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P&Gに内定した理系院生にインタビュー
こんにちは、外資就活 メーカーチームです。
引き続き、理系大学院でP&Gジャパンから内々定を得たMさんへのインタビューを公開いたします。今回は理系院生という、もう少し大きな括りでの就活についてお伺いした部分が中心となります。
前編コラムではP&Gジャパンの生産統括部門への内定に関してお話しいただきました。まだご覧になっていない方はそちらもぜひどうぞ。
理系院生の就活とは?
――理系院生の就活というと、メーカーの開発やコンサルなどがよくある選択肢に挙げられる印象がありますが、実際はどうでしたか?
Mさん:自分の大学は少し特殊かもしれませんが、7割がメーカーで3割が公務員を目指します。メーカーの中でも食品会社が圧倒的に多く、公務員というのも研究内容に即した分野のものです。化学メーカーなどは本当に少なくて、ほとんどが食品を目指して実際そこに入っていきます。学部の段階だともっと業界は幅広いのですが、院にくると狭いんです。営業などもいるんですが技術営業だったり、研究した内容を生かせるものです。
――進学して研究者の道に入るのはどれくらいでしょうか?
Mさん:1%です。学年の人数はちょうど100人くらいで、そのうち1人進むかなというくらいです。
メーカー業界内での志望企業・希望部署の絞り方
――P&Gの生産統括部門の他、化粧品会社と食品会社から内定をいただいたということですが、他に受けていた企業について伺ってよいでしょうか?
Mさん:化粧品でかなり絞って就活し、なかでもBtoCで製品を作っているところから受けていました。食品系の内定はナビサイトのエージェントサービスを通じてです。こちらは場数を踏むというところで重要かなと思ったのと、作っている製品も好きだったので受けました。エントリーしたのは全部で20社くらい、食品だと4社、化粧品を18社で、最終的に8社辞退しました。P&Gから5月末に内定が出たので、それからは6月に化粧品会社だけ受けて、内定を頂きましたが辞退しました。
――化粧品業界は網羅する勢いですね。
Mさん:そうですね。化粧品に関しては自分が使わないので前知識が少なくて、後輩に聞いてメーカーの名前を知っていったりしました。基本は「関東の会社でBtoCの化粧品会社」で絞っていたので、網羅している状態に近かったと思います。
――外資系・日系でどちらがよいなどはなかったですか?
Mさん:なかったですね。外資系・日系の違いも漠然としていて、内定を頂いて初めて意識したという感じです。外資系はP&Gしか受けていないので、主に日系志望ということにはなるでしょうか。
――外資系と言うと、一般的には仕事がキツかったり語学力が必要だったりと言われていますが、入社に関して懸念事項等はないですか?
Mさん:あまりないですね。英語も得意ではないんですが、やればできるかなというのがあるんです。よく「英語の上達は日常的によく使うことが大事」と言われるんですが、自分もそう思っていて、結局英語が飛び交う場にいたらできるようになるんじゃないかなと。ヨーロッパに留学していたときも英語だったんですが、留学中はすごくよくできるようになっていたのが、日本に帰って普段英語を使わなくなったらどんどんできなくなっていったというのがあって。本当に、そういう環境に身を置くことが重要なんだと思っています。
――食品に関して、エントリーされたのは数ある中から選ばれての4社と思われますが、業界内での取捨選択についてはどのような基準を設けられていましたか?
Mさん:研究開発をあまり積極的にやっていないところは避けました。自分の製品があって、淡々とそれを出していくだけのようなところですね。乳酸菌やアミノ酸などの研究を熱心にやっていて、食品に付加価値をつけたいと思っているような企業は面白そうだと思ったんですが、ただ製品を出しているだけのようなところはある意味誰でもできるかなと感じました。あとは、他に自分の大学ならではの得意分野に準じた業界もあったんですが、生物研究のバックグラウンドが生かせないなと感じて止めました。
――全体としてBtoCをメインに受けていたというお話でしたが、BtoCにこだわっていたのは、自分の作った商品が並んでいるのを認識したかったからでしょうか?
Mさん:そこがかなり大事でした。自分の成果が形になるというところが、今の自分の研究との一番の違いだと思っていたのです。今やっている研究も、楽しいは楽しいですし、その界隈で有名にもなれるんですが、形になることは難しいので。せっかく就職するのであれば、自分の成果が形になってお店に並んで、そして評価してもらえるというのは、すごくわくわくするなと思いました。
――生物系の研究をされていたということですが、周りの学生と比べて就活の場において変わったことはありましたか?
Mさん:ひとつ苦労したところでもあるんですけど、自分の研究が生かせる業界が少ないなというのは感じていました。というのは、製薬会社に行きたいんだったら薬学部とか医学部とかが強いじゃないですか。食品会社に行きたいんだったら食品系の学部があります。しかしそれで言うと生物系はどっちつかずなんです。周りにも結構「自分にどの業界が合っているのか」で苦労している人はいました。
――そうした場合、学生はどのように業界を絞っていくことになるのでしょうか?
Mさん:自分の場合は、たまたま日程が合って参加した化粧品会社のインターンがとても楽しくて、化粧品や日用品というのがとても素敵なものだなと思ったんです。それに就活自体のスタートダッシュも遅れてしまったので、だったらもう化粧品・日用品業界に絞ってしまおうと思いました。化粧品も日用品も言ってしまえば化学なので、理由付けの際には「人が使うものなので色々な側面があると思って、自分の専門性も生かせると思います」というような話をしていました。
――具体的にはご自身の研究とどう結びつけていったのでしょうか?
Mさん:自分の研究は生物の生きた上皮細胞を扱うもので、直接手に触れてはいけなかったりと扱いが大分難しいので、実験手法というところでまず生かせると思いました。それに内容もある程度繋がっていて、化粧品の化学薬品をどう肌に浸透させるかというテーマには近いものがあると思いました。最終的に研究開発にはつかないのですが、研究職で応募しているときはそういった話をしていました。
――志望されていた化粧品業界ですが、改めて、どのあたりに魅力を感じられたのでしょうか?
Mさん:女性にとって化粧品はいかに価値が高いかというところでした。それは品質だけではなくてデザインなどの意味でもありますし、気分的な高揚感を与えてくれるという部分でもあります。化粧品というのは、男性女性それぞれ個人が思う「きれいになりたい」という強い思いに直接応えられるものです。インターンに行った時、一緒に参加していた学生にはとても化粧品が好きな方が多く集まっていて、それに感化されたというのもあります。化粧品に対してこんなに熱く語れるんだと思いました。「この化粧品はすごくいい」なんて言ってるのを聞いて、こういうものを作りたいなと思いましたね。
研究室でこれを読んでいる人へのメッセージ
――研究室によっては拘束が厳しかったりすると思われますが、周囲はどのような状況でしたでしょうか?
Mさん:自由じゃないところはありました。他の研究室だとコアタイム制で「この時間はいなきゃダメ」というようなものがあったり、朝学校に行って、居るフリをしてこっそり抜けて説明会行ったりなんてのもよく聞きました。自分の研究室は就活中は全く行かなくて良かったので、そういう意味ではかなり恵まれてるなと思っていました。成果主義というか、外資系っぽいなと思っていたのですが、やることをやっていれば他は自由にしていて良いよ、という感じです。同期も皆休んでいて、そこまで忙しく就活をしてなかった公務員志望の人も便乗して休んでいました。
――理系院生の就活生に向けてメッセージをお願いします。
Mさん:研究との兼ね合いはすごく大事だと思うんですが、自分としては研究にしっかり注力していたのが一つ良かったところでもあると思っています。就活が大変だからと研究をないがしろにするのではなくて、せっかく研究室に入ったのだから研究は研究、就活は就活でそれぞれ切り替えてしっかり注力するようなスタンスをお勧めしたいです。研究室で縛りが辛くて切り替えづらい場合に関しては、難しいのですが、真っ当な理由もないのにずっといなければいけないというのは間違っていると思います。でも自分が研究としてやらなきゃいけないことがあるのに抜けるというのも間違っているんです。教授の圧力に負けないで、今本当にしなくてはいけないことが何なのかを明らかにして、就活も含めてそのときやるべきことに立ち向かってもらえたらと思います。
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