こんにちは、外資就活 外資マーケターチームのMatchaです。
前回までのコラムでは、マーケティング職の概要やマーケティング職を採用している企業の特徴、マーケティング職以外の職種(ファイナンス職とセールス職)などを解説しました。
・【保存版】外資系企業の「ファイナンス職」「セールス職」とは何か?各職種の業務内容、必要な能力、キャリアパスを解説
・【23卒】マーケティング職を採用しているP&G、ユニリーバ、USJ、ロレアルの違いとは。会社概要、社風・社員、求める人材を徹底解説!
・【22卒】外資マーケターを求める企業の選考内容・スケジュールまとめ
・【23卒】マーケティング=市場調査ではない?外資系マーケターの仕事内容と求められるスキルを解説
今回のコラムのテーマは、GD(グループディスカッション)選考です。
マーケティング職を採用している外資系企業のGD選考は、なんと倍率が5倍以上あるといわれています。
そこで、職種別採用を行っている外資系企業の選考の難関である「GD選考」について解説したいと思います。本コラムを参考にしてしっかりと対策を行ってください。
本コラムでは、GDの概要から対策方法までご紹介します。そのため、「GDって何?」という方でも十分に理解していただけると思います。また、GD対策はジョブ対策の基礎ともなるので、マーケティング職を志望している方は必読です!
私は就活生時代、多くのGD選考を経験し、最終的にGD選考の通過率は9割を超えることができました。そんな私の経験や、どのようにGDの選考対策を行っていたかなどもお伝えしたいと思います。
まずはじめに言っておきたいことは、このコラムがGD選考対策の全てではありません。GD選考に対する1人の意見として捉えていただければ幸いです。
また、今回のGD対策のノウハウは、外資系メーカーで出題された場合を想定にしたもので、このエッセンスは総合商社・難関事業会社・ベンチャーなどでも使用できるものです。
ただし、戦略コンサルや外資系投資銀行のGDについては、よりロジカルシンキングが求められる傾向があるため、これらの業界のGD対策を行いたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
目次
GDとはどのような選考なのか
GD(グループディスカッション)とは?
企業の選考方法において、グループワークは業界問わず頻繁に登場します。代表的なものとして、3~10人で一定時間内に課題に対する解決方法を考えるGD(グループディスカッション)があります。
GD選考の内容は、企業や業界によって傾向が異なりますが、その企業に関連する課題について話し合うのが基本的です。また、GD選考のお題に関する資料を配布する企業もあります。その場合は資料に書かれているデータを用いながら課題について話し合います。
また、既に参加されたことがある方は分かるかもしれませんが、ディスカッションを進めるために参加者はさまざまな「役職」を務める必要があります。実際のGD選考で、「私が議長を務めます」と宣言するようなことはありませんが、その場の雰囲気やGDの流れに応じて、各々の役割が自ずと決まります。
役職には議論を回す「議長」、時間の管理を行う「タイムキーパー」、話し合い内容をまとめる「書記」、話し合いの結果を発表する「プレゼンター」などがあります。
本コラムではこれらの役職・役割について詳しい説明はしませんが、はっきりと言えることは、GD選考においてはどの役職も重要であるということです。「議長」を務めたから通過することができる、などというようなものではありません。人によっては、何も役職を務めずに通過する人もいます。
マーケティング職のGD
マーケティング職のGD選考では、6人~8人で40分程度、一つのテーマについて資料を用いて話し合います。話し合いの時間終了後、社員に対し議論の結果を発表します。
マーケティング職のGD選考にて課されるテーマの例は以下の通りです。
・10億円の売り上げを達成することができる戦略を以下の3つの中から選べ。
1.新製品の開発 2.既存製品の広告方法の変更 3.既存製品のターゲット変更
・7月、8月でパーク内の来場者数を10万人増加させる施策を考えよ。
これらのテーマについての詳細な解説は省きますが、どのようなことが行われるのかはイメージいただけたと思います。
また、マーケティング職のGD選考で配布される資料は膨大な量があり、1人で全てを把握するのは非常に難しいです。そのため基本的に分担して資料を読み込み、グループの人とデータ・情報の交換を行いながら、話し合いを進めます。
よくある失敗の例
私が参加したマーケティング職のGD選考
さきほど勝率が9割を超えていると言いましたが、そんな私も最初に参加したGD選考では、選考後にお祈りメールを受け取りました。今思えば、あの時の自分はよくある失敗の一つをしていました。
私はマーケティング職を採用している会社の選考にて、このようなGD選考に参加しました。
時間:40分
グループ人数:7人
配布資料:3つの施策の具体的な内容や市場動向、消費者データなど
当時の自分は、「GD選考では話の中心に立つことと、同じメンバーの意見を否定しないことが最も大事」と思っていました。そのため、実際に話し合いが始まると、率先して議論の中心に入り話し合いの流れを決め、議論を進めました。そのときの話し合いの流れと自分が実際に行ったことを図にまとめました。
いかがでしょうか。一見良さそうなGDに見えると思います。
しかし実際は、資料読み込みから施策の選定までの箇所で、非常に苦労しました。
資料の量が膨大であったこともあり、予定した5分間では情報をまとめきれず、重要な情報が何かを見定めることができませんでした。おそらく他のグループメンバーも十分に資料の読み込みができず、頭の整理ができていなかったと思います。
そんな状態で、グループでは1人1人が資料についてどう思うか、どの施策が良いと思うかを発表していました。自分は資料の中にある一つの情報を根拠として、一つの施策に絞り、周りの人に共有しました。
その後は、上の図に書いたように全員の意見を参考に一つの施策に絞り、その施策を選定した理由をまとめ、発表を行いました。
GD選考はここで終了。その後、社員から全グループ向けにFBがあり、資料において重要な情報を見落としていることを知らされました。
その結果、他のグループのメンバーがどのような結果だったのかは分かりませんが、自分はこの選考を通過することができませんでした。
多くの学生が忘れること
さて、このGD選考における失敗点はどこにあったのでしょうか。
全体の話し合いの流れにおいて致命的に足りなかったことは、「市場分析(現状分析)」です。GDの時間配分決めの段階で、市場分析の時間を多めに設けるべきでした。
また、なぜこの議論が起こっているのか、なぜ新たな施策が必要となっているのか、といったお題に対する背景についても考えるべきだったと思います。
この市場分析(現状分析)はGD選考においてとても重要です。しかし、GD慣れをしていない学生は、この市場分析に十分な時間を設けずに施策の選定に入ります。その結果、多くのグループがアイデアベースの議論を行ってしまいます。
ではこのGD選考での自分は、どのようにすればよかったのでしょうか。
答えから言うと、グループが市場分析を十分に行っていないことに気付き、議論の流れを修正するべきだったと思います。
しかし当時の自分の考え方では、現状分析が足りていないことには気付けなかったでしょう。というのも、自分は議論の中心に入り議論を円滑に進めているつもりでしたが、実際は目の前にある議題に対しどの施策がベストなのかと、ずっと模索していただけだったからです。
つまり、周りの人のことはあまり気にせず議論を進めていたために、グループの話し合いの流れや、今グループで話している議題に対し、一切疑問を持っていませんでした。
その結果、私は議論の流れを修正することができず、アイデアベースの話し合いになってしまいました。
GD選考での正しい話し合いの流れ
私が体験したマーケティング職選考のGDでは、どのような流れで行うのが正しかったのでしょうか。以下の図にまとめてみました。
もちろんGDの流れに正解はありません。グループによって雰囲気やレベルも全く異なるため、この通りに行わなくても、良い答えに辿り着くグループもあります。あくまで個人の意見ですので鵜呑みにしないようにしてください。
しかし、良い答えに辿り着くグループの大半は、この流れに沿って市場分析をしっかりと行います。
時間が限られているために、どの施策を選ぶべきかをすぐに考えてしまうケースも多いですが、その場合、なぜその施策を選んだのかについて、資料のデータを基に理由を答えられないことがほとんどです。
しかしマーケターは、これから戦う市場について徹底的に分析したのちに戦略を考えます。また、マーケターとして必要な能力の一つとして、資料のデータを基に施策を導くことが求められます。そのためマーケティング職のGD選考では、市場分析はしっかりと行いましょう。
GD選考において大切なことと対策方法
GD選考において大切なこと
マーケティング職のGD選考において必勝法はありません。しかしGD選考を受ける前に知っておくべきことは二つあります。
一つは、GDにおいてGD選考突破をゴールにしないことです。もちろんGD選考を突破したい気持ちを持つことは必要です。しかしGDにおいてGD選考突破をゴールにする学生は、グループについた社員へのアピールに必死になり、GD自体に価値をもたらすことに焦点を置いていません。
課されたお題に対し、「どのグループよりも良い答えを出す」や「同じグループの学生と共に最高のアイデアを出す」といったことをGD選考のゴールにしておけば、各々の強みを発揮し、自ずと良いGDに導くことができ、社員への良いアピールとなるでしょう。
二つ目は、GD選考は「俯瞰的に見る」ことです。特にサマーインターン選考の時点では、多くの学生がGDに不慣れです。そのため、メンバーの誰も議論の進め方が分からず、論点からずれることが多々あります。
そのような状況下では、議論を正しい方向に修正することが求められます。議論を修正するためには、自分の頭の中で意見をまとめているだけではなく、他の人の意見をしっかりと聞く必要性があります。
自分の意見をまとめることと、他の人の意見を聞くことのバランスがGD選考ではとても重要になります。そこで、グループ全体を俯瞰的に見るというマインドセットは非常に大切です。
GD選考の対策方法
対策方法は様々ありますが、まず一つ言えることはGDは場数を踏むことが最も大切です。実際にGD選考を受けてみることが1番の対策となります。
GD選考の場には他の選考とは異なる独特な雰囲気があります。
特にマーケティング職のGD選考では、「リーダーシップをアピールすること」が重要であるとよく言われるため、メンバー全員が積極的に発言し、議論が収束しない、という事態もしばしば起こります。
そういった雰囲気の中で選考を勝ち進むためには、GD選考の基本的なセオリーに慣れておくことが必須です。本命企業の選考を受ける前に、GDセミナーやGD体験に多く参加しておくことをお勧めします。
また、マーケティング職のGD選考の対策として、マーケティングのフレームワークについても多少調べておくことをお勧めします。ディスカッションの前にその場でフレームワークについての講義を行う企業も多いですが、直前の講義内容を頭の中で整理してから、GD選考に臨むのは容易ではありません。
本コラムではフレームワークについての解説は割愛しますが、市場分析の際に使用する5C分析と、戦略や施策の妥当性を判断する際に使用する4Sチェックについては、最低限把握してGD選考に臨みましょう。
※4Sチェックとは、Selective(選択的か)、Sufficient(十分か)、Sustainable(持続可能か)、Synchronized(事業との整合性はとれているか)の四つのSのことです。
しっかりと対策してGDを突破しよう
いかがだったでしょうか。マーケティング職のGD選考について多少理解は深まったでしょうか。
マーケティング職の選考において、GD選考は最も倍率が高いステップとなっています。このGD選考を突破することができれば、インターンの参加が決まる企業もあります。
外資就活の外資マーケコラムの読者の皆さんには、ぜひともこのGD選考を突破して頂きたいと思い、今回のコラムを書かせていただきました。
まだGD対策を始めていない方は、これを機に早速選考対策を始めましょう!
次回は、マーケティング職志望者に圧倒的な人気を誇るP&Gの選考対策について書きたいと思います。では、また。
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