目次
戦略コンサルの内定を勝ち取るにあたって最も大切なケース面接
こんにちは、外資就活 コンサルチームです。
今回から3回にわたって、ケース面接対策シリーズを全3部構成(初級編・中級編・上級編)で掲載していきます。
初級編の今回は、ケース面接とは何かについて基本から解説していきます。
夏選考で内定を獲得するためにも、ケース面接の基本を今一度確認しておきましょう。また次回以降、中級編では複数の例題を用いた解説、上級編では戦略ファームの過去問集をお送りしていきますので、そちらもどうぞお楽しみに。
「ケース面接」とは?|種類や出題傾向について
ケース面接とは、明確な回答が容易ではないお題に対して、妥当な仮説を組み立てて論理的に回答するという面接です。コンサル業界以外の選考ではあまり見られない一方で、大半のコンサルファームでは最も難易度が高い選考ステップと言われています。
そのため早期からの入念な対策と、繰り返しの練習が必要となっています。
ケース面接のお題には、大きく分けて3種類あります。
・ビジネスケース(ex. マクドナルドの売上を上げて)
・抽象系(ex. 国とは何か)
1次面接では単純なフェルミ推定、2次面接ではフェルミ推定からビジネスケースへの移行といった複合問題が課されることが多いです。また、抽象系のお題はATカーニーなどでよく出題されます。
ファームによって頻出のお題は異なりますので、それぞれの出題傾向にあわせて練習問題を解いてみるとよいでしょう。
フェルミ推定
・日本に公衆電話の数はいくつあるか?
・松屋1店鋪当たりの売上はどのぐらいか?
ビジネスケース
・キオスクの売上を上げるにはどうすればいいか?
・大学の入学者数を増やすにはどうすればいいか?
抽象系
・国とは何か?
・プラットフォームビジネスの成立要件とは?
ケース面接で評価される能力は3つ
ケース面接で面接官に見られる能力は主に以下の3つです。
① 論理的思考力
② コミュニケーション能力
③ 思考の柔軟性、素直さ
ここからは、それぞれについて詳しく説明していきます。
① 論理的思考力|基本中の基本
コンサルといえばロジカルシンキングと言われるほど論理定思考力の高さは重要視されています。しかし、改めてなぜコンサルでロジカルシンキングが必要かと問われると、適切に答えるのは難しいと思います。
論理的思考が必要な理由は、1. 効率的かつ本質的に「問題解決」するためと、2. 相手(クライアント)を説得するためです。
順を追ってその背景を見てみましょう。
1. 効率的かつ本質的に「問題解決」するため
コンサルタントの仕事は、クライアントから依頼された答えのない課題に対し「解」を導くことです。
クライアントでも解決できない高度な課題に取り組むため、直感や感情に頼ってしまっては太刀打ちできません。徹底した論理的思考と仮説検証を行うことで、複雑に絡み合った問題とその原因、そして原因を解決する策を「正しく」特定する能力が求められます。
そのため、コンサルタントはあらゆることを闇雲に考えるのではなく、優先順位をつけてもれなくダブりなく考えることで、効率的に答えを見つける必要があります。
2. クライアントを説得するため
コンサルタントの仕事はクライアントの課題に対する答えを探すことだけではありません。それをクライアントに伝えて納得してもらい、さらには実行して成果を出してもらうことが大切です。
例えばクライアントに、「このような策ではダメなんですか?」と言われた際に、コンサルタントが「そこは考えていませんでした」と言ってしまうと、それだけで一気に説得力が低下してしまいます。クライアントに納得してもらうためにも、論理の穴がないように考えることは重要なのです。
② コミュニケーション能力|自分の意見を分かりやすく人に伝える
コンサルのケース面接においては、そこまで高いコミュニケーション能力が求められることはありません。ただし、自分の考えたことをなるべく多く伝えようとするあまりに早口になったり、話が長くなったりする就活生が多いです。面接官にとって聞き取りにくくなってしまっている就活生が散見されるので、その点には注意しましょう。
結論と根拠を端的に話して、質問を受けたらそれについて答えることを意識すると良いでしょう。
③ 思考の柔軟性|面接官の指摘を柔軟に取り入れよう
いくら地頭が良く優秀であっても、素直さがない人には成長の余地がありません。また面接官も、あえて学生が考えていないようなことについて質問をぶつけることで、頭の回転の速さを見ている場合もあります。
就活生でよくありがちなのが、面接官からの指摘や意見に対して「いえ、僕はそう思いません」と否定的な姿勢を見せてしまうことです。
面接官の質問や指摘が自分の考えとは少し違っていても一旦相手の意見を受け入れ、それを踏まえた上で自分の仮説を進化させると素直さと成長余地があることを示せて、面接官からの評価がグッと上がります。
ケース面接の流れ|実際のフェルミ例題を基に
お題:1000円カット1店舗の1日あたりの売上推定
「1000円カット1店舗の1日あたりの売上を推定してください」というお題を例に考えてみたいと思います。
まず、フェルミ推定初心者が押さえておきたいことを確認しておきましょう。直感では分からない数字を求めるフェルミ推定では、①前提確認と②因数分解の2点が必要になります。
① 前提確認:前提によってさまざまな要素が変わる
売上の推定を始める前に、前提を固めておく必要があります。
決めておくべき前提条件はお題によって異なりますが、店舗の立地、規模感、市場内のポジショニングなどの前提条件を定めておくと、議論が円滑に進みやすくなります。
例えば今回のお題では、店舗の立地と席数(規模感)を前提条件として定めることで、客層や来店客数などを具体的に定めることができます。
前提をきちんと決めずに進むと、どれだけ考えてもぼやけた答えになってしまいますので注意しましょう。
② 因数分解:感覚的にわかるところまで分解しよう
「1000円カットの1日の売上」の数値を感覚で分かる人は、おそらく1人もいないと思います。そこで、これを
1日の売上 = 1日の来店客数×客単価
と因数分解し、さらに
1日の来店客数 = 席数×満席率×1席あたりの回転数
回転数 = 営業時間 / 顧客1人あたりの対応時間
と分解します。こうしてみると、満席率や対応時間などの各因数は感覚的に数値を置くことが出来そうです。このように、一見すると求めるのが難しそうな数値も、自分の知識や感覚で見当がつくレベルまで分解できると、ある程度納得感のある数値を求めることができます。
また、これらの因数を客層や時間帯ごとに分けて考えることで、さらに数値を精緻化することができます。例えば、昼夜で満席率が大きく異なることに着目し、それぞれの満席率を個別に置くことで、売上をさらに精緻に試算できます。
以上のように、フェルミ推定では求めたい数値を因数分解して、各因数について個別に考えることが重要になります。
以下のコラムでは、トップクラスの戦略コンサルティングファームに内定されたAさんと外資就活アカデミアのメンターによる模擬ケース面接の様子をディスカッション形式で解説しています。こちらも併せてご覧ください。
ケース面接の練習方法は?|対策時期や仕方について
例年ケース面接の選考は6, 7月に行われるため、4, 5月頃から対策を開始するとよいでしょう。
対策の仕方としては、
② アウトプットの練習:先輩の戦略コンサルの社員や内定者に模擬面接をしてもらう(もしいなければ、レベルの高い学生同士で練習をする)
という流れで練習すると良いでしょう。
ケース面接で大切なことは、答えやフレームワークを暗記することではありません(暗記だと決めてかかると戦略コンサルの内定はまず出ません)。大切なのは論理的に筋の良い答えにたどり着くための思考です。これを意識して入念に対策しましょう。
外資就活ドットコムでは、ケース面接についてさまざまな記事でアプローチ方法や心構えを解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。
また下記の内定者向けの課題図書もぜひ読んでおきましょう。
・【決定版】戦略コンサルティングファームが新卒内定者に推薦する必読書23冊
ケース面接はコツコツ対策を
ケース面接はなかなか対策が難しいので早めの対策が必須です。友達や身近な内定者などを積極的に活用して練習を重ね、ジョブの参加権を勝ち取りましょう。
次回の中級編では、たくさんの例題を用いて解説しますのでどうぞお楽しみに。
マッキンゼー ゴールドマン 三菱商事
P&G アクセンチュア
内定攻略 会員限定公開
トップ企業内定者が利用する外資就活ドットコム
もっと記事を読む
マッキンゼー BCG ベイン・アンド・カンパニー アクセンチュア 等の内定攻略記事を会員限定に公開しています