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以下は26卒で三井物産のインターンで優勝し、そのまま内定をいただいた私が、一緒に就職活動を進めていた友人と一緒に作り上げた、三井物産インターンシップ対策（新規事業案）です。本番同様、１テーマにつき3日間の準備期間を儲け、練り上げたものです。三井物産のインターンシップは「お題ガチャ」と呼ばれるぐらいに、自身に割り当てられる事業部のビジネスの難易度がそのままインターンの難易度に反映されます。そのようなお題ガチャを限りなく排除するために過去のインターンシップで出題された問題及び想定問題に対し、全ての事業部を網羅する形で用意しました（資源、エネルギー系のみ）。三菱商事のケース面接とはちがい、三井物産はインターンなのでリサーチが可能です。徹底的な構造化と論点と仮説設計、及びリサーチによる検証力に差が出ます。
模範解答に使うでもよし、事業部のビジネスをさらに深く知るのでもよし、自由に読んでください。
他シリーズはこちら
三井物産インターン過去問対策〜鉄鉱石事業編Part B〜:事業基盤・技術編 - 統合力と実現可能性
三井物産インターン過去問対策〜鉄鉱石事業編Part C〜: オペレーション・財務・産地完結型モデルと確実な収益設計
三井物産インターン過去問対策〜鉄鉱石事業編PartD〜：価値創造・収益世界最大級カーボンプールと多層マネタイズ戦略
三井物産インターン過去問対策〜鉄鉱石事業編PartE〜：リスク管理・多層防御システムで確実な価値保護を実現
第0章：事業スキーム概要
MITSUI Green Iron Nexus：低品位鉱を「グリーン高品位化」→再エネ×水素DRI/HBI化→カーボン属性証書化→需要家プール販売→副産物循環で環境負荷低減――を一気通貫で束ねる三井物産主導の"脱炭素鉄原料プラットフォーム"。
0-1 なぜ今「Green Iron」なのか
世界CO₂排出の約 7%（2.6 Gt/年） を占める鉄鋼セクターは、EU CBAM（2026年本格課税）・各国ネットゼロ政策・顧客Scope3削減圧力により、脱炭素技術への急速シフトが不可避です。
この転換の最大制約は「 DR（Direct Reduction）向け高品位鉄原料の絶対的不足 」。2030年には 70-80 Mt/年のDRグレードギャップ が発生し、「低炭素＆高品位＋カーボン透明性」を備えた鉄原料に年間 25-30億USD の市場が創出される見通しです。
H2 Green Steel等の欧州先行事例では、自動車・家電OEMが 10-25%のグリーンスチールプレミアム を受容し、7-10年の長期オフテイク契約を締結済み。 原料段階からの脱炭素化 が新たな価値創造源となっています。
0-2 何を提供するのか（コア・バリュー提言）
MITSUI Green Iron Nexus は、低品位鉱を再エネ由来グリーン水素でDRI/HBI化し、デジタル証書で "脱炭素属性付き高機能鉄源" に転換する統合プラットフォームです。従来の「鉱石をそのまま販売」するコモディティモデルから、 「原料＋製造＋属性＋金融」の垂直統合 により、単位重量当たり 3-5倍の付加価値 を創出します。
0-3 スキームの全体像（6モジュール循環システム）
モジュール1：グリーン高品位化
乾式選鉱技術でFe 56-64% → 67-70%に向上。水使用を従来比 70-80%削減 。
モジュール2：グリーン水素供給
中南米・豪州等の再エネ優位地域でLCOH 1.4-2.0 USD/kg を実現。
モジュール3：H₂-DRI/HBI製造
Midrex H2®技術で段階的にH₂比率100%へ。CO₂原単位 0.3-0.4 t-CO₂/t-Fe 。
モジュール4：IronTrace™証書
ブロックチェーンで原鉱→HBIまでCO₂を追跡、CBAM報告を自動化。
モジュール5：プーリング契約
複数需要家の需要を束ねた長期オフテイク＋カーボンプレミアム連動価格。
モジュール6：副産物循環
尾鉱95%再利用、CO₂炭酸鉱物化、工程水98%循環でゼロエミッション。
0-4 三井物産の戦略優位性
上流権益 ：Rhodes Ridge（68億トン、権益40%）、Vale戦略アライアンス 再エネ基盤 ：Mainstream出資で25GW開発パイプライン 物流・金融 ：商船三井グループ連携、年間3兆円投資余力 需要家ネットワーク ：日韓ASEAN鉄鋼メーカーとの長期取引関係
バリューチェーン統合力 が競合他社（鉱山専業・技術専業）との決定的差別化要因。
0-5 段階的展開ロードマップ
Phase 1（2025-2027） ：技術実証・初期顧客開拓
- 投資額：3-4億USD
- HBI生産：50-100kt/年
- 主要顧客：日本製鉄、POSCO、BMW等でテスト供給
Phase 2（2028-2031） ：商業スケール展開
- 投資額：15-20億USD
- HBI生産：1.5-2.5Mt/年
- 地域展開：豪州・ブラジル・アジア
Phase 3（2032-2035） ：グローバルネットワーク完成
- 投資額：30-50億USD
- HBI生産：4-6Mt/年
- 市場シェア：8-12%
0-6 成功指標（主要KPI）
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