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就活という理不尽なゲームで問われているたった1つの問い
みなさま、はじめまして。おかだともきと申します。
2021年京都大学大学院修了。大学院時代の専門は化学工学で革新的なドライヤーの開発に従事していた。就職活動ではソニー、デロイト・トーマツ・コンサルティング、ジェネックス・パートナーズ、楽天、ハウテレビジョンからオファーを得て、最終的にハウテレビジョンに入社した。就活について呟くTwitterアカウントはこちら→@10moki_okd
<連載バックナンバー>
[1] 就活という理不尽なゲームの中で問われている「たった1つ」の問い
[2] 自己分析という迷路で迷わないために
[3]トップオブトップだけが知っている「本当の」戦略
[4] あなたが凄いのはわかりました。ところであなたは誰ですか?\
本題に入る前に少しだけ自己紹介をさせてください。私は関西の大学院で研究をしながら、21卒として就活をしていました。就活を早く終わらせて研究に集中したいという思いで4月から本格的に就活を始めました。研究との両立に苦しみながらも、早く就活を始めたこともあって、外資コンサル・大手電機メーカー、大手IT、ベンチャーといった企業からオファーをいただくことができました。
しかし、ここで道を踏み外してしまったのか大手のオファーを辞退し、あるベンチャー企業に就職することにしました。どうやら私は、人と同じことや人に言われたことをするのが嫌いな性格のようです。
このコラムでは 理系院生として本気で就活をする中で私が見つけた就活の「勝ち方」 をお伝えしたいと思います。これは皆さんが小手先のテクニックに頼らずに元々のポテンシャルを最大限に生かし、難解な就活を攻略するための武器であり、私達理系におなじみの 数学の公式、方程式 のようなものであると自負しています。
学歴やスペックが申し分なくとも、この「本質」を知らないと足元をすくわれる恐れがあります。逆に「自分は留学経験もコミュ力も無いし、文系就活なんて……」と思っている方でも、これを駆使できれば心配はいりません。
就活に模範解答なんてない
最近はありがたいことにたくさんの同期や後輩が私に就活へのアドバイスを求めてきてくれます。自分が伝えられることで彼らの力になれたらと思い、精一杯質問に答えているのですが、ふと違和感を感じる質問がありました。
「これって何を書けばいいと思う?」
「こう書いたら企業にウケるよね?」
確かにこの手の質問とその回答例はネットやSNS、就活本によく書かれていますし、これらを読むと就活は「企業が求めている答えを当てるゲーム」に見えます。そう、まるで学校の定期テストのように___。
しかし 就活に「明確な答え」がある 、などとどこの誰が言ったでしょう?
あらゆるネットの記事や就活本には「面接で頻出の質問に対する答え」が載っていますし、周りの先輩や就活サイトに載っている体験談を読めば、受験の過去問のように対策をすることができるでしょう。しかし、これらの対策はESや面接の質問に模範解答が存在することが前提です。
もし就活に模範解答が存在するならば、出題者にあたる企業側が前もってその解法を作成しているはずです。ということで就活をする中で培った人脈を使い、人事の方や面接を担当されている方にそれを聞いてきました。
まずESや面接の解法、すなわち評価しているポイントは以下の通りです。
・あなたの人となりを知りたい
・普段からどこまで深くものを考えているか知りたい
・面接では「ウチで働いているイメージができるか」を重視している
はっきり言って、抽象的すぎて何を言っているかわかりません。一方で、学歴やスキル、経験は重視するかという質問には
・学歴が高いからと言って仕事で使えるとは限らない
・凄い経験をしてても「だから何?」となることが多い
・大学、大学院で学んだことなんて僕らから見れば全然大したことないから関係ない
厳しすぎる。これまでの私たちの人生は何だったのか、と思えるくらい一刀両断されてしまいましたね。
さて、ここまで読んで「結局、就活なんて企業のよくわからない論理に振り回されるゲームだ」という印象を持たれた方もいるでしょう。そこでここからは私自身の経験に基づき「結局、就活で問われていることとは何か」についてお伝えします。
就活で問われているのは「あなたは稼げるか」だけ
とても当たり前のことですが、企業はお金を稼ぐために活動をしています。 「企業が社会に対して何かしらの価値を提供するのは、お金を稼ぐためである」 という考え方が欠落している学生は意外にも多いです。
そして、企業が学生を採用する理由は「利益を生み出すための労働力を確保するため」です。採用というのは企業にとって決して小さくない投資です。1人あたりの初任給を年収300万円としても、100人採用すれば当年に3億円を投資する必要があります。
教育や福利厚生などのコストも考慮すれば、もっと大きな投資額になるでしょう。
また、入社したての学生は「お金を生み出す力」がほぼ0です。投資の収支がプラスになるまでには数年先、長ければ10年以上かかることでしょう。しかも学生が企業の期待するほど成長できなかったり、あるいは一人前になる頃に転職してしまったりするリスクもあります。このように採用は非常にスパンが長く、リスクの高い投資であるため、企業は当然、慎重になります。
ここまで来れば、企業は当然ながら「より早く」「より多くのお金を」「より長く」稼げる人材を採用したいのだということがお分かりになると思います。「就活という理不尽なゲームで問われているたった1つの問い」とは「あなたはお金を稼げますか?」というとてもシンプルなものなのです。
企業は選考で、あなたが「お金を稼げるかどうか」をありとあらゆる角度からチェックします。舌先三寸では彼らを納得させることはできません。ましてや、模範解答などという存在を追い求めているようでは、この情報社会においてはただの有象無象となり「人材」以前の存在となるでしょう。
答えは人それぞれ
はっきり言ってしまうと、「あなたがお金を稼げるかどうか」という問いに対して一般解はなく、ひとりひとりが別々の答えを持っていて当然です。社会人経験のない学生を「稼げるかどうか」判断する軸は、あなたがこれまで生きてきた中で得た経験とそこから醸成される価値観だからです。
多くの企業の選考には「これまでの人生で取った行動は社会人になってからも再現される。なぜなら、行動の根底にある価値観はそうそう変わるものではないから」という前提があります。
さらに問題を難しくしているのは、あなたが経験とそこから生まれた価値観を伝えたとしても、受け手によってその解釈が分かれることです。それは受け手の価値観もあなたとは異なっていることに起因しますし、採用という立場も影響を与えるでしょう。
だから、完璧を目指す必要はありません。仮にご縁がなかったとしても合わなかったと思って切り替えましょう。
就活はよく結婚に例えられますが、これは非常に良い例だと思います。いろいろな人(就活ならば企業)と出会ってお付き合いする(選考を受ける)中で、最も自分にマッチングする人(企業)と結婚する(就職する)という様にとても類似性が高いです。
どんな善人でも世の中の全員と仲良くはなれないように、全ての企業にフィットする人材などありえません。なので、お祈りをもらっても落ち込まないでください。この考え方を身に付ければ、お祈りされても徐々に落ち込まなくなります。私は夏のインターンで両手指に余る社数からお祈りされましたが、この考え方を持って乗り切りました。
唯一の処方箋は「未来を感じさせる」
しかし「答えは人それぞれ」だからと言って、好き勝手に答えを作ってはいけません。ある程度のお作法はちゃんと抑える必要があります。
就活のフレームワークについては、外資就活ドットコムの他の記事でも詳しく取り上げられていますので、 どうすれば企業に「お金を稼ぐ可能性を感じさせられるか」 についてご説明したいと思います。
まず、前提としてスペックやスキルは求められていません。
あるに越したことはありませんが、実際にその企業のビジネスでお金を稼いだ経験がない以上、そのスペックやスキルが役に立つかどうかは判断できないからです。
また仮にスペックやスキルを持っていたとしても、自分がその道の第一人者だと自信を持って言える学生はどれだけいるでしょうか。プロフェッショナル揃いの一流企業には、 あなたの何倍もの経験を積んだ「上位互換」が必ず存在します。
差別化のポイントは 現在ではなく、未来を感じさせること です。具体的には、 「成長可能性」 と 「カルチャーフィット」 の提示です。
まず成長可能性とは、あなたの成長曲線の微分係数です。これが大きければ大きいほどより成長できるということです。カルチャーフィットとはその企業で働く人間が共通で持っている価値観とあなたの価値観とのマッチングです。
以上2点をあなた自身の価値観に基づいて伝えることが、就活を攻略するコツです。
特に 理系にありがちな失敗 として(私自身苦労しました)、自己PRが実績や研究成果などの 「事実」だけに終始してしまう 、というものがあります。事実性と客観性は重要ではありますが、それのみではあなたの価値観まで伝えきることはできません。
処方箋としてご提案するのは、事実+感情の「ストーリー」を作ることです。これを伝えることによって、受け手はあなたの体験を感情の動きとともに追体験することができます。それによって初めて、受け手はあなたの価値観を理解できるのです。
連載として続きます
理系院生が本気で取り組んで見えてきた就活の勝ち方を皆さんにお伝えできればと思い、コラムを書かせていただきました。いわゆる「就活メディア」のなかでは、やや一風変わったアプローチではないかと思います。
今回のコラムはまだ序章にすぎません。これから、自己分析やストーリーの作り方、私が編み出したテクニックなどを連載していきたいと思いますので、ぜひ次回以降も読んでくださると幸いです。
また、コラムをクリップしていただいたり、SNSで感想を書いていただけると泣いて喜びます。
要点をまとめたり、内容をベースに自己分析やESを作成したりする際には、外資就活アプリの新機能「メモ機能」が便利です。
では、今回はここまで。次回もよろしくお願い致します!
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[1] 就活という理不尽なゲームの中で問われている「たった1つ」の問い
[2] 自己分析という迷路で迷わないために
[3]トップオブトップだけが知っている「本当の」戦略
[4] あなたが凄いのはわかりました。ところであなたは誰ですか?
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