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双日の自動車事業部インターンシップで私が経験したのは、単なる「ビジネスプランコンテスト」ではなく、社会課題を発見し、双日の価値観を体現しながら事業を設計するプロセスそのものでした。特に初日から2日目にかけて実施した課題分析と市場調査は、「どのようにして新規事業のアイデアが生まれるのか」という経営の本質を学べる貴重な経験となりました。5大商社複数内定者として、この体験記では、双日という企業がいかにして社会課題を事業機会に変えるのか、その思考プロセスの詳細を記録します。
▶ 第1回:課題分析篇 ─ オンデマンドバス事業着想への思考プロセス(この記事)
第2回:事業設計篇 ─ ビジネスモデル精緻化と双日らしさの追求
第3回:展開戦略篇 ─ 九州から全国・海外への段階的成長モデル
第4回:学び・振り返り篇 ─ 双日の価値観を体現する5日間と就活への示唆
双日自動車事業の本質的理解から始まる1日目
双日自動車事業の戦略的ポジション分析
インターンシップ初日の午前中、田中課長からの事業説明を受けた時点で、私が最初に気づいたのは、双日の自動車事業が「他商社と根本的に異なる戦略的ポジション」を取っているということでした。
三菱商事が世界の主要市場(北米、欧州、中国)で大規模投資を行い、伊藤忠商事が中国市場に特化する一方で、双日は「他社が参入を躊躇する新興国・地方市場」に特化していたのです。これは、双日の経営戦略における「選択と集中」の具体的な表れであり、限られたリソースを戦略的に活用する典型例だと感じました。
具体的な数値として、双日の海外自動車事業投資額の約60%がアフリカ・中東・東南アジアの新興国に集中している一方、三菱商事は約70%が先進国市場、伊藤忠商事は約50%が中国という明確な差異が存在しました。
この分析を通じて、私が学んだのは「大手商社と同じ土俵では勝負しない」という双日の経営哲学です。限定されたリソースの中で、自社の強みを最大限に活かせる領域を選択し、そこで圧倒的な優位性を築く戦略が、双日の「選択と集中」だったのです。
双日の競争優位性の源泉
双日の競争優位性は、単なる「資金力」ではなく「関係構築力」と「地域適応力」にありました。
ケニアでの自動車組立事業では、現地政府との10年以上の関係構築により、輸入関税優遇措置を獲得し、現地生産車両の価格競争力を大幅に向上させていました。現地生産により車両価格を約30%削減し、ケニア市場でのシェアを過去5年間で5%から20%まで拡大させた実績がありました。
ミャンマーでの事業でも、現地の道路事情(未舗装路が多い)に合わせて、日本の軽トラックをベースとした耐久性の高い小型商用車を開発・現地生産しており、年間約8,000台を販売していました。
これらの事例から見えてきたのは、双日が追求している「現地化戦略」の徹底さです。単に日本製品を販売するのではなく、現地の条件に合わせてカスタマイズし、現地パートナーと深い関係を築きながら事業を展開する。この姿勢が、大手商社との競争で双日が生き残っている理由だと理解しました。
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