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こんにちは。五大商社、大手デベロッパー(三菱地所・三井不動産)、大手広告代理店(電通・博報堂)から内定を獲得した慶應生です。
就活を振り返ってみて、一番よく聞かれた質問の一つが「実際、その会社で働くって、どういう1日なんですか?」というものでした。説明会やインターンでは華やかな話が多く、OB訪問でもなかなか具体的な1日の流れまでは聞けません。私自身、内定をもらった後も「本当に自分がこの環境でやっていけるのか」と不安になったことが何度もありました。
そこで今回から、商社・デベ・広告それぞれの業界で、1年目・5年目・10年目以降の社員が実際にどんな1日を過ごしているのかを、できるだけ解像度高く再現するシリーズを始めます。OB訪問で聞いた話、インターンで見た光景、そして徹底的にリサーチした情報を元に、平日と休日の両方を描きます。
第1回は、大手広告代理店1年目の火曜日です。前編では朝から夕方までを追います。
▶ 第1回:広告代理店1年目・前編 ─ 朝8:30〜夕方17:00(この記事)
第2回:広告代理店1年目・後編 ─ 夕方17:00〜深夜0:30+土曜日
第3回:広告代理店5年目・前編 ─ 朝9:00〜夕方18:00
第4回:広告代理店5年目・後編 ─ 夕方18:00〜夜21:00+日曜日
第5回:広告代理店10年目以降・前編 ─ 朝9:30〜夕方18:00
広告代理店1年目のリアル
OB訪問で話を聞いた先輩の中で、一番印象に残ったのが大手広告代理店に入社して1年目を終えたばかりの佐藤さん(仮名)でした。私が「1日の流れを教えてください」と聞くと、彼は少し苦笑いしながら「火曜日で良ければ」と前置きして、スマホのカレンダーを見せてくれました。
そこには8時半から深夜0時半まで、びっしりと予定が詰まっていました。「これが普通の日です」と彼は言いました。私は正直、驚きました。インターンで何度か広告代理店の現場を見ていましたが、1年目の若手がここまで詰まった1日を送っているとは思っていなかったからです。
8:30〜9:00 出社・メールチェック
佐藤さんは朝8時半にオフィスに着きます。同期の中では早い方だそうです。まず最初にやるのはメールとSlackの確認です。前日の夜中にクライアントから来た修正依頼や、上司からの指示、社内の他部署からの問い合わせなど、未読が平均20〜30件溜まっています。
「まずは緊急度の高いものだけ返信します。全部に返していると9時の朝会に間に合わないので」と彼は言いました。優先順位をつけるのが1年目の最初の壁だったそうです。クライアントからの問い合わせは即レス、社内の雑務系は後回し、上司からの指示は内容を読んで判断する。この3つのルールを決めてから、朝の処理速度が上がったと話していました。
9:00〜9:30 朝会・タスク共有
9時になると営業チームの朝会が始まります。佐藤さんのチームは営業3名、営業アシスタント2名の計5名です。朝会では各自が今日のタスクと進捗を共有します。佐藤さんの火曜日のタスクは以下の通りでした。
- クライアントA社向け提案資料の修正(午前中に完成させる)
- クライアントB社との打ち合わせ同行(14時〜)
- クライアントC社の広告出稿レポート作成(週末締め切り)
- 新規案件D社のリサーチ(来週のプレゼンに向けて)
「タスクが4つ以上ある日は、必ずどれかが後ろに回ります」と佐藤さんは言いました。朝会では「今日は何を優先するか」を上司と握り、残りは明日以降に回す判断をするそうです。この日は提案資料の修正とB社への同行が最優先でした。
9:30〜12:00 提案資料の修正作業
朝会が終わると、すぐに資料作成に入ります。クライアントA社は食品メーカーで、新商品のプロモーション提案を出したところ、「もっと若年層に刺さる切り口にしてほしい」というフィードバックが前日の夕方に届いていました。
佐藤さんがやるのは、競合他社のSNS施策をリサーチし直して、提案内容を差し替えることです。PowerPointを開き、既存のスライド3枚を作り直します。具体的には、ターゲット設定のスライド、施策の全体像、予算配分の3枚です。
「リサーチに1時間、スライド作成に1時間、上司への確認依頼を入れて30分の余白を見ます」と彼は説明してくれました。実際には、リサーチ中に上司から別件で呼ばれたり、Slackで質問が飛んできたりして、予定通りには進みません。それでも12時までには上司に一次提出を終えることを目標にしているそうです。
この日は11時50分に上司へ提出しました。上司は昼休みの間に確認して、13時にフィードバックをくれる約束でした。
12:00〜13:00 昼食(先輩と社食)
昼休みは基本的に1時間ありますが、「完全に休める日は週に1回あるかないか」だそうです。この日は先輩と社食に行きました。食事をしながら、午後のクライアント訪問の流れを確認します。
「誰が何を話すか、質問が来たら誰が答えるか、資料のどのページを重点的に見せるか、全部先輩と詰めます」と佐藤さん。1年目は基本的に同行して議事録を取る役割ですが、クライアントから細かい数字を聞かれたときに即答できるように、事前に頭に入れておく必要があるそうです。
先輩との会話の中で印象的だったのは、「クライアントの質問を予測する」練習をしたことでした。先輩は「今回の提案で、クライアントが一番気にするのはどこだと思う?」と聞いてきました。佐藤さんは「予算が想定より高いので、費用対効果を聞かれると思います」と答えました。先輩は「そうだね。じゃあ、過去の類似案件でどれくらいのROIが出たか、データを準備しておこう」とアドバイスをくれました。
13:00〜13:30 上司からのフィードバック対応
昼食から戻ると、上司からフィードバックが届いていました。「ターゲット設定のスライドは良いけど、施策の全体像がまだ弱い。もう1パターン作ってください」という指示でした。
佐藤さんは急いで別案を作ります。30分で仕上げて再提出しました。上司からOKが出たのは13時25分でした。「ギリギリです。14時の訪問に間に合って良かった」と彼は言いました。
13:30〜14:00 移動準備・クライアント先へ移動
14時のアポイントに向けて、13時半にオフィスを出ます。クライアントB社はオフィスから電車で20分の場所にあります。移動中、佐藤さんは先輩と最終確認をします。提案の流れ、想定質問、トラブル時の対応などを口頭で詰めていきます。
「移動時間も仕事の一部です。電車の中でボーッとしている余裕はありません」と彼は笑いながら話していました。
14:00〜16:00 クライアントB社との打ち合わせ同行
クライアントB社は化粧品メーカーで、今回は春の新商品キャンペーンの進捗報告と追加施策の提案でした。先輩が主導し、佐藤さんは横で議事録を取ります。
打ち合わせ中、クライアントから「SNS広告のクリック率が想定より低いのはなぜか」という質問が出ました。先輩が答える前に、佐藤さんはすぐに手元の資料を確認し、クリエイティブのパターン別データを先輩に渡しました。先輩はそれを見ながら説明し、クライアントは納得した様子でした。
「こういう瞬間に、準備してきた意味があったと感じます」と佐藤さんは言いました。打ち合わせは16時に終了し、クライアントと軽く雑談してからオフィスに戻ります。
16:00〜17:00 移動・議事録作成
オフィスに戻る電車の中で、佐藤さんは議事録を作り始めます。スマホのメモアプリに打ち合わせの内容を箇条書きでまとめ、オフィスに着いたらすぐにPCで清書する段取りです。
「議事録は当日中に出すのがルールです。翌日になると記憶が曖昧になるし、クライアントへの共有も遅れるので」と彼は説明してくれました。
17時にオフィスに到着し、すぐに議事録を清書してチーム内で共有しました。
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