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就職活動を始めようとする際、「業界研究」という言葉をよく耳にします。しかし、業界研究とは具体的に何をすればよいのか、あるいはそもそも業界研究が何なのかについては、詳細に説明されることが少ないかもしれません。
このコラムでは、「これから就職活動を始めるが、業界研究とは何か?」と疑問に感じている方に向けて、業界研究の基本的なやり方やポイントを解説していきます。
業界研究とは
まず、業界研究のやり方の前に、そもそも業界研究とは何なのかを知っておく必要があります。業界研究には2つのステップがあります。
【1】世の中にどのような業界があるのかを調べる
【2】それぞれの業界の特徴を調べる
この2つが業界研究と呼ばれる作業です。業界研究を本当に行う必要があるのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、これは就職活動を進める上で重要なプロセスです。その重要性は、業界研究を行う目的を理解することで、より明確になるでしょう。
業界研究の目的
なぜ業界研究をする必要があるのか、疑問に感じる人もいると思います。業界研究の目的は主に3つです。志望する業界決め・志望企業の絞り込み・志望動機の作成です。
業界研究を行っていない就活生は、まず世の中にどのような業界が存在しているのかを把握できていません。そのため、志望する業界を決定できず、就職活動をスムーズに進めることができないのです。
仮に企業にエントリーできたとしても、その業界についての理解が浅いと、志望動機に矛盾が生じ、選考に進むことが困難となるでしょう。
そのため、業界研究をしっかり行って志望業界を決めることで、スムーズに選考に進むことができるようになるのです。また、業界研究をすることで自分に向いている業界や、やりたいことが実現できる業界を見つけることができるでしょう。
業界研究のやり方
業界研究の重要性を解説しましたが、実際に業界研究を始めるにはどのようにすればよいのでしょうか?ここでは、2つのステップに分けて説明します。
1. 市場の全体感を掴む
まず、1つ目のステップはどんな業界があるのかを大まかに把握することです。調べる方法はいくつかありますが、ここでは2つ紹介していきます。
1つは業界地図を使う方法です。
業界地図は、さまざまなサイトや書籍で提供されており、各業界の関係性や市場のシェア率、さらにはその業界に属する企業の情報が網羅されています。初心者の方には、まず業界地図を使うことをお勧めします。
最も有名なのは東洋経済新報社で出版されている四季報業界地図です。就職四季報は多くの就活生が一度は聞いたことがあると思いますが、同じシリーズで業界地図も出版されています。
「会社四季報」業界地図 2025年版 単行本 – 2024/8/24 東洋経済新報社 (編集)
「いい会社」はどこにある?──自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点 単行本(ソフトカバー) – 2022/11/30 渡邉 正裕 (著)
2つ目は、合同説明会に行く方法です。合同説明会とは一度に複数の企業が参加している企業説明会です。一度参加するだけでもさまざまな業界の企業を知ることができるため、行ってみる価値はあるでしょう。また、オンラインで開催される場合もあるため、忙しくオンサイトのイベントに参加できないという方は必見です。
合同説明会には2つのタイプがあります。1つ目は、異なる業界の企業が集まる合同説明会です。2つ目は、特定の業界に属する企業が集まる合同説明会です。
ここでは、それぞれの合同説明会に参加するメリットをご説明します。
まず、異なる業界の企業が集まる合同説明会のメリットは、一度に多様な業界について幅広い情報を得られる点です。各業界がどのような事業を展開しているのか、基本的な理解を深めたいときに最適です。
次に、特定の業界の企業が集まる合同説明会では、1つの業界についてより詳しく知ることができるのが魅力です。例えば、その業界における企業シェアや社風など、より業界内部の深い情報を得られるため、その業界に興味がある方には絶好の機会となります。業界全体の共通点や、企業ごとの違いを比較しながら理解を深めることができるでしょう。
2. 気になる業界の情報を深掘りする
どんな業界があるのかがわかったら、その中から気になる業界を選び、より詳しい情報を調べていきましょう。
調べる項目の一例を以下に挙げます。
- 直近のニュース、トピック
- トップシェア企業
- 職種ごとのキャリアパスや年収
また、その業界にどんな企業があり、それぞれの企業にどんな特徴があるのかも調べましょう。それによって志望企業も決めることができるようになります。
このように、業界研究をしっかり行って志望業界、志望企業を決めることで、選考でも説得力のある志望動機を話せるようになるのです。
知っておくべき業界一覧・トレンド
これから業界研究を始めるという人に向けて、知っておくべき業界と今後伸びるトレンドの業界を紹介していきます。どんな業界が今トレンドなのか知っておくことで、志望業界を選ぶ役に立つでしょう。就活生は必見です。
「外資就活ドットコム」に掲載している主な企業の業界分類
外資就活ドットコムでは、特に「グローバル×高年収」なハイキャリアを目指すトップ層の大学生から人気の業界を選び、情報を掲載しています。
業界 | 事業の一例 | 代表的な企業 |
---|---|---|
コンサル・シンクタンク | 企業や組織の課題を解決するための戦略を立案、実行 | マッキンゼー・アンド・カンパニー、 アクセンチュア、野村総合研究所など |
外資系金融・証券 | 資本の3分の1以上を外国人や外国法人が保有している投資銀行や保険会社 | ゴールドマン・サックス、J.P.モルガン、バンク・オブ・アメリカなど |
日系金融・証券 | 貸付事業、預金事業、為替事業、金融商品販売事業などを行う | 野村証券、大和証券、三菱UFJ銀行、三井住友銀行など |
商社 | 輸出入貿易や物資販売を中心に行う | 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅など |
外資系メーカー・サービス | 食品や飲料、洗剤、化粧品のような消耗品から医薬品や医療機器など様々なものを作る | P&Gジャパン、日本ロレアル、ユニリーバ、ネスレ日本 など |
日系メーカー・サービス | 外資系メーカー・サービスと同様 | 花王、富士通、味の素、JAL、商船三井、アサヒ飲料など |
国家公務員・公的機関 | 公的な事業を行う | JICA、JAXA、外務省、経済産業省など |
ITサービス | 技術やコンピューティング知識を活用して、様々なシステムを開発する | レバレジーズ、GMO、サイバーエージェント、楽天、リクルートなど |
デベロッパー・建設 | 大規模住宅造成やリゾート開発など、土地や街を開発する | 三井不動産、三菱地所、東急不動産、住友不動産、野村不動産、森ビルなど |
マスコミ・広告 | インターネット、テレビ、新聞などのメディアを通じて、多くの人に様々な情報を提供する | 電通、博報堂、講談社、小学館、ほか新聞社、テレビ局など |
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今後伸びる業界は?
以上では業界を10個にわけて紹介してきました。では、今後伸びるとされているのはどの業界なのでしょうか?ここでは外資就活ドットコム独自の見解で選んだ今後伸びる業界を3つご紹介します。
①半導体業界
すでに多くのメディアで取り上げられているため、聞いたことがある方も多いかもしれません。半導体は、私たちの生活に欠かせないパソコンやスマートフォン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、LEDなど、あらゆる電子機器に使用されています。WSTS(世界半導体市場統計)の分析によると、2024年の世界半導体市場規模は生成AI(人工知能)需要などを背景に、過去最高の約6,000億ドルを更新すると予測されています。
②DX(SaaS)
DX(SaaS)業界の成長の要因は、グローバルで進むデジタル市場の拡大です。特にビジネス分野でのデジタル化は、世界経済の発展に不可欠です。ただし、日本国内では人材不足の影響でDXの進展が遅れている現状もあります。これからは、SaaS業界が日本企業のDX化をリードする存在として、重要な役割を果たしていくでしょう。
③アドテクノロジー
最後に、アドテクノロジー業界です。アドテクノロジーとは、「広告(Advertising)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた言葉で、主にインターネット広告に関連しています。電通の調査によると、インターネット広告費は社会のデジタル化を背景に堅実な成長を続けており、2023年には日本の総広告費全体の45.5%を占めています。
参照:2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析(外部サイトに遷移します)
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業界研究の項目とポイント
さまざまな業界について紹介してきましたが、就活生はこの中からどうやって自分に向いている業界を探せばいいのでしょうか?ここでは、業界研究をする際に注目すべき項目とそのポイントを解説していきます。
職種や業務
まず、一番最初に確認する項目は、職種と業務内容です。同じ業界でも、企業によって募集している職種やその業務内容は違います。また、例えば同じ営業職といっても、企業によって営業のやり方や強みは異なります。
そのため、その企業のその職種ではどのような仕事をしており、同業他社と比べてどのような強みや違いがあるのかをしっかり調べましょう。
調べ方
ホームページや採用ページにも概要は書かれていますが、詳しいことを知るには、実際に経験した人の話を聞いてみるのが一番です。企業説明会に参加することや、Openworkなどの口コミサイトを活用することも有効です。
調べる際のポイントと注意点
職種や業務をしっかり調べずに入社すると「思っていた仕事内容と違った」と感じてしまうかもしれません。職種や業務を調べる際には、その職種が自分自身に合うか、強みや経験が活かせるかに注目すると、将来のミスマッチを減らせるのではないでしょうか?
社会的な意義
そして次に確認すべき項目は、その業界の社会的な意義です。その業界がどのように社会に貢献しているのかを調べましょう。
自分が何をしたいのかをはっきりさせ、そのやりたいことができるような業界をさがしましょう。
調べ方
企業のホームページや採用ページを見て確認することができます。多くの企業のホームページでは、事例が紹介されています。その事例でどのような顧客を相手にどんな事業を展開しているのかに注目して見てみましょう。
調べる際のポイントと注意点
同じ業界でも、その事業規模やビジネスモデルは企業によって様々です。そのため、どんなビジネスモデルなのかなど具体的なことは業界研究ではなく、その後の企業研究で詳しく見ていきましょう。
業界の将来性と平均年収
最後に、業界の将来性と平均年収もしっかり確認しましょう。自分がやりたいことができれば関係ないと思っている人もいると思いますが、将来の生活に関わる重要な項目です。その業界に就職して10年後はどうなっているのか、そして自分は将来どれくらいの給与を貰える見込みがあるのかをしっかり調べましょう。
調べ方
その業務の将来性や給与については、OBOG訪問や口コミサイトなどを見て調べるといいでしょう。将来性については、実際に働いている人が一番よくその業界の現状などについてわかるはずです。また、Openworkなどの口コミサイトでは母数も多く、その企業をやめた人の情報も載っているため、信憑性の高い情報やデータを見ることができます。
調べる際のポイントと注意点
年収を調べるときには全体の平均年収だけでなく、新卒年収と年齢ごとの平均年収も一緒に調べてみましょう。そうすることで、給与の上がり方も知ることができます。
外資就活ドットコムを活用しよう
外資就活ドットコムは、業界研究にも活用することができます。
企業を探すから業界で絞り込み、その業界の企業一覧を見ることができます。業界研究をこれから始めるという方も、ぜひ活用してみてください。
企業を探す
また、同じ業界を志望している人と情報交換ができるコミュニティ機能もあります。興味のある業界のコミュニティに入って、その業界を志望している人たちと会話を楽しんだり、情報を共有し合ったりして就活を有利に進めましょう。
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