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大手広告代理店の面接を受ける前に読むべき本とは?
こんにちは。外資就活編集部です。
電通 、 博報堂 をはじめとする大手広告代理店では、広告ビジネスに関する理解はもちろんのこと、「デジタル化」「グローバル化」へとシフトしていく業界の未来に対する洞察や、日本社会が抱える課題への意識が問われます。
そこで今回のコラムでは、実際に筆者が大手広告代理店の面接を受ける前に読み、「これは面接で役に立ったな」と実感した本をご紹介したいと思います。
広告ビジネスを理解し、業界の次の10年を読み解くための3冊
1.広告ビジネスの本質を理解するため、会社パンフレットの次に読むべき本
『図解入門業界研究 最新 広告業界の動向とカラクリがよくわかる本』
電通 の採用パンフレット、ホームページは電通の手がけた事例を知るには非常に使えるのですが、一方で広告代理店のビジネスモデルについての説明は乏しいです。
あなたが「こういう広告が作りたい、こういうことを電通で成し遂げたい!」という野望を持っていても、それが電通ビジネスの範囲外であり、電通に収益をもたらすことが出来ないのであれば面接官には響きません。
広告代理店のビジネスモデルを知る上で良書だと思うので、広告代理店ってなんぞや?という方はぜひ読んでみてください。特に、海外の広告代理店と国内の広告代理店の違いが参考になります。
・自分はこの本をどう生かしたか
広告業界のビジネスモデル全般の理解。コミッション制とフィー制の違いや、そもそも広告代理店とはクライアントにどのような価値を提供するのかを学びました。
下記の「広告ビジネス次の10年」を読むにあたり、知識が不足していたのでこの本を適宜参照しつつ読み進めました。
2.7選で特にお薦め。広告業界の趨勢を知り、面接の説得力を向上させる
『広告ビジネス次の10年』
7選の中でも特にお薦めしたい本。
現在、広告業界を取り巻く環境はめまぐるしく変化しており、電通をはじめとした広告代理店は過渡期に差し掛かっています。
その中でも「デジタル化」と「グローバル化」というキーワードは絶対に外せないでしょう。この本では、広告業界における「デジタル化」「グローバル化」がどのように進展していくのか、これからの広告マンはどのような能力を身につけるべきかが余すことなく書か
れています。
電通 などの総合広告代理店だけでなく、 サイバーエージェント や オプト といったネット専業代理店を受ける人も必見です。ただし、広告初心者には内容がかなり難しいため、他の本を読み終わってから読み始めましょう。
広告ビジネス次の10年
著者:横山 隆治
翔泳社
(Amazonで詳細を見る)
・自分はこの本をどう生かしたか
広告業界の趨勢を学ぶことで、説明会やパンフレットでは教えてくれない、電通が求める本当の人物像を探りました。
この本を通じて学んだのは、デジタル化、グローバル化こそがこれからの広告ビジネスにとって切っても切り離せないということ。そこでデジタルやグローバルに強い人材であることをアピールするために、どのような内容を面接で伝えるべきかを考えました。
詳しくは『大手広告代理店の内定者が語る!非体育会系・コネ無し就活生でも内定を貰う方法」』を参照してください。
3.クリエイティブ志望必見。この本を読めばグループディスカッション通過率も格段に上がる
『「これからの広告」の教科書』
カンヌ国際広告祭で日本代表審査員を務めて以来、10年以上世界と日本のトレンドをウォッチしてきた佐藤達郎さんの著書。
従来の広告手法が通じなくなってきた今日において、どのような発想をもって広告をしかけていくべきかが事例を通じて解説されています。
クリエイティブ志望の人に特にお薦め。もちろん、営業志望で面接を受けてもクリエイティブな能力を問われる質問が飛んでくることがあるので、営業志望の方も読むといいでしょう。
電通・博報堂のグループディスカッションをする際にも非常に参考になります。
「これからの広告」の教科書
著者:佐藤達郎
かんき出版
(Amazonで詳細を見る)
・自分はこの本をどう生かしたか
クリエイティブ系の質問と、グループディスカッション対策に役立てました。
電通の面接では、「ビールの売上を上げるためにはどうする?面白い案考えてみてよ」というようなクリエイティブ系の質問が飛んでくることがあります。
そこで、どのような角度から聞かれても一般的な回答ではなく、広告のトレンドを捉えた回答ができるように心がけました。
また、この本が一番役に立ったのはグループディスカッションの時です。例えば博報堂の「缶コーヒーを活性化させるための方法」というグループディスカッションでは、周囲がタレント起用やスポーツ選手を使うという安直な方法に走りそうなときに、顧客とのタッチポイントや、クロスメディアの考え方を意識して再度プランを練り直すように提言したことが評価され、通過することができました。
広告が社会的課題に果たすべき役割を考えるための2冊
4.広告ビジネスと社会課題を結びつける方法を学ぶ
『Communication Shift―「モノを売る」から「社会をよくする」コミュニケーションへ』
自分が電通を第一志望とするきっかけとなった本です。広告枠の売り買い、広告制作が広告代理店の主たる仕事だと思い込んでいた自分にとって非常にいい刺激になりました。
「かつての高度経済成長期には、モノが売れるCMをつくることは、すなわち社会貢献であったはずだ。今の時代が果たすべき、そして、これからの時代に広告が果たすべきであろう社会的意義は何だろうか」。社会貢献と広告を融合させたプロジェクトを手掛けてきた並河進さんが、その答えを教えてくれます。
Communication Shift―「モノを売る」から「社会をよくする」コミュニケーションへ
著者:並河進
羽鳥書店
(Amazonで詳細を見る)
・自分はこの本をどう生かしたか
「自分は非体育会、留学経験なし、そしてコネも無い。こんなスペックで本当に電通受かるのかなぁ」と不安になった時に、この本のようなことをやりたい!と思い出して自身を奮い立たせていました。
また、「好きな広告は?」と聞かれたときに、この本の事例(nepia 千のトイレプロジェクト)を答えようと思っていました。
5.広告以外にも精通することで、他の就活生と差別化する
『日本未来図2030 20人の叡智が描くこの国のすがた』
130名近い電通内定者の中で、この本を面接対策に使ったのは私くらいじゃないでしょうか。
上記の通り、広告業界はめまぐるしい変化を遂げていますが、日本社会自体も過渡期に差し掛かっています。今後、どのような社会課題が生じ、電通を始めとした日本企業にどのような影響があるのか。それを考えるヒントになるでしょう。
電通の面接を受ける際に、体力や根性アピールでは体育会主将の人に勝てないと思ったため、こういった本を読んでアカデミックネタで勝負できるように意識しました。
電通に限らず、面接を受ける際には、「この会社はどのような属性の人がたくさん受けているだろうか。自分の強みはその人達に勝てるのか」というのを考え、差別化を図るとうまく行きますよ。
日本未来図2030 20人の叡智が描くこの国のすがた
日経BP社
(Amazonで詳細を見る)
・自分はこの本をどう生かしたか
自分は面接ではアカデミックネタで勝負をしようと思っていたので、この本に書かれている事例を引っ張り出して面接で話しました。
上記『広告ビジネス次の10年』で広告業界の未来を、そして『日本未来図2030 20人の叡智が描くこの国のすがた』で日本、そして世界の未来を語れるように準備し、「自分はこれからの未来を推測し、それと企業の製品を結びつけた提案ができる人物である」ということをアピールしました。
他の就活生との徹底した差別化を図る2冊
6.電通志望者必見。内定者がエントリーシートや面接で語った鬼十則を学ぶ
『電通「鬼十則」』
電通四代目社長吉田秀雄氏が残した、電通マンが持つべき行動規範について書いた本。
50年以上前に書かれたとは思えないほど、今の時代でも通用するような名言が載っています。
電通志望者の中には鬼十則について知っている人は多いと思いますが、これを読んでどう面接に生かそうかまで考えている人は案外少ないのではないでしょうか。
ある内定者は、自分の学生時代にやったことこそまさに「鬼十則」を体現しているという話をして内定を勝ちとったみたいです。また、コミュニケーションシート(面接で使うエントリーシートのこと)の「あなたが言われてグッとくる言葉を3つ挙げてください」に、鬼十則の言葉を書いた内定者も多いようですね。ぜひ参考にしてみてください。
電通「鬼十則」 (PHP文庫)
著者:植田 正也
PHP研究所
(Amazonで詳細を見る)
・自分はこの本をどう生かしたか
面接で「なぜ博報堂ではなく電通なの?」という質問が飛んできたときに、この鬼十則を暗記して、特にここに共感できるからという話をしました。
自分が話すネタがアカデミックばかりだと、面接官に「激務に耐えられるのか。そして、人を動かせる人物なのか」と思われがちなので、鬼十則の「6. 周囲を『引き摺り廻せ』 引き摺るのと引き摺られるのとでは 永い間に天地のひらきが出来る」にちなんだエピソードを話していました。
7.広告流の就活を学び、自分だけのエピソードを話せるようにする
『なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか。 (ジブンの本当の価値を伝える技術)』
電通・博報堂の面接は「差別化」がキーワードになります。そのためには、企業を知り、その企業を志望する就活生を知り、自分を知らなくてはなりません。
この3つを進めていく上での一助となるのがこの本でしょう。広告業界の著名人が、企業研究の手法や、自己分析の方法、伝え方の技術を教えてくれます。「広告業界を目指しているけど、なんで広告業界を選んだんだっけ」というのが分からなくなった人、「広告って華やかだし、なんか面白そう!」という想いだけで広告を志望している人は必見。
単なる就活の方法論ではなく、本質的な課題解決法を教えてくれます。
なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか。 (ジブンの本当の価値を伝える技術)
著者:小島 雄一郎,笹木 隆之,西井 美保子,保持 壮太郎,吉田 将英, 大来 優
宣伝会議
(Amazonで詳細を見る)
・自分はこの本をどう生かしたか
特に「ジブンを3Cする」のところが役立ちました。どのような就活生がこの企業を受けているかまで意識していなかったので、この本の内容をもとに「自分のどの点が他の就活生と差別化できるのか」を考え抜きました。
そこで、「電通・博報堂の就活生は①体育会系②ITに長けている人③留学経験ありの人④アカデミックに打ち込んできた人との勝負になる。自分の価値を抽出し、①②③の要素も踏まえながら、④アカデミックの分野では誰にも負けないようなアピールをしよう。そして、絶対に他の人と被らない、自分だけの志望動機を話そう」と心がけました。
広告業界は本を読んで勉強するだけではいけない
今回のコラムでは広告関係の本を中心に紹介しましたが、一つ皆さんに言っておかなくてはならないことがあります。
それは、広告のことしか知らない人を電通・博報堂は求めていないということです。 広告に関しての知識を身につけるのも重要ですが、それ以上に大切なことがあります。 学生生活中に、様々な人と出会い、様々な本を読み、様々な体験を積んでください。
広告の仕事は、人の感情を動かすことにほかなりません。人を動かし、そして人に動かされてください。そのかけがえのない経験こそが、面接であなたを内定に導いてくれるでしょう。
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