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PEファンドに必要な「熱意」をはき違えるな。業界出身者だからわかる、外資系金融業界の実態とは(3)

※こちらの記事は、弊社が運営する若手プロフェッショナル向けキャリアアップ支援サービス「Liiga(リーガ)」からの転載となっております。

はじめに

今回は金融業界での経験・人脈を生かして人材紹介を行っているエグゼリンク株式会社代表・李淳一氏へのインタビュー、第3弾です。

第2回では、日系証券会社の動向や、それを踏まえた金融業界でのキャリアの積み方について、日系企業と外資系企業を比較した上でお伝えしました。

その続きとなる第3回では、金融業界への太いパイプと知見を持つ李氏が、PEファンド業界の動向とPEファンド未経験者・若手の採用ルートについて話してくださっています。

ぜひご覧下さい。

第1回「外資系投資銀行のリアル」
第2回「外資系投資銀行が必ずしもキャリアの最適解ではない」

PEファンドの拡大

―李さんはIBDへの転職を中心にサポートされていると伺いました。

そうですね。他にはPEファンドへの転職もサポートするようになりました。投資銀行業界で人材紹介に携わった結果、候補者の中でバイサイドを志望する方が多くなったのです。それで私も様々なルートでPEをはじめいろいろなファンドの人脈を広げ、日系ファンド、外資系ファンドを問わず幅広くご紹介できるようになりました。

―隣接領域としてPEファンドも扱うようになったということですね。PEファンドの採用市場はどうなっているのでしょうか。

これもちょうど2014年頃から急激に求人が増え始めており、今でも増加傾向にあります。外資系大手ファンドでもある程度増加傾向にあるのですが、特に日系の大手・中規模ファンドが採用枠を拡大させているのです。

これは恐らく、海外からの資金に加え日本でも資金がPEファンドに相当回っているためでしょう。海外投資家からの資金流入だけでなく、日本の機関投資家が投資先を増やし、新しくPEに着手または投資枠を増やしているという構図もあると思います。

資金の流入によって、近年は新規ファンドを立ち上げる動きが目立ちます。例えば10人で運営していたPEファンドが、今までの倍額の規模の第2号、第3号のファンドを創設するという動きです。

そうしますと人材が単純に考えると2倍必要になりますから、MDやディレクターからアソシエイトに至るまで採用する必要があります。このようなファンドの拡大が採用の増加を招いていると思われます。

―ファンドの拡大も、株価上昇によるものでしょうか。

株価の動きによる影響も大きいと思います。株価がこれだけ上がっていることで、従来投資していた案件もバリュエーションが上がりかなりの利益が出るため、非常にExitしやすい状態なのです。そしてこのExitされた案件がまた別のファンドに買われ、買ったファンドは現行ファンドの消化が進むために次のファンドレイズに移れるという好循環になっています。もちろんこれは永遠に続くものではありませんが。

PEファンドの投資にはリスクがついて回りますから、今後もこの好況が続く保証はありません。しかし、PEファンドの場合、毎年2%程度のマネジメントフィー(運営手数料)という安定収入があり、これが10年間のファンド期限まで続きます。そして当然ながらファンドのサイズが大きくなればなるほど手数料額は大きくなりますので、当面は業界として比較的安定性があると言えます。

PEファンドに必要な「熱意」とは

―なるほど。PEファンドの転職市場は、転職者にとって良好な状態にあると言えますね。

採用枠自体は増えています。しかし、この業界は専門性が高いため、ほとんど経験者しか採用しません。そのため採用枠の拡大で中途入社の機会は増えたものの、未経験者にとって引き続き狭き門となっています。

―未経験者が採用されるとしたら、それはどういった場合なのでしょうか。

私が支援させて頂いた中で3人程、未経験者ながらPEファンドに採用された事例があります。1人は商社マンで、投資部門にいたものの、PEの経験は皆無でした。しかも社会人2年目と非常に若く、今まで採用してきた中で最年少だったと聞いています。

残り2人は両名とも社会人3年目で、日系大手PEファンドに転職しました。前職は、1人が外資系アセットマネジメント会社で、1人が総合コンサルタントでした。

この3人に共通するのは、PEファンドへの「熱意」が非常に高いということです。そしてこの熱意を説明できるしっかりとした「動機」がありました。なぜPEファンドでなければならないのか、ということですね。これが説明できなければPEファンドに採用される可能性はあまり高くないと思います。

また、未経験者である以上若手の候補者は「御社でPEについて学ばせてください」と言わざるをえません。しかし「学びたい」にも関わらず、「年収は最低〇〇以上」と言う候補者がいます。このような候補者は、勉強させてもらいたいとお願いしている割には授業料を払うどころかいくら以上という希望を出している時点で、熱意が疑われると思います。

―熱意さえあれば、中途入社する機会があるのでしょうか。

いいえ、厳密には違います。「熱意がなければ機会はない」のです。大抵の場合は、熱意があっても相手にされません。何社もトライしてみて、その中でもし前向きな反応のMDやパートナーがいれば、その人を足掛かりに攻略する道が開けます。未経験の候補者にとって、PEファンドへの転職は針の穴に糸を通すようなものです。

―なるほど。「あのファンドがいい」などと選り好みできる状況ではないのですね。その機会を生むための前提条件である「熱意」とは、どのようなものでしょうか。

PE業界のことに加えて、特に志望先のことをどこまで知っているかですね。どんな手段をとってでも調べぬいて、「御社のこの案件のこの点は、私でしたらこういう風に致します」という具体的な提案ができるレベルの準備をして臨むべきです。

実際、私が紹介に成功した3人は皆そういう方で、私が何も言わなくても勝手に自分で志望先のことを調べてきていました。まさに3人ともPEが好きで好きでたまらないという感じでした。 これだけ熱意のある方は、こちらも応援しがいがあります。

―「熱意」以外に求められるのはなんでしょうか。

やはりベーシックスキルです。PEファンドで未経験の人を雇う場合、それは人材不足が深刻だからです。つまり雇った当日からでも仕事をこなせる人を求めています。では20代の若手にさせる仕事では何があるかというと、財務分析やバリュエーションなどの財務系の仕事が中心になります。

PEファンドの仕事は大きく分けると①案件ソーシング、②買収に至る前段階での調査・分析とM&Aエクセキューション、③買収後のバリューアップとモニタリング、④Exitに分かれますが、すべての仕事で財務系スキルが求められます。

何をやるにもまずは対象企業の財務分析から始めますし、バリューアップにおいても最初は財務面でのバリューアップから始めます。そのため若手採用では、まずは財務のスキルが備わっている人を採用するケースが多いです。

若手コンサルタントがPEファンドに入るには

―財務系スキルが要求されるということですね。一方でPEファンドにはコンサルタント経験者も多く採用されていると聞きます。

コンサルティング出身の方がPEファンドに進むケースも多いと思います。感覚的にはPE従事者の経歴としては、投資銀行や会計士、FASなどの財務系が全体の40%くらい、コンサルティング出身の方が40%くらい、事業会社の経営企画や財務、事業企画、その他が20%くらいをイメージしています。

若手の未経験者に限って言いますと、やはり会計士やFAS、投資銀行など財務系バックグラウンドの方の採用がより多いように思います。

コンサルティング出身者がPEファンドに転職した場合、入社後には経営戦略や効率化といった得意領域の業務以外にも、投資銀行や会計士出身の方々と一緒に財務分析、バリュエーション、エクセキューションの業務をすることでスキルを身につけていきます(もちんその逆もまた真なりですが)。

ですので、コンサルティングの方でもこのような財務系業務に全くついていけないという人は厳しいかもしれません。経営のためのコミュニケーション力や論理的思考能力もあり、前職では経営陣に加わって実績を残したような経験がある人で、多少なりとも財務分析の素養を持っている人が採用されるケースが多いようです。

―コンサルタントの経験が浅い若手にとって、PEファンドへの転職は難しい、と。

社会人2年目、3年目のコンサルタントがPEファンドに絶対転職できないわけではありません。選り好みしなければ採用枠に引っかかる可能性はあります。しかし未経験者の若手ということで可能性が限られており、先ほど申し上げたように「熱意」が要求されます。

PEファンドに至る道のり

―なるほど。未経験者を採用する場合、財務系スキルが特に見られているということですね。

はい。もう一点見られている条件が転職の経歴です。PEファンドは実はとても職人気質的な業界でして、採用も「親方のところに弟子入りに行く」というイメージです。その会社に一度入ったら、2、3年どころか10年、場合によっては一生そこにお仕えするぐらいの気持ちが必要です。

そのため、長期的に勤務する意志のある人しか雇いません。例えば社会人5年目で既に2回転職していたような場合、PEファンドが採用する可能性は非常に低いと思います。

最近、私が扱った事例ですと、 30歳前後の方で今回転職が4回目という方がいました。しかも2社目、3社目の在籍期間はともに1年に満たない10ヶ月でした。この経歴では難しいとお伝えしましたが、その候補者の強い希望もあり、10社以上のPEファンドをご紹介しましたがどのPEファンドからも、「在籍期間が短すぎる」という理由で見送りとなりました。

―PEファンドに入るために適しているのは投資銀行だと先程伺いました。しかし、そもそも投資銀行に入るのも難しいという話をその前にしてくださったと思います。結局、若手の方々がPEファンドに入るにはどうすればいいのでしょうか。

PEファンドにどうしても行きたいのであれば、ステップを踏むべきでしょう。まず必要なのは財務系スキルであって、まずは投資銀行やFAS、M&Aアドバイザリー会社、監査法人などでそのスキルを身に付けることです。更に転職の前に、公認会計士や税理士の資格があるといいでしょう。その方が圧倒的に有利です。あとは無闇な転職はしないことです。 我々の商売からするとどんどんしてくださった方がいいのですが(笑)。

―最後にPEファンドや投資銀行を志望している若手のみなさんに、一言お願いします。

私は候補者と企業を単にマッチングさせるのではなく、これまでの知見を活用して、業界の様々な情報を共有し解説することで1人1人の候補者の理解をより深め支えていきたいと思っています。

先程ご説明した業界の構造的な話のみでなく、その企業の環境や社風の説明もすることで、その人の目的に合った転職先をアドバイスしていく用意があります。

例えば「あの外資系投資銀行はどのような場所でどのようなカルチャーなのか」、「中で働いている人たちはどのような人たちなのか」、「若手の一週間の過ごし方はどのようなものか」、このような具体的な部分まで詳しく知りたいということであれば、是非私にご連絡ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

前編、中編、後編にわたり、外資系投資銀行の情勢やPEファンドへの若手の入り方など、金融業界の採用状況について語って頂きました。

25年という長い経験に裏打ちされた李氏の洞察は、多くの方にとって印象深いものだったのではないでしょうか。

外資系投資銀行やPEファンドなど、金融業界に興味をもっている方々のご参考になればと思います。

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