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こんにちは。商社、デベロッパー、広告業界から内定を獲得した慶應生の者です。
シリーズ第3回は「デベロッパー」業界を深掘りします。世界を舞台に獲物を探す「狩猟民族」のような商社とは対照的に、一つの土地に根を張り、長い年月をかけて価値を育む「農耕民族」とも言えるデベロッパー。業界を牽引する 三井不動産 や 三菱地所 はもちろん、渋谷の 東急不動産 、六本木・虎ノ門の 森ビル など、各社が独自の思想を持って街づくりに取り組んでいます。その壮大な仕事のリアルと、求められる資質について解説します。
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【商社・デベ・広告】全体像と魅力の比較② 総合商社編「壮大な夢と、そろばん勘定の両立」
【商社・デベ・広告】全体像と魅力の比較③デベロッパー編 「地図に残る仕事」の誠実さと執念
【商社・デベ・広告】全体像と魅力の比較④広告代理店編 ビジネスとしてのクリエイティビティ
デベロッパーの仕事:「人の想い」を紡ぐ、超長期のプロジェクト
デベロッパーの仕事の核心は、様々な「人」の想いを一つに束ね、未来の街を創造することにあります。そのプロセスは、私たちが想像する以上に人間臭く、そして途方もない時間を要します。
用地取得のリアル:「事業の9割は、ここで決まる」と言われる最重要フェーズ
「用地取得」と聞くと、法務や金融の知識を駆使したドライな交渉をイメージするかもしれません。しかし、私が複数の社員の方から伺った現実は、全く異なりました。
ある若手社員は、都心の一等地にある古い木造家屋が密集するエリアの再開発を担当していました。そこには、何十年も商売を続けてきた店主、先祖代々の土地を守る高齢の夫婦、子育ての真っ最中の若い家族など、数十もの世帯が暮らしています。彼の最初の仕事は、企画書を持っていくことではありませんでした。まず、担当エリアの地図を片手に、一軒一軒の表札と名前を覚える。そして、毎日そのエリアに通い詰め、住民の方々と挨拶を交わし、顔を覚えてもらう。地域のお祭りに参加して、一緒に汗を流す。そうして、少しずつ「デベロッパーの〇〇さん」から、単なる「〇〇さん」として認識されるようになる。
「半年経って、ようやくあるお婆さんの家に上がって、お茶をご馳走になったんだ。その時、初めて土地の話をしたんじゃない。お婆さんの若い頃の話や、この街の思い出を、3時間ずっと聞いていた。僕らの仕事は、その人の人生を背負う覚悟を持つことから始まるんだよ」。この話に、私はデベロッパーという仕事の、とてつもない責任の重さと尊さを感じました。
開発企画のリアル:「理想と現実の板挟みになる調整役」
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