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富士通が“大変革”を進めているという。
その領域は多岐に渡り、人事制度や評価制度も例外ではない。
変革の真っただ中だからこそ、社員の「挑戦」と「働き方」の幅も広がっている。社内のポジションを自ら応募できるジョブ型雇用、遠隔地を含め働く場所や時間を決められる仕組み、5000以上の研修プログラム……。
学生が持つ「大手日系企業」のイメージとは異なるかもしれない、富士通の“今”を、新卒採用の責任者を務める、末松佳子シニアマネージャーに聞いた。
パーパス策定、社内DX化……。トップ自ら推し進める自己改革
――“大変革”を進めているとのことですが、その内容を教えてください。
末松:まずは変えるものを決める前に、変えない大事なものを決めるという認識の下、2020年に富士通が社会に存在する意義を「パーパス」として定めました。内容としては「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というものです。グローバル全社員が、このパーパス実現のために日々の仕事に向き合っています。
このパーパスの冒頭に「イノベーション」とあります。これは技術にこだわり、それを掛け合わせ、新たなものを生み出すことを意味しています。その結果、安全安心に暮らせる社会を実現し、さまざまな社会課題を解決していくことを目指しています。
――では、パーパス実現のため何を変えましたか。
末松:変わったことは多いです。大きくはビジネス変革と社内変革の2つを進めています。
社内変革については、2019年の6月に社長に就任した時田隆仁が、経営方針説明会で「富士通はIT企業からDX企業に進化する」と宣言しました。自ら「CDXO(Chief Digital Transformation Officer:最高デジタルトランスフォーメーション責任者)」に就任し、社内のDXを牽引していく姿勢を明確に打ち出しました。経営トップがコミットし、Fujitsu Transformation:通称フジトラ」という全社横断のDXプロジェクトならびにチームを立ち上げ、さまざまなチャレンジに取り組んでいます。
社員一人一人が自分の思いを持って行動していくことが変革の鍵であり、そのような行動が最も起こりやすい環境を会社として整えるために人事制度、評価制度、働き方などを変えていっています。社内変革を推進し、パーパスやDXを実現していくために、「人」が最も重要だと信じています。
社内のポジションに自己応募が可能。成長したいメンバーの活躍を促すジョブ型雇用
――人事制度や評価制度がどのように変わってきているか、具体的に教えてください。
末松:「成長したい。高いポジションで活躍したい」。そのような志を持つメンバーが活躍できるように、“適所適材”のジョブ型に変わりつつあります。
具体的には、社内の空きポジションが専用のウェブページに掲載され、チャレンジしたい人が応募できる「ポスティング制度」を導入しています。以前であれば、上長が適任者を判断してアサインしていましたが、自分でやりたい仕事に手を挙げる、という方法に変えました。
ウェブページには、ジョブディスクリプションや必要なスキルセットが明記されています。実際に、マネージャーポジションも全てポスティングとなっているため、30歳でマネージャーに就任するメンバーが誕生するなど、会社が変わってきていると感じています。
――挑戦してみたいポジションではあったものの、スキルやキャリアが不足している場合もあります。
末松:そのような場合は、上長との1on1でアドバイスを受けたり、講座で学んだりと、スキルアップするサポートを受けることができます。
いきなり異動するのは不安という人のために、3カ月間、そのポジションを経験できる制度も用意しています。私たち採用チームにもビジネスプロデューサー出身のメンバーが参画するなど、異動も活発かつ自発的になっています。
――人事制度でこれだけ変化があると、評価制度も大きく変わっているのでしょうね。
末松:そうですね。評価制度は、組織のビジョン達成のためにどのようなインパクトをもたらしたのか、そのためにどのように成長し、行動していったかを評価するように変えました。
年功序列のような評価ではなく、かつ数字さえ上げればよい、という制度でもありません。重視していることは、今向き合っている仕事が社会にどのような影響を与えるのかを考えてチャレンジし、結果としてどのような貢献をしたのか、また他の人や組織のためにどのような貢献をしたのか、ということです。人と人をつないだり、貴重な情報を提供したり、それも重要な貢献の在り方と考えています。
定性的な評価ということもあり、上長がメンバーと頻繁にコミュニケーションを取ったり、周りのメンバーの意見も参考にしたりしながら実際の評価に反映しています。
――社内DX化によって働き方も変わってきているのでしょうか。
末松:「Work Life Shift(ワークライフシフト)」という名前で、主に3つの働き方改革を進めています。「Culture Change」「Smart Working」「Borderless Office」の3つです。
「Culture Change」で分かりやすいのは、服装の自由化です。以前の当社では考えられなかったことですが、デニムにスニーカー、襟なしのシャツで仕事をする社員が増えました。
「Smart Working」「Borderless Office」は、働く時間や場所について制限を設けないという考え方です。チームメンバーや上長と意識合わせをする必要はありますが、基本的に仕事内容や自分のペースに合わせて、働く時間や場所を自由に選べます。
実際に私も、オフィスに来るのは週に一度ほどで、自宅もしくは最寄りのコワーキングスペースなどで仕事をしています。
出社頻度が下がったため、郊外の自然が多いところに引っ越すメンバーや、事務所から離れた場所から働く「遠隔勤務」をしているメンバーもいます。例えば私のチームでも、結婚により京都や山梨に引っ越しても、同じ職務で働いているメンバーもいます。
会社としては地方への移住者も出ており、「出身地へも貢献しながら働けて嬉しい」、「仕事終わりに温泉を満喫できています」といった喜びの声も届いています。
――新入社員の配属の決定方法や研修も変わってきているのでしょうか。
末松:配属先については、入社前に1on1で面談を行い、本人の希望をくみ取ります。特定の部署への配属を望む方がいる一方で、自分が認識できていない可能性にチャレンジしたいという方も多く、コミュニケーションを重ねて配属先を決定します。
新入社員研修は全職種共通にて実施しています。富士通は、職種や業種を超えたコラボレーションを重要視しているため、入社当初に専門性や職種に関係なく、同期とともに学び、高め合う経験ができるよう設計しました。一人一人のスキル習熟度に応じて、学ぶ内容も取捨選択できるようにしていたり、オンラインとオフラインのハイブリッドとなっていたりするなど、自ら考え、行動することを強化する形式となっています。
新人研修後も多様な学びの機会を提供していますが、必修となっている研修はありません。自分で学びたいことを選択できるようにしており、海外も含めた5000以上の研修プログラムから、いつでもどこでも、自由に学ぶことができます。
必要な技術がなければ、自分たちの手で創り出す。研究開発所を持つからこその強み
――システム開発のような案件では、コンサルティングファームと競合するケースも多いと思います。富士通の強みはどの辺りだとお考えですか。
末松:お客さまの課題解決に必要な技術が現時点でなかった場合、自分たちの手で創り出すことができることが一番の強みだと考えています。
プロダクトやソリューションも作り出していますが、根幹である要素技術などを開発する、研究開発機能も持っています。研究拠点は国内だけでなく、カナダ、アメリカ(シリコンバレー)、中国、ヨーロッパとグローバルに展開しており、現地の技術者とともに、最新技術を取り入れ、研究を深めています。AIの研究開発では今から30年以上も前から取り組んできたからこそ、先進的なソリューションの開発が実現できたと言えます。
社内にいる各技術の第一人者と議論し、刺激を受けながら新たなサービスを生み出してお客さまに提案していく面白さは富士通だからこそ経験できることだと自負しています。
――日系企業である富士通に入社することで、どんな成長が得られますか。
末松:まず本社が日本にあるため、外資系企業でよく見られる、海外の本社の意向で施策が決まるということはありません。経営層の考え方、判断に関する情報を頻繁に受け取ることができますし、双方向でコミュニケーションをするような機会もあります。
また、日本の各産業の仕組みやトップ企業が目指すところを学ぶことができます。製造、流通、金融、官公庁など幅広い業界のトップシェアを占めるお客さまなどとビジネスを展開しているからです。各業界における課題を理解し、富士通として培ったノウハウを業界の垣根を超えて提供することで、各業界のビジネスの在り方を変えられる可能性があります。
その成果が日本の社会課題解決につながるようなケースも少なくありません。目の前の仕事を通して、お客さまだけではなく日本をより良くすることに関わっていくことができます。
――日本の社会課題を解決するといっても、さまざまな規制などの影響で、円滑に進まない案件もあるのではないでしょうか。
末松:そうですね。課題解決が進まないケースもあります。しかし、日系企業として、長年にわたり構築してきた日本国内の幅広い業界との信頼関係があるからこそ、さまざまな課題解決に挑戦できています。
国の研究機関である理化学研究所と協力しながら開発を進めてきた、スーパーコンピュータ「富岳」は代表例と言えるでしょう。世界一を誇る計算速度を活用し、新型コロナウイルスの飛沫飛散シミュレーションを行いました。また、治療薬の開発に必要不可欠な薬の成分の組み合わせなどを、以前より遥かに短い期間で解析することにも寄与しています。
また、津波が発生した際、沿岸地域にどのように浸水していくかをリアルタイムかつ、高い解析度で予測するAIモデルを構築し、より安全な避難行動の支援に寄与するシステムも、東京大学や東北大学と連携しながら構築しています。
人の目では判断が難しくなってきた体操選手の高難度な技を、世界初の3Dセンシング技術ならびにAI技術を掛け合わせることで、コンピュータが行う「採点支援システム」を、国際体操連盟からの依頼により共同開発した事例もあります。同システムは実際に体操の世界大会などで導入され、まさにこれまでの課題解決に貢献しています。
日本社会に影響するような大きな課題に携わるのですから、苦労も多いです。しかし、現状を客観的に分析して課題解決の方法を導き出し、当社特有の技術を活用して課題を解決していく工程は、やりがいの大きな仕事です。
社内改革によって獲得した知見を社会課題解決に生かす
――末松さんは新卒で入社以来、富士通一筋だそうですね。これだけ大規模に会社が変わることについて、戸惑いや会社に対する気持ちの変化はなかったのでしょうか。
末松:逆に、ワクワクしています。富士通という組織はグループ会社も含めるとグローバルで13万人が属する巨大な組織です。年配の社員もいれば、若いメンバーもいます。考え方も性別も住んでいる地域も多様で、まさに“社会の縮図”だと言えるでしょう。
つまり、富士通が変わることができれば、お客さまの組織や社会も変わるのではないか。私たちが行っている社内改革のノウハウを、うまくいったことも失敗したことも含めて共有することで、社会課題の解決により一層寄与することができるのでないか、と考えています。
変革はまだ始まったばかりです。まさにこれからが、本当に会社全体・社員全員が大きく変われるかどうかという局面です。今当社に入れば、その大きな変化を体感できます。変化を提案し、起こす側になりたい人にとっては、貴重な経験になるでしょう。
――どんな人と一緒に働きたいですか。
末松:日本も含めて社会をより良く変えていきたい。世界を持続可能な社会にしたい。このような大きなテーマに本気で取り組みたいと考えている人と働きたいですね。そういう方は一緒に仕事をしていて非常に刺激になりますし、実際に活躍している方もそのようなマインドを持った方々です。
1人で取り組むのではなく、多様な仲間たちとともに挑戦したい人。それによって、社会に大きなインパクトを生み出したい人。そのような方を歓迎します。
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