資をする、スタートアップを育てる、などいろいろな観点があります。

投資先のステージによっても職務内容が大きく変わります。シード(創業前の段階)、アーリーステージ(創業初期段階)、ミドルステージ(収益が拡大する成長段階)、レイターステージ(上場などイグジット段階)、と大きくは4つのステージがあり、シードやアーリーステージでは、起業家とアイデアの議論をするなど企業を育てるような側面があります。さらに進んだミドルステージでは事業開発的支援が中心となり、レイターステージでは投資金額も大きくなり金融的支援になっていきます。このようにステージによっては、お金の支援以外のバリューも出す必要があるわけです。

ですから、自分がどの段階でどのように関わりたいかを明確にしておく必要があります。VCの仕事の中身と自分の強みを理解した上で、キャリアの軸との整合性をしっかり認識することが大事です。

——VCには投資銀行やコンサルティングファームの出身者が多いのでしょうか。

渡邊:求人内容からそう思われがちですが、そうともかぎりません。「戦略コンサルや投資銀行の経験者」と歓迎条件に書かれることが多い理由としては、戦略的思考力や言語化能力といった基礎力に加え、コーポレートガバナンスやファイナンスの知識など、スキルセットが近いという背景があります。事業会社出身でも、そういった業務を経験していれば問題ないといえるでしょう。

——経験やスキルについて、もう少し詳しく教えてください。

渡邊:私見ですが、VCで活用できる経験・スキル・能力は、大きく分けて10通りあると考えています。

このようなスキルを全てとはいわずとも半分くらいは身につけておくと、VCから高く評価されると思います。あとは、VCを1つの業界として大ざっぱに捉えず、自分の目的と強みを明確にした上で、業務として何をするのかを具体的に考えることも大事です。

——VCで働くと、どういったスキルが身につくのでしょうか。

渡邊:VCに5年以上勤めると、わかりやすく3つのスキルがつきます。企業投資、経営戦略、事業開発です。これらはとても汎用性のあるスキルで、起業や新規事業立ち上げをはじめ、金融系やコンサルティングファームでも生かせます。最近はベンチャーキャピタリストとして10年ほどキャリアを積み、自分のファンドを創業する人も多いです。

強い信念を持つことが成功につながる。個性と人間性を大事にすること

——VCへの転職を支援した人で、印象に残っている人はいますか。

渡邊:理系の大学院を出て戦略コンサルタントを5年ほどやってから、相談に来た人がいました。はじめに受けた10社ほどのVCは選考を通過できなかったのですが、その人は「自分の考えがわかってもらえていないだけ」と、へこたれなかった。そして、その後受けたVCでは絶賛されたんです。VCはそれほどまでに、多様です。

——自分の信念をしっかりと持っておくことが大切なのですね。

渡邊:海外だと50社に断られても信念を変えない人が多いですが、日本人は数社に断られると自分をチューニングしてしまう人が多い。起業家と事業に根気強く向き合うことがベンチャーキャピタリストの職責なので、コロコロと姿勢を変えずに自分の強みとやりたいことに合う会社を探すのが大事です。

——採用される人の共通点などはありますか。

渡邊:意外性があって話をしていて楽しい人や、個性的で人間的な魅力がある人が採用されやすいです。もちろん、スキルやナレッジは一定レベル必要です。

また、VCは起業家と一緒に未来をつくるのが仕事ですから、ときに経験していないことがあっても自分で学習し、具体的なアクションを取ることが求められます。そういうことができる人は、発想力も優れている傾向があります。

スピード感と忍耐強さがVCの根幹。課題は多様性

——VCに入ることを検討する上で、知っておいた方がいいことはありますか。

渡邊:VCはファンドを立ち上げたときに増員することが多く、定期採用をしていない会社がほとんどです。志望者は募集があるときにすかさず動く必要があり、転職のタイミングをコントロールできる人でないと、入るのは簡単ではありません。

スピードやタイミングといった感覚は、入社してからも大事です。10年かけて慎重に調べ尽くし20億円を投資するのではなく、0になってもいいから200億円を即日で投資するようなスピード感です。何事も「チャンスはずっとあるもの」と考えないようにしておくことが大事です。

——そのほか心得ておくべきことはありますか。

渡邊:戦略コンサルや投資銀行は人が入れ替わることが普通ですが、VCは少なくとも5年、10年はやっていけそうな人かというのを、いろんな角度からチェックされます。「3年働いて次」というように転々とする人は向きません。

VCは投資先を見つけてイグジットまでサポートすることで、キャピタリストとしての看板が立ち、得たキャピタルゲインを基に、次のファンドを組成します。要は、“長期戦”が前提の仕事なんです。

また、VCには投資するスタートアップの経営者をしっかりと育てる責務があります。起業家と伴走しながら、ときに冷静な視点から正しい方向に導くことも必要になります。途中で投げ出さずに、根気強く苦楽をともにしていく必要があるのです。

——日本のVCの現状に課題はありますか。

渡邊:日本のVCは、女性がまだまだ少ないですね。日本の産業全体の課題でもありますが、多様な視点からアイデアを出し合うために男女のバランスが大事で、VCは特にその必要性が高いと思います。

実はVCは他のプロフェッショナルファームより長期的な目線で将来を見ているので、産休や育休などが取りやすい傾向があります。総じて働きやすい会社が多いので、女性にもどんどんチャレンジしてほしいと思っています。

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