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「地頭とは、立方体の体積」。ゴールドマン、A.T. カーニー、スタートアップCFOと歩んできた男の地頭論

「地頭とは、立方体の体積」。こう話すのは、アクセス解析を自動で行う人工知能「AIアナリスト」など、マーケティングのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進を展開するWACULの竹本祐也CFO(最高財務責任者)だ。かつて勤務したゴールドマン・サックス証券、A.T. カーニーといったプロフェッショナルファームでも、「地頭がいい」人たちを数多く見てきた竹本氏。特集「『地頭がいい』とは何か」の6回目は、そうした経験から導き出された竹本氏の地頭の定義、そしてその鍛え方について聞いた。【斎藤公也、李有佳】

〈Profile〉
竹本祐也(たけもと・ゆうや)
株式会社WACUL 取締役CFO。
1985年兵庫県生まれ。京都大学経済学部を卒業後、2008年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。商社、メディア、ネット業界の担当として100社以上の経営・財務分析を実施。その後、鉄鋼チームヘッドに。2013年A.T. カーニー株式会社入社。主に、通信・メディア・テクノロジー業界担当としてTech領域のプロジェクトを手掛ける。2018年WACUL入社。財務戦略を中心に、営業戦略や経営戦略の策定、事業提携の推進などを担当。

 

具体と抽象を行き来する力、幅広い発想、考え抜く力で構成

――「外資就活相談室」で竹本さん宛てに来た質問「地頭という言葉がビジネス界で流通していますが、細かく説明するとどういう力なのでしょうか?」に対するご回答が話題になったことがありました。

竹本:「地頭」という言葉はよく聞くのに、その定義が明確ではないからだと思います。例えば、採用活動をする時、面接官が候補者のスキルや経験を評価する言葉は具体的なのに、地頭という言葉はふわふわしていて具体的ではありません。ある意味、曖昧(あいまい)に、都合よく使われている言葉だと思います。

 
――明確な定義がなく、その場の都合に合わせて、それぞれの人が勝手に解釈している可能性もあるわけですか。

竹本:そうです。特に採用面接の場面でそういったことが多いのではないかと思います。地頭という言葉の解釈がそれぞれで異なれば、評価結果も違ってきます。候補者のポテンシャルを指しているのか、テンポよく会話できるコミュニケーション力を指しているのか、同じ「地頭力」を面接官それぞれが評価しているはずなのに、実は面接官によって、本当に見ている評価ポイントが異なることがあります。

これは候補者にとってもネガティブになります。SPI(適性検査)のように、数値で出てくれば、採用基準に達しているかどうか判断がしやすいです。ですが、地頭のよさは、定義が明確ではないため、候補者が面接官に「地頭がいい」と評価されたとしても、自分の何を評価してくれたのか、判然としないので、もやもやとする場合もあると思います。

――竹本さんが考える、地頭のよさについて教えてください。

竹本:ひとことで言えば「課題を解決するためのベースとなる力」だと思います。具体的には、具体と抽象を行き来する力(上下)、発想の幅広さ(左右)、考え抜く力(奥行き)の3軸で構成される「立方体の体積」と考えています。

ベースとなる力が高いと、吸収力が大きいということに結びつくと思います。吸収力が大きいと、将来的に伸びる可能性があります。地頭がいいという言葉でなんとなく多くの人が期待することは、将来的にその人が伸びるということですから、受験勉強をたくさんしてきたから現時点で賢い、というのとは別の要素だと考えています。

私自身は、地頭という言葉自体は、10年以上前から使っています。「地頭がいい」という表現のほか、近い言葉では「頭がいい」という表現もあります。頭がいい、というと、高学歴や偏差値が高い、という認識があったと思います。「あの人は頭がいい」と言ってしまうと、誤解を生むため、地頭という別の言葉をなんとなく用意していたと考えています。

――立方体の3つの軸について、もう少し詳しく教えていただけますか。

竹本:具体と抽象の行き来とは、考えの高さや深さを意味します。例えば、ある業界に詳しく、その業界のことだったら細かいデータまで頭に入っている、というような状態は「具体」だと思います。ですが、多くのデータを知っているからといって、地頭がいいわけではありません。

逆に、何となく全体感を捉えるのが得意な人がいます。ですが、これだけだと物足りない。物事を俯瞰(ふかん)する力だけではなく、深く掘り下げる力との両方を備え、双方を自在にできる人は、地頭がいいと感じます。

コンサルタントにも、専門家の話を聞き、重要なポイントをつかみ、内容を理解できる人はたくさんいます。ですが、そこから、実際に人がどう動くといったオペレーションまで落とし込める人は少ないです。

また、ある業界を担当していた時に得た知見を、違う業界での業務に生かせない人もいます。例えば、鉄鋼業界におけるM&Aにかかわることによって得た知見を、他の業界のM&Aに転用するケースがあります。XXという環境に置かれた鉄鋼業界では、こういう力学で合従連衡が進んだのだから、同じような環境に置かれた別業界でも、鉄鋼業界のように合従連衡が進むに違いない、というような思考です。これをやるには、1つの事例を「抽象」化するだけではなく、両方の業界に一定程度深く入り込み、理解するという「具体」のプロセスが不可欠です。これができる人には、賢い、という印象を持ちます。

2つ目の、発想の幅広さは、何か課題が出た時にどんどんアイデアを出していける能力です。これも鍛えればある程度できると思っていますが、それが自然にできている人って、頭が柔らかくて賢いなと感じます。

「具体と抽象の行き来」、「発想」に加えて、必要なのは、3つ目の「考え抜く力」です。「思考体力」と言い換えてもいいかもしれません。考え抜く力は、長い目で見るととても重要です。コンサルタントでも、具体と抽象の行き来、幅広い発想が得意な人は、要領がよいと評価され、早い段階である程度まで昇進します。ですが、考え抜く習慣がないと、伸び悩むケースもあります。そういった要領のよさでたどり着けるところにある壁をさらに突き抜けられる人というのは、思考体力があり、我慢して考え続けられる力を持っています。

――3軸はそれぞれどのように身に付ければいいでしょうか。

竹本:まずは、全体感をつかんだり、深く掘り下げたり、アイデアを出す能力を先に身に付けたほうがいいです。思考体力は、「体力」なので、鍛えようと思えば、鍛えやすいので後でもよいかもしれません。じっくり考える行為を繰り返しているうちに、だんだん体力が付いてくるのではないかと思います。

ある程度、発想の自由さという面を広げたあと実際、アイデアにさらに幅広さを出すためにも何時間考えられるかという「思考体力」が重要になってきます。幅広さを出すとき、アイデアが3つまではすぐ出てくるが、4つ目、5つ目が出なくて、あきらめる人もいます。ですが、自分の限界点を3ではなく、4や5にすることで、考え続ける習慣を付けることができます。

私自身は例えば、「外資就活相談室」に寄せられた質問に対して、即答するのではなく一晩寝かせて考えることがあります。そうして誰かからの質問に答える行為も、考え抜く力を鍛える方法です。

3軸のうち、考え続けるのが苦手なら、それを克服するように努めましょう。地頭を鍛えるとは、3軸によって構成される立方体の体積を大きくしていくことです。できる限り、立方体として形を保ち、体積を大きくしていったほうがいい。1×1×10より、3×3×3の立方体のほうが体積は大きいですよね。1軸だけ長くて、他2軸が短ければ、結果として、体積は小さくなることがあるからです。

常識にとらわれず、新しいことを考えていこうという姿勢

――ゴールドマン・サックスやA.T. カーニーに勤めていた時に出会った、本当に地頭がいいと感じた方はどんな人ですか。

竹本:ゴールドマン・サックスに入社した時の最初の上司は、僕らジュニアが持ってくる情報の中から、何が重要かを素早く判断していました。国際政治や為替といった経済を構成する要素、そして企業のもつプロダクトの特徴など、状況を判断する材料はマクロからミクロまで大量にあります。大量にある情報を整理し、重要なものを抽出して、判断していたことが印象に残っています。上下の行き来が優れた方が多いですね。

A.T. カーニーでは、自分が思ってもみない角度から情報が追加されてくる、発想の幅広さを感じる経験をしました。ある問題が発生している時に、その原因はA1つではなく、BやCなど複数存在していて、そちらのほうが問題を根本的に解決する方法につながるのでないかと気づかされることが多くありました。

――地頭がいい方というのは、職種業種の違いはあるにしても共通したものがあるのでしょうか。

竹本:そうだと思います。もちろん特にシニアの人に感じることですが、さまざまな経験を通じて、立方体を大きくしてきた方が多いと思います。

違うところで学んだ経験を実は別のところでも生かせている、つまり具体と抽象の行き来を繰り返せていると感じます。

発想の柔軟さという観点では、年齢を重ねると、だんだん、常識というものが凝り固まってきて、決めつける大人になりがちではありますが、各業界のトップレベルの方々はそうならないように努力されているのだろうと思います。

――常識とされているものにとらわれず、何か常に新しいことを考えていこうという姿勢が重要だということですか。

竹本:そうですね。「会議でアイデアは出しきった、これ以上はない」と考えるのか、「きっと我々には盲点がある、アイデアを出し続ける」と考え抜くかの違いだと思います。ただ、単純にアイデアを出す会議は限界があるため、メンバーを変えるなど工夫は必要です。

ダイバーシティーが生む発想の幅広さ

――アイデアを出す会議では、傑出した「地頭がいい」人がいればいいのか、それともチームでノウハウを共有したほうがいいのでしょうか。

竹本:さまざまな属性の人が多くいたほうがいいと思っています。同じような経験をした人からは、同じようなアイデアしか出てこないためです。地方出身者や外国人、シニア、若手など、違ったバックグラウンドを持つ人々が混じってくると、少しずつ目線が変わってくるので、新しいアイデアが出てくると思います。

日常からダイバーシティーが実現されている状況に触れていると、「きっとあいつならああいうことを言うだろうな」、とか、「あの先輩ならこんなこと言うだろうな」と自分自身の中にいろんなタイプのコピーを住まわせることができ、発想の幅広さが出てくるでしょう。

同じような人と同じようにつるみ続けている人だと、発想の幅広さは鍛えられていないのではないかと感じます。

――竹本さんご自身には、そのような経験はありますか。

竹本:私自身は、そんなに発想が豊かだったかというと、そんなことはないと思います。進学校に進み、国立大学に入学して、就職活動頑張りました、というような、よくあるパターンです。

よくあるパターンから脱却するという意味では、大学生の時に、ボストンに語学留学した経験が大きかったと思います。実際にアメリカに行って、アジア人の受ける差別を肌で感じ、とても驚きました。教科書で見た差別問題や人種のサラダボウルみたいな表現だけでは理解できていなかったものです。やはり、ダイバーシティーは重要だと改めて認識しました。

――学歴や偏差値が、一時期ほどではないにしても重要視される社会の中で、そこから脱却して地頭を鍛えていくために、心がけるべきことは何でしょうか。

竹本:まず、自分は何で勝負するのか、考える必要があります。そのうえで、自分がやりたいことと、やるべきことを見つけていかなければなりません。

やりたいことは興味関心があるため、得意分野という武器にしやすいです。ですが、やりたいことをだけをやり、偏った人間になった時、できることの幅は、狭まってしまいます。武器は武器として持ちつつ、やりたいことをやるためにも、やるべきことをやる。そうして苦手分野を克服し、「防御力」を高めるのも重要です。

自分の得意なことで1辺だけを伸ばしても「体積」はあまり増えない。その意識をもって、幅広いことにチャレンジすることを、私自身も続けていきたいと思っています。


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