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ワークライフバランスは必要になってから考える。外資就職、2度の転職、MBA留学を20代で経験した起業家のキャリア形成術

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第2弾に登場してもらうのは、ゴールドマン・サックス(GS)、日本ロレアル、ユニゾン・キャピタルを経て30代半ばでビザスクを起業した端羽英子さん。同社は2020年3月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場した。大学卒業と同時に結婚、新卒でGSに就職した端羽さんは、最初からワークライフバランスを考えて仕事を選んでしまうのは“もったいない”と訴える。その真意とは――。【中村香織】

〈Profile〉
端羽英子(はしば・えいこ)
ビザスク代表取締役CEO。東京大学経済学部卒業後、GSにて投資銀行業務、日本ロレアルにて予算立案・管理を経験し、マサチューセッツ工科大学(MIT)にてMBAを取得。ユニゾン・キャピタルにてプライベート・エクイティ投資に5年間携わった後、12年3月にビザスクを立ち上げる。20年3月、東証マザーズへ上場。

 

 

大学卒業と同時に結婚。ワークライフバランスは考えずGSへ

――20代はどのような生活を送っていましたか。

端羽:学生時代はゼミの活動、アルバイト、サークル……といろいろなことをちょこちょこやっていた気がします。特に1年生のころはあまり勉強していなかったような。

旅行が好きで、夏休みに母とヨーロッパに行ったり、友人とアジアに行ったり、国内を「青春18きっぷ」で回ったりしていました。

ヨーロッパ旅行ではトーマスクック(鉄道時刻表)を買ってきて予定を組み、宿も全て自分で予約しました。

――将来はどんな職業に就きたいと思っていましたか。

端羽:大学3年生になる時点までは公務員志望でしたが、その後「社会を変えられるところで新しい仕事をしたい」「強いところにいきたい」「留学をしたい」などと考えるようになりました。

ただ、その時点では業界も絞っていなかったため、外資系の金融機関だけでなくメーカーやマスコミなどいろいろなところに就職活動していました。

――外資系の投資銀行は他にもありますが、GSに応募した理由はなんですか。

端羽:外資も面白そうだなといくつかの会社を見る中でGSの就活イベントに行きました。そこで偶然、私の所属する東大テニスサークルの先輩が社員として登壇していたんです。

ちなみにその先輩というのが、今は当社でCOO(最高執行責任者)をしている瓜生(英敏氏。過去のLiiga記事はこちら)です。瓜生は私がすごく尊敬していた先輩だったので、彼がいたということがGSに引かれた一番大きな理由ですね。

最初は「GS」と聞いてガソリンスタンドかと思ったぐらい何も知りませんでした。しかし、瓜生の話を聞いて、当時まだはしりの時期だった外資系金融の世界に飛び込みたいと思いました。

――当時、起業は考えていなかったんですか。

端羽:全然考えていませんでしたね。GSの内定をもらったころには大学卒業のタイミングで結婚することが決まっていました。それもあって、「卒業後10年は一生懸命仕事をして、その間に留学もして、満足できてから子育てをしようかな。その時には独立して自分の名前で食べていけるようになるといいな」と考えていました。

ワークライフバランスは考えず「まずは10年間ものすごい勢いで仕事をすれば、その後は好きに働けるはずだ」と。その後の人生は全く想定通りになりませんでしたが、当時はそう思っていました。

入社1年目で妊娠発覚。「正直、これで辞められると思った」

――外資系投資銀行や外資系コンサルティングファーム、商社にいきたいという学生が多い一方で、ワークライフバランスを充実させたいという学生も多いと思います。その皆さんも、最初からワークライフバランスを考えないほうがいいということでしょうか。

端羽:シェリル・サンドバーグさんの著書「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」の中に、「子育てのために仕事を辞めるのはその必要ができたとき、つまり子供が生まれたときだ。その前ではない」という一節がありますが、私も本当にその通りだと思いますよ。

例えば私の場合、私自身も、当時付き合っていたボーイフレンドも外資系の金融機関にいくことが分かっていたので、少しでも一緒にいられる時間を増やすために結婚を決めたんです。

頑張ることでキャリアの選択肢は広げられるので、いま頑張れることを頑張らないのはもったいない。 ワークライフバランスは結婚したとき、子供が生まれたときなど自分が必要だと感じたときに考えればいいと思います。

――20代の時にご自身が考えていたことで、今振り返ると実は違っていたと思うことはありますか。

端羽:自分が20代の時に考えていたことは、どちらかというと正しいことの方が多かったと感じています。例えば「10年間頑張れば自分の名前で食べていけるようになるんじゃないか」という考えは、今でも間違っていないと思います。

また、当時も今も「“やらない後悔”より“やる後悔”」と思っています。たとえば私が結婚する際に、「なんでそんなに早く結婚するの」と聞かれたこともありましたが、「ダメなら別れればいい。でも『なぜあのとき結婚しなかったんだろう』と後悔したくないから」と言っていました。MITを卒業するころに離婚しましたが、結婚をしたことに後悔はありませんね。

――学生時代には想定していなかったことで、その後苦労したことはありますか。

端羽:何より一番大きかったのは、子供ができたことです。入社1年目で妊娠が発覚し、退職することは想定していませんでした。

ただすごく正直なことを言うと、妊娠が分かったとき「ああ、これできれいに辞められる」と思いました。今思えば、1年目が一番辛い時期だったんでしょうね。何の理由もなく1年で辞めるのは嫌だったので「これで退職理由ができた」と思ったんです。未練はありませんでした。

――そのタイミングでの退職はもったいない気がしてしまいますが、それだけ仕事がきつかったということでしょうか。

端羽:そうだったと思います。深夜12時に帰っても「今日は早く帰れてよかったね」と言われるほど忙しかったですし、まだ1年目で視野も狭く、目の前の仕事しか見えていなくて。

もしあと2~3年働いていたらまた違う楽しみがあったかもしれないと思うので、いま新卒で就活をしている人には「3年は頑張れそうなところを選んでみたら」とアドバイスしていますよ。

――3年いられるところを選ぶべきなのは、なぜでしょうか。

端羽:1年目、2年目、3年目と過ごすうちに、絶対に景色が変わってきます。たとえばファンドなら、最初は外部のプロフェッショナル達とのやりとりは主担当の先輩の仕事で自分は補佐役だったのが、自分も企業の主担当を任されるようになり、その後は領域も増える、といった具合に仕事の面白さが増してきます。

私の場合、その次のロレアルも元夫の留学に帯同するため1年半で辞めています。ですので、年数を重ねることで景色が変わることに気づけたのは3社目のユニゾン・キャピタルが初めてでしたから、もう29歳になっていました。もし一番初めに就職した会社でそのことに気づけていたら、もっとハッピーだっただろうと思いますね。

前職の上司に言われた「リーダーシップが足りない」という言葉。その意味に起業してから気づいた

――ロレアルへの転職は起業のためのステップとして決めたんですか。

端羽:いえ、ワークライフバランスが取りやすいと思ったからです。

予算の作成や予実管理をするコーポレート部門のファイナンシャルコントローラーというポジションでした。お客さん相手の仕事でなければ、土日はしっかり休め、子供がいても働きやすそうだと思ったんです。

思ったより夜は遅かったので、すごく両立しやすい環境とまではいきませんでしたが、男女差別のようなことは一切ないという点ではとても働きやすかったです。

――ユニゾン・キャピタルに入社されたのはいつごろですか。

端羽:29歳になる直前です。そこから5年間アソシエイトとして働きました。

――入社5年目で上司から「リーダーシップが足りない」と指摘を受けたことにより起業を決意したそうですが、当時は上の方との年齢的な差も大きかったのでしょうか。

端羽:年齢というわけではなく、すごく和気あいあいとしていてカルチャー的にもすごくフラットな会社だったんです。自分も周りと同じように働いているつもりなのにリーダーシップが足りないと言われたので「これ以上どうしたらいいの」と思ったんでしょうね。

ただ視座は低かったなと。当時「半年後にこの会社を救うのは自分だ」といった使命感で頑張っていたかというと、多分そうではなかったんですね。それは起業してから気づきました。

――その経験から、起業を決断したのでしょうか。

端羽:もともと1回は起業してみたかったんです。ユニゾン・キャピタルへの入社前、起業したいという思いからMITのビジネススクールに留学していたので、「ついにその時が来た」という感じでした。

起業に役立ったのは、楽観的思考、体力、お金を集める力

――後輩やお子さんへも起業を勧めますか。

端羽:もし起業したいと思っているなら、あまりリスクを考えずにやったらいいと思います。でも興味のない人に「起業も考えてみなよ」とは言いません。

起業は周りに言われてするものではないですし、今時はいろいろな情報収集ができるので、興味がある人は誰かに勧められなくても起業すると思うんです。

――起業に向いているのはどんな人なのでしょうか。

端羽:私自身が起業に向いているかはまだ分かりませんが、私がゼロイチを乗り越える上で向いていたと思うのは、楽観的であること、体力があること、お金の集め方が分かっていたということですね。

――お金を集める力はどこで身に付けたものですか。

端羽:ユニゾン・キャピタルです。ファンドとベンチャーキャピタル(VC)は似ているので、ファンドでの経験から、どんな情報を提供すればVCからお金を引き出せるかが何となく分かるようになったんだと思いますね。相手がどんな情報を必要としているかを知っているという点は、大きかったと思います。

――体力や楽観的な部分は生まれ持ったものかと思いますが……。

端羽:体力は別として、楽観的な部分は後天的に身に付けたものだと思います。

楽観的というのは、自分が現状を認識し「これは取れるリスクだ」と判断したものについて、「なんとかなる。むしろリスクではない」と不安を感じないようになれることだと思うんですね。これは思考のトレーニングなので、今からでも身に付けられると思いますよ。

――その楽観的思考はいつ身に付いたと思いますか。

端羽:入社1年目での妊娠や、その後の離婚など、さまざまなことを乗り越えるうちに「これは何とかできる」と思えるようになったんだと思います。

また私が起業したときには、ダメだと分かったときにやり直せるようにと借金は絶対にしませんでした。どんなリスクがどの程度あるのかをしっかり見ていたから楽観的になれたんですね。

いま20代に戻って就活をやり直すなら、スタートアップも面白い

――もし端羽さんが20代に戻って就活をやり直すとしたら、どんな業界を選びますか。

端羽:外資系の投資銀行やコンサルもそうですが、数年間、勢いをもって過ごせるという点では、スタートアップも面白いかもしれませんね。

ただスタートアップだと「ちゃんと教育してもらえるのか」という懸念がありますよね。 その点、ある程度資金力があり、すぐにはつぶれなさそうな会社や、尊敬できる先輩がいる企業がいいでしょう。業種より、会社のカルチャーで選んだ方がいいと思います。

例えば外資系投資銀行やコンサル出身者がいるスタートアップに行けば、その人に教育してもらえそうですよね。

――スタートアップですぐにつぶれなさそうな会社を見抜くのは難しそうですが、いかがですか。

端羽:そんなことはないですよ。例えばどのくらい資金調達をしているかとか、私達のように上場直後の企業かなどの観点で見ることもできます。

――そういう意味では、ある程度学生時代から企業の見立てができる知識を持っていたほうがいいでしょうか。

端羽:知識というより、OB・OG訪問や会社説明会などを活用して多くの人に会ったほうがいいと思います。いろいろな人に会って話を直接聞くことで、自分はどんなことに引かれ、何を大事にしたいのかを知ることができます。その会社のカルチャーを知り、この人と働きたいと思える人を見つけるという意味でもいいと思いますね。


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