【第5回|最終回】三井物産インターン過去問対策〜銅事業編〜:リスク分析の徹底と優勝案の発想プロセス

【第5回|最終回】三井物産インターン過去問対策〜銅事業編〜:リスク分析の徹底と優勝案の発想プロセス

2025/09/26

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eyecatch

こんにちは。徹底した対策をもとに、三井物産をはじめ総合商社から複数内定をいただいた26卒の者です。連載最終回では、インターン優勝の決め手となったリスク管理と、この事業案の発想プロセスを公開します。銅価格下落、技術未達、規制変更など、あらゆるリスクへの「多層防御システム」をどう構築したか。国連データやIEAレポートから「循環型銅」というコンセプトに到達した思考の流れ。そして3日間という限られた時間で、これだけの事業案を作り上げた具体的な作業プロセス。三井物産のインターン対策の決定版としてお届けします。

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第8章:リスク管理と対応策

8-1 多層防御によるリスク最小化戦略

循環型銅事業は革新的な事業モデルであるが故に、従来の鉱山事業では想定されない新しいリスクが存在する。しかし、これらのリスクを系統的に分析し、技術的・制度的・金融的手段を組み合わせた多層防御システムを構築することで、事業の安定性と収益性を確保できる。特に重要なのは、単一リスクの顕在化が事業全体に致命的影響を与えないよう、リスク分散と代替手段の確保を徹底することである。

市況変動リスクへの包括的対策

銅価格下落シナリオへの多重防御として、銅価格は循環型銅事業の収益性に最も大きな影響を与える要因である。LME銅価格が7,000USD/トンまで下落した場合でも事業継続可能な防御策を構築する。

価格ヘッジ戦略の詳細設計として、三井物産は、金属トレーディングで培った高度なリスク管理ノウハウを活用し、以下の多段階ヘッジ戦略を実施する:

プットオプション購入:下限価格7,000USD/トンで年間生産量の50%をヘッジ プレミアム支払い:年間約15億円 下落時の損失補填:価格下落1,000USDあたり約350億円の補償

先物売り:3ヶ月先までの生産量の30%を固定価格で事前販売 価格変動リスクの平準化 キャッシュフロー安定化による資金繰り改善

スワップ契約:顧客との間で価格変動を相互に吸収する契約 長期供給契約顧客との価格変動リスク分担 相互利益による長期関係の強化

固定プレミアム契約による収益安定化

循環型銅の最大の差別化要因であるESGプレミアムについて、30%の販売量を固定プレミアム契約により確保する。

長期契約の条件設定: 契約期間:5年間 プレミアム:+5%固定(市況変動によらず一定) 数量:年間生産量の30% 対象顧客:テスラ、BMW、シーメンスなどESG重視企業

この固定プレミアム契約により、銅価格が下落した場合でも一定の収益確保が可能となり、事業の安定性が飛躍的に向上する。

8-2 技術・運営リスクへの先進的対策

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