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そもそも「自己分析」とは?
26卒の学生もそろそろ就活を意識し始めたころかとおもいます。そんな就活のワードで頻出してくる 自己分析 。「よくわからないし、やらなくていいや」という方も、「みんなやっているからとりあえず本でも買ってみよう」という方もいますが、
「自己分析とは一体どういうことで、何のためにやっているのか?」
をしっかり把握していないと、自己分析の沼に陥ってしまいます。
自己分析とは、 自分を理解すること です。「自己分析」という仰々しい名前が一人歩きしていて就活生を威圧していますが、結局は「自分を理解する」ことなのです。
そして、 どれくらい理解すれば良いのか という点も大切です。「これくらい自己分析をやればすべての選考において完璧!」という分量の絶対的基準はありません。なぜなら、企業によって面接の質問内容は大きく異なるからです。例えば、人柄を知るための質問でも、オーソドックスに「大学ではどんな活動していましたか?」と問う面接官もいれば、「小学生の時はどんな子供だったの?」と深掘りする面接官もいます。
さまざまなアプローチがある自己分析。今回は、就職活動を始めたばかりのみなさんに向け、 「自己分析は何のために必要なのか」と「初めての自己分析の進め方」「注意点」の3点 についてご説明します。
なお、自己分析は就活序盤で完成するものではありません。おそらく就活をする中で価値観が変わる場面に何度も出くわすと思います。そんな時はこのコラムに立ち返って、自己分析を何度もやり直してみていただけると幸いです。
自己分析が必要な理由
ではなぜ自己分析が必要なのでしょうか?
本コラムでは3つの理由をご紹介しますが、皆さんが自己分析をされる際は、3つのうちどの理由を目的と置いているかを意識されてみると良いかと思います。
①自分に合った仕事・環境を発見するため
自分の好きな仕事や環境がはっきりせず、漫然と就職活動を終えるとどうなるでしょうか。やりたくもない仕事をやり、合わない人ばかりが周りにいる状況で一日8時間以上過ごすことになります。自分を理解せずにネームバリューや先輩のすすめのみに従って就活をやってしまっている方も中にはいると思います。
重要なことは、 自分の好きなことを発見するよりも、嫌いなことを発見すること です。やってみないと本当に自分の好きなことかはわからないですし、今までやって好きだったことを仕事にしても、それを自分が好きなのかはわからないものです。
しかしながら、嫌いなことを仕事に選んでしまったとしたら、それは悲劇です。そのリスクを排除するために、自分の嫌いなことを探してみてはいかがでしょうか。
例えば、グローバルな環境で挑戦できる点に魅力を感じて、商社を目指している人がいるとします。しかしそのような人の中には、飲み会中心のコミュニケーションを要求されるような人付き合いが苦手と感じる人もいるでしょう。
また金融業界に惹かれている人の中には、周りを蹴落としてでも自分の成果を上げる雰囲気が苦手な人もいるでしょう。
ここでは商社や金融業界を例にあげましたが、皆さんがさまざまな業界を見られる中で、「〇〇という点はとても惹かれるけれど、△△という点は苦手」と思われることもあるでしょう。そのような気持ちを抱くことは誰しもあることなのですが、ここで重要となるのが、 自分のどうしても譲れないポイントを明らかにしておく ことです。譲れないポイントを探っておくことは、将来的なミスマッチを防ぐことにも繋がります。一見、自分の理想と考えられる環境に潜む危険性を探ってみてください。
②企業にアピールするため
「私はこういう人間で、こういうことができるし、これからもこのように頑張っていけますよ!あなたが求めている人材とマッチしてますよね。だから採ってください」と言えなければ、いくら能力があっても企業から内定を貰えません。
ほとんどの企業の面接では志望動機が必ずと言っていいほど聞かれます。そこでは、 ただ「志望したきっかけ」を語るのではなく、「分析された自己」から棚卸しする形で志望した理由を語る 必要があります。企業に自分を売り込む際にも、自己分析は必須です。
例えば、金融機関の面接で「なぜ金融に興味をもったの?」と質問されたとして、みなさんはどのように回答しますか?
自己分析をしておくと、「私は 家庭教師アルバイトの経験 から、ただ商品を提供するだけでなく、相談相手としてお客様の役に立てる仕事にやりがいを感じました。そのため、ライフプランにおいて最も大切な『お金』に関する相談相手として働ける金融業界に魅力を感じました」というような受け答えができるのです。
以上のように企業分析と自己分析をすり合わせることが重要になってきます。筆者の場合は、簡易的に
2.その経験に合う業界をピックアップする
3.その業界の中で自己分析した結果にあう企業をリストアップする
4.志望動機について、自己分析と合わせて論理的な筋道をたてる
5.面接で実際にアピールすることで自己分析をさらにブラッシュアップしていく
のように進めていきました。
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③自分を理解したうえで生活を送ると、非常に充実するため
自分が楽しいと感じることや苦手と感じることが分かっていれば、メリハリのついた生活ができるようになると思います。ここで伝えたいのは、「自己分析は就活だけではなく、自身の幸福度を上げるためにも使える:ということです。就活生に限らず、自分を理解することはとても大事です。
③の目的で自己分析をする上で大切なことは、「 とても面接官には言えないような欲求事項(本音)も徹底的に考える 」という姿勢です。
例えば、業界研究をすれば、それなりに興味が出てくる業務や企業に出会えるでしょう。しかし、同じ大学の友人がみんな「30代で年収1000万に到達する大企業」に選考を進めていたらどう思いますか? それを見て羨ましいと強く思うのなら、あなたは実は 年収やステータスにある程度こだわりを持っている のかもしれません。業界や社風だけで就職先を決めると後々後悔する可能性があります。
面接では、もちろん「年収が高いところが御社の魅力です!」とは絶対に言うべきではありません。しかし、自己分析の結果から分かったことであるならば、業界や社風と並んで「年収1000万」や「安定していて有名な大企業」というのも立派な「就活の軸」であると思います。
「初めての自己分析」の進め方
ここまで、「就職活動において自己分析がいかに大切なのか」をお伝えしました。早速その具体的な進め方をご紹介しましょう。
①自分の経験を洗い出す
いわゆる「自分史作り」です。小学生時代から現在までを振り返り、まずは自分の活動記録を書いてみましょう。習い事や交友関係、好きな科目、何でも構いません。そして、そこから分かるあなただけの特徴・価値観を考えていきます。
自分史作りで重要になるのが、 自分の行動・感情が生まれた背景を言語化する ことです。そしてその言語化した出来事のうち、 どの出来事とどの出来事が繋がっているかを見つける ことも重要です。
例えば、学歴が一番分かりやすいかと思います。なぜ今通っている大学に入学を決めたのでしょうか。「デパートが大好きで、特にマーケットの研究がしたかった」という方で、今もデパートに対する情熱があるなら仕事でも活かすべきでしょう。
また「周りの友人と肩を並べるために受験勉強を頑張った。だから浪人をしてでも有名大学に入りたかった」という方なら、年収やステータスが保証されている業界が良いかもしれません。
②企業説明会に行き、自己分析と照らし合わせる
ある程度自分史作りができたら、説明会に参加してみましょう。そして業界や企業に関する情報を仕入れて、 自分のイメージと一致するかどうかを考え ます。「デパートは好きだったけど、接客業は苦手かもな・・・」と思ったのなら、今度はマーケットの勉強が役立ちそうな業界をすぐに探してみましょう(このようなケースは多々ありますので、 就職活動初期は複数業界を見て回れる合同説明会への参加をおすすめ します)。
大切なことは ①の自己分析だけで志望企業を決めてしまわないこと です。 必ず②の情報収集も入念に行い ましょう。ちなみに筆者は②をやってから①をやっていました。
自己分析の注意点
「就職活動に時間をかけたくない。効率的に進めたい。」 という方に2つの注意点をお伝えしたいと思います。
自己分析は「時間のムダ」ではない!
あなたの周りには、「自己分析は必要ない」と主張する人達もいるかもしれません。その人たちは、大きく以下の2タイプに分かれます。
①そもそも「自分を理解する」ことを日々当然やっており、夢・目標とそれを達成するキャリアイメージをしっかり持っている人。
このような人にとって、自己分析を改めてやる意味はないでしょう。
ただ、この人たちは普段から自己分析をしているからもはや自己分析がいらない状況になっているわけで、自己分析自体を否定する論拠にはなりません。
また説明会やインターンに参加すれば、それまで思い描いていたキャリアイメージが変わり、改めて自分を見つめなおすきっかけが生まれるかもしれません。
②自分と向き合うのが怖いのでとりあえず否定する人。
いろいろ理屈をつけるものの、結局のところ自分を知ることが怖くて避けてしまう人は結構います。就活初期に自己分析から逃げてしまうと、「就職活動が佳境に入ったころに焦りだし、中途半端な状態で面接に行き、よくわからなくなり・・・」という悪いスパイラルに入る可能性が非常に高くなります。
自己分析はやりすぎ注意!
何度もお伝えしていますが、自己分析は「自分はこういう人間だ!」と理解するものです。ここには二つの問題が潜んでいます。
①自分を完全に理解することは難しい
いくら自己分析をしても、どこか違和感を感じることもあります。
20数年間生きてきたのですから、その中でどうしても理解できないところはあります。それが違和感の源泉です。
また、自己というのはある切り口から眺めた自分に過ぎないのであって、自己という答えがどこかにわかりやすく存在しているわけでは無いのでしょう。
よって、自己分析というのは 「ある切り口から自分はどう見えるのか」 発見していくことかもしれません。
以上を踏まえると、就活を見据えた自己分析では、 「過去ー現在ー未来」が一貫した自分を伝えられるようになっているか をクリアできれば十分と言えるでしょう。就活で自己分析をされる際は、まず「過去ー現在ー未来」を一貫させることをゴールにされると良いと思います。
したがって、現段階で理解している自己に固執しすぎないように注意しましょう。
②自己理解するだけでは内定が貰えない
簡単な例を出します。野球少年が自己分析をして、「オレはやっぱり野球が大好きだ!」と理解したとします。でも、それだけでは結果は残せません。それからの努力が必要となります。
これは就活でも同じことが言えます。ある程度の自己分析をし、「自分はこういう強みがあり、こういうことを達成したくて、そのためにはこの会社に行く必要がある」という(ある程度の)確信が持てれば、あとは面接やGD(グループディスカッション)の対策、OB訪問などの時間を割いたほうが効果的かと思います。
自己分析をゲームで例えると、パラメータ確認のようなものです。いくらかまとまった時間を取って自らのパラメータを確認したら、あとはひたすら鍛錬をして自分のレベルを上げることが重要です。
視座を高める自己分析
いかがだったでしょうか。本コラムを通して、自己分析の必要性と基本的な進め方をご理解いただければ幸いです。
確かに優秀な方であれば自己分析をまったくやらずに内定を手にすることも可能でしょう。しかし、新卒採用に向けて就職活動を行うのは一生に一度きりです。入社してから後悔しないためにも、これを機にぜひ自分を見つめなおすことをおすすめします。必ずやあなたの視座を高めてくれるはずです。
最後に、自己分析に関連したコラムを以下に掲載しておきますので、合わせてご覧ください。
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