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就活の軸は、どうやって決めたらいい?
今回は就職活動をする上で重要な、「就職活動の軸」を明確化する方法について書きたいと思います。
「就職活動の軸」とは、様々な企業がある中で、 「なぜ、この企業を志望するのか?」という問いに対し、自らの経験・体験から一番説得力のある理由を示すことができるコアとなるものです。
志望企業から内定を獲得する就活生は企業名からではなく、こういった軸から志望企業を明確化しているため、面接官を納得させる受け答えをすることができます。
では、どうすれば自分の軸を明確化させていくことができるのでしょうか。
その1.自己分析をして軸を内側から見つける
就職活動で重要とされる自己分析は、主に志望企業を見つけるためのものです。ここでの自己分析を容易にするために三つの切り口から考えてみると良いでしょう。
①自分の希望(Want)
これは自分の希望・性格から志望企業・業界を特定していく方法で、更に以下の問いにブレイクダウンすると明確になります。
・何がやりたいのか?
⇒ 自分の関わってみたいビジネスを具体的に挙げてみましょう。 例えば、M&Aがやりたい、エネルギーに関わりたい、又は環境に関係する仕事をしたい、などです。
・どういう働き方をしたいのか?
⇒ビジネスをする上で、身体的・精神的にハードに働きたいのか、比較的自由な時間が取れる環境で働きたいのか、グローバルな環境で働きたいのかといった働き方を考えてみましょう。
また自ら新しい仕事を開拓していきたいのか、与えれたことをきちんとこなしていきたいのかといった観点も必要かと思います。
・どのような環境が良いか?
⇒これは自分が求めるフィールドや環境であり、具体的には評価制度・教育システムなどが含まれるでしょう。私自身は、常に実力以上の物を求められる環境や、自ら考え動くことが当然である組織で働きたいと考えていました。
また意見が言いやすくフラットな組織なのか、役割分担が個別に決まっている官僚的組織なのかといった視点もあるかと思います。
②自分の能力(Can)
次は自分が今できること、得意であると感じていることから考えてみましょう。
これは志望する企業が求める人材像を考える上でも、非常に重要な視点です。例えばコンサルタントの波頭亮さんは、以下のような指摘をしています。
(『就活の法則 適職探しと会社選びの10か条』波頭亮著)
就活の法則 適職探しと会社選びの10ヵ条 (講談社BIZ)
波頭 亮
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できること・得意なことを考える上では研究室・ゼミ、アルバイト、サークル、企業インターンといった経験を洗い出してみるとよいでしょう。
また友人・知人に聞いてみるのも1つの方法です。
自らの能力・資質を最初から客観的に評価するのは難しいかも知れませんが、就職活動中のインターンやジョブにおいて、 チームを組んで1つのことに全力で取り組んだ時に見えてくる のも多いかと思います。
実際、筆者自身もインターン・ジョブを経験することで、 今まで考えていなかった強み・弱み が見つかりました。
周りと比較してみないことには、なかなかこういった強み・弱みは見えてこないのかもしれません。
③自分が感じる使命、義務感(should)
自分が生涯で成し遂げたいテーマがあると明言できる方は少ないかもしれません。
しかし就職活動は自分と真剣に向き合う機会であり、一度深く「人生の中で何を成し遂げたいのか?」を突き詰めてみるのもいいでしょう。
しかしこれを 強引に自分の中から抽出する必要はありません 。ない場合はないで全く問題はありません。
これら3つの切り口から軸の明確化を進めると、とても説得力のある志望動機ができる反面、「私はどういう人間なのか?」をひたすら問い続ける自己分析オタクになってしまう可能性があります。
それを回避するためにも社会人との接点は絶対的に必要です。
その2.OB訪問・セミナーへの参加をして軸を外側から見つける
この方法は実際の企業の詳細を知り、自分に合っているのかを判断するという実践的な方法です。
①企業セミナーで会社全体を知る
例えば企業のセミナー・合同説明会に行って直接社員からお話を聞くことで、直感的にそこで働きたいのか・働きたくないかを判断します。
そして 「なぜこの企業に魅かれるのか?」逆に、「なぜ、魅かれない、又はピンとこないのか?」を自問自答します。
ここで重要なのは行きたいと感じた企業の背景を探るだけではなく、 行きたくないと感じた理由も考えることです。
自分にとって「こういう環境は嫌だ」というネガティブな理由の方が志望企業を簡単に絞ることもできます。
例えば私の場合は手取り足取り教育される会社や、やるべきことをやっていれば評価される会社では絶対に働きたくないと感じていました。
OB訪問で企業の中の人を知る
またOB訪問で社会人と直接話すことも、軸を探る一つのチャンスです。
私の場合は 社会人の方に「この会社はどういう人に向いていますか?」 や、「ご自身はどういう基準で会社を選んでいましたか?」と聞いて回って 、軸の切り口を増やしていました。
また、その方の働き方を具体的に掘り下げていけば、最初に挙げた「何がやりたいのか?」「どう働きたいのか?」に答えるヒントが得られるでしょう。
OB訪問のやり方についての詳細は、以下に記載した関連コラムもご覧ください。
ただ、この方法は簡単な反面「カッコいい」や「憧れ」と言った感情的で表層的な理由で流され、自分にとって本当に大切なものを見失いがちになるというデメリットもあります。
その1で考えた 強み・弱みや職業観をOB訪問で社会人にぶつけながら、軸を洗練させていく のがよいかと思います。
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説得力のある就活軸を固めよう
これまで、自己分析から出発する方法と現実に企業や社会人を参考にする方法を見てきました。すでに書いたように、両方には一長一短があり、両方をバランスよく進めることが大切でしょう。
これらを進めていき、ある程度自分の軸が明確化できたら、以下の方法で説得力を増していく必要があります。
2.軸の中で優先順位を付ける
自分にとって明確な軸であると感じていても、人に話すときは経験や価値観に基づかなければ、全く説得力はありません。また、複数の軸の中の優先順位はより志望企業と自分の考えを明確化されてくれます。
最後にファースト・キャリアでは難しいことかも知れませんが、これらの中で究極的に重要な視点は、 「自分が心からやりたい、好きと言えるビジネスは何か?」 というものでしょう。
アップルの元CEOであるスティーブ・ジョブズはこう語っています。
君たちも自分が好きなことを見つけなければなりません。
それは仕事において最愛の人においても同じこと。
これから仕事が人生の大部分を占めるからこそ、本当に満足を得たいのであれば進む道はただひとつ、それは自分が素晴らしいと信じる仕事をやること。
さらに素晴らしい仕事をしたければ、好きなことを仕事にすること。
もし見つからないなら探し続けること。
今の状態に安住してはならない。
心の問題と一緒で、見つかった時に分かるものであり、愛する仕事というのは、素晴らしい人間関係と同じで、年を重ねるごとに自分を高めてくれるものです。
だから探し続けること。落ち着いてはいけない。
―2005年6月12日、スタンフォード大学卒業式スピーチより
新卒の就職活動において、生涯続けられることを見つけるのは難しいかもしれません。
しかし常に探し続ける姿勢こそ、今後幸せなキャリアを構築する上で、大いに役立ってくるのではないかと考えます。
寒い日が続きますが、頑張って下さい!
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