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解くべき問いを見つけたかったら、違和感を持て


違和感を持っているか――。ユーザーの多様性を理解して、多くの人を取り込むことを目的とするデザイン手法「インクルーシブデザイン」を研究分野とする京都大学准教授の塩瀬隆之さんは、違和感を持つことが、“解くべき問い”を見つけるための出発点であると話す。特集「今こそ『問い』を問い直す」の3回目は、著書に「問いのデザイン」(学芸出版社)などがある塩瀬さんに、解くべき問いの見出し方を聞いた。【斎藤公也】

〈Profile〉
塩瀬隆之(しおせ・たかゆき)
京都大学准教授。
京都大学工学部精密工学科卒業、同大学院工学研究科修了。京都大学大学院情報学研究科助教、京都大学総合博物館准教授を経て2012年6月退職。同7月より経済産業省産業技術政策課 課長補佐(技術戦略)。14年7月京都大学総合博物館准教授に復職して現職。「問いのデザイン」(学芸出版社、共著)など著作多数。

 

学生にとって重要なのは、「解きたい」や「知りたい」という感情

――学生と社会人では、解くべき問い、解く必要がある問いは異なりますか。

塩瀬:問いにも、「解くべき問い」「解くことができる問い」「解きたい問い」があります。社会人経験が増えていくと、「解くべき問い」や「解くことができる問い」を、「解きたい問い」よりも優先させるようになります。

「解きたい問い」と「解くべき問い」を近づけるような努力ができるか、そのための自分なりのロジックを組めるかどうかが重要になってきます。

学生は解きたいと思うことや、自分が興味を持ったことにまっすぐ向かい、働く経験が増えていけば、「解くべき問い」や「解くことができる問い」に向かっていくのがいいと考えています。ですが、学生も「解くべき問い」に向かってしまっていて、解きたいという感情を忘れがちです。

――学生の時は、解きたいという感情が重要だと。

塩瀬:学生のうちは、自分がやりたいことや知りたいと思ったことにまっすぐ向かっていってほしいです。その素直な感情に従って行動し、できることとやるべきこととの間の距離を埋めていってほしいです。ですが現状を見ると、「いい大人」が量産されているような感じがします。

――「いい大人」とはどういう意味ですか。

塩瀬:納期を最優先する、という意味です。学生らと接していて感じるのは、プレゼンテーションのうまさです。自分の持ち時間で必要とされる内容を満たす発表をする能力は高いです。ですが、学生にとって重要なのは、「解きたい」や「知りたい」という感情だと思います。

貧困層を対象にした低利・無担保融資を行うグラミン銀行を創設したバングラデシュの経済学者で実業家でもあるムハマド・ユヌスさんが2019年に来日しました。せっかく世界で一番この問題を考えてきたユヌスさんに会えるので、私は高校生に貧困について30日間考えてもらうプロジェクトを実施しました。

高校生には、考えたことをその都度発表する機会を設けたのですが、最初は、時間ぴったりに上手に収まっていた発表が、30日間このチャレンジを続けているうちに、説明したいことや語彙(ごい)が自分の中であふれすぎて、持ち時間を大幅にオーバーする生徒が続出しました。

突き詰めることで出てくる、自分の中の新しい問いが大事です。参加した高校生が、「結論を出すために焦っていた」「答えを出すことがかえって怖くなった」と感じてくれたことは大きな収穫でした。

――答えを出すことが怖いというのは、意外に思います。

塩瀬:自分が納得してないにもかかわらず、締め切りに間に合わせることを最優先して、本来向かうべきことに目をつぶっているのが怖いことだと認識したのだと思います。学生であれば、もっと真っすぐに問題に向き合うその力を蓄えてから社会に出てほしいと思います。

締め切りと納期にきれいに着地させることができる人なら、「即戦力」となるかもしれません。ですが、学生には、そうじゃないことをできる猶予があると思います。学生のうちに突き詰めるべきは、自分の内発的動機、素直に感じた違和感に従って、率直な問いを持つ姿勢だと思います。学生は、大人がやりそうなことをやる必要はありません。

――違和感を持つには、どのようなことを心掛ければいいでしょうか。

塩瀬:よく観察することです。日常でも、注目すべき点を変えるだけで見えるものが違ってきます。


 

問いがない仕事は、本来はあり得ない。まずは、小さな問いを持とう

――社会人の場合、仕事において、問いとはどんな位置づけになりますか。

塩瀬:問いがないのに仕事をしているのは、本来はあり得ません。存在する課題を解決するのが仕事だからです。現状に違和感を持てず、問いに共感ができなければ、動くべきではないし、動けないはずですが、現実はそうではありません。

組織運営の面から考えると、いちいち違和感を持たれると面倒かもしれませんが、違和感を共有していることが、チームとして絶対的な信頼につながると思います。違和感を共有することで、問いも共有され、向かうべきゴールも共有されるからです。

――問いを共有するのは、一朝一夕ではできないように思えます。

塩瀬:問いを共有するのは、仲間を増やす上ではとても大事な方法です。実際に問うてもいい相手だと思うと、さまざまなことを話すようになります。問うてもいい相手かどうか分からないから、慎重になってしまって、わざわざ聞かないし話さない。お互い聞かないし話さないから、何を考えているかが分からない。

こういう状況だから、仕事の依頼と承諾だけのやりとりになるのだと思います。これでは、最低限のコミュニケーションを実現しているにすぎません。

以前、ある研究所で、研究員のアイデアを集めるため、何を話してもよいロボットをその収集役としたプロジェクトを実施しました。ですが、思うような結果は得られませんでした。その原因を分析すると、「なぜ、このロボットに自分の大切なアイデアを話す必要があるのだ」という意見が多かったのです。

信頼できる相手で、この人に話をしたら何かいいアドバイスをくれるとか、面白そうな人を紹介してくれるなどが分かっていれば、アイデアについても話をするでしょう。ですが、信頼関係を構築できていないロボットに対しては、研究員たちは話す必要はないと考えたようです。

小さい問いをたくさん作って共有していると、安心感が生まれます。そうなると、本当に問いたい、解くべき問題が出てきたときに、安心して問うことができます。

――小さな問いが、解くべき問いにつながるということですか。

塩瀬:そうです。問いを作ることと、創造的な対話の関係を作ることは、車の両輪です。良い問いをつくることができれば、その問いを考えるための創造的な対話の関係ができますし、対話ができればまた新しい問いができます。

――ささいな問いでもいいということですか。

塩瀬:ささいな話は、信頼感がある人とでしか、できません。むしろこんな問いじゃないといけないと思うと、役に立つとか、もうかるとか、褒められるとか、という条件が付いてしまいます。

大企業は多くの人が集まっているので、リソースが多いように見えますが、人数は見せかけだけで、実際信頼できて話ができる人の数は多いとは限りません。そういう意味では、ベンチャー企業などのほうが問いの下に集まっての動きは速いです。

――チームで小さい問いを積み重ね、解くべき問いを見つけていく過程で、メンバーにはどんな変化が生じているのでしょうか。

塩瀬:自分事として課題に取り組めるようになっています。問いそのものを作る過程を通じて、実はチームも作っています。同時にそういうチームを作ることが問いを選抜することでもあります。

――チーム内の人間関係にも影響はありますか。

塩瀬:リーダーになるにしても、フォロワーになるにしても、その小さいグループの中でのたくさんのポジションを経験することが重要です。リーダーとして仲間を増やす方法も身につける必要があるし、フォロワーとして仲間になる方法も必要だからです。

リーダーだけではチームはできません。組織に貢献するために、能動的・自律的に考え、リーダーを支援するような行動ができるフォロワーシップも必要です。リーダーになったり、フォロワーになったりを繰り返すことで、それぞれが育成されていくのだと思います。その基礎となるのは、問いであり、対話です。

――学生時代の経験が、社会人になってからの問いに向き合う姿勢に影響を与えているのでしょうか。

塩瀬:解くべき問いを自分で決めるのが本来の大学の学問です。学問として経験すれば、どんな問いを作るにしても、どんな問いを解くにしても、もっと価値がある仕事ができるはずです。

結局、価値があるかどうかは自分の問い方次第だと思います。解くべき問いを、自分の解きたい問いに変えるトレーニングを受けてないから、働くようになってからも、問いを自分事にできずに与えられた課題をこなすだけになるのだと思います。

問いと答えがセットで用意されることに慣れすぎています。ですが、自ら問いを作り続けると、答えを持っている人や、同じ問いを持っている人に出会えるかもしれません。そうなれば、仲間が増えて、自分ができることも変わってきます。まずは、普段の生活から違和感を持てるように行動してみてはいかがでしょうか。


 

需要を捉えられないマーケティングが存在する理由

――これまでお話を伺ってきて、問いを立てることが、基本的な行為だとわかりました。問いを立てることで、企業活動における商品開発やマーケティングも進化させることはできるでしょうか。

塩瀬:問いを立てずして、商品開発やマーケティングが進化することは、本来、ありません。マイクロソフトやインテルの研究所が、世界中のソーシャルアントレプレナーを集めたコンペティションを開いています。

ソーシャルアントレプレナーは、その地域の社会課題をビジネスモデルで解決しようとしている人たちであるため、その地域の状況を知る上で一番のリサーチポイントとして、重要な意味を持っています。ですが、日本だと、ソーシャルアントレプレナーは、NPOやボランティアという、限定したイメージしか持たれていません。

社会課題というのは、本来、ビジネスニーズそのものです。ビジネスニーズのないところに勝手に売ろうとしても売れません。マーケティングも、市場調査ではなく、説得を試みてしまっているように思えます。問いがないのに、作って売ろうとするから失敗しているのではないでしょうか。

買う方が疑問を持たないことも要因です。例えば、DVDプレーヤーのリモコンのボタンを端から端まで全て押したことがある人は少ないと思います。これでは、使わない機能にお金を払ったことになります。使わない機能が付いた製品を買うことで、ニーズがない機能が残ったままになる悪循環に陥っています。本当に必要なことに向き合うべきではないでしょうか。


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