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「ビジネスには成功体験だけではなく挫折も生きる」A.T.カーニーが体育会経験者に期待する要素

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戦略コンサルティングファームのA.T. カーニーが2022年卒採用から推進している「ニューノーマル採用」。対象となるのは、体育会系に所属する学生や3年生時に留学している学生をはじめ、スタートアップで長期インターンをしている学生や、理系で研究に没頭していた学生、資格試験の勉強をしてきた学生などだという。

A.T.カーニーでは採用においてどんな課題があり、ニューノーマル採用をスタートしたのか。また、具体的にどんな制度で何が狙いなのかを、シニアパートナーの久野雅志さんに聞いた。また、実際に体育会出身でA.T. カーニーに入社した若手社員の柳田諒さんと赤石謙太さんにも、自身の体験をもとにした考えを話してもらった。

この記事では、ニューノーマル採用の立ち上げ背景と2人の経験談から、体育会とビジネスに共通する要素を探る。【下出裕典、北川直樹】

〈Profile〉
写真左/久野雅志(くの・まさし)
Senior Partner
東京大学法学部卒業後、中央官庁を経て2008年4月に中途採用でA.T. カーニーに入社。幅広い業界で、M&Aを契機とした全社の改革などに従事。新卒採用の責任者。大学などの社外でも問題解決や戦略論を教える。

同中央/柳田諒(やなぎだ・りょう)
Manager
早稲田大学社会科学部卒業後、2019年4月に中途採用でA.T. カーニーへ入社。消費財・小売り領域を中心に、全社・事業戦略の策定などに従事。高校時代は野球部、大学時代はラクロス部に所属。

同右/赤石謙太(あかいし・けんた)
Business Analyst
東京大学大学院工学系研究科を修了後、2022年4月に新卒でA.T. カーニーへ入社。エネルギー領域やM&A領域を中心に、経営最適化支援やビジネスデューデリジェンス、全社コスト改革などに従事。大学時代は漕艇部に所属。

※内容や肩書は2024年3月の記事公開当時のものです。

 

求めるのは、目標達成のための道筋を描き、そのプランをやり切る力

――「ニューノーマル採用」について、その概要や狙いについて教えてください。

久野:22年卒学生の新卒採用から始めた取り組みで、多様な生活スタイルを送る大学生の皆さんとの出会いを創出するのが狙いです。背景の問題意識としては、過去の戦略コンサルティング業界は大学3年生の春から夏ぐらいに採用活動を始めて、3年の終わりか4年の初めには終了してしまうという慣習がありました。

このスケジュールだと、業界への意識が高く早くから準備を進めている人たちに会える一方で、就職活動以外の行動に全力を投じている学生とはなかなか出会えません。部活動や留学、長期インターンシップなどに参加している人の中にも、数多く優秀な人はいるはずです。そこで、従来の採用プロセスとは別に、4年生の6〜7月頃に選考に参加してもらえるフローを設けています。

――スケジュール以外にも通常の採用との違いはあるのでしょうか。

久野:選考対策などに費やす時間はあまりないことが前提ですから、いわゆるケース面接のようなプロセス以上に、一人一人のポテンシャルを重視した見極め方になっています。これまでの人生で培ってきた想像力や分析力、難しい課題への取り組み方などを聞かせてもらえればと思っています。

――特に体育会出身学生について深掘りしたいのですが、部活動で高められる能力の中で、ビジネスに応用できる要素はどんなものがあると考えていますか。

久野:大きな大会への出場や優勝といった一定のゴールを決めて、それを達成するためにどうチームを作ってどんなトレーニングをするかという計画を作成する。そうしたプランニング力や計画実行力はビジネスでも求められます。

――柳田さんと赤石さんは実際に体育会出身だと聞きました。当時の経験が自身の仕事に生きていると感じるところはありますか。

柳田:ゴールに向かってやり遂げるというところは、久野の言う通りだと思います。少し違った観点でいくと、大学の体育会は人によって目指すゴールが違うことが多いです。僕は高校が野球部で大学がラクロス部なのですが、高校時代は甲子園にも出場した強豪校だったので、全部員が同じ目標に向かって全力を尽くすことが当たり前の環境でした。

しかし大学から始める人の多いラクロスやアメフトは特に、どの程度の熱量を持っているかは人によって大きく変わります。部活動に全精力を注ぐ人もいれば、自分の人生は別にあるという感覚の人もいる、さらに言えば就活で有利になりたいから体育会に所属するという人もいました。目指すものが違う組織をまとめ上げるのは非常に苦労しましたし、失敗もたくさん重ねてきましたが、その経験が社内のマネジメントに生きていると感じます。会社においても、何が一番大切なのかは人によって異なりますから。

久野:クライアントにバリューを出すことが第一優先であることは間違いないですが、自分自身の成長も気になるでしょうし、仕事の中で何をやりがいに感じるかも人によります。それぞれの思いや状況に合わせて寄り添い方を変えるのは、組織作りにおいては確かに重要ですね。

体育会で何かを成し遂げた人も、挫折経験のある人も

――赤石さんは体育会のどんな経験が今の仕事に生きていると思いますか。

赤石:目標にコミットする姿勢とチームワークだと思います。コミットメントについて補足すると、私が所属していたのは東京大学の漕艇部なのですが、私立と比較すると環境や条件面で劣る国立ながら、全国トップを狙うような部活動でした。ボートは練習できる場所も限られるので、年間300日は合宿所に泊まって、朝も夜も練習する日々。週に12回は練習していたような感覚です。

柳田:カウントの方法がおかしい……。

赤石:本当にそうですよね。しかも、あらゆるトレーニングで個人の記録が計測され、部に管理されている状況でした。もちろん思ったように記録が伸びないことも多くあります。厳しい環境ではありましたが、そうやって毎回自分のパフォーマンスに向き合いながら、少しでも成長するために「今日は背中を意識してみよう」「次は足の使い方を……」と試行錯誤する習慣は、間違いなく今の仕事に生きています。

コンサルタントは特に、若いうちから自分の仕事に責任を持つことが求められる職種です。「もっとこうすればクライアントに理解してもらえるのではないか」と、日々工夫しながらアウトプットの質を高めていかなければなりません。自分の能力や記録に挑み続けた体育会出身者は、そうしたプロセスも楽しめるのではないでしょうか。

――ちなみに、体力的な部分で他の人よりタフだと感じることはありますか。

柳田:個人的には、体育会系でもそうじゃなくてもそこはあまり変わらない気がします。

赤石:プロジェクトの期間中には稼働時間の波がありますが、忙しい時期でもコンディションが変わらないのは自分の強みだなと思うことはありますね。マネージャーから「心理的なタフさがいいね」と言われたこともあります。

久野:“心理的な”というところがポイントですよね。全力で挑んだけど試合に負けたとか、大切な場面で失敗して悔しい思いをしたという人は、精神的なタフさが身に付いていますから。

戦略ファームを目指す人は、どちらかというと順風満帆な人生を送ってきた人が多いと思います。勉強も得意で、王道の学生生活を謳歌(おうか)してきている。でもコンサルタントになると、何十年もキャリアが長い人たちと議論しながら仕事を進めていくことになるので、失敗することや思い通りにいかないこともあるでしょう。そんな時でも、挫折を乗り越えてきた人なら心理的なタフネスを武器に前進することができるはずです。

そういう意味では、体育会で何かを成し遂げた人はもちろん、うまくいかなかったという経験を持っている人も歓迎です。

ビジネスの世界では、自らの意思で延長戦を戦うこともできる

――逆に、体育会出身者がビジネスの世界に入る時に気を付けた方がいいことは何かありますか。

久野:これは属していたチームの特徴にもよりますが、上意下達に慣れすぎてしまうことは注意した方がいいかもしれません。目上の人や先輩が言ったからイエスかというと、コンサルタントはそうじゃない。誰が言ったのかではなく、何を言っているかが一番大切です。コンサルに限らず、言われたことをやるだけではビジネスパーソンとしての成長は止まってしまいますよね。役割やポジションに、盲目的に服従しないように気を付ける必要があると思います。

赤石:私自身としては、がむしゃらに頑張りすぎないというか、頑張る前に「何を頑張るべきか」をしっかり考えることは留意しています。ボートの場合、やるべき練習はほぼ決まっていて、それに取り組んでさえいれば前に進んでいる感覚がありました。ある種職人的な極め方をするわけですが、コンサルタントはより広い視野を持って、努力するポイントを見極める必要があります。

細かく創意工夫する姿勢が今の仕事に生きていると言いましたが、逆に目の前の作業に没頭しすぎるのは自分の弱みだとも自覚しています。大きな視野と細部へのこだわり。両方を持ち合わせた人材になっていきたいですね。

柳田:今の赤石の話のように、自分の強みや弱みを言語化しておくことが大切だと思います。僕の場合は、甲子園に出場したという成功体験と自己肯定感がある一方で、大学ではチーム作りに失敗したという経験もある。この2つが体育会で得られた強みだと認識しているので、それを生かした戦い方をするように心掛けています。

途中の質問にあったように、体育会系だから体力がある、といったステレオタイプな捉え方をしてしまうのはちょっともったいないですよね。

――体育会出身者の中でもこんな学生と働きたい、というポイントがあれば教えてください。

久野:周りからは絶対無理だと言われるような、極めて高い目標に向かって全力を尽くしてきた人がいいですね。強いパッションを持ちながら、どうすれば達成できるかを論理的に考えて実行してきた人。結果的にNo.1になったかどうかよりも、そうした経験自体に価値があると思っています。

スポーツは試合時間が決まっているものが多いですし、学生時代も期間が限られています。一方、ビジネスだと時間の区切りがあいまいなケースも少なくない。自分の意思で“延長戦”を戦うこともできます。コンプライアンス遵守は前提ですが、自分でルールを新しく作ったっていいわけです。自分の頭で考えて、試行錯誤を繰り返しながら目標達成を目指す。その過程ではさまざまな失敗や葛藤もあると思いますが、これまでの経験を生かしながら、中長期的にキャリアを築いていってほしいです。

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