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「いま広告代理店で何が起こっているのか」元社員が語る、組織体制から見る業界の未来

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こんにちは。そして、はじめまして。
元広告代理店の人です。略してモトコと呼んでください。
広告業界を目指す皆さんが知っておくと役立つかもしれないことを書いてみます。

テーマは「組織体制から見る広告代理店の未来」です。
気になりますよね。これから就職するかもしれない会社の未来。
今回は業界のトップを走り続ける電通を例に書いてみようと思います。

電通の組織体制の大きな変化

まず広告代理店は電通もそれ以外の会社も頻繁に組織体制が変わります。
なぜ変わるのか。理由は二つ。役員のパワーバランスと時代の要請。
前者は社員にとって大きなインパクトがある話ですが、ここでは語らずにおきます。
大切かつ未来を読みやすいのは後者、時代の要請による改組です。

電通はここ数年、働き方改革の大号令のもと大きく組織体制を変えています。
2020年から純粋持株会社体制に移行しました。
※株式会社電通 会社分割による純粋持株会社体制への移行方針の決定について

しかし、何より大きな変化は「営業局」がなくなったことです。
電通は営業が強い会社で現場では裁量も発言力も圧倒的に営業がもっていました。
どんなに著名なクリエーティブディレクターが企画をしても、
担当営業が「NO」といえばその案はボツになるのです。営業が入社数年の若手であっても。
それくらい社内でも営業の意見は尊重され、重視されてきました。

なので、営業は正直なところしんどいことも多くありますが、
誇りと責任感をもちクライアントと向き合っていたものです。
そんな営業局が2018年になくなりました。

連絡局→営業局→ビジネスプロデュース局

さて、いま電通で何が起こっているのか。
少し歴史を遡ることから紐解いてみたいと思います。

かれこれ30年ほど前まで、電通に営業局はありませんでした。
そのかわりに「連絡局」と呼ばれる組織がクライアントと向き合っていました。
名は体を表すの言葉通りで、ただの連絡係だったのです。

現在のように高度なマーケティングを求められるわけでもなく
広告枠を調達することが広告代理店の主たる役割でした。
あえて乱暴にいえば、媒体社と代理店の媒体担当が売り物をつくり
連絡局員はそれを「買いませんか?」と連絡する程度の仕事をしていました。
代理店の主役は媒体担当だったのです。

やがて米国からマーケティングの概念が日本に浸透すると、
広告代理店に求められることも複雑化・高度化していきます。
すると広告枠をもっていても、簡単にはクライアントが買ってくれません。
クライアントの課題をしっかり把握したうえで、
商品の販売やブランドの育成に資する提案をする必要が生じてきたのです。
つまり営業活動が広告代理店において重要になりました。

営業活動にはクライアントとの向き合いだけでなく
社内スタッフのアサインやプロジェクトマネジメントが求められ、
代理店の業務においてその中心人物である営業が力を持つことになります。
営業局は広告代理店の主役を務めることになるのです。

そして2018年、唐突に営業局が消えてなくなります。
全ての営業局は「ビジネスプロデュース局」という組織に置き換わります。

(実は前年の2017年に「電通ビジネスデザインスクエア」という組織が立ち上がり、前兆はありました)
※株式会社電通 電通、顧客企業のイノベーション創出を支援する専門組織「電通ビジネスデザインスクエア」を設置

このビジネスプロデュース局の発足こそが広告業界の未来を推し量るヒントになります。
じゃあ、何をする組織なのよ、と。
端的にいえばクライアントのビジネスをプロデュースするんです。

ビジネスプロデュース局ってなに?

これまでの営業は、立ち位置としてあくまで第三者でした。
どれだけクライアントと仲良くなっても「クライアントと営業」の関係です。
これからはクライアントといっしょになって
クライアントのビジネスをプロデュースしていく立場になるという宣言です。
具体的に言えば広告代理店はこれまでマーケティングの4Pでいえば
プロモーション領域に特化してサービスを提供していました。
しかしビジネスをプロデュースするとなれば当然それだけで終わりません。
商品開発や販売戦略にも携わるでしょう。場合によっては事業投資をするかもしれません。
クライアントのビジネスを生み、育てるために対応領域を広げたということです。

広告代理店はこれまでプロモーション領域で
クライアントのビジネスの成長・拡大を支えてきました。
これから代理店はプロモーション領域にとどまらず
クライアントのビジネスの成長・拡大を支えていくことになります。

ここまで読んでくださった方の中には
コンサルティングファームとの距離の近さを感じた方がいるかもしれません。
実際ここ10年程度、代理店と総合系ファームがバッティングすることはよくありました。
代理店が上流に、コンサルティングファームが下流に進出していったことで
それぞれのカバーする領域が重複し始めたのです。

広告代理店とコンサルティングファームの絶対的な差異

では代理店とコンサル、両者の違いは何か。最後に少しだけそのことにも触れておきます。

コンサルティングファームの案件アサインはリソース状況に応じて決まります。
アソシエイトが2名、シニアアソシエイトが1名といったかたちで
プロジェクトに応じて職位ごとのアサイン人数が決まると、
リソースに空きのあるコンサルタントが当てがわれてプロジェクトが組成されます。
プロフェッショナルとしてコンサルタントの職能を発揮することが期待され、
個々人の適性はその陰に隠れてしまうことになります。

一方で広告代理店の案件アサインは、だれが適任か、という視点で進みます。
ここ数年こそリソース状況も見るようになりましたが、
以前は案件をどれだけ抱えていようが適任と見なされれば新たなアサインが入りました。
場合によって社外のクリエーティブディレクターが適任だ、となれば
社内外関係なくプロジェクトにアサインします。

つまり、クライアントに提供される価値が属人的であることを是とするか、という点が
コンサルティングファームと広告代理店の最大にして絶対的な差異ではないかと思います。
言い換えると、いつでも組織として一定品質の成果を出せるのがコンサル、
だれをアサインできるかしだいで成果が大きく変わるのが代理店です。
話はズレますが、もしこの記事を読んでくださっている方が
広告代理店のクライアントになる日が来たら、
「案件にだれをアサインしているか」で代理店の力の入れ具合が見抜けます。

閑話休題。

就職という視点から(誤解を恐れず)いえば、
広告代理店では属人性を是とし「あなたにしかできないこと」が大きな価値になり、
誰にでもできることは他者より質が高くとも価値が認められづらい文化があります。
自分にしかできないことをやりたい人は広告代理店、
他人より質の高い仕事をしたい人はコンサル向きといえるのかもしれません。

就活、頑張ってください。

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