【IBD志望者必見の書籍4選】君だけに教えよう! 志望業界の検討段階から面接の前日まで使える書籍~シリーズ「あなたよりすごいヒト、紹介してください」vol.4
2018/06/11
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こんにちは、ライターの野原うさぎです。
「あなたよりすごいヒト、紹介してください」シリーズの第四弾は、前回のノリヒロさんから「就活で知り合った学生の中でも有名で、とても優秀な方ですよ!」と紹介されたマサキさん。読書家でもある彼が、IBD内定までに拠り所にした【必携4冊】を教えてくれました。
――はじめまして。まずはご経歴を教えて下さい。
よろしくお願いします。都内の大学に通う4年生で、経済学部に所属しています。1年生のときから学内のビジネスコンテストなどに参加しており、時間をかけた調査と改善提案をするようなことには興味をもっていました。たとえば、「炭酸飲料の売上減少をストップするためには?」という課題に対して、周りがtoCマーケティング視点でのアプローチばかりを提案するところ、政治家を動かし法律や制度といった方面からアプローチするようなロビイング活動などを中心とする提案をして協賛企業の審査員の方を含めて高い評価をいただいたという経験もあり、自分は“逆張り型” つまり普通の人とは違うことを好む人間だと思っています。
中国の清華大学に留学を経験しており、卒業時期と就職活動の時期にずれが生じたため、前回のノリヒロさんたちと同年に就職活動をしていました。就職先はすでに決めていて、外資系銀行の投資銀行部門に就職する予定です。内定先の明るく溌剌とした雰囲気と、自分のキャラクターが合っているとはよく言われますね。
――すでに進路を決定されているとのことですが、なぜIBDを志望されたのですか?大学も金融学科ということなので、高校生のときから経済や金融に興味があったのでしょうか。
小中学生のときに、ライブドア事件やリーマンショックのニュースをテレビで見ていたことをよく覚えており、そこから経済活動に興味を持ちました。それらの情報番組に出ているコメンテーターたちが口々にいろいろな意見を述べたり解説をしたりするのですが、「本当にそうなのか?」「自分で勉強して、真実を判断しなければ」と思ったことがきっかけですね。ちょっと疑り深いというか、みんながいっていることを素直に信じないところも、“逆張り型”の性格なのです。
コンサルティングファームとIBDを同時に検討している学生も多いと思いますが、私の場合は、金融系に就きたいという想いが強かったのでコンサルにはエントリーしませんでした。個人的にはIBDとコンサルはまったく違う仕事だと思っており、併願は一度も考えたことがありません。ただ、ノリヒロさんのように就活を通して進路の選び方に気づきがあり、志望を変更するのはもちろん賛成です。
おすすめは、やっぱり「長期インターン」
――事前にいただいたレジュメを拝見したところ、外資系投資銀行のひとつで数ヶ月に渡るインターンを経験されていますよね。この時のエピソード、また学んだことを教えていただけますか?
この長期インターンに参加して、自分の考え方を洗練させることができましたので、本当にいい経験をさせていただいたと思っています。同時期にこの企業でインターンしていた学生の多くは帰国子女や海外大生など、日本以外の学校で学んだことがある人が大半で、 「仕事や就職に対する意識の差」 に気付かされました。苦しい大学受験を乗り越えたあと、日本の学生生活は楽しいだけのものですが、海外の学生たちは自分で考え、調べ、目標に向かってとてもよく勉強しています。このインターンをきっかけに、「もう自分も社会人になるんだ」と意識が大きく変わりました。彼らの勉強量を目の当たりにすると、正直、当時の自分を含めた日本の学生はぬるいと言わざるを得ないと思います。清華大学(※中国で北京大学と難易度No.1を争う超難関の理系大学)に留学していたときも、学部生の時からアナリストレポートを作成する授業があって、学生からは下手なアナリストよりも高いクオリティのレポートが次々と提出されています。これは、日本の学生ように一方的に授業を受けているだけではまったく敵わないなと。
また、インターン中に部門のディレクターと話をしていて 「プロフェッショナルの仕事」 についてお聞きする機会がありました。そのディレクターは「今日は疲れているとか、今回担当するのが苦手な業界だとか、そんなことは関係ない。いつでも一定のクオリティのアウトプットができるのがプロというものだ」とおっしゃっていたのです。正直、学生の目線では会社に入ることで精一杯で、「嫌な仕事に配置された時に自分はどう振る舞うべきか」なんて、考えてすらいなかったので、働くとはかくも厳しいものかと気持ちを引き締め直すきっかけになったと思います。
まぁ、この銀行からはなぜか本採用のお声がかからなかったので、別の会社に就職するのですけれど・・・インターン中に社員さんからも指摘されましたが、自分のキャラクターがこの会社と合っていなかったみたいですね(笑)。
――かなりの量、読書をされるというマサキさん。IBDを受ける上で参考になった書籍などがあれば教えてください。
まず、本当かもわからない就活都市伝説を調べる時間があるなら、本を読むことに時間を使うことをおすすめしたいです。学生の時点で仕事や業界について深い理解は必要はありませんが、その業界及び仕事が自分に向いているかを判断する上で、最低限の勉強は必要です。
いまIBDを志望している読者さん、M&Aってなにか本当に理解できていますか。資金調達に関わりたいと思っている方、公募増資、ライツ・オファリング、転換社債など、それぞれの意味だけではなく、実態についても説明できるでしょうか。それらをしっかりと勉強してからでないと、就職してから「こんなはずじゃなかった」と理想と現実のギャップに直面することになるでしょうし、先程述べたように海外大生はそれを完璧に理解した状態で就活を始めるということを踏まえれば、おのずと勉強の必要性はわかってくるのではないでしょうか。
さて、私が就活の際に参考にした本を4冊ご紹介しますので、IBDにエントリーシートを出す前に、一度ぜひ手にとってみてください。
『日本企業のコーポレートファイナンス』と『経営戦略とコーポレートファイナンス』
この2冊はぜひセットで読んで欲しいです。ROEの概念などはみなさんもうご存知かもしれませんが、日本企業の実例をつかって解説してくれるので、より理解が深まる基本の2冊になっています。インタビューを通じて事業会社の財務担当者の視点も得られるようになっていますし、読み進める中で一見無味乾燥に思われがちな資金調達・資本政策が実は経営戦略と密接に関わっていることがわかると思います。志望業界を絞る前の入門書としてトライしていただきたいシリーズです。
日本企業のコーポレートファイナンス
砂川 伸幸
日本経済新聞出版社
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経営戦略とコーポレートファイナンス
砂川 伸幸
日本経済新聞出版社
(Amazonで詳細を見る)
『サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか』
外資就活ドットコムでも、過去に何度か紹介されていた本です。投資銀行というと、ただただ高給で、華々しい仕事というイメージがあるかもしれませんが、ジュニアの社員が外資系投資銀行のなかでどうやって日々の業務をこなしていくか、ある意味過酷な労働の実態を覗き見することができますよ。昨今の働き方改革等で投資銀行業界でも労働時間は減る方向にはあるとは聞きますが、それでも業務内容の地道さといった本質的なところはそう大きく変わっていないように思います。
サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか
ジョン ロルフ , ピーター トゥルーブ
主婦の友社
(Amazonで詳細を見る)
『最新M&A実務のすべて』
こちらは、投資銀行部門の1年目がこぞって自分の机においていると有名な本です。先程申し上げたような、「M&Aの実態をよくわかってないがIBDを志望している人」には、今からでもぜひ読んでみていただきたいです。M&Aが会計・税務・法務など広範な知識が求められる「総合格闘技」と呼ばれる所以がわかるかと思います。よく就活生の間でもおすすめの本として挙がっている『MBAバリュエーション』などは、バリュエーションだけに特化しているため、『最新M&A実務のすべて』でM&Aの全体像を掴んだあとに読んだほうがいいのではないでしょうか。
最新版 M&A実務のすべて
北地達明 , 北爪雅彦 , 松下欣親 , 伊藤憲次
日本実業出版社
(Amazonで詳細を見る)
学生のうちに海外へ
――いわゆる「難関企業」を志望している就活生に、読書以外で伝えられることはありますか?
まず、今日のお話のなか何度か言及した「海外」ですね。学生のうちだと交換留学制度があったり、国内にいても留学生と共に学ぶ機会があったり、チャンスはたくさんあるはずですから、積極的に交流をしてみるといいのではないでしょうか。私は現在の世界の情勢を考えてあえて中国の清華大学への留学を選びましたが、話題のキャッシュレス決済の普及度合いやEコマース化率、シェアサイクルなど、日本よりもはるかに進んでいる面もあり、中国へのイメージもかなり変わりました。
また、今後みなさんが希望の仕事に就けたとしても、仕事の内容は華やかで楽しいことばかりではないと思うんです。つらいことや大変なこともあると思いますし、どこかで折り合いをつけるというか、現実を受け止めなければいけない。一見、派手なイメージがある投資銀行やコンサルの職も、実際は調査や書類仕事など地道な作業も多いと聞きます。仕事の実態をきちんと理解した上で志望するのと、華々しいイメージと憧れだけをもって志望するのでは、実際に働き初めてからの自分の心持ちがだいぶ違うと思います。入社前後のギャップが起こらないようにするためにも、自分が将来就くであろう仕事の内容をなんとなくの想像ではなく、出来る限りきちんと理解する努力をしてから志望業界を決めるべきと考えています。
いわゆる「就活マフィア」と呼ばれるグループも一定数存在します。グループを組んで、みんなで面接情報を共有しながら複数の内定をさらっていくような・・・。私も就活中に何人かそんな方に出会いましたが、やはり知識が浅く、業務理解も面接対策の範疇をでていないように感じました。まれに内定を獲得される方もいらっしゃるようでしたが、相手も当然ながらバカではありませんから、そのほとんどが最終面接まで進む間に付け焼き刃であることを見抜かれてしまいます。 表面的なノウハウではなく、時間と労力をつかって勉強すること、 これが私なりの就活の極意です。
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