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大学卒業後の進路として修士課程まで進んで就職するか、博士課程まで進むのかを検討している学生の方もいるのではないでしょうか。
「修士と博士はどんな違いがあるのか」「就職における有利・不利はあるのか」など、これから進学を考える学生の方は気になるところだと思います。
この記事では、修士と博士の学位における違い・就職における違い、進路を考えるときのポイントについて解説していますので参考になさってください。
修士と博士の違いとは?
大学では必要な単位を取得して学位論文を提出することで、大学卒業時または大学院修了時に学位を授与されます。学位には種類があり、 学士 、 修士 (マスター)、 博士 (ドクター)があります。
大学に通って必要な単位を取り、卒業論文などを提出して卒業すると学士号と呼ばれる称号が授与されます。大学を卒業したのちに大学院へ進み、2年間の「修士課程(博士前期課程ともいう)」を修了すると修士号を授与され、さらに3年間の「博士課程(博士後期課程ともいう)」を修了すると博士号を授与されます。
修士は一定の専門知識や基礎的な研究力を身に付けることを目的とし、博士は自立して研究活動を行い多方面で活躍し得る高度な研究力を身に付けることを目的としています。修士も博士も研究活動をメインとした学校生活を送りますが、 自立して研究活動を行うことができるか、より高度な研究力を身に付けることができるかが違いになるといえるでしょう。
修士と博士の就職における違い
修士と博士は学位や目的の違いもありますが、就職する職種や就職のしやすさにも違いがあります。
特に 修士の場合は、理系と文系で就職する職種が違ってくることが多いです。 理系の修士課程修了者は民間企業の研究職や開発職に就職することが多く、文系の修士課程修了者はコンサルティング会社や総合商社、出版社、広告会社など様々な業界の企画職や営業職に就職することが多いです。理系の場合、2年間1つの研究課題に対して研究を進めた実績と、専門知識を有しているという理由で企業から高い評価を得られやすく、就職活動でも有利になりやすい傾向にあります。
修士課程修了後の進路とは?就職におけるメリットはあるの?
また、 博士課程修了者は大学や公的機関(国が運営主体である省庁に付随する研究所や地方公共団体の研究所)へ就職することが多いです。 これは、大学の教授職や公的機関へ就職する場合には、博士課程修了必須もしくは博士課程修了と同等レベルの知識・スキルが求められるためです。
「博士課程に進むと民間企業への就職が不利になる」のは本当か?
博士課程修了者は大学や公的機関へ就職することが多いと述べましたが、これは博士課程に進むと民間企業への就職が不利になるからなのでしょうか?
実際には、年齢的な問題で企業が博士課程修了者を一から育てることに抵抗を感じるのは否定できません。また、博士課程での研究内容は高度に専門化されているため、それが会社の求めているものと一致する可能性が低いです。特に文系はこの傾向が顕著に表れます。
学士や修士の場合は研究内容と企業の事業内容がマッチしていなくても関係なく、研究を通して身に付けた能力やスキルを企業は重視する傾向にありますが、ある程度年齢が高くなった博士課程修了者の場合は、研究内容と企業の事業内容のマッチ度も重視する傾向にあります。
つまり、 理系は研究内容と企業の事業内容がマッチしていれば就職が不利になることはありません。 しかし 文系は、そもそも研究内容と企業の事業内容がマッチすることが少ないため、博士課程へ進むと民間企業への就職は不利になる傾向にあります。
修士で就職するか、博士課程に進むかで迷うのならば
この記事を読んでいる方の中には、修士で就職するか博士課程に進むかで迷っている方も多いと思います。
「早く社会に出て働きたい」「大学での研究に満足した」と考えるのであれば修士で就職活動をすることをおすすめします。 そうではなく、 「純粋に研究が好きでその分野を極めたい」「博士号を取得したい」「大学や公的機関へ就職したい」と思っているのであれば博士課程に進むことをおすすめします。
ただし先述した通り、博士課程修了後に民間企業へ就職したいと考える場合は、研究内容と就職先の事業内容がマッチしていないと就職が不利になる傾向がありますので、「今やっている研究をこれから先もずっと続けられるか」「研究内容と関連がある事業内容で、強く就職したいと思う企業があるのか」をよくよく考えたうえで博士課程に進むのかを決めるようにしましょう。
また、博士課程修了後に民間企業へ就職する場合の就職対策として、 企業でのアルバイトやインターンシップなどで実際に企業での仕事を経験しておくことをおすすめします。 博士課程修了者は年齢のわりに社会経験が少ないという点がネックになる可能性があるので、事前に経験を積んでおくことで就活の際のアピール材料になります。
いずれにしても、業界研究や企業情報の調査を行うなどしてキャリアプランを明確にしながら進路を決めていくことが大切です。
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