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26卒三井物産内定者が、インターン本番で重視される「技術的実現可能性」の示し方を、実例を通じて解説します。第3回は、電力原単位300kWh/トン、CO₂原単位0.25トン/トンという世界最高水準の環境性能をいかに実現するのか、その技術的根拠を詳述します。最新EAF Quantum技術、水力・太陽光ハイブリッド電源、スクラップ・HBIブレンド戦略など、Mi-CAM事業の技術的中核を、インターン評価で重要な「具体性」と「実証可能性」を意識しながら解説していきます。
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三井物産インターン過去問対策〜鉄鋼製品事業編〜②:既存資産を活用した統合的競争優位の構築
三井物産インターン過去問対策〜鉄鋼製品事業編〜③:世界最高水準の低炭素製鋼技術システム
三井物産インターン過去問対策〜鉄鋼製品事業編〜④:デジタルトレーサビリティと段階的事業展開
三井物産インターン過去問対策〜鉄鋼製品事業編〜⑤:低炭素・高信頼サプライチェーンの構築
三井物産インターン過去問対策〜鉄鋼製品事業編〜⑥:投資10億ドルの事業採算性と価値創造
第3章:技術・オペレーション設計
――「クリーン電力×DRI/HBI×次世代省電力EAF×デジタルCO₂トレーサビリティ」で石油製品物流インフラを"低炭素鋼材製造エンジン"へ転換するロードマップ
3-0 本章の目的と設計思想
本章では、マレーシア・サラワク州におけるクリーン電源連動型電炉(EAF)と直接還元鉄(DRI)・熱間圧延鉄(HBI)前処理複合拠点の構築について、技術的実現可能性から段階的実装まで包括的に設計する。この技術統合の核心的な思想は、従来別々に最適化されてきた製鋼技術、電力システム、物流インフラを統合的に再設計することで、個別最適では到達不可能な総合的な競争優位を確立することにある。
設計アプローチの革新性は、石油製品物流資産(液体ターミナル、バラ積み航路、燃料サプライチェーン)を金属スクラップ、還元鉄、バイオベース補助還元剤、アンモニア燃料へ転用する統合プロセスの構築にある。この転用により、新規インフラ建設では必要となる数百億円規模の初期投資を大幅に削減しながら、従来の石油事業で蓄積された運営ノウハウを新規事業に活用できる。
技術成熟度(TRL)の観点では、個別技術は全て商用化段階にあるため、実証リスクは技術統合部分に限定される。この統合リスクを最小化するため、段階的スケールアップによる検証プロセスを重視し、パイロット段階での詳細データ収集により商業段階の設計精度を向上させる。最終目標である「電炉のCO₂強度を電源ミックスで左右されないレベルまで固定化」は、サラワクの水力発電比率70パーセント超という立地優位性により技術的に実現可能である。
EAFルートが再生可能エネルギー電力で駆動された場合、高炉-転炉法比で75-80パーセントの排出削減ポテンシャルを持つことは、国際エネルギー機関や世界鉄鋼協会の技術報告で確認されている。スクラップ主体の場合は理論的にゼロ近傍まで削減可能であり、サラワクの低コスト水力と追加再生可能エネルギーを組み合わせる立地戦略により、この理論値に近い実績を達成できる技術基盤を構築する。
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