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【元戦略コンサルが教える】新規事業系ケース問題のアプローチ(前編)

初めまして、TAKUと申します。

自己紹介を簡単にさせていただくと、筆者は以前、新規事業案件をメインに取り扱う戦略コンサルティングファームに勤めておりました。ファームでは総合商社や携帯通信キャリアなどを顧客に20件弱の新規事業プロジェクトを担当しました。4年前からは事業会社に移り、今までに3つほどの新規事業を企画から立上・収益化まで手掛けています。また最近では学生起業家の育成スクールで講師をしています。

本日は「新規事業系のケース」が出た際のグループディスカッション(以下、GD)のアプローチについて、お伝えしたいと思います。

新規事業系のケースとは例えばこういうお題です。

「TSUTAYAが取り組むべき新規事業を考えてください」

ちなみに本日の内容はあくまで「アプローチの一例」です。
その時のメンバー・状況・出題者にもよるので、盲目的に使わないようご注意ください

先に結論を言うと、以下のような進め方がよいと私としては考えています。


大体こんなところでしょうか。

オススメの時間配分は、

前提・検討プロセスの確認→2~3分
現状分析・アイデア出し→15分
アイデアの評価づけ→2~3分

です。前提・検討プロセスの確認で時間を使い過ぎず、議論の「核」となる現状分析・アイデア出しの部分でしっかりと時間を使えるようにしましょう。

ただGDのメンバーのレベルと時間設定によっては、評価フェーズまで辿り着かない可能性が多々あります。
よって、最低目標としては現状分析を終えており、アイデアをいくつか出している状態までいくこと程度に置くとよいでしょう。

以下、詳しく解説していきます

新規事業系ケース問題の成果=「良さそうな事業案の仮説」を出すこと

まず大前提として、今回のGDではどの程度の成果(アウトプット)が求められていると考えればよいでしょうか?

そもそも新規事業を社内で企画し、具体的に検討し、承認され、実際に立ち上げるには、以下のようなプロセスをたどることが多いです。

お分かりになりますか?新規事業案を企画するだけでたくさんのプロセスが必要であることを。
ということは、このGDの時間内では「絶対成功しそうな新規事業企画案」をまとめるのはまず無理で、ユーザーヒアリングをして事業案の仮説を検証することすらも無理そうだ、と分かるでしょう。

よって、今回のGDでは上記のプロセスの中で、「目標設定」から「仮説立案」について話し合うことになり、「良さそうな事業案の仮説を出す」というアウトプットを”時間内でできる範囲で”出すことが求められている、と考えるのが、妥当なゴールです。
そして、「良さそうな」というからには何かしら「良さそうな根拠」があるということです。この良さそうな根拠を議論を通じて具体的に用意することが、今回のGDの検討で求められていることです。

①新規事業の目標を設定する

さあ、GDを開始しましょう。GDでは、まず最初に新規事業で実現したい目標(ゴール)を設定しておくべきです。なぜなら、設定した目標によって、その後の議論で出た事業アイディアが価値がある/価値がないの基準が決まるからです。

例えば、目標を「5年後に売上100億円に到達する新規事業」と決めたとしましょう。このように決めた瞬間に、仮に今ここに成功確率は限りなく高いがニッチなビジネスなので売上が2,3億円までしか見込めない事業案があったとしても、それは無価値になります。

実際の新規事業企画プロジェクトでも、目標を満たしてない事業案はどんなに成功可能性が高く斬新な事業案でも、最終的に見送りになります。なぜなら、新規事業はあくまで目標達成の手段であり、解くべき目標(≒イシュー)を捉えていない事業案は、無価値に等しいからです。

さて、どのような目標が良いかというと、実はどのような目標に設定したか自体は正解はないので、あまり問われていません。
「目標を設定するという作業をしていたか否か」自体がここでは重要になります。

例えば以下の項目について、下記のレベルで決めておくとよいでしょう

ちなみに上記では「売上を上げる」という大目標を自明として目標を設定しましたが、目標は売上以外にも「顧客を増やす」「ブランドを価値を高める」「利益を増やす」「社会貢献になる」など、色々な目標設定が可能です。これには正解はないので各チームで設定ください。

とはいえ、「ブランド価値を高める」のような定量的に測りにくい定性的な目標になると、その後の議論がふわっとしたものにとてもなりやすいです。一方で、売上を●年後までに●円上げるなどの定量的に測れる目標を設定すると議論しやすくなります。よって、筆者としては定量的に測れる目標を設定することを推奨します。

ちなみに、以上の作業で設定した目標は後々とても役立ちます。なぜなら、GDで検討した際に意見が分かれる時や、GDの最後に事業案の優先順位をつける時に、議論の収束点になってくれるからです。

②検討プロセスを設定する

次に行うべきことは「検討プロセス」を設定することです。

前提として、GDは時間が限られています。ということは、重要ではない論点を無駄に議論をしている時間はありません。
そのような背景から、「議論の拡散を防ぐ」「有効な事業案を短時間で生み出す」という2つの目的で、「検討プロセス」を、各プロセスの所要時間と共に、最初の2分間で設定しておくことが強く推奨されます。

結論から言うと、

今回のケースで最も汎用的で使いやすい検討プロセスは「3C」です。
そして「3C」を今回のケースの場合では、「自社」→「顧客」→「競合」の順番で検討することがベターです。

以上の検討プロセスをチームで設定してから具体的な議論に入るのが、今回のGDではとても有効です。

以上3Cを全て満たす事業が「成功しやすい」「勝ちやすい」と言われています。
実際の新規事業の検討プロジェクトでも良く使われるフレームワークですので、今回のケースでも使用するとよいでしょう。

では、この3Cのフレームワークにおいて、今回はなぜ自社についてから議論するとベターなのでしょうか?

2分ほど考えてみてから先に進んでみてください

まとまりましたでしょうか?

理由は、今回の場合では、3Cの3つの観点を比較すると「自社」から検討したほうが、議論がとても収束しやすいからです(あくまで今回のケースの場合です)

「顧客」は世の中に無限に存在します。
「競合」は「顧客」が決まらないと決まりません。
「自社」はどうでしょうか。「自社」は、人により解釈は若干違えどあまり変わらないですよね。

だから、今回は「自社」から検討していくとよいでしょう。

※補足※
ちなみに、他の「C」から検討したほうが良いケースもあります。例でいうと、セブンイレブンの場合は「競合」から考えたほうがいい時もあります。「競合」が明確だからです。
とはいえ、「競合」もセブンイレブンの事業をどう捉えるかによって競合が変化しやすいので、扱いは気を付けてください。
(例:別ブランドのコンビニ、スーパー、ドラッグストア、Amazonなどが思いつきやすいセブンイレブンの競合になりますが、最近のコンビニはクリーニング、決済の収納代行、宅配etcと行っており、その競合は今回検討する”新規事業”により様々あります。)

それではここからは、いよいよ3Cの検討に入っていきましょう!

③「自社の既存顧客×既存商材」を洗い出す

自社が優位に戦えそうな新規事業領域を検討するにあたっては、「アンゾフのマトリクス」と言われる、以下のような「顧客×商材のマトリクス」に沿って検討することが有効です。

自社が優位に戦えそう、というのは端的に言うと「自社の保有リソースや強みが活きそう」ということです。そして、この保有リソースや強みの代表例になるのが「既存顧客」「既存商材」の2つです。
「既存顧客」の活用例でいうと、例えばTSUTAYAでいうと、DVD・音楽・本・ゲームのレンタルや販売をフックに来店客は各地域ごとに既に多くいるわけです。彼らに対して別の商材を売るチャンスは多くある、と言えるでしょう。

「既存商材」の活用例でいうと、例えばTSUTAYAはDVD・音楽・本・ゲームのレンタルや販売を若者やファミリー世代を中心に国内の実店舗で多くしています。この商材を顧客を広げて、シニア世代向けにマイナーチェンジしたり、同ビジネスモデルがハマりそうでまだレンタルという概念がまだ弱い海外に提供する、ということも検討アイディアに出てくるかもしれません(あくまで例です。シニアや海外進出などはTSUTAYA内で既に検討済でしょう。)

以上はあくまで考え方の一例ですが、このようにまず自社の「既存顧客」と「既存商材」を整理することで、結果的に新しいアイディアを生み出しやすくなります。

というわけで、5分はかってTSUTAYAの「既存顧客」と「既存商材」をマトリクスに洗い出してみましょう。

私の整理例ですが、以下のようになりました。特にこれも正解はありません。実際には、ここに挙げている以外にも既存商材・既存顧客はいくつか挙がるでしょう。

※黄色の部分が既存事業
※この後のワークがしやすいように、私なりのアレンジが入ってます。実際のコンサルティングプロジェクトだと、このようなSheetを作り顧客とディスカッションします。

知らない既存事業もあるかと思うので少し補足しておきます。

TSUTAYA、すなわちカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は「Tカード/Tポイント」を軸とした、様々な既存事業を行っています。
例えば、店舗向けCRMシステムの販売事業、レシート広告事業、Platform ID事業(注:企業がオンライン広告を出稿する際に、Tカード会員の購買データと紐づけて広告のレスポンスが良いと推察されるターゲット顧客を抽出できるサービス)、そしてTポイントを稼ぎたいユーザーの心理を利用したオンラインサイトでのポイントアフィリエイト事業などを15年前から次々に立ち上げています。これらの事業もTSUTAYAのカード会員データを活用して15年前から生まれた「新規事業」、というわけですね。

また、最近はテレビや新聞で、国の図書館を委託運営したり、家電を販売しているTSUTAYAを展開しているという話題を見かけた方も多いのではないでしょうか?
良く考えると、このあたりもTSUTAYAがここ2,3年で取り組み始めた「既存商材」か「既存顧客」を活用した新規事業であることが分かります。

④マトリクスをもとに「自社が優位に戦えそうな新規事業」のアイディアを出す

さて、このように整理してみたのですが、図をもう一度よく見てください。「既存顧客」×「既存商材」のマトリクス内で文字が埋まっていない領域がありますよね?

こちらの図において、「青で囲われた部分」こそが、「良さそうな新規事業案の仮説」が最も生まれやすい領域の一つです。
例えば既存事業の派生事業なら、すぐに色々なアイディアが出ますよね。

蔦屋家電がアリなら、蔦屋ニトリや蔦屋ユニクロもアリなんじゃないかとか。

新品の様々な商材の販売をやっているなら、「中古販売」ももっと積極的にやればいいんじゃないか、だったらブックオフやGEOなどを買収するか自前で参入してしまえばいいんじゃないかとか(ただメルカリのようなCtoCプラットフォーム全盛の時代に中古品の実店舗販売事業への参入はとてもリスクがありそうですが・・・。)

というように、この「顧客×商材のマトリクス」を作成することで、様々な「良さそうな事業案」のアイディアが生まれやすくなるのです
下ごしらえができたところで、次回、後編のコラムで「顧客×商材のマトリクス」からチームで良さそうな事業アイディアを出していきましょう。

次回予告


今回の記事はここまでとさせていただき、次回は「Company」の後半の作業であるアイディア出しの部分から書いていきたいと思います。
アイディアの出し方にもコツがいくつかあります。今回は2つご紹介しましょう。

1つ目は、競合事例や他業界の事例を転用するという発想法
2つ目は、「ド新規」は狙わず、「マイナーチェンジ」を狙うという発想法

この2つです。
次回もよろしくお願いします。

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