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コンサル内定者による模擬ケース面接
こんにちは。外資就活ドットコム 編集部です。
コンサル志望の学生にとって鬼門となるのが「ケース面接」です。問題集などでケース問題の対策をしていても「どこまでできたら合格するのだろう」という不安が尽きない方も多いでしょう。
そこで今回は、MBBの1社に内定されたAさんと、外資就活アカデミアのメンターに模擬ケース面接を行ってもらいました。
ケース面接実況の内容は、
Vol. 1 市場規模推定編・・・ダンススクールの市場規模を求める
Vol. 2 市場規模向上編・・・ダンススクールの市場規模を上げる施策を考える
の2回に分けて配信します。
今回は 『市場規模推定編』 です。トップファーム内定者によるケース面接の様子をディスカッション形式でご紹介します。
後半の『市場規模向上編』と併せてお読みください。
今回のケース面接の例題:ダンススクールの市場規模を推定せよ
メンター:では、これからケース面接を始めます。
Aさん:よろしくお願いします。
メンター:Aさんって何か趣味など、好きなものはありますか?
Aさん:ダンスですね。大学ではダンスサークルに所属していました。
メンター:分かりました。ではお題を「ダンス教室の市場規模を上げるための施策を考える」にしましょう。最初の5分で今のダンス教室の市場規模を求めて発表してもらい、そこからディスカッションをしましょう。
~5分経過~
メンター:ではプレゼンを始めてください。
Aさん:市場規模は、1,500億円という数字が出ました。
メンター:私のイメージしていたものより結構大きな市場になりましたね。どのような要因がありそうでしょうか。
Aさん:そうですね。結構大きくなってしまったのですが、大きくなった理由としては自分の中で考えられるものがいくつかあります。
そもそも前提として、ダンスの市場と言っても、複数のジャンルがあり、私はそれらのジャンルを全て含めて市場規模を求めました。
メンター:複数のジャンルを含めたと言うと、どのようなものを含めたのですか?
Aさん:ダンスの中に、バレエとかヒップホップとかヨガとかの市場があるのでそれを全て含めて計算したという事になります。
メンター:そういうことですね。具体的にどのように構造化したのか教えてもらえますか。
Aさん:まず、アプローチの仕方として、レッスンの単価が大きく変化すると思ったので、子供と大人というセグメントで分けて考えました。子供の年齢は8歳から16歳で、大人は17歳から50代までを想定しています。
市場規模は客数×単価と表せるので、客数を考えるときにその年代の人の中で何%ダンススクールに通っている人がいるのかということが大事になると思います。
大人のセグメントの方は、年代によってダンスへの興味の度合いが違うと思うので2つに分けました。
1つ目は高校生、大学生など、趣味や楽しみでダンスを行っている層。
2つ目は、24歳から50歳の…どちらかというと、シェイプアップなどの健康目的とした層。
その分け方により、ダンススクール通学率のパーセンテージが変わってくると思いました。
子供のほうは、ダンススクールに通っている率を10%にしました。これは自分のスクールでの感覚ベースになります。したがって、10人に1人がダンス教室に通っているということになります。そして子供のほうの単価は一般的なお稽古と同じくらいの値段だと仮定して月に3,000円、それに対して大人の方は大体6,000円だと仮定しました。もしかしたら人によって10,000円くらいするかもしれないのですが、そこは平均として計算することにします。
そのため、大人と子供それぞれ1年間おおよそ30,000円と60,000円ということになります。これを人数と掛けると、子供のほうは年間400億円、大人の方は年間1,100億円(人数はメモを見せつつ)。そして二つを足して1,500億円ということになりました。
メンター:なるほど、ありがとうございます。小学校からダンススクールに通ってる人もいると思うのですが、子供はなんで8歳からにしたのですか?
Aさん:その理由ですが、僕の聞いた話になってしまうのですが…子供の体格が大きくなっていない時点でダンスを始めると今後の発育に良くないという説があります。それで、おそらく体格がある程度大きくなり、ダンスを始められる年齢を現実的に考えて8歳位なのではないかと思いました。
メンター:わかりました。大人の方は、高校生・大学生ってセグメントと社会人以降というセグメントになるということですね。ちなみに、シニア層がないのってどうしてですか?ヨガとか例えばシニア層の方々はシェイプアップなど興味ある方がいらっしゃるのではないでしょうか?
Aさん:シニア層と言う事は60歳以降ということでしょうか。それは、私の経験により基づいているものに根拠があるのですが…私のダンス教室に通っていたときは、年齢が高めの方でダンススクールにいらっしゃったのはせいぜい50代だと思います。
メンター:60代の方はあまりいないんですね。
Aさん:そうですね。60代の方はあまり見たことがないです。
メンター:なるほど。そこにシニア層を追加しない理由があるのですね。
Aさん:そうです。数字が大きくなってしまった要因としては、スクールに通う人口のパーセンテージが大きかったりするからだと思います。供給側、つまりスクールが実際受け持つことができる人数のキャパシティから考えるとよかったかもしれません。
講評
改善点①~さらなる細分化でより正確な数値を求める
Aさんは、今回のフェルミ推定の反省として、「 セグメントをさらに細分化すればよかった 」と話しています。
今回は、子供と大人を分け、大人の中で年齢別に2つのセグメントに分けました。
しかし、実際は全員の子どもが月額3,000円であるはずがなく、ダンスに対する熱心さにより使うお金が変化していきます。
そのため、
②ダンスのみに特化し、習熟を目指している層(月額5,000円)
等、もう少しセグメントを細分化することができれば、さらに正確な数値を求めることができたのではないか、と話しています。
改善点②~数字に根拠を持たせる~
Aさんは、「5分問という制限の中で行ったので、 数値への根拠付けが多少甘かったところがあった 」と述べています。
例えば、“社会人以降のダンス教室通学率”を肌感で3%と仮定してしまいましたが、例えば
という風に、さらに要素を分解していけば、よりパーセンテージに根拠をもつことができるのではないでしょうか。
また、少々複雑になってしまいますが、男女でシェイプアップやダンスに興味を持つ比率が異なってくると仮定し、それを利用して
など、男女別に分けてみるということもできると思います。そうすると、競合を見るときに、どこに流れてしまっているのか、どうやったら獲得できるのかを検討しやすくなるという効果があります。
~評価点①~“意味”のある分け方をしている
Aさんのフェルミ推定で良かった点は、セグメントを分ける際に“意味”のある分け方をしている点です。
“意味”があるとは、分けられたものの違いを明確にするということです。
今回は、まず大人と子供で分けましたが、分けることによって「単価の違い」が浮き彫りになります。
これを読んでいる皆さんも、セグメントを切るときは“違い”が浮き彫りになるような分け方をするよう意識しましょう。
~評価点②~明快な切り口を選んだ
ダンス教室の客層を年齢と目的別に分けたことが良かったと思います。
「Aさんは、ダンスのジャンル別で分けようかと思いましたが、漏れがあったらまずいし、時間内に終わる切り口でもないと思ったのでやめました」と話しています。
時間内に終わらせるような切り口を提示し、計算することができたことが良かったと思います。
分け方が複数思い浮かんだ場合は、どの切り口が一番漏れなく・ダブりがないか?明快に答えを出せるか?という事を考えるようにしましょう。
"対策本のコピー"をせずに常に考え続けよう
いかがだったでしょうか。
今回はトップファーム内定者のケース面接がどのようなものなのかを皆さんにお見せすることができたと思います。
本のみで学んでいると、よく本に乗っている切り口や構造をそのまま使いがちになりますが、お題によって適切な切り口や構造は異なります。"本のコピー"をせずに常に考え続け、Aさんのように意味のある分け方をするように心がけることをおすすめします。
さて、後半は『市場規模向上編』となります。こちらもあわせて、学習しましょう。
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