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東大博士→マッキンゼー出身者が教えるフェルミ推定の解き方(1)-理論編

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マッキンゼー流フェルミ推定の解き方とは?

コンサルティングファーム投資銀行の面接試験によく登場するフェルミ推定の解き方について、マッキンゼーでの実務経験を持つ筆者(東京大学物理工学博士号取得後マッキンゼーに入社)により、理論編と実践編の2回に分けて解説します。

外資系コンサルティングファームでは欠かせないフェルミ推定。必読です。

フェルミ推定問題とは?

外資系コンサルティングファームや外資系IT企業などの面接では、志望動機や自己PRなどといった通常の面接で問われる質問に加えて、志願者の思考力を試す問題が出題されます。

その中でも典型的なものが、「日本にラーメン屋は何軒ある?」、「1年間に売れるサッカーボールの数はいくつ?」などといった、様々な数値を論理思考と仮説に基づいて推定する、「フェルミ推定」と呼ばれるタイプの問題です。

ちなみに、「フェルミ」というのは、1938年にノーベル物理学賞を受賞した、イタリア、ローマ出身の物理学者エンリコ・フェルミの名前に由来しています。

実は、こういった数値推定の考え方自体は古くから用いられていたものの、「フェルミ推定」という言葉自体が日本に入ってきたのは、ごく最近のことだと言われています。

近頃では、外資系企業を目指す就活生の間で「フェルミ推定」という言葉は有名になっています。しかし面白いことに、彼ら・彼女らが憧れる現役コンサルタントたちにも、一昔前までは「フェルミ推定」という言葉自体は意外と認識されていませんでした。

ちなみに、私は物理工学で博士号を取得後にコンサルタントになったという経歴ですので、物理学者エンリコ・フェルミのことも、このタイプの数値推定手法のこともよく知っていましたが、それが「フェルミ推定」と呼ばれていることについては、つい最近まで知りませんでした。

フェルミ推定が出題される理由

フェルミ推定は基礎的な能力を測るために用いられる

さて、フェルミ推定問題の「傾向と対策」について考える前に、面接を受ける学生の立場でなく、学生の評価をする面接官の立場で、そもそもどのような狙いでフェルミ推定を出題しており、面接の際に、それをどのように用いているのかを理解しておきましょう。

結論から言うと、フェルミ推定が出題されるのは、これらの問題が、論理思考力の広がり・深みや仮説構築力、ビジネスセンス、計算のスピードといった、「コンサルタントとして必要な基礎的な能力」を測るために極めて都合のよいツールだからです。

つまり面接官は、学生とのやり取りを通じて、上述したような「基礎的な能力」があるかどうかを見極めようとしているのです。決して、出題された問題を「正しく解けたかどうか」ということ自体に注目しているわけではありません。

実際に、面接官の手元にある「評価シート」には、「フェルミ推定:○○点」といった欄があるわけではなく、「論理思考力」とか「コミュニケーション力」といった項目の欄があるだけです。

少しくどくなってしまいましたが、以上のようなことを理解せずに、フェルミ推定の「出題の傾向と対策」ばかりを練習することのないように、注意してください。そうでないと、「適切なアプローチで正しい数値を導けたと思ったのに落とされてしまった」ということになってしまいます。

ビジネスケース問題との違い

なお、フェルミ推定は、正解が存在するタイプの定量的な問題であるため、通常のビジネスケース問題(例えば「○○の売上げを3年間で2倍にするには何をすべきか」といった問題)と比較すると、議論のやり取りを通じて話題を広げたり、深めたりしていくのにはあまり適していません。

そのため、どちらかというと初期の面接で「志望者を絞込む」段階で用いられることが多いようです。

さらに、フェルミ推定が出題されるもう1つの理由としては、複雑な「ビジネスケース問題」と違って、数多くの問題を簡単に作り出せるといったこともあると思います。

すなわち、初期の面接における出題内容として、非常に都合が良いわけです。

出題形式と答え方のポイント

繰り返しになりますが、面接官がフェルミ推定を出題するときには、基礎的な「思考力」を試そうとしており、何らかの「知識」を試そうとしているわけではありません。

したがって、当たり前ですが、知識があれば答えが簡単に出せるような問題や、特定の事を知らないと全く答えられないような問題は出ないと思ってください。

例えば、「エストニアで1年間に消費される歯ブラシの本数は?」などと問われても、多くの学生にとっては、エストニアの人口やその構成、生活環境のイメージすら全く沸かず、ヤマ勘で答えることになってしまいます。

こうなると、面接官にとっては、学生の思考力を試すことが出来ないので、都合が悪いわけです。

(ただしこの場合でも、「エストニアで1年間に消費される歯ブラシの本数を3時間以内で調べるには、どうしたらいいと思う?」といった問題にすれば、思考力を試す問題になります。しかし、これはもはや純粋な「フェルミ推定」問題ではありませんので、ここでは扱わないことにします。)

実際には、出題形式にはいくつかのタイプがありますが、代表的なものを以下で説明します。

①純粋な思考力を求める一般的な問題

一般常識的な知識があれば誰でも平等な条件でチャレンジできるというタイプの問題です。

ビジネスとは全く関係がないような問題も多く、例えば、「地球上にゴキブリは何匹いるか?」、「日本国内に電柱は何個あるか?」、「東京都内にあるマンホールの数はいくつか?」といったような問題があります。

面接官にとっては、純粋な思考力を試せるという点は良いのですが、以下に述べる②や③の場合と比較して、あまり詳細なレベルの思考力を試せないという欠点もあります。

またそのため、典型的な問題をいくつか練習しているとそれなりに上手く答えることが出来てしまい、本人の実力を見極めようとしても、限界があるというのも事実です。

②学生個人の経歴と絡めた問題

学生の大学での専攻や、サークル活動、アルバイト経験などをネタとして出題する形式です。

例えば、テニスをやっている学生に対しては、「日本で1年間に販売されるテニスボールは何個くらい?」という問題を出したりします。

面接官は、学生がある程度はそのテーマに関連した知識や感覚を持っていることを前提としています。

そして、突っ込みを入れたり、助け舟を出したりしながら議論を展開し、学生の思考力の広がり、深みや柔軟性といった要素を詳細に見極めていこうとします。

上の例でも、最初はボールの数について考えてもらいながら、学生の答え方によっては、「そもそも、テニスをする人ってどれくらいいるの?」と誘導したり、「では、テニスコートの数は?」と問題を変えて見たり、「テニスボールって、季節によって売れる数が違ったりしないの?」と深掘りしていったりと、様々にやり取りをしながら議論を進めていくわけです。

このタイプの場合、面接官はその場で問題を考えているため、面接官自身も、正しい答えの数値がいくつなのか分かっておらず、純粋に学生の答えが論理的で納得感があるかどうかだけを見極めています。

従って、学生側としては、自分が知っている情報を上手く使って答えを組み立てることで、その答えが「論理的だ」と納得させることが必要になります。

③ある程度のビジネス知識・感覚を必要とする問題

②とは逆に、その学生になじみがある領域ではなく、面接官に詳細な知識がある領域で問題が出されることもあります。

①と違って、学生が自分の「常識的知識」だけで数字を計算しようとしても、なかなか歯が立たないような問題です。

例えば、「日本全国に、コールセンターのオペレーターって何人くらいいると思う?」とか、「ビックカメラって、年間いくらくらい家電を売っていると思う?」といった具合です。

面接官は、学生が詳細な知識を持っており、それに基づいて適切な答えを出すことを期待しているわけではありませんので、議論のやりとりを通じて学生の思考力を深く見極めていこうとしています。

そのため学生には、解き方の枠組みを自分で考えた上で、面接官に色々と質問をして、必要な情報を引き出し、それを用いて答えを出していく、ということが求められます。

次回は実際の解法について、考えてみましょう。

戸部 克弘

1976年3月 名古屋生まれ。福岡県、大阪府にて育つ。
1998年3月 東京大学 理学部 物理学科 卒業。
2003年 3月 東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻 修了(工学博士)。
同年4月 マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン入社。ドイツ支社への転勤を経て2009年11月に退職。
後、教育関連企業を起業・経営。

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