第5回 IT×広告が生む新しいマーケティングの形とは|特集・デジタル時代のためのファーストキャリアナビ

第5回 IT×広告が生む新しいマーケティングの形とは|特集・デジタル時代のためのファーストキャリアナビ

2024/06/20

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こんにちは、外資就活ドットコム ITチームです。 昨今、ITはもはや「特別なスキル」ではなく「あらゆる業界や職業において必要不可欠な存在」となっています。 本特集では、就活生に人気の業界・企業における、ITの様々な普及事例を紹介して参ります。 この記事のキーワードは、例年学生からトップクラスの人気を誇る業界である「広告」です。

2030年まで続く広告ビジネスのトレンドとは

AIの存在感が強まる中、博報堂が設立したAI研究施設

博報堂DYホールディングスは、2024年4月1日に「Human-Centered AI Institute」を設立したと発表しました。この施設は、人間中心のアプローチによるAIの先端研究や技術開発を行い、生活者と社会を支える基盤の構築を目的としています。

主な活動内容は、1)生活者と社会に資するHuman-CenteredなAIビジョン・ロードマップの確立、2)1をコアとした研究・応用技術開発、3)グループ各組織のAI開発・活用とAIケイパビリティの向上支援、4)3を推進する外部パートナーとのアライアンス強化、の4点です。

この施設は、同社グループ内各組織と協働し、高品質かつ信頼性の高い先端AI技術の研究開発・導入と活用、ビジネス変革を支援するほか、外部パートナーとのアライアンスを強化し、グループ全体のAIケイパビリティ向上とAI実装力の最大化を図ります。

参考:博報堂DYホールディングス、AIの先端研究や技術開発を行う「Human-Centered AI Institute」設立(外部サイトに遷移します)

近年の動向から読み解く、新たに広告業界で求められる人物像とは

IT技術の進化とAIの普及により、広告業界を含む多くの分野で技術と人間中心の視点の両方がますます重要になっています。広告業界では、従来のクリエイティブな広告制作力に加えて、デジタルマーケティングやデータ分析(統計知識など)のスキルが求められています。加えて、AI技術を理解し、それを実際のビジネスや社会のニーズに合わせて応用する力が必要になっていくことが予想されます。

さらに、技術的なスキルだけでなく、ユーザーのニーズや社会的影響を考慮するリテラシーも重要です。技術を人間中心の視点で活用し、社会に与える影響を理解しながら応用する力が求められます。例えば、消費者行動の変化に対応するために、生活者の心理や社会の変化を考慮したクリエイティブな発想が必要です。

また、従来どおり異なる分野や業界の人々と協力しながらプロジェクトを進める能力も重視されています。幅広い業界に顧客を持つ広告代理店では、顧客のニーズを正確に読み取ることが何よりも重要であるからです。近年では、クライアント企業のグローバル展開に対応するために、語学力や異文化理解力、そして海外での活動経験を持つグローバル人材の需要が高まっています。IT業界でも、マーケティングの知見を持つことで、広告業界との協働がスムーズになるでしょう。

総じて、広告業界に限らずAIを活用する業界を目指す就活生は技術的なスキルだけでなく、人間中心の視点や協働能力を兼ね備えた総合的な力を身につけることが求められていくでしょう。 具体的には、独自の視点から物事を捉える独創力やコミュニケーションスキル、チームワークなどが求められます。このような流れはAIによる技術進展とは逆行するように思えるかもしれませんが、今後ますます必要とされるスキルでもあり、就活におけるインターンや選考でも重視されることが考えられます。

参考:近年の動向から読み解く、新たに広告業界で求められる人材2パターン

IT化が「広告ビジネス」にもたらす2つの大きな変化とは

企業のニーズがバックエンドのIT化から、フロントのマーケティング領域のデジタル化へと移行しつつあります。この流れに対して、従来のITコンサルティング企業は乗り遅れがちです。これらの企業にとってマーケティングの領域は得意ではなく、企業内の情報システム部門とマーケティング部門の文化や言語の違いが壁となっています。

一方、この新しい動きに対して有利な立場にあるのが広告代理店です。一般に、広告代理店は企業のフロントとの対話や提案、実行を得意としているためです。 広告収入が減少するなか、システム導入にITベンダーと組んで進出する動きが加速しています 。具体的には、単なるIT支援にとどまらず、事業部門や経営トップと連携して実質的な事業支援を行う動きが進んでいます。

2023年以降、広告代理店業界ではこの「事業支援」への移行がさらに意識され始めることが予想されています。 つまり、マーケティングやデジタル化の領域では、従来のITコンサルティングとは異なり、広告代理店がITベンダーと連携し、事業部門を支援する役割が重要になってくるということです

参考:2030年まで続く広告ビジネスのトレンドとは? 2023年から加速する7つの事象を解説(外部サイトに遷移します)

IT業界と広告業界の異なる常識の交差点にこそ、マーケティングの新しい手法がある

システム開発やデジタル化の需要が高まる中で、広告会社はITを活用したマーケティングの高度化に取り組んでおり、企業の基幹データや業務データを活用したマーケティングシステムの構築や業務プロセス再設計の依頼が増えています。マーケティングシステムとは、企業の活動で生まれる様々なデータを連携させ、本社のマーケティング活動と販売店の営業活動を効率化・高度化するシステムです。これにより、企業の各部門が連携して業務を円滑に運用するためには、マーケティング業務の要件を設計することが重要になります。

このように、従来は一般的でなかった業務設計の必要性が増し、 広告会社もB to Bの営業業務プロセス設計と運用組織づくりに取り組むようになっています 。企業内のIT化が進む中、 広告会社はマーケティング力を活かして事業コンサルティングにも進出しており、ITコンサル業界もこの動きに対応しています 。両者はフロント部門のデジタルトランスフォーメーション(DX)ニーズに対し、戦略策定からITソリューション提供まで一貫して行う支援を目指し、関連子会社の買収なども進めています。

このような背景から、IT技術を有する企業や人材の重要性が増しており、広告会社はITベンダーと組んでシステム導入を進めることが多くなっています。もっとも、これらの業種のプロジェクトの進め方は異なるものです。個々人が持つ独創的な力が重要な役割を果たす広告業界と体系的なルールのもとで整然とプロジェクトを進めるIT業界。これらの違いが交わるところにマーケティングシステムの新たな可能性があることが認識され始めています。 すなわち、 広告業界とIT業界が一連のマーケティング業務の設計を行うにあたり、互いの進め方をうまく融合していくことが重要になりつつあるのです

この動向を踏まえると、 IT業界を目指す就活生にも業務を円滑に進めるためのコミュニケーション能力はもちろん、マーケティング業務の流れを理解しておくことが求められるのではないでしょうか 。特にコミュニケーション能力は、デジタル社会において今後IT業界がさらに幅広い業種と協業する上で不可欠な能力になっていくことが考えられます。

参考:「デジタル」から「IT」へ、広告会社が一歩踏み出すこと。(外部サイトに遷移します)

インターネット広告事業におけるベンチャーの台頭

インターネットとスマートフォンの普及により、消費者とメディアの関わり方は大きく変化しました。特に若年層を中心にテレビや新聞などの従来メディアから、スマートフォンを使ったSNSやウェブサイト、動画配信サービスへの移行が進んでいます。

このような状況のもと、web広告やデジタルマーケティングといったインターネット広告事業を手がけるベンチャー企業が台頭しています。

インターネット広告代理店やメディア事業を展開するサイバーエージェントは、すでに大手企業として知られていますが、広告配信プラットフォームやデジタルマーケティングの新しい手法を開発といった様々なベンチャー事業を行っています。

さらに、ユーザーの行動データを活用したターゲティング広告を特徴とする「GREE Advertising」という広告プラットフォームを提供するグリーや、アプリ開発と広告開発の双方を進める点に強みを持つアドウェイズなどもインターネット広告の領域で力をつけています。

いずれの企業も、AIを含むIT技術を活用してユーザーの行動データを詳細に分析し、広告を最適化するという点で従来の一方的な広告とは一線を画したサービスを提供しています。継続的な拡大が見込まれるインターネット広告業界において、AIやデータ分析を活用して消費者のトレンドに迅速に対応できるベンチャー企業の台頭は今後も続くと見られています。

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