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時代の最先端を走るテクノロジー企業の多くが集まる、アメリカのシリコンバレー。わずか10年前には、形もなかったベンチャー企業があっという間に世界的な有名企業になることは珍しいことではありません。
そしてそんなシリコンバレーのど真ん中でプレーする日本人もいます。どんなスキル、メンタリティを持つ人物ならそんな場所で働けるのか。
そこで、ハイテク業界最高峰の企業であるAppleの本社で働く日本人エンジニアに突撃インタビューしてきました!
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Appleに直接電話して、採用してもらった
——現在に至るまでの経歴を簡単に教えていただけますか?
まず、大学では、東京大学を物質化学専攻で卒業しました。ただ、当時は専攻の分野よりもパソコンに興味がありまして、それを生業にしたいと思っていました。理由は、直感とでもいうのでしょうか、「次に来るのはパソコンだ」と強く思ったからです。パソコンと麻雀に熱を上げている学生でした。そして、「パソコンならAppleしかない」とずっと思ってました。
当時80年代でしたので、PCは今のように普及していません。Windows95もまだ発売されていない時代です。今でこそ有名かもしれませんが、Appleは当時の一般大衆にはほとんど無名の会社だったと思います。
しかも、アメリカの会社ですから日本のように新卒一括採用なんてありません。そこで「入れてくれ」って電話をしてみたのですが、「新卒は取っていない」と1回は断られました。
けれども、Appleは日本語サポートが手薄だとはもともと思っていたので、「私は御社で○○ができます。ですから、新卒採用がなければ中途採用で採用してください」と、面接でずっとアピールしていました。電話面接も含めると、10回以上の面接があったかと思います。
採用された理由は、運だと思います(笑)。そして、日本支社で10年働いた後、1999年にアメリカ本社で働きはじめて今に至ります。
——採用過程はどういった形式だったのでしょうか?
だいぶ昔のことになってしまいました。詳細は正直あまり覚えていません。ただ、現在は世界中から採用してくれという応募が殺到しています。本社採用の場合、基本的に中途採用が基本です。
たまに新卒でも採用しますが、そういう場合は、履歴書の学歴、専攻、積極的な活動を重視して面接するかどうかを決めます。
志望動機や経歴で会社との相性を考慮するべきなんでしょうが、応募人数が非常に多いので結果としてそうなってしまっているのが現状ですね。
——なるほど。ちなみに、日米両国のAppleを経験されているわけですが、違いはありますか?
日本支社で働いていた時とアメリカ本社で働いている時を比べるとスピードは全然違います。 アメリカの方が断然に早い。やはり、本社の指示を待たなくていいのは大きいです。何か問題があってもすぐ現場に行って解決できますからね。
ここ10年で相当大きな組織にはなりましたが、エンジニア部門の組織体制は大きく変わってないから、現場で会社が大きくなった、成長したという実感は正直ないです。知らぬ間に会社が大きくなっていった感じです。大きく変わったのは株価だけかもしれません(笑)。
——現在は具体的にはどういったお仕事をされているのでしょうか?
おおまかに言えば、OS、iOS、入力周り(日本語と中国語の一部)、国語辞書の参照サービス、日本語の書体、トークナイザーというAP、テキスト解析などですかね。
例えばテキストを単語別単位に解析しようとする場合、英語はスペースがあって楽だけれども、日本語、中国語、タイ語、ドイツ語は難しい。それを不自然なく解析できるようにすることが現在の目標の一つです。
——様々なお仕事に関わっていらっしゃるのですね。入社以来これまでの仕事で辛かったことをあげるとしたら?
苦労を感じたことはないと思います。好きではじめた仕事ですし、それは捉え方の問題でしょう。
日本と違い、アメリカの給与体系はペイ・フォー・パフォーマンス、日本語に訳すと「成果主義賃金」といって、何をどれくらいやったかに対してお金が支払われるから基本的に仕事はプロジェクトベースで動きます。
期限が迫っている時は寝れずに切羽詰まって仕事をすることもあれば、終わったらゆったり仕事をすることもあるし、労働状況はケースバイケースです。
常に要約して伝えることを意識する
——アメリカの本社に来て14年間ですが、これまでに言語の壁や間の取り方などコミュニケーション面で困ったことはありますか。また、それを克服するために意識していることがあれば、教えてください。
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