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はじめに
こんにちは。外資就活 外銀チームです。
今回は外銀の中でも、トップクラスのプレゼンスと人気を誇るJ.P.モルガン(投資銀行部門)の選考対策についてまとめました。
22卒の方の体験記をもとに、各選考フェーズごとに掘り下げて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
選考STEP
1.【夏・冬選考】エントリー
実施時期:6月末/ 11月上旬までにエントリー
形式:企業の新卒募集ページより、レジュメとカバーレターを添付してエントリー
結果連絡(所要時間、連絡手段):【夏選考】2週間以内にメール 【冬選考】数日以内に性格検査の案内メール
◎内定者の感想
・忙しい現役社員の方々が読むため、文章を何度も推敲した。
・カバーレターでは、志望動機や自身の強みを具体的なエピソードを交えて展開した。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
自身のアピールポイントを明確に伝える
近年はレジュメ及びカバーレターによるエントリースタイルとなっており、設問指定のある一般的なエントリーシートとの違いに戸惑う方も多いかもしれませんが、大事なことは一般的なエントリーシートと同様です。
このカバーレター内では、少ない文字数で自身のキャラクターやIBDバンカーとしての適性をアピールする必要があります。
なぜIBDなのか、なぜJ.P.モルガンなのか、どのように業務に貢献できるのか、読み手に伝わりやすいように何度も文章を推敲しましょう。
特にアピールしておきたいのは、ジュニアバンカーとしての適性です。IBDの業務を遂行するうえで必要とされる、タフさ、論理性、チームワークなどをアピールできるとよいでしょう。
J.P.モルガンは応募者数に対して採用人数が少ないため、この「レジュメ・カバーレター+性格検査(後述)」というステップで多くの学生が絞られます。しっかりとレジュメ・カバーレターで自身の魅力を伝えて、突破を目指しましょう。
2.【冬選考】性格検査
実施時期:11月上旬
試験内容:Pymetrics (ゲーム形式の性格検査)
結果連絡(時期、連絡手段):【冬選考】エントリーの結果と合わせて1週間以内にメール
◎内定者の感想
・J.P.モルガンで活躍する社員の方々のコンピテンシーを分析したものであり、対策はほぼ不可能であると思われる。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
ゲーム形式の性格検査が12題ほど出題されます。
直接的な対策はほぼ不可能ですが、間接的な対策であれば可能です。
つまり、この性格検査は様々なゲームを通じてIBDへの業務特性が見られているため、IBDで働く上で必要とされる人物像を事前に把握しておくとよいでしょう。
3. 【夏・冬選考】録画面接
実施時期:7月上旬/ 11 月上旬
時間:5~10分程度
会場:オンライン(HireVueというツールを利用したWeb面接)
結果連絡(所要時間、連絡手段):1週間以内にメールにて連絡
◎過去の質問内容
・チームの決断において重要な貢献をした経験を教えてください(日本語)
・短時間で成果を出さなければならない状況に陥った経験について教えてください。また、その状況をどのように乗り越えたのかも教えてください。(日本語)
・投資銀行の志望動機とJ.P.モルガンの志望動機を教えてください。(英語)
・What do you know about J.P.Morgan? And How to contribute to us?
・What specific goals have you ever established for your career?
また、22卒では録画面接終了後に「このプログラムにおいて、ご自身の強みがどのように発揮できるのか説明してください」という筆記質問もあったようです。
◎内定者の感想
・「相手の反応が分からない」という録画面接独特のやりにくさがあるため、Hirevueの最初の練習質問で慣らしておくと良い。
・動画なのでなるべく明るく自分が映えるような環境で撮影した。
・明快かつ明るい表情で回答した。
・一問につき二回まで撮ることができるので、二度目を撮影する前に質問の回答をしっかり練ってから臨んだ。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
対面でも会いたいと思われる人材か。事前準備を怠らぬように。
昨今外銀IBDでも導入の進んでいる録画面接ですが、企業側には「対面での面接前に人数を絞り込みたい」という意図があります。また、録画面接は面接官との双方向的なコミュニケーションがないため、学生は限定的な情報をもとに評価されます。
そのため、質問への回答や話し方などは勿論、背景や音響などの基本的な部分に至るまで全ての面において細心の注意を払い、面接官に対面でも話してみたいと思わせられるかがポイントです。
特にJ.P.モルガンの場合は質問数が少ないため、端的に自分の魅力をアピールできるように、HirevueのPractice機能などを活用して事前準備をしっかり行いましょう。
4.【夏・冬選考】グループ面接
実施時期:7月下旬/ 11月下旬 ※グループディスカッションと同日
形式:学生3~4人、面接官2人の集団面接
時間:30分 (日本語面接が約20分、英語面接が約10分)
会場:オンライン(例年は本社)
倍率:グループで0~1人が通過
雰囲気:緊張感はあるが、和やか
結果連絡(所要時間、連絡手段):グループディスカッションの結果と合わせて、1週間以内にメールにて連絡
◎進め方
日本語面接 (約20分) を行った後、英語面接 (約10分) とGDが行われる。基本的に学生は挙手制で質問に回答していく。また終盤に逆質問が行われることもある。
◎過去の質問内容
・志望動機
・自己PR
・自身の強みと弱み
・学生時代頑張ったこと
・最近気になったM&A
・最近気になったニュース(英語)
・将来のキャリアについて
・金と名誉、どちらが大事か(英語)
・この業界の給料が低かったら転職するか続けるか(英語)
・マルチタスクの経験
・激務に耐えられることを示すエピソード
・自分の苦手なこと(英語で)
・あなたにとって幸せとはなにか
・誰でもディナーに行くことができるなら、誰と行きたいか
・今100万円をもらうのと、後で110万をもらうならどちらがいいかとその理由
◎内定者の感想
・日本語面接、英語面接、GDを総合的に評価されていると思う。ぶっ飛んだ何かを持っている必要はないが、全ての項目である程度の評価を得ておく必要がある。
・圧迫の雰囲気は全くなく、むしろ柔らかくもあった。
・どんな質問をされても物怖じせずに受け答えできたこと、緊張しすぎず社員と楽しく話せたことが大きかったと思う。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
柔軟性と度胸を示せるか
論理性は常に見られていますが、それに加え、事前準備ができないような質問に対しても柔軟に対応できるかがポイントと言えます。娯楽施設の売上の推定を求められたり、「幸せとは何か」など抽象的な質問がなされたりすることもあります。このような問いに対しても、自分なりの論拠を持って臨機応変に対応できる地頭力と冷静さが見られていると考えられます。
事前準備を入念に行う
また、英語面接では物怖じせずに堂々とした受け答えを行うと面接官から高い評価を得られるでしょう。
参加者は帰国子女も多く、レベルの高い英語面接がなされることもあるため、自信を持って受け答えができるように入念に対策を行いましょう。
過去の参加者は英語面接対策の参考書を音読したり、オンライン英会話で練習をしていたそうです。面接でよく聞かれる質問例やその回答に使えそうなフレーズをあらかじめチェックしておくのも有効でしょう。
5. 【夏・冬選考】グループディスカッション
実施時期:7月下旬/ 11月下旬 ※グループ面接と同日
形式:学生3~4人、面接官2人
時間:30分
会場:オンライン(例年は本社)
雰囲気:緊張感はあるが、和やか
倍率:グループで0~1人が通過
結果連絡(所要時間、連絡手段):グループ面接の結果と合わせて、1週間以内にメールにて連絡
◎過去のグループディスカッションのお題
「あるスポーツイベントの売り上げ向上策を考えなさい。」
「ウォルトディズニーの売り上げ向上策を考えなさい。」
「日本でキャッシュレス決済を広める方法を考えなさい。」
「新型コロナウイルス就職後も出張をオンライン化すべきか考えなさい。」
◎内定者の感想
・発表の有無は評価に関係なさそう。実際自分のグループで発表した人はジョブにはいなかった。
・20分程度で結論を出し、面接官から簡単なフィードバックがあった。面接官はメモを取りながら議論を観察していた。
・話が逸れたりした際に元に戻したり、時間内に一定の回答を作れるように気を配った。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
論理性をアピール
IBDでは企業の課題の分析からソリューションの提案に至るまで高い論理性が求められます。そのため、選考を通じて「発言に明確な論拠があるか」や「説得力があるか」が見られています。構造化された発言や根拠を付した説明を心掛けましょう。
また、グループディスカッションでは限られた時間の中で結論を出す必要があるため、素早く論点整理を行いましょう。
コミュニケーション能力をアピール
IBDの業務では、チームワークが重要となります、他のメンバーとも積極的にコミュニケーションをはかり、チームとしてより良いアウトプットが実現できるかが重要視されていると考えられます。
自分の意見を一方的に述べるだけではなく、他の学生や面接官ともしっかり会話のキャッチボールを行うことや、他のメンバーの発言を上手く吸い上げながら議論を進めていくことを意識しましょう。
かなり高倍率な選考ステップですが、「思考意欲とコミュニケーション能力のバランス」を重視して上記2点を満たせれば突破に近づくのではないでしょうか。
6. 【夏・冬選考】ジョブ
実施時期:8月下旬/ 12月上旬
実施日数:3日間、各日12時間程度
会場:オンライン(例年は本社)
参加者:【夏選考】約15人×2ターム 【冬選考】約20人
結果連絡(所要時間、連絡手段):数週間後に電話もしくはメールにて連絡
◎ジョブの内容
1日目:部門説明、アイスブレイク、グループワーク
午前中にアイスブレイクと部門説明があり、午後からグループワークが開始される。必要な資料 (アナリストレポートなど) は配布される。適宜社員の方々が巡回しているため、不明な点は質問することができる。また、例年であれば、ランチやディナーの時間でも社員の方と交流することができる。
2日目:グループワーク、資料作成、プレゼンテーション、社員の方々との交流
1日目からのグループワークを継続する。プレゼンテーションの内容は手書きで模造紙にまとめ、発表資料とする。夕方にはプレゼンテーションがあり、各班ごとに別の会議室に移動して発表 (相手は社員20名程度) を行うため、他の班の発表を見ることはできない。また、例年であれば、発表が終わり次第、カフェでジュニアバンカーの方々と交流することができる。
3日目:個人面談、パネルディスカッション、デスクローテーション、懇親会
前日までのジョブの内容を踏まえた個人面談が行われる。プレゼン内容の深掘りや改善点、現在の選考状況などが聞かれる。また、例年であれば、デスクローテーションではIBDのフロアを見学することができる。最後に懇親会があり、ここでも受け答えやカルチャーフィットを見られているため、最後まで気を抜かずに臨む必要がある。
◎内定者の感想
・初日の午前中は講義やワークの説明があり、2日目の午後には発表があるのでワークの作業時間が実質丸一日程度しかなく、かなり時間制約がタイト。
・社員は定期的に様子を見にきてくれ、親身にアドバイスをくれる。
・他社に比べて、常に社員がチームについている分、評価がより詳細にされていると考えられる。
・ジョブ前の面接、ジョブでの発表、すべての場面で質問に対してしっかり答えつつ、分からないことを聞かれても自分で考えて動揺せずに答える姿勢を見せられるかが重要だと感じた。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
考え続ける「思考意欲」
J.P.モルガンのジョブは他社と比較しても、「論理性」が非常に重視されています。そのため、バリュエーションや資金調達、プレゼン資料の作成などのテクニカルな部分よりもストーリーが重要な評価対象となります。
グループワークでは、1つ1つの主張に対し、しっかりとした論拠を提示することが求められ、プレゼン時における社員の方々からの厳しい質問に対して、難解であってもしっかりと自分なりに考えてアウトプットを生み出せるかも重要視されています。
また、グループワークの時間は実質1日程度しか与えられないため、議論が煮詰まりすぎる前に適宜社員の方に質問をしながら効率よくグループワークを推進していく姿勢も大切です。
カルチャーフィットの有無
J.P.モルガンのジョブでは、ランチやディナー、最終日の懇親会などを通じて様々な社員の方々と交流する機会があります。積極的にコミュニケーションを取るとともに、「穏やかでスマートなJ.P.モルガンらしさ」をアピールすることも忘れないようにしましょう。
7.【夏選考】ランチ・ディナー
実施時期:サマージョブから数週間後~
形式:若手+中堅~シニア層の社員
結果連絡(所要時間、連絡手段):電話もしくはメールにて連絡
◎内定者の感想
・ジョブを通過した以上、ある程度能力は評価されていると考えたので、ここではカルチャーフィットを見られていると感じた。
・リラックスした雰囲気であり、プライベートでの人となりを見られていると感じた。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
食事にはリラックスして臨めばよし
J.P.モルガンの場合は、ランチ・ディナーで特段学生の評価が分かれるということはなく、サマージョブから優遇ルートに乗り、食事に呼ばれた人は全員次のプロセスまで残るようです(※過去事例)。むろん、選考の一環なので気を抜くべきではありませんが、緊張せずに素の自分で社員と接し、カルチャーフィットを見極めるとよいでしょう。
8. 【夏・冬選考】ジョブ後面接
実施時期:12月 ※個人差あり
時間:30分×数回
形式:学生1人、若手+中堅~シニア層の社員1人
会場:オンライン(例年は本社)
倍率:2倍程度
結果連絡(所要時間、連絡手段):数日~1週間以内に、電話もしくはメールにて連絡
◎内定者の感想
・J.P.モルガンらしさがあると思われた人でも、面接ではかなり絞られている様子だった。特にサマージョブ経由の人は、この段階での面接には心して挑むべき。
・それまでの自分自身の評価と変わらない印象になるように振る舞った。
・とにかく面接官の方との会話を楽しもうという姿勢を貫いた。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
ジョブに通過しても面接は緊張感をもって挑もう
ジョブ参加者が経験するスーパーデイ前の面接は倍率がおおよそ2倍と高めになっており、油断はできません。評価ポイントはジョブ前面接などと同じだと思われますが、再度、想定質問に対する練習を行うなど入念な準備を心がけましょう。
9.【夏・冬選考】最終面接
実施時期:1月 ※個人差あり
時間:30分×10回近く
形式:学生1人、MDクラス1人
会場:オンライン(例年は本社)
倍率:1.5倍程度
雰囲気:穏やか
結果連絡(所要時間、連絡手段):当日~数日以内に、電話にて連絡
◎進め方
学生1人につき1部屋が準備されており、面接官の方々が入れ替わりで入ってきて面接を行う。1人あたりの面接時間は約20~30分。途中でリクルーティングチームとの面談があり、他社の選考状況などを聞かれる。
◎過去の質問内容
・IBDの志望動機
・J.P.モルガンの志望動機
・自己PR
・学生時代頑張ったこと
・高校時代はどうだったか
・挫折経験はあるか
・趣味はあるか
・自分の強みと弱み
・海外経験はあるか
・ジョブの感想
・最近気になっているM&A
・時事問題についての意見
・日本の今の一番の課題はなんだと思うか
・激務にも耐えられるか
・IBDで働く上で最も重要なスキルとは
・将来どんな人間になりたいのか
・将来どんなバンカーになりたいか
・関わりたいセクターは具体的にあるか
・何歳まで働くつもりか
・将来のキャリアについて何か考えはあるか
・バンカーにならないならどんな仕事をしてみたいか
・仮に競合他社と内定が被った場合承諾してくれるのか
・仮に内定が出なかった場合、どこのオファーを承諾するつもりなのか
・逆質問
※英語での質問もあり
◎内定者の感想
・ここまでくると何が功を奏したのかは一概に言えない。
・他社と比べて、穏やかでかつ深掘りが少ない雑談が多いので、ここまでのプロセスである程度合格させるかさせないかが決まっているのではないか。
・基本的に評価はされているが故にこの場に呼ばれていることは間違いないので、面接官の方との会話のキャッチボールを楽しもうというテンションで臨んだことがよかったと思う。
・とにかく社風とマッチする感じ、及びなんで入社したいのかというところを論理的に話すように努めた。
◎選考の重要ポイント&外資就活からのアドバイス
一緒に働きたいと思える人材か
J.P.モルガンの最終面接は雑談のようなリラックスした雰囲気の中で行われます。ジョブまでの段階で学生の能力についてはある程度評価済みであり、最終面接では人当たりの良さや志望度の高さ、カルチャーに合う人材かなどが見られていると考えられます。
コミュニケーション能力と志望度の高さを伝える
雑談の中で時折鋭い質問がなされることもあります。リラックスした雰囲気ではありますが、気を抜かずに面接官の発言1つ1つの意図を正確に汲み取り適切に回答することで、コミュニケーション能力の高さを示すことが重要です。自分の話だけではなく、面接官の話もきちんと聞き、会話のキャッチボールを心掛けるようにしましょう。
また、「なぜ外資系投資銀行を志望するのか」、「なぜIBDか」、「なぜその中でもJ.P.モルガンを志望するのか」など志望度についてはかなりの深掘りがあるため、これらの質問に対して自分なりの言葉で論理的に説明できるように準備しておく必要があります。
万全を期して選考に臨もう
いかがでしたか。
J.P.モルガンの選考では、一貫して「論理性」と「思考の深さ」が重視されていることがお分かりいただけたかと思います。面接やジョブでは、返答に困るような質問がなされることも多々ありますが、動揺せずに自分なりの根拠をもって冷静に対応することが大切です。
また、あらゆる選考ステップを通じて「コミュニケーション能力の高さ」を示すことも重要です。ここでいうコミュニケーション能力とは、「おもしろい話ができる」ということではありません。相手の話をよく聞き、発言の意図を正確に理解したうえで、適切に応答することを常に心掛けましょう。
今回のコラムでは、J.P.モルガンの選考フローを網羅的に解説しました。このコラムを何度も読み直し、必要な選考対策を立て、一人でも多くの方が自分の望むキャリアを実現できますよう切に願っております。
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