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統計検定2級・準1級は就職活動の役に立つ?
こんにちは、外資就活ドットコム コラムチームです。
みなさんは、統計検定という資格試験をご存じでしょうか?統計検定は2011年に発足した比較的新しい検定ですが、統計リテラシーの重要性が高まっていることから年々注目度が高まっています。
特に統計検定2級や準1級では、データサイエンティストとして働くうえで必要な知識が問われています。 メーカーやIT企業などでデータサイエンスに関する職種を志望している学生であれば、目を通しておきたい資格試験であるといえるでしょう。
また、コンサルや金融機関などでも、統計検定の取得を推奨する企業が増えてきています。ビジネスにおいてデータを活用する意味が高まっている昨今において、 統計に関する知識はあらゆるビジネスパーソンにとって必須のものとなりつつあります。
そこで本コラムでは、統計検定2級・準1級で出題される内容や試験の難易度について触れた後、就職活動でのメリットやおすすめの勉強時期を紹介します。統計学やデータサイエンスに少しでも興味のある方は、ぜひご一読ください。
統計検定とは?
統計検定は、 統計に関する知識や活用力を評価することを目的とした試験 です。統計質保証推進協会が実施し、日本統計学会が認定する検定となっています。
統計学は、自然科学や人文科学、社会科学など様々な学問分野において、データや実証分析に基づいて意思決定を行うために用いられています。
データに基づいた客観的な判断を下し、問題を科学的に解決する力は、現代の私たちの仕事や研究において欠かせないものとなっています。統計学について学ぶことで、あらゆる分野で通用する考え方やスキルを身に付けることができます。
統計検定には、 1級、準1級、2級、3級、4級 の5つの級があります。その他にも統計調査士・専門統計調査士の試験や、2021年に新たに設立されたデータサイエンスに関する試験も存在しています。
なお統計検定1級を除き、紙媒体を使用した従来の試験(PBT方式試験)は2021年をもって終了し、現在は指定会場のパソコンで受験する試験( CBT方式試験 )となっています。
以下では、統計検定のなかでも受験者が多く注目度の高いとされている、 統計検定2級 と 統計検定準1級 について見ていきます。
統計検定2級の試験内容・難易度
統計検定2級の制限時間は90分で、4〜5肢選択問題が35問程度出題される形式となっています。主に大学基礎課程(1・2年次学部共通)で習得すべきとされている内容が出題されます。
例えば以下の問題のように、確率分布や仮説検定に関する基礎的な理解が問われます。
(2021年6月試験より引用)
その他にも、回帰分析や実験計画法などの代表的な統計的手法も登場します。 統計検定2級は、大学基礎レベルの統計学の知識と問題解決力に焦点を当てていることが特徴といえます。
合格水準は、 100点満点で60点以上 です。例年の合格率は約40%と言われており、 統計検定2級の難易度はそれほど高くはない とされています。CBT方式に変わり1年を通して受験が可能になったことから、一度不合格になっても最終的に合格までたどり着く方が増えていると考えられます。
なお、初学者が統計検定2級の合格までに必要な勉強時間は 80時間程度 と言われています。学習開始時点ですでに統計学に関する知識がある場合には、これよりも短い時間で合格することができるでしょう。一方で、数学に苦手意識がある場合には、合格までに100時間以上かかる可能性もあります。
統計検定準1級の試験内容・難易度
統計検定準1級の制限時間は、統計検定2級と同様に90分です。合計で25問〜35問が出題されますが、2級に含まれている5肢選択問題のほかに、数値入力問題も出題されます。
統計検定準1級では、大学後期課程で学ぶような統計学の理解が問われます。例えば以下のような問題が出題されます。
(2021年6月試験より)
その他にも、統計的推測に関する理論的な内容や、回帰分析以外の様々な手法についても問われたりするなど、出題の幅がとても広いです。 統計検定準1級では、実社会の様々な問題に対して適切な統計学の手法を応用できるかという点が重視されています。
合格水準は、統計検定2級と同様に 100点満点で60点以上 です。例年の合格率は約20%と言われており、統計検定2級よりも格段に難易度が上がります。また、統計検定準1級は統計検定2級の合格者が受験するケースが大半であると考えられます。このことから、 統計検定2級をすでに取得している方であっても、簡単に合格できる試験ではない ことがわかります。
統計検定準1級の合格までに必要な勉強時間は、 300時間程度 と言われています。統計検定2級よりも格段に試験範囲が広がるため、統計検定2級に合格した方であっても新たに学習しなければならない内容が多いです。数学が得意な理系の方であっても、合格までの道のりは険しいとされています。
統計検定はデータサイエンティスト志望におすすめ
上では、統計検定2級と準1級の試験内容について説明しました。すでにお分かりの方もいるかもしれませんが、 統計検定で問われる知識はデータサイエンティストにとって欠かせないものとなっています。
ここではまず、データサイエンティストを志望する学生が統計検定2級や準1級を取得することのメリットをご紹介します。 データサイエンティストになった場合に具体的にどのような業務を行うことになるのか という点に触れながら、統計検定のメリットを大きく2つに分けて説明をしていきます
①実務に役立つ知識があることを示せる
統計検定2級や準1級で出題される内容は、データサイエンティストの仕事と密接に関係しています。
例えば統計検定2級に登場する回帰分析は、ある結果に対してそれぞれの要因がどの程度影響を与えているかを説明するために用いられます。広告費を増やした際にある商品の売上がどの程度伸びるかを予測する際に用いられるなど、データサイエンティストにとっては必須ともいえる手法です。その他にも、確率モデルや検定論に関する知識など、 データサイエンスに関する仕事に携わる上で欠かせない内容が出題されます。
また近年は、 ビジネスにおいてより高度な分析手法も用いられるようになってきています。 例えば主成分分析や判別分析、クラスター分析などの多変量解析の手法は、より複雑なデータを扱う上で役立ちます。また過去のデータから将来の動向を予測する際には、時系列解析の知識があるとより分析の幅が広がります。統計検定準1級では、その他にも実務に直結する様々な手法に関して問われます。
したがって、 統計検定2級や準1級に合格することで、実務に役立つ知識を身に付けていることを示すことができます。 特に統計検定準1級まで取得している学生は比較的少ないため、合格すれば大きなアピールポイントとなるでしょう。
②データサイエンスに関する学習意欲があることを示せる
統計検定2級や準1級に合格することのメリットとして、 データサイエンス分野における学習意欲を示せる ということも挙げられます。
前述したように 統計検定の勉強をすることで一定の知識は身に付きますが、実務においてはそれだけでは決して十分であるとは言えません。 特に統計検定では、実際のソフトウェア操作は求められない形式となっています。そのため、自分の手で分析をするという際には、ソフトウェアの操作方法を新たに勉強する必要があります。
また統計検定のような座学の場合には主に理論に焦点が当てられますが、実務においては ビジネス的なセンス も求められます。分析の目的に合わせてデータの処理方法を選んだり、分析結果をデータサイエンスの知識がない人にどのようにして説明するかを考えたりするといったことは、実際に会社に入って仕事をする中ではじめて経験することになるでしょう。
統計検定に合格して終わりということでは決してなく、入社後もこうした研鑽を積む必要があります。しかしながら、統計検定に合格している人とそうでない人を比べた際に、面接官にとって将来的に活躍するイメージが湧きやすいのは前者です。 学生のうちからデータサイエンスに関する知識を少しでも吸収しておくという姿勢は、面接官に対して好印象を与えることになるでしょう。
統計検定は一般的な就活でもメリットが大きい
ここまで読まれた方の中には、「自分はデータサイエンティスト志望ではないから、統計検定の勉強をする意味はそこまでないのではないか」と考えた方もいるかもしれません。しかし、 データサイエンティストを目指していない就活生であっても、統計検定の勉強を通じて身に付く知識が役立つ場面は大いにあります。
例えば、データサイエンティストのようにRやpythonなどを使った高度な分析は行わないにしても、Excelを使って 簡単な分析 をすることはあるかもしれません。特にコンサルの場合は仮説を立てたり検証したりする際にしばしばデータを用いるため、統計について深く理解していることは大きなアドバンテージになります。
また自分の手で実際に分析を行わないにしても、 統計の知識はデータやその分析結果を読み解く際に役立ちます。
金融機関やメーカー、ITサービスをはじめとした多くの会社では、一般に公開されている統計レポートや、社内のデータサイエンティストがまとめた分析結果に目を通す機会が少なからずあるかと思います。
その際、統計学に関する知識があればその内容をより深く理解することができるでしょう。実際にデータサイエンティストと協力して仕事を進めることになった際に、データサイエンスに関する基礎的な理解があることでより円滑な意思疎通ができると考えられます。
このように、データサイエンティスト以外の職種を志望している学生にとっても、 統計リテラシーがあることは大きな武器となります。 就職活動においても、こうしたスキルを持っていることは他の就活生との差別化につながり、選考で少なからず有利に働くと考えられます。
統計検定2級・準1級の勉強におすすめの時期
上では、統計検定の就職活動でのメリットをお伝えしました。これまでの内容を踏まえて、統計検定の勉強をしてみたいと思われた方もおられるかと思います。
ここでは最後に、統計検定2級・準1級のおすすめの受験スケジュールについてお伝えします。
統計検定2級:大学2年~3年の夏前の受験がおすすめ
まず統計検定2級に関しては、 大学2年生から大学3年生の夏前までの間 に受験することをおすすめします。
一般的な理系学部、あるいは経済学部などの一部の文系学部の場合、学部1年生の段階で微積分が必修科目となっています。前述したように、統計検定2級を理解する上では大学レベルの微積分に関する理解が必須です。大学の授業を通じてこうした計算力を培ったうえで勉強を始めると、理解がスムーズに進むでしょう。
また確率・統計に関する基礎的な科目がある場合には、そちらも履修しておくと良いでしょう。連続型確率変数の扱いや基本的な検定論の考え方は、統計検定2級で必須といえる内容です。予備知識がある状態で教科書を読み進めると理解が深まりますし、合格までの勉強時間が短く済むでしょう。
大学3年生の夏になってしまうと、企業説明会やインターンに参加する必要性が高まり、就職活動に時間がとられてしまいます。一方で大学1年の前期の段階では、基礎的な数学力が身に付いておらず勉強に行き詰ってしまうケースもあります。
大学2年生は、統計検定2級の勉強に取り組めるだけの数学力が備わっており、また就職活動以外にも時間を割くことができるといった点で、バランスの良い時期であると言えます。
統計検定準1級:2級合格後に意欲があればチャレンジ
統計検定準1級に関しては、 就職活動におけるメリットは大きいものの、一概に受験をおすすめすることはできません。
統計検定準1級に関しては出題範囲がかなり広く、勉強に時間がかかる試験となっています。統計検定2級に合格してから、最低でも半年ほどはかかると見込んだ方が良いでしょう。
前述したとおり、内容はかなりデータサイエンス分野の実務に近いものとなっています。データサイエンティストを志望している方に関しては、職種理解にもつながるという意味で勉強してみる価値はあるでしょう。
しかしながら、それ以外の職種を志望している方に関しては、 就職活動の対策という観点で見れば他のことを優先した方が良いかもしれません。
例えば、コンサル業界や金融業界を志望している場合であれば簿記、不動産業界を志望している場合は宅地建物取引士といったように、志望業界と関連のある他の資格試験を受験することも選択肢として挙げられます。あるいは、Webテストの勉強など就職活動に直結する準備に時間を費やす方が賢明かもしれません。
ただし冒頭にも述べた通り、統計検定準1級そのものはあらゆる業界で役立つ内容であるといえます。そのため、 就職活動が終わった時間がある時期に、腰を据えて合格に向けて勉強する という選択肢も考えられます。ぜひ自身の興味関心を踏まえて、受験するかどうか(いつ受験するか)を検討してください。
統計検定に合格して就職活動を有利に進めよう
統計検定は就活生にとってメリットの大きい資格試験であり、特にデータサイエンティスト志望の方にとっては就職活動にも直結する有用な資格であると言えます。
本コラムを通じて興味を持った方は、ぜひ就活対策の一環として統計検定の受験を検討してみてください。
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