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新卒入社したP&Gでブランドマネージャーなどを務めた後、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)へのMBA(経営学修士)留学を経て、2008年にキャンサースキャンを創業した福吉潤さん。P&Gでのマーケティングや起業などの経験を踏まえ、ビジネスにおいては「Howばかり考えるのではなく、時にWhatやWhyへ立ち返ることが大事」と、「問い」の重要性を指摘する。

特集「今こそ『問い』を問い直す」の第2回。「『そもそも……』とよく考えるようにしている」とも語る彼の言葉を基に、“問い続けること”の意義を深掘りする。【藤崎竜介】

〈Profile〉
福吉潤(ふくよし・じゅん)
株式会社キャンサースキャン 代表取締役社長。
慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、1999年に新卒でP&Gの日本法人に入社。ブランドマネージャーとして、マーケティングやブランドマネジメントを担う。2006年、HBSに進学。HBS研究員を務めた後、08年11月にキャンサースキャンを創業。

 

起業の方法を考える前に、起業とは何か、なぜ起業するかを問い直す

――ビジネスにおける課題設定や、根源的な問題意識である「問い」のあり方を考察する特集です。このテーマについて、福吉さんなりの考えをお聞かせください。

福吉:あらゆる業界・業種において、仕事は基本的に課題解決の連続ですよね。WhatやWhyといった根源的な問いを発することは意外と少なくて、ソリューション、つまりHowを考えることが大半だと思います。クライアントの課題解決を生業とするコンサルティングファームなどは、特にその傾向が強いかもしれません。

でもそんな中にあっても、時にWhatやWhyを問い直すことが大事だと思っています。

時々、若い人たちから「起業するにはどうすればいいか」「MBA留学するにはどうしたらいいか」などと相談を受けることがあります。そんな時はたいてい、起業の目的などを問い直してもらうように助言しています。

――すぐに方法論を語らないということですね。なぜでしょうか。

福吉:起業の例で話すと、「起業とは何か」「なぜ起業すべきなのか」といった問いに対する答えは、人によって違うはずですよね。

「世の中の課題を解決したい」「サラリーマンでは得られない報酬を手にしたい」「上司のいない環境で働きたい」など、いろいろな動機があり得ると思います。

その前提次第で「起業するにはどうすればいいか」といった相談に対する回答は全く違うものになるので、一度WhatやWhyを問い直してもらうようにしているんです。

大腸がん検診受診率が改善したのは、自治体の慣例を「そもそも」と問い直したから

――福吉さんが展開している予防医療支援事業などでも、時にWhatやWhyに立ち返ったりしているのでしょうか。

福吉:そうですね。現在、健康診断受診を促す自治体の取り組みを、マーケティング面で支援しています。基本的には、「どうすれば受診率を上げられるか」とHowの部分を考えることが多いですね。

他方で、自治体は慣例に従う傾向が強く、前任者などから引き継いだ仕事について「何のためにこれをやっているのか」「どうしてこうやっているのか」と問い直すことは少ないんです。

我々は第三者の立場からWhatやWhyを問うて、「これはこういうものなんだ」といった固定観念を取り払うようにしています。

――紹介できる例があれば教えてください。

福吉:ある自治体では、女性における乳がん検診の受診数に比べて大腸がん検診の数が少なく、問題でした。乳がんより大腸がんで亡くなる女性の方が多いにもかかわらずです。当社は検診の申し込みのあり方を問い直すことで、その問題を解決に導いています。

――実際にどんなことをやっているのですか。

福吉:従来、申込書は「受けたい検診を選択する」仕組みでしたが、それを「受けたくない検診に×をつける」やり方に改めるんです。「ナッジ理論」(※)などに基づく、ちょっとした工夫ですね。我々が支援する前は、「どうやれば大腸がん検診の重要性を分かってもらえるか」などとHowの議論ばかりがなされ、行き詰まっていました。
※行動科学に基づき人やグループの意思決定に影響を及ぼす方法論

――そもそも何のために従来の申し込み方式になっているかを、問いかけたのですね。

福吉:ええ。その「そもそも」という言葉は、なるべく普段から頭の中に浮かんでくるようにしています。特にHowで答えが出ない時、WhatやWhyに立ち返る契機になりますから。社内の会議などでも、そもそもなぜ議論をしているかなどと、メンバーに問いかけたりします。あんまり「そもそも」ばかり言うと嫌がられるので、言葉は選びますけどね。

P&G時代は「冷や汗をかきながら」WhatやWhyを問い続けた

――そのような、絶えず根源的な問いに立ち返る考え方は、P&Gでマーケティングに携わる中で身に付いたものなのでしょうか。

福吉:言われてみれば、確かにそうかもしれません。P&Gでのマーケティングは、調査などを通じて消費者の課題やニーズが何なのかを問い、検証し続ける仕事でした。マーケターというと、一般的には「どうやって宣伝して消費者の興味を引くか」といったHowの答えを探すイメージが強いかもしれませんが、そのような仕事は一部でしかありません。個人的には半分もないと思っています。

P&G時代、上司や先輩などからは、よく「目的は何か」を聞かれましたね。逆に「どうやるか」を聞かれることは、あまりありませんでした。

――宣伝の方法論などは、ある程度任されていたと。

福吉:ええ。半面、消費者の課題・ニーズやマーケティング施策の目的が明確化しているかが、厳しくチェックされたわけです。

――挙げられる事例はありますか。

福吉:よく覚えているのが、ある新商品のPRを企画した時のことです。私は商品の無料配布をしようと、社内で提案しました。その際、「配布の目的は何か」と幾度となく説明を求められたんです。正直、当時は「配布によって商品の良さと消費者の接点が増えれば、拡販につながるだろう」くらいのことしか考えていませんでした。

――説明を求めた方は、どんな意図で質問をしたのでしょうか。

福吉:無料配布の意義を突き詰めると、広告などで伝わる良さと本質的な良さの間にギャップがあればあるほど、配布で実際に使ってもらうことによる購買促進効果が高まることになります。

それを意識してPRを企画するのと、単に消費者との接点を増やすために商品を配るのでは、戦略として大きな違いがあります。

そのことを確認するために、私にそうした質問を投げかけたのでしょう。しかしながら、繰り返しになりますが当初、私は深く考えていませんでした。

――約7年在籍したP&Gで多くを学んだことが想像できます。

福吉:毎日、世の中に問い続けることを求められ、冷や汗をかきながら働く時期でしたね。厳しい環境でしたが、すごく勉強になりました。

日本で省略されがちな、「問いの共有」の大事さを学んだHBS時代

――福吉さんはHBSへのMBA留学も経験しています。問いや課題の設定について、HBSで心に残ったことはありましたか。

福吉:1つ印象的だったのは、議論の目的、すなわちWhatやWhyの部分が丁寧に共有されていたことですね。日本でWhatやWhyの話が省略されがちなのは、多くの組織で構成員の同質性が高いことに起因している面があります。一方、HBSには世界中から人材が集まっているので、目的意識が共有されないと議論が成り立ちにくくなるんです。

その意味で日本人が日本で働くのは、言語の面を抜きにしても、とても楽なんですよね。海外に比べて、WhatやWhyの共有の必要性に迫られることが、多くないですから。なので海外で働くことを目指す人は、この点を意識した方がいいと思います。

――ただ、多様性の中でWhatやWhyを共有するのは、簡単ではないですよね。

福吉:確かにそうです。個人的にHBSで最も心に「ずしん」ときた授業は、その難しさを痛感させるものでした。

――どんな内容だったのでしょうか。

福吉:議論の対象は、本社が英国でインドに生産委託先を持つ、ある家具メーカー。そのインドの工場で子どもの不法就労や、劣悪な労働環境が発覚した場合、経営者はどんな決断をすべきなのかという“お題”でした。

「その委託先との契約を破棄する」「子どもらの待遇改善につなげるため、買値を上げる」などの案が議論されました。

契約破棄の方向で結論がまとまりかけた時、参加していたインド人女性の発言で、議論がある意味振り出しに戻ったんです。彼女いわく、「とても難しい問題で、契約破棄がいいとは言い切れない……」。

――その意図とは。

福吉:劣悪な環境とはいえ、その子どもたちは少なくとも食事にはありつけているはずだと、彼女は説きました。インドには、日々の食事の心配をせざるを得ない子どもたちが多くいることを踏まえ、彼女は発言したわけです。

――他の学生は、「そもそも、なぜ子どもたちがその工場にいるか」に対する考察が足りなかったということでしょうか。

福吉:そうかもしれません。WhatやWhyを問うことや、異なる視点を反映することの重要性を痛感しました。

ロールモデルを見つけるのはたやすい時代。だからこそ、自分のゴールを問い直そう

――ところで、福吉さんはどんな問いに基づいて起業したのですか。

福吉:P&G在籍時から、「マーケティングというすばらしい技術を使って、もっと普及すべきものを世の中に広められる仕事は何だろう」と考えていました。その後HBSに行って、共同創業者で取締役の石川善樹と出会ったんです。

彼から、日本人の死因のトップであるがんについて、早期発見なら高確率で助かるにもかかわらず、健康診断の受診率が低いため早期発見がなされにくい、という社会課題を教えられました。

「マーケティングの力で、この課題を解決するには何をすべきか」という思いで生まれたのが、キャンサースキャンです。

――福吉さんの起業につながったような、根源的な問いを立てることの重要性は高まっているのではないでしょうか。インターネットやその他ITツールなどの普及で、より小さな課題や悩みの「答え」は見つかりやすくなっているはずですし。

福吉:そうですね。キャリアについていえば、ロールモデルを見つけやすくなっていると思います。情報があふれているので、憧れの対象を選び出しやすいというか。だからこそ、「最終的に何になりたいのか」などといった本質的な問いを自分に投げかけることは、これまで以上に大事になっているのかもしれませんね。


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