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【外銀志望20卒21卒必見】他社のM&A案件を言ったら減点!外資系投資銀行各社の最近のM&A案件一覧(1)

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はじめに

こんにちは、外資就活 外銀チームです。

外資系投資銀行(以下、外銀)の選考が本格化する11月に入ってからも早いもので、既に月末です。そこで、今回も前回に引き続き、外銀の面接対策に関する記事を紹介していきたいと思います。

前回は面接でやってはいけないことを解説する、いわば「最低限の評価を得るためのマナー」の解説に留まりました。そこで、今回からは「最低限の評価」ではなく、「面接で高評価を得るためのポイント」について解説していきます。

今回は外銀の投資銀行部門・マーケッツ系の部門の選考で聞かれることの多い「気になるM&A案件は?」という質問にどうやって答えたらいいのかを解説します。

以前の記事でも、2018年上半期のM&A案件をまとめた記事をリリースさせていただきました。
「投資銀行の面接で必ず聞かれる!M&A案件特集 第一弾<2018年上半期案件編>」

今回は、過去に行われたM&A案件に加えて、これらのM&A案件を外銀の面接でどう話せばいいのか?も含めて解説していきます。

また、今回の記事では、漠然と自分の興味のあるM&A案件を語ることの危険性も解説しました。つまらないミスで内定を取り逃さないよう、しっかりと準備してから臨みましょう。

選考で聞かれる「気になるM&Aは?」という質問の意図

まずは実際のM&A案件についての分析を行う前に、なぜ外銀の面接では「気になるM&A案件」について聞かれるのかについて解説します。

1)「しっかり投資銀行業界の勉強をしているか?」の確認

一つ目は、面接官がその学生の思考力の深さや金融業界への理解を確かめることを理由に質問をするというパターンです。恐らく、この観点に関してはほとんどの就活生が意識はしていると思います。ただし、重要なのは「投資銀行業界」の視点で語れるか否かです。

例えば、気になるM&A案件の回答例として、

「2018年の4月に伊藤忠商事がファミリーマートを買収したM&A案件に興味を持っております。その理由としては国内外で勢いのある伊藤忠がしっかり地盤固めを狙っていることがわかるからです。伊藤忠と言えば海外での大型の設備投資ばかりが取りざたされますが、実は国内の小売事業を強化することで、安定収益の確保もきちんと行っていることが分かります。」

というようなものがあります。この回答をあなたならどう評価しますか?

「良いんじゃないか」と思った方は、高評価を得るには物足りない、と思った方がよいでしょう。

この解答は決して悪いものではありません。ただし外銀ーー特に投資銀行の面接官からすれば、どこか物足りなく感じます。
なぜなら、この説明ですと、あくまでクライアント企業の視点や外部からの視点でM&Aを評価しているだけで、「投資銀行としての評価」がないからです。

高倍率の投資銀行に入社したいのであれば、一歩進み、「投資銀行としての評価」を自分の言葉で語れるようにしましょう。

2)「しっかり面接先企業を研究をしているか?」の確認

また、上記のような回答では投資銀行業界全体を研究していることは伝えられても、面接先企業に関して勉強をしていることは伝えきれません。

そのため、面接では「興味のあるM&A案件」をただ挙げ「なぜ興味を持ったか?」だけを伝えるだけでなく、自分が面接先企業の立場に立って分析を行ったことも伝えられるようにしておきましょう。

例えば、就活生に人気のゴールドマン・サックスの面接を受けた時に「気になるM&A案件」をどう回答するとよいのか、回答例を挙げさせていただくと

面接官「最近気になったM&A案件は?」

学生「今年の5月に行われたSONYのDHパブリッシング買収案件ですね。IT企業という資産評価が難しく、かつ負債を多く抱える企業に対しての買収戦略を評価するのは投資銀行の業務として、相当難易度が高いと思いました」

といったような解答方法が適切だと思われます。

この回答ですと、しっかり最近のM&A案件を調べていることが分かりますし、投資銀行部門としての視点も入っています。何より、面接先の企業のM&A案件を述べていることから、現役の社員の方も想像がしやすいでしょう。

最近の外資系投資銀行各社が行ったM&A案件一覧

さて、ここからは、外銀各社が「比較的最近行ったM&A案件」と、「取扱額が多かった案件」、「世間的に話題になった案件」を紹介していきます。
前編の今回は、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、シティの3社の案件を紹介します。他の外銀各社のM&A案件は次週紹介できればと思います。

ゴールドマン・サックス

2016/7/21 コマツアメリカ ジョイ・グローバル買収

<買収額>3845億円
<コマツアメリカ>モルガン・スタンレー
<ジョイ・グローバル>ゴールド・サックス

少し前のM&A案件になってしまいますが、ゴールドマン・サックスの社員の方であれば誰もが知っている案件がこの案件になります。理由としてはかなり特殊なスキームで実行された案件だからです。内容を見てみましょう。(公式に発表された情報を原文ママで掲載しています)

【資金調達方法】
本買収は、コマツアメリカが本買収のために設立する完全子会社(以下「買収子会社」)とジョイ・グローバル社の合併による方法(逆三角合併)で実施します。合併後の存続会社はジョイ・グローバル社となり、合併対価としてジョイ・グローバル社の株主には以下の現金対価が交付される一方、コマツアメリカの保有する買収子会社の株式が存続会社の発行済み株式に転換されることにより、存続会社がコマツアメリカの完全子会社となります。

【シナジー】
①製品ラインナップの補完:
ジョイ・グローバル社はロープショベル、超大型ホイールローダー、ドラッグライン、ドリルなどコマツにない露天掘り向け製品を保有しています。また、積み込み機械であるロープショベル、超大型ホイールローダーはコマツが製造販売する超大型の電気駆動式ダンプトラックと積み込み時の適合性が非常に高いため、販売、サービスでの相乗効果が期待できます。更に、ジョイ・グローバル社はこれまでコマツが手がけてこなかった坑内掘り向け製品を保有することから、ジョイ・グローバル社の買収によってコマツは坑内掘り向けにも事業の対象を拡大します。ジョイ・グローバル社の買収によって、コマツは露天掘りだけでなく坑内掘りを含めた全ての鉱山のお客様に対してダントツ商品を提供できる体制を整えることができます。

②ダントツソリューションの強化:
ジョイ・グローバル社はお客様の現場の安全および生産性の向上を最優先としつつ、ハードの開発と共に、現場で稼働する機械をIoTでつなぐスマート・サービスなどの開発・導入に取り組んでいます。コマツも同様に、無人ダンプトラック運行システム(AHS)の展開、鉱山管理システムやKOMTRAX Plusなどを通じて機械および施工の見える化を進め、お客様の現場の安全および生産性の向上に取り組んでいます。両社のIoTから得られる鉱山現場における様々なデータをコマツのオープンプラットフォーム上でつなげ活用することが可能になるため、今後もお客様にダントツソリューションを提供するうえで大きな相乗効果が期待できます。

以上のように、資金調達や狙うシナジーに関していくつかの特徴があるM&A案件です。特に資金調達のスキームはかなり複雑で、他のM&Aでは中々目にすることのない手法です。ECMやDCM、IPO担当の面接官には必ずといっていいほど共感される、難しい内容になっています。

モルガン・スタンレー

2018/5/22 ソニーコーポレーション DHパブリッシング買収

<買収額>4063億円
<ソニーコーポレーション>モルガン・スタンレー
<DHパブリッシング>ゴールドマン・サックス

先ほどはゴールドマン・サックスの側での紹介でしたが、今回ですとモルガン・スタンレー側の視点からの紹介になります。この場合はSONY社の事業シナジーや経営戦略について触れるといいのではないでしょうか。

【シナジー】
音楽産業は定額音楽ストリーミングサービスの伸長を背景に、近年成長に転じている。当社はエンタテインメント領域における強力なIPのポートフォリオ構築に集中しており、今回の買収は当社の長期的な成長に向けた重要な布石となる
【デメリット】
ソニーは取引の完了時にEMI Music Publishingの総負債約13億5,900万ドルも承継。

SONYとしては一緒に莫大な負債を抱えることにもなります。その一方で、SONYがエンターテインメント業界により注力しようという、重要な経営判断を下したともいえるものです。そのため、気になった点としては「どこまでM&Aの買収の際に投資銀行が関わるのか?」というような内容を聞いてみるといいと思います。

シティ

2016/10/5 損保ジャパン エンデュランス買収

<買収額>6483億円
<損保ジャパン>シティ
<エンデュランス>その他

中々、国内で完結してしまうM&Aでは苦戦しているシティですが、海外企業の買収となると話は別です。かなり巨額のM&A案件ですので、シティが誇りを持って行った案件です。

【資金調達方法】
買収は手元資金で賄う。8月に損保ジャパンが総額2000億円発行したハイブリッド債による調達分も一部充当する。

【シナジー】
日本の保険会社は国内市場の縮小を背景に、海外に成長の場を求めてきた。SOMPOは今回の買収により、収益源をグローバルに拡大するほか、商品の多様化や人材の獲得を目指すとしている。

【デメリット】
再保険会社の買収には懐疑的意見も多い。SOMPOはフランスの再保険会社、スコールのM&Aで大失敗しているからだ。さらに、金融業の海外でのM&Aに共通する問題だが、買収後に有能な人材が流出しやすいという懸念がある。一般的に、製造業の買収は製品と販路を手に入れることが目的となるが、金融業の買収は商権と人材を確保することが最大の狙いだ。 エンデュランスは米国の有力投資銀行が日本の損保業界に売り込みをかけていたリストに入っていた会社だ。日本向けのリストに載っている会社の多くは売れ残りだ。 売れ残りの案件に6393億円はいかにも高い。「日本のお人好しの金融機関以外、絶対にこんな高値では買わない」と、国際金融筋はシビアな見方をしている。SOMPOは焦った末に大きな買い物に打って出た感がある。

デメリットとしてあげられているように、このM&Aに関しては賛否両論があります。
そんな中でも、どのような意思決定プロセスやバリュエーション手法によってこの案件を成立させたのかといった点が興味を惹く点ではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「気になるM&A案件は?」という単純な質問であっても、十分に他の学生と差別化することはできます。また、質問に対する回答も千差万別です。

しっかりとどの企業がどのM&A案件を行ったのかを把握し、高評価を得られるような回答をしましょう。

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