【商社・デベ・広告の"一日" 第3回】広告代理店5年目・前編 ─ 朝9:00から夕方18:00、営業担当の水曜日

【商社・デベ・広告の"一日" 第3回】広告代理店5年目・前編 ─ 朝9:00から夕方18:00、営業担当の水曜日

2026/03/09

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こんにちは。五大商社、大手デベロッパー(三菱地所・三井不動産)、大手広告代理店(電通・博報堂)から内定を獲得した慶應生です。

前回・前々回では広告代理店1年目の火曜日を追いました。資料作成、クライアント同行、議事録作成と、上司の指示を受けながらタスクをこなす1日でした。今回は5年目に進みます。

5年目になると、裁量労働制に移行し、自分で案件を回し、後輩を指導する立場になります。1年目とは全く違う1日がどんなものなのか、OB訪問で聞いた話とリサーチを元に再現します。

広告代理店5年目のリアル

OB訪問で話を聞いた先輩の中で、5年目の田中さん(仮名)は特に印象的でした。彼は大手広告代理店で営業を担当しており、入社5年目で裁量労働制に移行したばかりでした。「1年目の頃とは全然違います。今は自分で案件を回して、後輩を見る立場です」と彼は言いました。

田中さんの水曜日のスケジュールを見せてもらうと、1年目とは明らかに違いました。クライアントとの打ち合わせが3件、後輩との1on1が1件、社内の戦略会議が1件。資料作成の時間はほとんどなく、会議と打ち合わせが中心の1日でした。

9:00〜9:30 出社・メールチェック・優先順位の確認

田中さんは朝9時にオフィスに着きます。1年目の頃は8時半出社でしたが、5年目になってから9時出社に変えたそうです。「裁量労働制になってから、自分で勤務時間を調整できるようになりました。朝は9時、夜は21時を目安にしています」と彼は言いました。

まず最初にやるのはメールチェックです。1年目の頃は未読が20〜30件溜まっていましたが、5年目になると未読は10件前後に減ったそうです。「クライアントからの問い合わせは、できるだけ前日のうちに返すようにしています。朝に持ち越さないことで、午前中の時間を有効に使えます」と田中さんは言いました。

メールチェックの後は、今日の優先順位を確認します。Googleカレンダーを見ながら、今日やるべきことを3つに絞ります。田中さんの水曜日の優先順位は以下の通りでした。

  1. クライアントA社との打ち合わせ(10時〜)
  2. 後輩との1on1(15時〜)
  3. クライアントB社への提案準備(夕方以降)

「5年目になると、タスクが10個あっても全部やろうとしなくなります。今日やるべきことを3つに絞って、残りは明日以降に回す判断をします」と彼は言いました。

9:30〜10:00 後輩の資料チェック・フィードバック

9時半になると、後輩からSlackで資料が送られてきました。クライアントC社向けの提案資料です。田中さんはすぐに資料を開き、内容をチェックします。

「後輩の資料は、まず構成を見ます。論点が整理されているか、結論が明確か、データの根拠があるか。この3つをチェックして、問題があればフィードバックします」と田中さんは言いました。

この日の資料は、構成は良かったものの、データの根拠が弱いと感じました。田中さんはSlackで「構成は良いです。ただ、スライド3枚目のデータ、競合との比較があるともっと説得力が増すと思います。時間があれば追加してください」とフィードバックを送りました。

「1年目の頃は、上司から細かく指摘されていましたが、5年目になると自分が指摘する側になります。ただ、全部を直させるのではなく、優先順位をつけてフィードバックすることを意識しています」と彼は言いました。

10:00〜12:00 クライアントA社との打ち合わせ(オンライン)

10時になると、クライアントA社との打ち合わせが始まります。A社は食品メーカーで、今回は新商品のプロモーション戦略を詰める会議です。田中さんは単独で参加します。

「1年目の頃は上司に同行してもらっていましたが、5年目になると単独でクライアントと打ち合わせをすることが増えます。クライアントの窓口として、予算交渉から施策の提案まで、全部自分で回します」と田中さんは言いました。

打ち合わせでは、クライアントから「予算を当初の予定より20%削減したい」という要望が出ました。田中さんはすぐに頭の中で施策の優先順位を整理し、「SNS広告の配信期間を2週間短縮すれば、予算を15%削減できます。残り5%はクリエイティブ制作の工数を削減する形で調整します」と提案しました。

クライアントは「それで進めてください」と即決しました。打ち合わせは12時に終了しました。

「5年目になると、クライアントからの無理な要望にも対応する力が求められます。予算が減っても、施策の質を落とさずに調整する提案力が必要です」と田中さんは振り返っていました。

12:00〜13:00 昼食(同期と外食)

昼休みは、同期と外食に行きました。「1年目の頃は先輩と社食に行くことが多かったですが、5年目になると同期と外で食べることが増えます。オフィスを出ることで、少しリフレッシュできます」と田中さんは言いました。

同期との会話では、仕事の愚痴よりもキャリアの話が多いそうです。「このまま営業を続けるか、マーケティングに転向するか、そういう話をよくします。5年目になると、次のキャリアを考える時期になります」と彼は言いました。

13:00〜14:30 社内の戦略会議・案件の進捗共有

13時からは、社内の戦略会議が始まります。営業チーム全体で、今月の案件進捗と来月の目標を共有する会議です。田中さんは自分が担当する案件の進捗を報告しました。

「5年目になると、会議でのプレゼンが増えます。上司だけでなく、他部署のメンバーにも説明する機会が増えるので、論点を整理して短く話す力が求められます」と田中さんは言いました。

会議の後半では、来月の新規案件について議論しました。田中さんは「クライアントD社の案件を取りに行きたい」と提案しました。上司から「予算規模はどれくらいか」「競合はどこか」と質問が飛んできましたが、田中さんは事前に調べていたデータを元に答えました。

「5年目になると、自分から案件を取りに行く提案をすることが増えます。待っているだけでは案件は回ってこないので、積極的に動くことが求められます」と彼は言いました。

14:30〜15:00 移動・次の打ち合わせの準備

14時半に会議が終わり、15時からの後輩との1on1に向けて準備をします。田中さんは後輩の担当案件の進捗を確認し、どんな質問をするかを整理しました。

「後輩との1on1は、単なる進捗確認ではなく、困っていることや悩んでいることを引き出す時間にしています。5年目になると、後輩の成長をサポートする役割も求められます」と田中さんは言いました。

15:00〜16:00 後輩との1on1

15時になると、後輩の佐藤さん(仮名・入社2年目)との1on1が始まります。田中さんはまず「今週の調子はどう?」と聞きました。佐藤さんは「クライアントE社の案件で、提案が通らなくて困っています」と答えました。

田中さんは「提案のどこが弱かったと思う?」と質問しました。佐藤さんは「データは揃えたつもりですが、クライアントの反応が薄かったです」と答えました。田中さんは「データは揃っていても、クライアントが何を一番気にしているかを掴めていないと、提案は刺さりません。次はクライアントの課題を3つに絞って、それに対する解決策を提示する形で組み立ててみてください」とアドバイスしました。

「1on1では、答えを教えるのではなく、自分で考えさせることを意識しています。5年目になると、後輩を育てる力も評価の対象になります」と田中さんは言いました。

16:00〜18:00 クライアントB社への提案準備・戦略立案

16時からは、クライアントB社への提案準備に取り掛かります。B社は化粧品メーカーで、来週のプレゼンに向けて戦略を立案する必要がありました。

田中さんがやるのは、提案の骨格を作ることです。1年目の頃は資料作成が中心でしたが、5年目になると「何を提案するか」を決める戦略立案が中心になります。

「戦略立案では、まずクライアントの課題を3つに絞ります。次に、それぞれの課題に対する解決策を考えます。最後に、予算とスケジュールに落とし込みます」と田中さんは説明してくれました。

この日は18時までに提案の骨格を作り、後輩に資料作成を依頼する形で進めました。「5年目になると、自分で全部やるのではなく、後輩に任せることが増えます。任せ方を間違えると後輩が潰れるので、難易度と期限を調整して依頼することが大事です」と彼は言いました。

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