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博士号取得者はコンサルに向いている?上司の一言から考察するコンサルタントに求められる素養【現役社会人からのメッセージ】

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博士号取得者にとってのコンサルへの道とは?

ポスドク問題が叫ばれることも多い昨今、研究したいことはあるけど、博士までいってしまったら就職できなくなるかもしれない……と思い悩み、踏みとどまる人も多いようです。

しかし、コンサルティングファーム には、「博士号取得者だからこそ活躍できる」側面があるとのこと。進路を考えあぐねている方、すでに進学を決めてしまったけれどまだお悩み中の方、そして現在、コンサルティングファームへの就職を考えている方にとって参考になる内容となっています。ぜひご一読ください。

博士号取得者は戦略コンサルに向いてる?

初めまして。私は生命科学の分野で博士号を取得した後、新卒で戦略コンサルに入社したSelenaと申します。現在は一番初めの階級であるアソシエイトとして働いています。

今回の記事で私がお伝えしたいことは、まず理系の学生、特に院生(博士号取得者)に向けて「博士号取得者はコンサルタントに向いている」ということ。そして、ではそもそも「コンサルティング業界で求められる力とは何か」の2点です。

私がこの記事の執筆を決意したきっかけは、現職場のディレクターであり、戦略コンサルで10年超の経験を持つ上司が、新卒向けセミナー終了後にぽろっと発した一言にあります。

「新卒はとりあえずドクター(博士号取得者)を採用すれば良いんじゃないかって思う時がある」。これまで、就業経験の無い20代後半や30代は使いにくい、と揶揄されることの多かったドクターの1人として、私は驚きました。

その後、私なりに言葉の意図を考えた結果「コンサルタントに求められる能力の基礎が、博士号取得のプロセスで培うことができるから」ではないかという結論に至りました。

以下では、コンサルタントに求められる「議論する力」と「新しい発想を生む力」、そしてそれらが研究時代にどのように培われるのかについて詳しくお伝えしたいと思います。

研究室での問答が「議論する力」を磨く

コンサルタントには「相手の話を理解し把握する力」が必要

コンサルタントに求められる力の1つに「議論する力」があります。

これは対クライアントにしろ、対チームメンバーにしろ、コンサルティングをするうえで、最も大切な力です。なぜなら、議論を積み重ねていくことで初めて、斬新かつ人々が納得して行動に移せるような施策を生み出すことができるからです。コンサルタントが付加価値を生み出すためには必要不可欠な力であると言えるでしょう。

長年携わってきたその道の専門家でさえ答えを出せなかった問題に対して、コンサルタントは第三者という立場から解を出すように求められます。また、それは「斬新さ」、「納得感」、「実現可能性」という3つの条件を満たすものでなければなりません。
解を導き出すためには、日々議論を積み重ね、考えをぶつけあう他ないのです。

日々の研究生活で起こる議論や、就職活動でのグループディスカッションなどで「なんだか議論が進まない、噛み合わない」と感じた経験を持つ方もいるのではないでしょうか。

この場合、実は相手に問題があるのではなく、自身に「話を把握する力」と「話を理解する力」が不足していることが原因であると考えられます。

ちなみに“優秀なコンサルタント”として評価されるのは、相手の論点と主張の背景をすぐに理解できる人です。特に、相手が頭の中で混乱してしまっている論点とその主張の背景を瞬時に構造化し、議論を進めることができる人であるように感じます。

研究室での進捗報告は、議論を積み重ねる力のトレーニングに最適

博士号取得者の方は、日々の進捗報告や研究発表等でさまざまな人と議論を積み重ねる機会が多くあるため、必然的に上記「議論する力の基礎」を身に付けていると考えられます。
そしてこの経験こそが「博士号取得者はコンサルタントに向いている」と挙げられる理由の1つです。

私自身、過去振り返ってみると、特に日々の進捗報告は「自分の考えを主張する力」や「相手の主張を理解したうえで議論を積み重ねる力」を培うのに最適なトレーニングであったように思います。

研究室での進捗報告では、

「次は○○のような実験をしたいと思っています」=“自分の考えを持つ力”
「なぜなら、これまでの実験結果から××と△△が分かっており、そこから○○のような実験をするべきであると考えられるからです」=“その考えがどのように導き出されたのかを説明する力”

上記のような自分の意見を発信する場面が多く訪れます。もちろん一筋縄では進まず、その都度さまざまな意見が飛び交い、質問攻めにあうことも多々。余談ですが、私の研究室では進捗報告のことを「串刺し」や「蜂の巣」と呼んでいたほどでした。

そんな押し問答を繰り返すことで、次第に、相手の言いたいことを理解したうえで自分の考えを主張できる力が身についていくと考えられます。

研究者の「新しい発想を生む力」が仕事に生きる

コンサルタントには「議論する力」に加えて、クライアントだけでは考え付かないような「新しい発想を生む力」が必要です。これには2種類あると考えられます。

1つは、「クライアントが考え付いていなかったところまで、考える範囲を広げた結果、得られた新しい発想」。もう1つは、「クライアント自身気づいていたものの、深く追求できていなかったところまで追求した結果、辿り着いたこれまでよりも深く新しい発想」です。

クライアントだけでは考え付かないような新しい発想に基づく提案を行い、経営課題を解決することがコンサルタントの付加価値となります。

一方、研究者は常に「他の人とは異なること=何かしらの新しさ」を求められる世界にいます。よって、博士号取得者は「新しい発想を生む力」についても日々の生活の中で自然とその能力を培っていると私は考えます。

常に他の人と違うことを求められる厳しい環境下において、多くの博士号取得者は、普段から以下のような頭の使い方をしています。

(1)時間の視点を『広げる』
花粉症薬の研究が盛んに行われていた時代、多くの研究者は症状を抑えるための薬(くしゃみ止め、鼻水止め、目のかゆみ止め)の研究を行っていました。
しかしある時、「症状が出る前」と「症状が出た後」の時間軸で考察を広げる研究者が現れました。これにより“症状が出始める前に効果を発揮する、予防薬は作れないだろうか?”という今までに無い発想での研究が行われるようになったのです。

これを経営課題に当てはめると、例えば「バリューチェーン(企業の活動領域)を広げてみることはできないだろうか?」という発想に置き換えられます。
この『広げる』という頭の使い方は、上記で挙げた1つ目の「考える範囲を広げた結果、得られた新しい発想」と言えます。

(2)違う分野から推測し『真似る』
私の専門は「免疫学」という、人が病気になるメカニズムの研究だったのですが、別の分野に「神経科学」というものがあります。神経科学の世界では、体内時計に代表される“物事が振動している”ということを前提に、さまざまな物事が考えられています。

この、“物事は振動している”という神経科学の考えを、免疫学に当てはめてみると、例えば「ある病気の症状が時間帯によって異なっているのは、病気に対する身体の反応性が振動しているからではないだろうか?」というような、新しい考え方につながります。

これを経営の課題に当てはめてみると、例えば証券会社の支店へ集客の施策を練る際、小売店では当たり前のように行われている施策を応用するということです。
この『真似る』という頭の使い方も、「考える範囲をこれまでよりも広げた結果、得られた新しい発想」と言えるでしょう。

(3)特異点を『じっくり見る』
実験データを集めていると全体の傾向から外れた特異なグループが現れることがあります。ついその現象に目を背けたくなる時もありますが、一度注意深く観察してみると新しい発見が生まれることがあるのです。

私は、身体の中の細胞をさまざまなグループに分類して特徴を見るという実験を行っていたのですが、実験のたび、どのグループにも属さない細胞が極少数存在していました。あまりにも数が少ないので初めは誤差だと考えていたのですが、ある日その細胞だけをじっくり観察してみると、今までに周知されている細胞とは異なる新しいものだという気づきを得られ、研究を進展させられたという経験があります。

この考えを経営に置き換えると、成長が伸び悩んでいる既存商品に対して打開策を打ち出すヒントになると言えるでしょう。皆さまの中に、「餃子の皮の売り上げが10月に跳ね上がる」という事実をご存知の方はいらっしゃるでしょうか。この、「10月だけ餃子の皮の売り上げが伸びる」という特異点を追求してみると、ハロウィンパーティー用のお化けのお菓子を餃子の皮を使って作っている特異なユーザーの姿が見えてきます。その発想を反映させることで、餃子の皮をお菓子生地の1種として売り込むマーケティングの考案につながるかもしれません。

この『じっくり見る』という頭の使い方は、2つ目に挙げた「これまでよりも深く追求した結果、辿り着いた新しい発想」と言えます。

「博士」は希少価値!クライアントの関心をつかむきっかけに

最後にもう1点、博士号取得者がコンサルティング業界に合っていると考えられる理由を述べたいと思います。
それは「クライアントとの関係を築きやすい」ということに他なりません。

コンサルティング業界に入ると、クライアントがその企業のトップである場合も多く、議論の場だけでなく会食など含め、会話をする機会が多々あります。経営者が普段会う資格者(弁護士、会計士、MBA等)と比べ「博士」取得者は圧倒的に数が少なく、希少性が高いため顔を覚えてもらいやすいのです。

また、話が弾みやすいという利点があります。「そういえば博士号を持っているんだよね?今度○○について教えてよ」などとおっしゃっていただけることもあり、そのことをきっかけに雑談からビジネス話まで会話が広がりやすいと感じています。

このような会話が行われるのは、博士号取得者が、これまで世の中に無かった新しさを見出し、誰も考え付かなかった発想力を持っているということ。そして直接ビジネスに関わらないような話からも新しいエッセンスを取り入れ、ビジネスチャンスにつなげようとしているトップビジネスマンの視座の高さがマッチしていることが要因だと私は考えています。

おわりに:博士号取得者だからこそ活躍できるコンサル

日々議論を積み重ね、自分の専門分野を確立している博士号取得者だからこそ、エッジのきいた人材を求められるプロフェッショナルファームで活躍できるのかもしれませんね。
アカデミック分野と産業界が連携を図ることで、優秀な人材の能力をより有効活用できるのでは……とも考えられそうです。

当サイト『コミュニティ』には【戦略コンサル】理系院生が多い?その理由は?という質問が投稿されています。皆さん適性についてやはり気になっているんですね!こちらでもぜひ意見交換などしていただけたら思います!

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